救出編
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「ヨーデル殿下、ボク達の為に助けを送ってくれたんだね」
バクティオン神殿の中に入りフレンとパティと合流するとカロルは先程のウィチルの言葉を思い出し少しだけ嬉しそうな声を出して言った
「あたし達っていうか、フレンとエステルの為、でしょ」
「来る方も来る方だが、寄越す方も寄越す方だ。ったく、自分の立場を自覚してねえのかね、あの殿下は」
「そういうお方なんだ、殿下は。今回の事だって、人一倍、心を痛めてらっしゃるはずだ」
「人一倍傷ついてるって言う意味なら、リアも、だと思うけど・・・」
「「・・・・」」
アスラはユーリとフレンにだけ聞こえる声で言うと、二人は少しだけ表情を曇らせた
その事に関しては自分達が一番良く解っている
もし、その事が今回の事と関係しているとしたら・・・と、少しだけ不安を感じていた
「エステルの事を、かしら? それともアレクセイの事?」
ジュディスの言葉にフレンは少しだけ間を置いて答えた
「・・・どっちもだ。急ごう」
「焦んなって」
「何を呑気な事を言っているんだ」
「何処に敵がいるかも分かんねえんだ、落ち着けよ」
「・・・そうだな。すまない、ユーリ達の方がよほど・・・」
「気にすんな、お互い様だ。パティ、大丈夫か」
「大丈夫、極めて大丈夫じゃ。ささ、エステルが待ってるのじゃ! 急ぐのじゃ!」
ユーリはラピードが歩いて行った方に目を向けパティにそう声を掛けるとパティはそのまま走って行った
「アレクセイ、アイフリードの事自分の手下みたいに言ってたよね」
「確かに騎士団がギルドを雇う事もない訳じゃないが・・・」
「手下かどうか分からねえだろ。なんにしてもその話は後だ。行こうぜ」
皆、パティの事、そしてアイフリードの事が気になりつつもそこで話しを終わらせパティの後を追った
81.stray child
「さっきもこんな部屋だったの」
「似たような部屋ばっかりだな。ひょっとしてずっとこんなんじゃないだろうな」
上の階から降りて進んだ先はずっと同じような作りになっている部屋ばかりだった
「ボク、ちょっと見て来る」
「ラピード」
「こう言う長々とした造りは通る者を謙虚にさせる為だと聞いた事がある。つまりこれは参道なんだろう」
「ちんたらしてる暇ないってのに・・・」
「落ち着けよ」
苛ついているリタに声を掛けていると先の様子を見に行っていたカロルとラピードが戻って来た
「やっぱりずっと同じようなのがこの先も続いてるよ。ラピードも匂いは分らないみたい」
「そっか。迷子にでもなったら厄介だな」
「その心配はないよ。ユーリ達が気絶してる間にボクの仲間がアレクセイの後を追ったから」
「さっきの子かい?」
「ううん、ミズハは回復専門だから別の神将に頼んでる。とりあえず行ける所までは行ったらしいから・・、っと、来たね」
「え?」
アスラがそう言っていると白い蝶がアスラの元にやって来て腕を伸ばすとそのまま止まり、そしてそれは紙へと変わった
「それ、ラゴウの屋敷で見たやつと同じ・・・?」
「そう。これはボクやリアやセイ達が連絡を取る時に使ううちの一つだよ」
カロルはラゴウの屋敷での事を思い出して言うとユーリ達もその事を思い出したようだった
「カロル、確か地図得意だったよね?」
「え、あ、うん」
アスラはそのままその紙をカロルに渡すとそこにはこの神殿の地図らしきものが書かれていた
「ボクの仲間がいる所までしか載ってないけど」
「いや、そこまで載ってりゃ十分だろ」
「ええ。迷うより心配がないものね」
「じゃあ行くのじゃ」
「間違ったらひどいからね」
「や、やだなあ、そんな、大丈夫だよ、多分・・・」
「間違ってたらボクがフォローするからι」
地図を持って先頭を歩こうとしていたカロルにリタがそう言うとカロルは少しだけ弱い声音で言うと苦笑したアスラがそう言い、先へと進んだ
*
「アレクセイに会ったらどうするか、考えてるのか」
神殿の中をだいぶ進んだ先でユーリはフレンにそう投げ掛けるとフレンは立ち止まって答えた
「・・・戦わなければならないだろうね」
「覚悟は出来てんだな」
「正直、今でも信じられない。いや、信じたくない、と言うの本音なんだ。彼はずっと僕の憧れだった。何かの間違いであってくれたら、どんなにいいかと思っていた」
「悪いがオレの答えはもうはっきりしてんぜ」
フレンはユーリが思っている事がアレクセイやエステルだけの事じゃなく、二人にとってもアスラやセイ達にとっても大事な存在であるリアの事も含め、と言う深い意味まで読み取った
「・・・分ってる。それに、エステリーゼ様への仕打ち、あれは間違いではすまされない。勿論リアの事も・・・」
「異議なしだ」
ユーリはそれを確認すると歩き出し、みんなも歩き出そうとしたが
「ね、ねえ、フレン・・・さん」
カロルがフレンを呼び止め、その後ろにいたパティとジュディス、ラピード、アスラも歩みを止めた
「フレンで良いよ。なんだい?」
「えと、フレンはその、ユーリのした事、知っているんだよね」
「・・・ラゴウとキュモールの事かな」
「う、うん」
「心配しなくても、ユーリを逮捕したりはしないよ、今はね」
「って事は、やっぱりエステルとリア連れ戻したら逮捕するのかの?」
「ユーリのした事は帝国の法に照らせば重罪だ。言わば私怨で帝国の要人を二人も殺したのだからね」
「重・・罪・・・」
“重罪”
その言葉にパティは何かを感じたのか少しだけ重たい声でぽつりと呟き、
「私怨って、ユーリは・・・!」
「分っている。ユーリは決して自分の為にやった訳じゃない」
カロルはフレンに反論しようとしたがフレンは静かに言葉を続ける
「でも法とはそう言うものなんだ。それは帝国の歪みとは関係ない」
「迷っているのかしら。どちらが正しいのか」
「分らない。これは迷いなんだろうか。それとも・・・」
「ちょっと何やってんの! 置いてくわよ!?」
「あ、ご、ごめん!」
「あら怖い。行きましょ」
いつまで経っても来ないカロル達にリタが声を掛けるとカロル達は慌ててユーリとリタの所に向かった
「・・・・」
フレンはまだ迷っているような顔をして握り拳を作っていた
「フレン、迷ってばかりじゃ剣も技も大切なものまで鈍らせちゃうよ」
ずっと黙ってラピードの隣でその様子を見ていたアスラがそう言うとフレンは少しだけ驚いた顔をしたが直ぐに小さく笑った
「アスラの言う通りだな」
「フレンには今回の事は凄くツライ事だと思うけど、今はエステルを助ける事を優先しよう?」
「!」
ほんの一瞬だったが、今のアスラの言葉がリア自身に言われているように感じ驚いて目を瞠るとアスラは苦笑した
「・・・リアなら、こう言うでしょ?」
「・・・ああ。そうだな。やっぱりアスラはリアの相棒だな」
リアが言いそうな事をアスラが言った事でそれを再認識したフレンだった
「それと、もう一つ悩んでる事がある顔してるよ」
「え?」
更に言われた言葉に驚いてフレンはアスラを見た
「迷いの方が強く顔に出てるからみんなには気付かれてないと思うけど」
アスラにそう言われフレンは今度こそ参ったと言う顔をして微笑んだ
「・・・本当にアスラにも敵わないな」
「ボクだってセイと同じでユーリやフレンやリアの面倒見てきたんだよ」
「そうだったね」
当時の事を思い出したのかフレンは懐かしそうに微笑むと、ようやく空気が和らいだ
「じゃあボク達もそろそろ行こう。これ以上遅いとホントにリタが怖いよ」
「ワン」
「そうだね」
アスラの言葉に同意するようにラピードも答えるとフレンは苦笑して、ようやくフレン達もユーリの後を追い駆けた
続く
あとがき
この後も書いたんですけど何か中途半端になっちゃったので此処で切りましたι
此処はずっとフレン迷って悩んでましたからねぇ~
だからタイトルが迷い子、ってなったんですけどww
でも多少なりかはアスラとユーリがなんとかしてくれたし!
そして最後に言っていた悩みは次回の頭でちょっとだけ話してみたり!?
よし、まだ今日は順調に書けてるから書くぞ!!ww
2010.11.09
バクティオン神殿の中に入りフレンとパティと合流するとカロルは先程のウィチルの言葉を思い出し少しだけ嬉しそうな声を出して言った
「あたし達っていうか、フレンとエステルの為、でしょ」
「来る方も来る方だが、寄越す方も寄越す方だ。ったく、自分の立場を自覚してねえのかね、あの殿下は」
「そういうお方なんだ、殿下は。今回の事だって、人一倍、心を痛めてらっしゃるはずだ」
「人一倍傷ついてるって言う意味なら、リアも、だと思うけど・・・」
「「・・・・」」
アスラはユーリとフレンにだけ聞こえる声で言うと、二人は少しだけ表情を曇らせた
その事に関しては自分達が一番良く解っている
もし、その事が今回の事と関係しているとしたら・・・と、少しだけ不安を感じていた
「エステルの事を、かしら? それともアレクセイの事?」
ジュディスの言葉にフレンは少しだけ間を置いて答えた
「・・・どっちもだ。急ごう」
「焦んなって」
「何を呑気な事を言っているんだ」
「何処に敵がいるかも分かんねえんだ、落ち着けよ」
「・・・そうだな。すまない、ユーリ達の方がよほど・・・」
「気にすんな、お互い様だ。パティ、大丈夫か」
「大丈夫、極めて大丈夫じゃ。ささ、エステルが待ってるのじゃ! 急ぐのじゃ!」
ユーリはラピードが歩いて行った方に目を向けパティにそう声を掛けるとパティはそのまま走って行った
「アレクセイ、アイフリードの事自分の手下みたいに言ってたよね」
「確かに騎士団がギルドを雇う事もない訳じゃないが・・・」
「手下かどうか分からねえだろ。なんにしてもその話は後だ。行こうぜ」
皆、パティの事、そしてアイフリードの事が気になりつつもそこで話しを終わらせパティの後を追った
81.
「さっきもこんな部屋だったの」
「似たような部屋ばっかりだな。ひょっとしてずっとこんなんじゃないだろうな」
上の階から降りて進んだ先はずっと同じような作りになっている部屋ばかりだった
「ボク、ちょっと見て来る」
「ラピード」
「こう言う長々とした造りは通る者を謙虚にさせる為だと聞いた事がある。つまりこれは参道なんだろう」
「ちんたらしてる暇ないってのに・・・」
「落ち着けよ」
苛ついているリタに声を掛けていると先の様子を見に行っていたカロルとラピードが戻って来た
「やっぱりずっと同じようなのがこの先も続いてるよ。ラピードも匂いは分らないみたい」
「そっか。迷子にでもなったら厄介だな」
「その心配はないよ。ユーリ達が気絶してる間にボクの仲間がアレクセイの後を追ったから」
「さっきの子かい?」
「ううん、ミズハは回復専門だから別の神将に頼んでる。とりあえず行ける所までは行ったらしいから・・、っと、来たね」
「え?」
アスラがそう言っていると白い蝶がアスラの元にやって来て腕を伸ばすとそのまま止まり、そしてそれは紙へと変わった
「それ、ラゴウの屋敷で見たやつと同じ・・・?」
「そう。これはボクやリアやセイ達が連絡を取る時に使ううちの一つだよ」
カロルはラゴウの屋敷での事を思い出して言うとユーリ達もその事を思い出したようだった
「カロル、確か地図得意だったよね?」
「え、あ、うん」
アスラはそのままその紙をカロルに渡すとそこにはこの神殿の地図らしきものが書かれていた
「ボクの仲間がいる所までしか載ってないけど」
「いや、そこまで載ってりゃ十分だろ」
「ええ。迷うより心配がないものね」
「じゃあ行くのじゃ」
「間違ったらひどいからね」
「や、やだなあ、そんな、大丈夫だよ、多分・・・」
「間違ってたらボクがフォローするからι」
地図を持って先頭を歩こうとしていたカロルにリタがそう言うとカロルは少しだけ弱い声音で言うと苦笑したアスラがそう言い、先へと進んだ
*
「アレクセイに会ったらどうするか、考えてるのか」
神殿の中をだいぶ進んだ先でユーリはフレンにそう投げ掛けるとフレンは立ち止まって答えた
「・・・戦わなければならないだろうね」
「覚悟は出来てんだな」
「正直、今でも信じられない。いや、信じたくない、と言うの本音なんだ。彼はずっと僕の憧れだった。何かの間違いであってくれたら、どんなにいいかと思っていた」
「悪いがオレの答えはもうはっきりしてんぜ」
フレンはユーリが思っている事がアレクセイやエステルだけの事じゃなく、二人にとってもアスラやセイ達にとっても大事な存在であるリアの事も含め、と言う深い意味まで読み取った
「・・・分ってる。それに、エステリーゼ様への仕打ち、あれは間違いではすまされない。勿論リアの事も・・・」
「異議なしだ」
ユーリはそれを確認すると歩き出し、みんなも歩き出そうとしたが
「ね、ねえ、フレン・・・さん」
カロルがフレンを呼び止め、その後ろにいたパティとジュディス、ラピード、アスラも歩みを止めた
「フレンで良いよ。なんだい?」
「えと、フレンはその、ユーリのした事、知っているんだよね」
「・・・ラゴウとキュモールの事かな」
「う、うん」
「心配しなくても、ユーリを逮捕したりはしないよ、今はね」
「って事は、やっぱりエステルとリア連れ戻したら逮捕するのかの?」
「ユーリのした事は帝国の法に照らせば重罪だ。言わば私怨で帝国の要人を二人も殺したのだからね」
「重・・罪・・・」
“重罪”
その言葉にパティは何かを感じたのか少しだけ重たい声でぽつりと呟き、
「私怨って、ユーリは・・・!」
「分っている。ユーリは決して自分の為にやった訳じゃない」
カロルはフレンに反論しようとしたがフレンは静かに言葉を続ける
「でも法とはそう言うものなんだ。それは帝国の歪みとは関係ない」
「迷っているのかしら。どちらが正しいのか」
「分らない。これは迷いなんだろうか。それとも・・・」
「ちょっと何やってんの! 置いてくわよ!?」
「あ、ご、ごめん!」
「あら怖い。行きましょ」
いつまで経っても来ないカロル達にリタが声を掛けるとカロル達は慌ててユーリとリタの所に向かった
「・・・・」
フレンはまだ迷っているような顔をして握り拳を作っていた
「フレン、迷ってばかりじゃ剣も技も大切なものまで鈍らせちゃうよ」
ずっと黙ってラピードの隣でその様子を見ていたアスラがそう言うとフレンは少しだけ驚いた顔をしたが直ぐに小さく笑った
「アスラの言う通りだな」
「フレンには今回の事は凄くツライ事だと思うけど、今はエステルを助ける事を優先しよう?」
「!」
ほんの一瞬だったが、今のアスラの言葉がリア自身に言われているように感じ驚いて目を瞠るとアスラは苦笑した
「・・・リアなら、こう言うでしょ?」
「・・・ああ。そうだな。やっぱりアスラはリアの相棒だな」
リアが言いそうな事をアスラが言った事でそれを再認識したフレンだった
「それと、もう一つ悩んでる事がある顔してるよ」
「え?」
更に言われた言葉に驚いてフレンはアスラを見た
「迷いの方が強く顔に出てるからみんなには気付かれてないと思うけど」
アスラにそう言われフレンは今度こそ参ったと言う顔をして微笑んだ
「・・・本当にアスラにも敵わないな」
「ボクだってセイと同じでユーリやフレンやリアの面倒見てきたんだよ」
「そうだったね」
当時の事を思い出したのかフレンは懐かしそうに微笑むと、ようやく空気が和らいだ
「じゃあボク達もそろそろ行こう。これ以上遅いとホントにリタが怖いよ」
「ワン」
「そうだね」
アスラの言葉に同意するようにラピードも答えるとフレンは苦笑して、ようやくフレン達もユーリの後を追い駆けた
続く
あとがき
この後も書いたんですけど何か中途半端になっちゃったので此処で切りましたι
此処はずっとフレン迷って悩んでましたからねぇ~
だからタイトルが迷い子、ってなったんですけどww
でも多少なりかはアスラとユーリがなんとかしてくれたし!
そして最後に言っていた悩みは次回の頭でちょっとだけ話してみたり!?
よし、まだ今日は順調に書けてるから書くぞ!!ww
2010.11.09