救出編
夢主名変更
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ユーリ達はアレクセイの後を追ってヒピオニア大陸にあるバクティオン神殿と言う所にバウルに頼んで向かって貰っていた
『―― どうか・・・、貴方達で姫様を救って』
「「?」」
ふと、何処か遠くで女性の儚い声が聞こえたような気がしてユーリとフレンは視線を漂わせた
「「・・・・」」
が、ほんの一瞬だったのかそれ以上その声は聞こえなかった
((気のせいか・・・?))
「見て! あそこ!」
二人がそう思っているとカロルが何かを見つけたような声を出し、皆そこを見る
「なんじゃ、あのばかでっかいの」
「ヘラクレス・・・!」
「アレクセイが呼び寄せたのか」
ヒピオニア大陸にあるバクティオン神殿と思われる遺跡の近くに来るとヘラクレスの姿が目に入った
そしてヘラクレスから無数の光が放たれ空を飛び回っている馬のような魔物を狙い撃ちしていた
「・・・あれはアスタル!!」
「アスタル?」
「始祖の隷長、アスタルの事よ」
アスラとジュディスが始祖の隷長のアスタルだと気が付きアスタルに目を戻すと、遺跡の奥にある山の峰辺りに空いている穴の中に逃げ込んだ
「アレクセイはまだ聖核を狙っているのね」
「逃がされたように見えたけど」
「ああ。あの遺跡に追い込まれたみたいだった」
「どうやらあの遺跡がバクティオンで間違いなさそうね」
「うん。確かあそこはバクティオン神殿の最深部だったと思うよ」
「アレクセイ、今度は何を企んでるんだろう」
「・・・・」
「アレクセイが何を企んでるのかなんて関係ないわ」
「ああ、オレ達はエステルを助けるだけだ」
「このまま接近するのは危険だから近くに降りて行った方が良いよ」
「そうね。バウル」
アスラの判断に皆頷きジュディスはバウルに神殿から少し離れた所に降ろしてと伝え、急いでバクティオン神殿へと向かった
80.even then
「アレクセイ!」
神殿に着くとアレクセイと親衛隊の姿が見え、そして光結界の中に閉じ込められたエステルの姿があった
「イエガーめ。雑魚の始末も出来ぬ程腑抜けたか」
「アレクセイ、貴方は一体、エステリーゼ様に何を・・・!」
「エステルを返せ!」
「エステル、目を覚まして! エステル!」
「よかろう」
言うとアレクセイはユーリ達の方にエステルを向かせ、手に持っていた聖核でエステルに衝撃みたいなものを与えた
「うあ! あ・・・あああ!!」
エステルは苦しそうに体の向きを変えようとしていると、突然エステルから光が放たれ、それはユーリ達にもろに当たりその場に倒れた
「「「うっ!」」」「うわぁ!」「きゃ!」「「くっ!」」「ギャウ!」
「ユーリ! みんな! う・・・あ・・・」
「この通り、何の補助もなしに力を使えば姫の生命力が削られる。諸君も姫の事を思うならこれ以上邪魔をしない事だ。くくく・・・」
「アレクセイ・・・!」
「く・・・そ・・・」
ユーリ達はそのまま意識を失ってしまった
「ユーリ! フレン!・・・しょうがない・・・」
アスラは急いで元の姿に戻り、前方からやって来る親衛隊達を見て声を発した
「センキ!」
アスラがそう言うと隣に赤い髪のツインテールの女の子が姿を現した
「アレクセイの後を追って!」
「任せておいて」
言うや異な、センキは姿を消してアレクセイの後を追った
「ミズハ!」
「はい!」
そしてまた別の名を呼ぶと今度は黄緑のロングヘアーの小柄な少女が現れた
「結界を張るからユーリ達の手当を」
「解りました」
言うとアスラは左手をユーリ達とミズハがいる方に向けると、結界が出来た
結界が出来たのを確認するとお互いに頷き、ミズハはユーリ達の傷の手当てを始めた
「さてと・・・じゃあユーリ達が気が付くまでボクが相手してあげるよ」
アスラはそれを確認し小さく息を吐き親衛隊にそう告げた
「相手は一人だ! 行けぇ!!」
数人掛かりで襲い掛かって来たがアスラは軽々とそれを交わし、素手で相手を気絶させていく
「一人だからって油断しない方が良いよ」
アスラの言葉を聞き、親衛隊は更に数を増やして襲い掛かって来るが結果は同じだった
「くそっ、こいつは一体・・・」
リーダーらしき男がそう呟く声が聞こえた
先程からアスラは武器も術も一切使わず素手のみで戦っている
それも5人や10人位束になって襲い掛かって来ているのに涼しい顔で軽々と交わし、傷一つ付いていない
30人程いた親衛隊ももう残りは指で数えられる程しか残っていない
すると後ろからまた鎧の音が聞こえだした
(・・・新手?)
アスラはそう思って振り返ると、それはフレンの副官のソディアとウィチル、そしてフレン隊だった
「そこまでだ! 全員大人しくしろ!!」
ソディアはそう言うと剣を構え、ウィチルも杖を構えた
「あれ? もしかして助っ人?」
「っ! 何者だ!」
見慣れない人物にソディアは警戒を強め、剣をアスラに向ける
「あーそっか。この姿見た事ないんだった、っね!」
アスラは後ろから襲って来た騎士にそのまま裏鉄を与えて、気絶させた
「助っ人で来て貰って悪いけどっ、もう少しで、終わるからっ、待っててくれない?」
ずっと後ろを向いているアスラ目掛けて親衛隊は襲い掛かるが、結果は先程と同じだった
「助っ人だと? !、隊長!」
「あ、そっちは」
「てえいやぁぁぁ!!」
アスラがソディアとウィチルと話していると後ろからリーダーらしき男が襲い掛かって来た
「っ!! あぶな「ちょっと、邪魔だよ」
アスラは小さく息を吐きそのまま体制を低くして男の鳩尾目掛けて拳を振り上げた
「ぐおっっ!!」
男はそれをもろにくらいそのまま倒れてしまった
「さてと・・・」
言ってアスラはミズハを見ると丁度手当が終わったのかふうと息を吐いていて、アスラの視線に気が付きニコリとして頷いた
そして張っていた壁を壊し、ソディアに目でフレンの方へと、合図を出す
それを見るとソディアは直ぐに隊に指示を出しフレンの元へ向かった
「隊長、しっかりして下さい!」
「ソディア・・・? どうして此処に?」
「あれからヘラクレスの動きを掴んだんですよ。それでヨーデル殿下が僕等を派遣したんです。きっと助けがいるだろうからって」
「ったく、あの天然殿下・・・お節介にも程があるぜ」
その間にアスラはユーリに声を掛け起こしてやっていた
「そういう貴様のザマはなんだ。散々大口叩いていたくせに」
「育ちのいいお歴々と違ってこっちはデキが悪いんだよ。一人を除いてはな」
そう言ってユーリはちらりとアスラとミズハを見るとアスラはカロル達に声を掛け起こしていた
ウィチルはその一人が誰の事か分かりフレンに疑問を振る
「あの人達、隊長のお知り合いなんですか?」
「ああ。一人はウィチルも何度か会っているはずだけどね」
フレンは少しだけ苦笑したような顔をしていうとウィチルは疑問符を出していた
「あれ・・・? あんた達・・・」
「助けてくれたらしい。ヨーデルに言われたんだと」
「アレクセイは神殿の中じゃ。早く追うのじゃ!」
フレンはパティの言葉に頷く
「隊長、やはり今からでも我々と一緒にヨーデル殿下の元に戻りましょう」
「ソディア?」
「申し上げにくい事ですが、危険が大きすぎます。今の帝国で最も護らなくてはならない方、それは・・・」
「分かっている。騎士としてそうすべきだって事は。良く・・・分かっている」
「なら!」
「これは僕の、僕自身のけじめなんだ。エステリーゼ様の事も、アレクセイの事も。そして、・・何処かに捕らえられているリアの事も・・・」
「「・・・・」」
リアと言う言葉にユーリとアスラが少しだけ反応する
「頼む、行かせてくれ」
「でも・・・」
「頼む」
ソディアが何も言わなくなったのを見るとフレンは静かに歩き出し、パティは一度ユーリを見た後フレンの後を追うように続いていく
「騎士ってのはホント、不自由だよな」
「・・・何故、お前なんだ」
「?」
ユーリがぽつりと呟くと急にソディアが先程までと違う声音を発し、ユーリ達はソディアを見た
「何故お前みたいな奴がフレン隊長の友人なんだ! 隊長は私達騎士団の憧れだ。あれこそ帝国騎士の鑑だ。なのに!」
ソディアはそこで少し悲しそうな顔をして言葉を続ける
「お前と一緒だと隊長は隊長でなくなってしまう。今回の事だって・・・」
「それってさ、リアとセイも含まれてたりするの?」
急に振られソディアはユーリからアスラへと視線を向ける
「・・・確かにあの二人といる時の隊長も隊長ではない。けど、お前といる時の方がもっと隊長が隊長ではないんだ!!」
アスラと話すとソディアは直ぐにユーリへと視線を戻す
「くだらねえ。そんな話しならそのリンゴ頭とでもすりゃ良いだろ。オレたちゃあんたの愚痴に付き合ってる暇は無いんだよ」
「り、リンゴ頭ぁ!」
「貴様!!」
「はいはい、そこまで!」
険悪なムードが漂い始めようとしているとアスラが手をパンパンと叩いてユーリとソディアの間に割って入った
「今はお互いにやらなくちゃいけない事があるでしょ。言い争いはやめてくれない?」
「アスラの言う通りです。今貴方方が言い合ってても事が収まる訳じゃないですから」
アスラとミズハの言葉を聞き皆少し驚いた顔をしたが、ソディアは剣から手を引いて静かに口を開く
「・・・これだけは言っておく。ユーリ・ローウェル、お前は・・・お前の存在は隊長の為にならない!」
ソディアはキッとユーリを睨み付けてそう言うとそのまま出口へと向かって行った
「激しい人ね」
ジュディスが立ち去って行くソディアを見ていると咳払いが聞こえ、前を見るとウィチルはユーリ達を見て口を開いた
「え、ええと、それじゃ、僕等は引き上げます。・・・フレン隊長の事、頼みますからね」
「小隊、撤収するぞ! 急いで本隊に戻る」
その言葉を聞きウィチルは走ってソディアの元に行った
「・・・やっと静かになった感じだね」
「ホント。で、何でアスラは元の姿に戻ってんの? てか、この子誰?」
「あ、申し遅れました。私はアスラと同じく神将のミズハと言います」
ミズハは一礼して言うとまたみんな驚いた顔をした
「随分と礼儀正しい子ね」
「みんなが気を失ってる間に傷の手当てをして貰ってたんだよ」
「そうだったんだ。ありがとう」
「いえ。それより、」
「ああ、早いとこ、フレンを追っ駆けようぜ」
「皆さん、気を付けて下さいね」
「ああ」
「アスラも気を付けてね」
「分かってるよ」
アスラの返事を聞くとミズハは一礼して姿を消した
「さてと、じゃあアレクセイを追おう。急がないとな」
「ええ。あの調子で力を使わされたら、あの子もエアルの乱れも手遅れになってしまうわ」
「あいつ・・・エステルを道具みたいに・・・! 許せない!」
「行こう!」
体力も回復し決意を目に灯したユーリ達は神殿の中へと足を踏み入れた
続く
あとがき
やっと続き書けた・・・ι
とりあえず前回のラストの所をちょっと入れたりPS3版でプラスされた所を入れてみたり、ミズハもちょっとだけ台詞付け足してみました
良し、次書くから後書きはさくっと終わらせますww
では~ww
even then(それでも / その時でさえ)
2010.11.09
『―― どうか・・・、貴方達で姫様を救って』
「「?」」
ふと、何処か遠くで女性の儚い声が聞こえたような気がしてユーリとフレンは視線を漂わせた
「「・・・・」」
が、ほんの一瞬だったのかそれ以上その声は聞こえなかった
((気のせいか・・・?))
「見て! あそこ!」
二人がそう思っているとカロルが何かを見つけたような声を出し、皆そこを見る
「なんじゃ、あのばかでっかいの」
「ヘラクレス・・・!」
「アレクセイが呼び寄せたのか」
ヒピオニア大陸にあるバクティオン神殿と思われる遺跡の近くに来るとヘラクレスの姿が目に入った
そしてヘラクレスから無数の光が放たれ空を飛び回っている馬のような魔物を狙い撃ちしていた
「・・・あれはアスタル!!」
「アスタル?」
「始祖の隷長、アスタルの事よ」
アスラとジュディスが始祖の隷長のアスタルだと気が付きアスタルに目を戻すと、遺跡の奥にある山の峰辺りに空いている穴の中に逃げ込んだ
「アレクセイはまだ聖核を狙っているのね」
「逃がされたように見えたけど」
「ああ。あの遺跡に追い込まれたみたいだった」
「どうやらあの遺跡がバクティオンで間違いなさそうね」
「うん。確かあそこはバクティオン神殿の最深部だったと思うよ」
「アレクセイ、今度は何を企んでるんだろう」
「・・・・」
「アレクセイが何を企んでるのかなんて関係ないわ」
「ああ、オレ達はエステルを助けるだけだ」
「このまま接近するのは危険だから近くに降りて行った方が良いよ」
「そうね。バウル」
アスラの判断に皆頷きジュディスはバウルに神殿から少し離れた所に降ろしてと伝え、急いでバクティオン神殿へと向かった
80.even then
「アレクセイ!」
神殿に着くとアレクセイと親衛隊の姿が見え、そして光結界の中に閉じ込められたエステルの姿があった
「イエガーめ。雑魚の始末も出来ぬ程腑抜けたか」
「アレクセイ、貴方は一体、エステリーゼ様に何を・・・!」
「エステルを返せ!」
「エステル、目を覚まして! エステル!」
「よかろう」
言うとアレクセイはユーリ達の方にエステルを向かせ、手に持っていた聖核でエステルに衝撃みたいなものを与えた
「うあ! あ・・・あああ!!」
エステルは苦しそうに体の向きを変えようとしていると、突然エステルから光が放たれ、それはユーリ達にもろに当たりその場に倒れた
「「「うっ!」」」「うわぁ!」「きゃ!」「「くっ!」」「ギャウ!」
「ユーリ! みんな! う・・・あ・・・」
「この通り、何の補助もなしに力を使えば姫の生命力が削られる。諸君も姫の事を思うならこれ以上邪魔をしない事だ。くくく・・・」
「アレクセイ・・・!」
「く・・・そ・・・」
ユーリ達はそのまま意識を失ってしまった
「ユーリ! フレン!・・・しょうがない・・・」
アスラは急いで元の姿に戻り、前方からやって来る親衛隊達を見て声を発した
「センキ!」
アスラがそう言うと隣に赤い髪のツインテールの女の子が姿を現した
「アレクセイの後を追って!」
「任せておいて」
言うや異な、センキは姿を消してアレクセイの後を追った
「ミズハ!」
「はい!」
そしてまた別の名を呼ぶと今度は黄緑のロングヘアーの小柄な少女が現れた
「結界を張るからユーリ達の手当を」
「解りました」
言うとアスラは左手をユーリ達とミズハがいる方に向けると、結界が出来た
結界が出来たのを確認するとお互いに頷き、ミズハはユーリ達の傷の手当てを始めた
「さてと・・・じゃあユーリ達が気が付くまでボクが相手してあげるよ」
アスラはそれを確認し小さく息を吐き親衛隊にそう告げた
「相手は一人だ! 行けぇ!!」
数人掛かりで襲い掛かって来たがアスラは軽々とそれを交わし、素手で相手を気絶させていく
「一人だからって油断しない方が良いよ」
アスラの言葉を聞き、親衛隊は更に数を増やして襲い掛かって来るが結果は同じだった
「くそっ、こいつは一体・・・」
リーダーらしき男がそう呟く声が聞こえた
先程からアスラは武器も術も一切使わず素手のみで戦っている
それも5人や10人位束になって襲い掛かって来ているのに涼しい顔で軽々と交わし、傷一つ付いていない
30人程いた親衛隊ももう残りは指で数えられる程しか残っていない
すると後ろからまた鎧の音が聞こえだした
(・・・新手?)
アスラはそう思って振り返ると、それはフレンの副官のソディアとウィチル、そしてフレン隊だった
「そこまでだ! 全員大人しくしろ!!」
ソディアはそう言うと剣を構え、ウィチルも杖を構えた
「あれ? もしかして助っ人?」
「っ! 何者だ!」
見慣れない人物にソディアは警戒を強め、剣をアスラに向ける
「あーそっか。この姿見た事ないんだった、っね!」
アスラは後ろから襲って来た騎士にそのまま裏鉄を与えて、気絶させた
「助っ人で来て貰って悪いけどっ、もう少しで、終わるからっ、待っててくれない?」
ずっと後ろを向いているアスラ目掛けて親衛隊は襲い掛かるが、結果は先程と同じだった
「助っ人だと? !、隊長!」
「あ、そっちは」
「てえいやぁぁぁ!!」
アスラがソディアとウィチルと話していると後ろからリーダーらしき男が襲い掛かって来た
「っ!! あぶな「ちょっと、邪魔だよ」
アスラは小さく息を吐きそのまま体制を低くして男の鳩尾目掛けて拳を振り上げた
「ぐおっっ!!」
男はそれをもろにくらいそのまま倒れてしまった
「さてと・・・」
言ってアスラはミズハを見ると丁度手当が終わったのかふうと息を吐いていて、アスラの視線に気が付きニコリとして頷いた
そして張っていた壁を壊し、ソディアに目でフレンの方へと、合図を出す
それを見るとソディアは直ぐに隊に指示を出しフレンの元へ向かった
「隊長、しっかりして下さい!」
「ソディア・・・? どうして此処に?」
「あれからヘラクレスの動きを掴んだんですよ。それでヨーデル殿下が僕等を派遣したんです。きっと助けがいるだろうからって」
「ったく、あの天然殿下・・・お節介にも程があるぜ」
その間にアスラはユーリに声を掛け起こしてやっていた
「そういう貴様のザマはなんだ。散々大口叩いていたくせに」
「育ちのいいお歴々と違ってこっちはデキが悪いんだよ。一人を除いてはな」
そう言ってユーリはちらりとアスラとミズハを見るとアスラはカロル達に声を掛け起こしていた
ウィチルはその一人が誰の事か分かりフレンに疑問を振る
「あの人達、隊長のお知り合いなんですか?」
「ああ。一人はウィチルも何度か会っているはずだけどね」
フレンは少しだけ苦笑したような顔をしていうとウィチルは疑問符を出していた
「あれ・・・? あんた達・・・」
「助けてくれたらしい。ヨーデルに言われたんだと」
「アレクセイは神殿の中じゃ。早く追うのじゃ!」
フレンはパティの言葉に頷く
「隊長、やはり今からでも我々と一緒にヨーデル殿下の元に戻りましょう」
「ソディア?」
「申し上げにくい事ですが、危険が大きすぎます。今の帝国で最も護らなくてはならない方、それは・・・」
「分かっている。騎士としてそうすべきだって事は。良く・・・分かっている」
「なら!」
「これは僕の、僕自身のけじめなんだ。エステリーゼ様の事も、アレクセイの事も。そして、・・何処かに捕らえられているリアの事も・・・」
「「・・・・」」
リアと言う言葉にユーリとアスラが少しだけ反応する
「頼む、行かせてくれ」
「でも・・・」
「頼む」
ソディアが何も言わなくなったのを見るとフレンは静かに歩き出し、パティは一度ユーリを見た後フレンの後を追うように続いていく
「騎士ってのはホント、不自由だよな」
「・・・何故、お前なんだ」
「?」
ユーリがぽつりと呟くと急にソディアが先程までと違う声音を発し、ユーリ達はソディアを見た
「何故お前みたいな奴がフレン隊長の友人なんだ! 隊長は私達騎士団の憧れだ。あれこそ帝国騎士の鑑だ。なのに!」
ソディアはそこで少し悲しそうな顔をして言葉を続ける
「お前と一緒だと隊長は隊長でなくなってしまう。今回の事だって・・・」
「それってさ、リアとセイも含まれてたりするの?」
急に振られソディアはユーリからアスラへと視線を向ける
「・・・確かにあの二人といる時の隊長も隊長ではない。けど、お前といる時の方がもっと隊長が隊長ではないんだ!!」
アスラと話すとソディアは直ぐにユーリへと視線を戻す
「くだらねえ。そんな話しならそのリンゴ頭とでもすりゃ良いだろ。オレたちゃあんたの愚痴に付き合ってる暇は無いんだよ」
「り、リンゴ頭ぁ!」
「貴様!!」
「はいはい、そこまで!」
険悪なムードが漂い始めようとしているとアスラが手をパンパンと叩いてユーリとソディアの間に割って入った
「今はお互いにやらなくちゃいけない事があるでしょ。言い争いはやめてくれない?」
「アスラの言う通りです。今貴方方が言い合ってても事が収まる訳じゃないですから」
アスラとミズハの言葉を聞き皆少し驚いた顔をしたが、ソディアは剣から手を引いて静かに口を開く
「・・・これだけは言っておく。ユーリ・ローウェル、お前は・・・お前の存在は隊長の為にならない!」
ソディアはキッとユーリを睨み付けてそう言うとそのまま出口へと向かって行った
「激しい人ね」
ジュディスが立ち去って行くソディアを見ていると咳払いが聞こえ、前を見るとウィチルはユーリ達を見て口を開いた
「え、ええと、それじゃ、僕等は引き上げます。・・・フレン隊長の事、頼みますからね」
「小隊、撤収するぞ! 急いで本隊に戻る」
その言葉を聞きウィチルは走ってソディアの元に行った
「・・・やっと静かになった感じだね」
「ホント。で、何でアスラは元の姿に戻ってんの? てか、この子誰?」
「あ、申し遅れました。私はアスラと同じく神将のミズハと言います」
ミズハは一礼して言うとまたみんな驚いた顔をした
「随分と礼儀正しい子ね」
「みんなが気を失ってる間に傷の手当てをして貰ってたんだよ」
「そうだったんだ。ありがとう」
「いえ。それより、」
「ああ、早いとこ、フレンを追っ駆けようぜ」
「皆さん、気を付けて下さいね」
「ああ」
「アスラも気を付けてね」
「分かってるよ」
アスラの返事を聞くとミズハは一礼して姿を消した
「さてと、じゃあアレクセイを追おう。急がないとな」
「ええ。あの調子で力を使わされたら、あの子もエアルの乱れも手遅れになってしまうわ」
「あいつ・・・エステルを道具みたいに・・・! 許せない!」
「行こう!」
体力も回復し決意を目に灯したユーリ達は神殿の中へと足を踏み入れた
続く
あとがき
やっと続き書けた・・・ι
とりあえず前回のラストの所をちょっと入れたりPS3版でプラスされた所を入れてみたり、ミズハもちょっとだけ台詞付け足してみました
良し、次書くから後書きはさくっと終わらせますww
では~ww
even then(それでも / その時でさえ)
2010.11.09