水道魔導器奪還編
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ハルルを出て私達はクオイの森へと向かった
クオイの森に来た理由は、ハルルの樹の毒を消す為に必要なパナシーアボトルを作る素材を集めに来たからだった
06.素材を求めて
「それで、いる物ってなんなの?」
「エッグベアの爪とニアの実だよ」
「エッグベア・・・ね。だからカロルはエッグベアを探してたのね」
「うん。あの時は見つからなかったけどね。そういえば、」
先頭を歩いていたカロルが振り向いて立ち止まって私達が持っている武醒魔導器を見て言った
「ユーリもリアもエステルも・・ラピードもなんだけど、何で魔導器持ってるの? 普通、武醒魔導器なんて貴重品持ってないはずなんだけどな」
「カロルも持ってんじゃん」
「ボクはギルドに所属してるし、手に入れる機会はあるんだよ。魔導器発掘が専門のギルド、遺講の門のお陰で出物も増えたしね」
「へえ、遺跡から魔導器掘り出してるギルドまであんのか」
「うん、そうでもしなきゃ帝国が牛耳る魔導器を個人で入手するなんて無理だよ」
「古代文明の遺産、魔導器は、有用性と共に危険性を持つ為、帝国が使用を管理している、です」
「魔導器があれば危険な魔術を誰でも使えるようになるから、無理もないけどね」
「やりすぎて独占になってるけどな」
「そ、それは・・・」
私とユーリの言葉にエステルは少しだけ言い淀んで俯いてしまう
「で、実際のとこどうなの? なんで、持ってんの?」
カロルは歩き出したユーリの隣に並んで尋ねるとユーリは少しだけ表情を変えた
「・・・オレ、昔騎士団にいたから、辞めた選別に貰ったの。ラピードのは、前のご主人様の形見だ」
「餞別って、それ盗品なんじゃ・・・ι」
「「・・・・」」
ユーリの言葉に当時の事を思い出し私もアスラも表情を曇らせてしまう
その様子に気が付いたのかラピードが心配そうな顔をして私を見ていた
「・・・大丈夫よ、ラピード」
安心させるように微笑んでラピードを撫でてあげるとラピードは気持ち良さそうに目を細めた
「じゃあリアは?」
「私? 私は仕事上、ね」
「仕事上?」
「ええ。世界中旅してるから御守りみたいに持ってるのよ」
「ふーん。リアの仕事って・・・」
「ニアの実、発見っと」
カロルが言うと同時にアスラが少し先に落ちているニアの実を見つけ、ユーリがそれを拾った
「後は、エッグベアの爪、だね」
「森の中を歩いて、エッグベアを探すんです?」
「それじゃ見つからないよ」
「なら、どうすんだ?」
「ニアの実一つ頂戴。エッグベアを誘い出すのに使うから。エッグベアはね、かなり変わった嗅覚の持ち主なんだ」
ユーリはそのままニアの実をカロルに投げ、カロルはそれを受け取ると何か作業を始めた
「! みんな、鼻と口塞いで!」
「え? っ!」
それを見ていたアスラが何かに気が付き、私が鼻と口を塞ぐより早くアスラが前足と尻尾で塞いだ
そして数秒遅れてかなり強烈な臭いが漂って着た
「くさっ!! お前、くさっ!」
「ちょ、ボクが臭いみたいに!」
カロルは立ち上がって私達の方に歩いて来るが、反射的にみんな後ろに下がってしまう
「先に言っておいて下さい」
ラピードは地面に倒れて鼻を擦りつけていた
「ラピード、大丈夫?」
「クゥ~ン・・・」
「みんな警戒してね! いつ飛び出して来てもいいように。それにエッグベアは凶暴な事でも有名だから」
「その凶暴な魔物の相手はカロル先生がやってくれるわけ?」
「やだなぁ、当然でしょ。でも、ユーリも手伝ってよね」
そう言うカロルの声は何処か裏返っていた
「わたし達もお手伝いします。ね、リア」
「ええ。ラピード、もう平気?」
「ワン・・・」
ラピードは大丈夫だと言って立ち上がった
「じゃ、まあ、これでちょっと森の中歩き回ってみっか」
「そうだね・・・」
ユーリの言葉にアスラが頷くとカロルは歩き出したが、その度に後ろにいる私達の方にも臭いが漂ってくる
「距離、置いた方が良いね、これ・・・」
「だな・・・」
そしてカロルの後ろを距離を置いて歩き出した
暫く森の中を歩いていると、茂みの向こうから魔物の声が聞こえ、先頭を歩いていたカロルがユーリの後ろに隠れた
「き、気を付けて、ほ、本当に凶暴だから・・・!」
「そう言ってる張本人が真っ先に隠れるなんて、良いご身分だな」
「エ、エースの見せ場は最後なの!」
前方を見ていると茂みから植物化の魔物が出て来た
「・・・これは、違いますよね?」
「どう見ても違う・・・!」
するとまた茂みの向こうから違う魔物の気配がした
それはさっきの魔物と比べると迫力が違った
「うわああっ!」
「エッグベア!」
「こ、これがエッグベア・・・?」
エッグベアの迫力に圧されたのか、エステルは私の服の袖をギュっと掴んだ
「成る程、カロル先生の鼻曲がり大作戦は成功って訳か」
「へ、変な名前、勝手につけないでよ!」
「そう言うセリフは、しゃきっと立って言うもんだ」
ユーリは鞘から剣を抜き構えるとラピードも戦闘態勢を取った
「エステル、いける?」
「は、はい」
「カロルも平気?」
「も、勿論だよ」
「んじゃ、いくぜ」
それぞれ確認を取ると皆武器を構えてエッグベアに向かって行った
数分後、無事にエッグベアを倒し終え、動かなくなったのを確認するとユーリはカロルを見て言う
「カロル、爪取ってくれ。オレ、分かんないし」
「え!? だ、誰でも出来るよ。すぐ剥がれるから」
ユーリは小さく溜息を吐いてエッグベアに近付いていく
「わたしにも手伝わせてくだ・・・うっ」
エステルはエッグベアの様子と血の臭いに顔を歪めて口と鼻に手を当てた
「エステルは周囲の警戒な。リア、付いててやってくれ」
「解ったわ。行こう、エステル」
「は、はい」
私はエステルを支えてやりながらユーリ達の所から少しだけ離れた
「エステル、大丈夫?」
「ちょっと、気持ち悪い・・です」
「もろに見ちゃったし、血の臭いも残っちゃったしね」
「少しし・・・「うわああああっ!」
「ぎゃあああ~~~~~っ!」
「「「!」」」
エステルに声を掛けようとしていると急に後ろからユーリとカロルの驚いたような大きな声が聞こえ、私とエステルとアスラは驚いて振り返った
振り返るとビクビクと震えたカロルと意地悪な笑みを浮かべたユーリの姿があった
「驚いたフリが上手いなあ、カロル先生は」
「あ、うっ・・・はっはは・・・そ、そう? あ、ははは・・・」
「・・・ユーリι」
「・・・また、いつもの、ねぇι」
「び、吃驚しました・・・」
私とアスラはまたユーリの悪戯が出た事に呆れ、エステルはゆっくりと息を吐いていた
どうやら今のでエステルも気分が変わったようだった
「さてと、爪も手に入ったし、ハルルに戻るか」
みんな平気そうなのを確認するとユーリは歩き出し、私達もその後を追った
続く
あとがき
今回はちゃんとこの話入れましたよ
いやぁ、ゲームやっててボイスあり聞いてたら書きたくなっちゃってw
最後のユーリとカロルの所が好きすぎるww
ホント、良いキャラだよ、コイツ等www
そしてユーリとラピードの魔導器の話し
やっぱ映画見た後だから、こういう風になっちゃいますよね
映画の方はそのうちアップするのでそっちを読んで下さいι
さて、次回はハルルに戻って樹を復活させます!
それでは!
2009.10.09
クオイの森に来た理由は、ハルルの樹の毒を消す為に必要なパナシーアボトルを作る素材を集めに来たからだった
06.素材を求めて
「それで、いる物ってなんなの?」
「エッグベアの爪とニアの実だよ」
「エッグベア・・・ね。だからカロルはエッグベアを探してたのね」
「うん。あの時は見つからなかったけどね。そういえば、」
先頭を歩いていたカロルが振り向いて立ち止まって私達が持っている武醒魔導器を見て言った
「ユーリもリアもエステルも・・ラピードもなんだけど、何で魔導器持ってるの? 普通、武醒魔導器なんて貴重品持ってないはずなんだけどな」
「カロルも持ってんじゃん」
「ボクはギルドに所属してるし、手に入れる機会はあるんだよ。魔導器発掘が専門のギルド、遺講の門のお陰で出物も増えたしね」
「へえ、遺跡から魔導器掘り出してるギルドまであんのか」
「うん、そうでもしなきゃ帝国が牛耳る魔導器を個人で入手するなんて無理だよ」
「古代文明の遺産、魔導器は、有用性と共に危険性を持つ為、帝国が使用を管理している、です」
「魔導器があれば危険な魔術を誰でも使えるようになるから、無理もないけどね」
「やりすぎて独占になってるけどな」
「そ、それは・・・」
私とユーリの言葉にエステルは少しだけ言い淀んで俯いてしまう
「で、実際のとこどうなの? なんで、持ってんの?」
カロルは歩き出したユーリの隣に並んで尋ねるとユーリは少しだけ表情を変えた
「・・・オレ、昔騎士団にいたから、辞めた選別に貰ったの。ラピードのは、前のご主人様の形見だ」
「餞別って、それ盗品なんじゃ・・・ι」
「「・・・・」」
ユーリの言葉に当時の事を思い出し私もアスラも表情を曇らせてしまう
その様子に気が付いたのかラピードが心配そうな顔をして私を見ていた
「・・・大丈夫よ、ラピード」
安心させるように微笑んでラピードを撫でてあげるとラピードは気持ち良さそうに目を細めた
「じゃあリアは?」
「私? 私は仕事上、ね」
「仕事上?」
「ええ。世界中旅してるから御守りみたいに持ってるのよ」
「ふーん。リアの仕事って・・・」
「ニアの実、発見っと」
カロルが言うと同時にアスラが少し先に落ちているニアの実を見つけ、ユーリがそれを拾った
「後は、エッグベアの爪、だね」
「森の中を歩いて、エッグベアを探すんです?」
「それじゃ見つからないよ」
「なら、どうすんだ?」
「ニアの実一つ頂戴。エッグベアを誘い出すのに使うから。エッグベアはね、かなり変わった嗅覚の持ち主なんだ」
ユーリはそのままニアの実をカロルに投げ、カロルはそれを受け取ると何か作業を始めた
「! みんな、鼻と口塞いで!」
「え? っ!」
それを見ていたアスラが何かに気が付き、私が鼻と口を塞ぐより早くアスラが前足と尻尾で塞いだ
そして数秒遅れてかなり強烈な臭いが漂って着た
「くさっ!! お前、くさっ!」
「ちょ、ボクが臭いみたいに!」
カロルは立ち上がって私達の方に歩いて来るが、反射的にみんな後ろに下がってしまう
「先に言っておいて下さい」
ラピードは地面に倒れて鼻を擦りつけていた
「ラピード、大丈夫?」
「クゥ~ン・・・」
「みんな警戒してね! いつ飛び出して来てもいいように。それにエッグベアは凶暴な事でも有名だから」
「その凶暴な魔物の相手はカロル先生がやってくれるわけ?」
「やだなぁ、当然でしょ。でも、ユーリも手伝ってよね」
そう言うカロルの声は何処か裏返っていた
「わたし達もお手伝いします。ね、リア」
「ええ。ラピード、もう平気?」
「ワン・・・」
ラピードは大丈夫だと言って立ち上がった
「じゃ、まあ、これでちょっと森の中歩き回ってみっか」
「そうだね・・・」
ユーリの言葉にアスラが頷くとカロルは歩き出したが、その度に後ろにいる私達の方にも臭いが漂ってくる
「距離、置いた方が良いね、これ・・・」
「だな・・・」
そしてカロルの後ろを距離を置いて歩き出した
暫く森の中を歩いていると、茂みの向こうから魔物の声が聞こえ、先頭を歩いていたカロルがユーリの後ろに隠れた
「き、気を付けて、ほ、本当に凶暴だから・・・!」
「そう言ってる張本人が真っ先に隠れるなんて、良いご身分だな」
「エ、エースの見せ場は最後なの!」
前方を見ていると茂みから植物化の魔物が出て来た
「・・・これは、違いますよね?」
「どう見ても違う・・・!」
するとまた茂みの向こうから違う魔物の気配がした
それはさっきの魔物と比べると迫力が違った
「うわああっ!」
「エッグベア!」
「こ、これがエッグベア・・・?」
エッグベアの迫力に圧されたのか、エステルは私の服の袖をギュっと掴んだ
「成る程、カロル先生の鼻曲がり大作戦は成功って訳か」
「へ、変な名前、勝手につけないでよ!」
「そう言うセリフは、しゃきっと立って言うもんだ」
ユーリは鞘から剣を抜き構えるとラピードも戦闘態勢を取った
「エステル、いける?」
「は、はい」
「カロルも平気?」
「も、勿論だよ」
「んじゃ、いくぜ」
それぞれ確認を取ると皆武器を構えてエッグベアに向かって行った
数分後、無事にエッグベアを倒し終え、動かなくなったのを確認するとユーリはカロルを見て言う
「カロル、爪取ってくれ。オレ、分かんないし」
「え!? だ、誰でも出来るよ。すぐ剥がれるから」
ユーリは小さく溜息を吐いてエッグベアに近付いていく
「わたしにも手伝わせてくだ・・・うっ」
エステルはエッグベアの様子と血の臭いに顔を歪めて口と鼻に手を当てた
「エステルは周囲の警戒な。リア、付いててやってくれ」
「解ったわ。行こう、エステル」
「は、はい」
私はエステルを支えてやりながらユーリ達の所から少しだけ離れた
「エステル、大丈夫?」
「ちょっと、気持ち悪い・・です」
「もろに見ちゃったし、血の臭いも残っちゃったしね」
「少しし・・・「うわああああっ!」
「ぎゃあああ~~~~~っ!」
「「「!」」」
エステルに声を掛けようとしていると急に後ろからユーリとカロルの驚いたような大きな声が聞こえ、私とエステルとアスラは驚いて振り返った
振り返るとビクビクと震えたカロルと意地悪な笑みを浮かべたユーリの姿があった
「驚いたフリが上手いなあ、カロル先生は」
「あ、うっ・・・はっはは・・・そ、そう? あ、ははは・・・」
「・・・ユーリι」
「・・・また、いつもの、ねぇι」
「び、吃驚しました・・・」
私とアスラはまたユーリの悪戯が出た事に呆れ、エステルはゆっくりと息を吐いていた
どうやら今のでエステルも気分が変わったようだった
「さてと、爪も手に入ったし、ハルルに戻るか」
みんな平気そうなのを確認するとユーリは歩き出し、私達もその後を追った
続く
あとがき
今回はちゃんとこの話入れましたよ
いやぁ、ゲームやっててボイスあり聞いてたら書きたくなっちゃってw
最後のユーリとカロルの所が好きすぎるww
ホント、良いキャラだよ、コイツ等www
そしてユーリとラピードの魔導器の話し
やっぱ映画見た後だから、こういう風になっちゃいますよね
映画の方はそのうちアップするのでそっちを読んで下さいι
さて、次回はハルルに戻って樹を復活させます!
それでは!
2009.10.09