満月の子編
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私とユーリとフレンと兄さん
私達は年が近い、家が近いものあってか、子供の頃からずっと一緒だった
兄さんは少し年上だから私を含めユーリとフレンの面倒を良く見てくれていた
ユーリとフレンにとっても兄さんはお兄ちゃんポジションだった
いつも四人一緒で下町では仲が良いと有名だった
仕事で下町を離れている時以外は毎日と言っていいほど私達は一緒にいた
時々ケンカをしたりもしたが、それも直ぐに仲直りしていた
年齢が上がっていくに連れ、ケンカや対立したりっていうのは増えてきたが、それでも私達はお互いの事を大事に思っていた
二人が騎士団に入ってからは私と兄さんも仕事の方が忙しくなり、下町に戻る機会も少なくなり会える機会も減ったけど、手紙のやり取りをしてお互いの状況を解っていた
ユーリとフレンが対立していたのは騎士団にいた時もだった
けど、まだあの頃はユーリもフレンもお互いを理解出来ていない時期だったから
その後に私達にとってとても忘れられない出来事が遭った後は今まで以上にお互いを理解し、絆も今まで以上に強くなった
それでもケンカや対立をしてしまうのは皆、それぞれの考えで生きているのだから対立してしまうのは仕方のない事だ
それが私達の生き方だから・・・
66.When be coming sad
「これが今俺達の周りで起こってる出来事だ」
「・・・・」
セイやアスラ達神将から知らされた事実にリアは驚きを隠せずにいた
「・・・大体は解った。けど・・・」
リアの瞳が揺らいでる
それはこの場にいる全員が解っているが話さなくてはならいないし、リアも最後まで聞かなくてはいけない事だ
「此処からはリアが一番気になってる事だろうな」
「?」
「倒れた原因だ」
「リアが倒れた原因は二つある」
「二つ・・・?」
「一つは満月の子の力に触れすぎた事」
「それって、エステルの事よね?」
「普通の人間ならあんまり影響はないんだけど、リアやセイみたいに力が強いと言霊使いの力が不安定になるの」
「ヘリオードん時に立ち眩みがしただろ。それはその所為だ」
「でも、何で・・・。エステルに治癒術を掛けて貰っても何も起こらなかったのに・・・」
「始祖の隷長みたいになる訳じゃないけど、多少影響を受けちゃう」
「特にリアもエステルも稀な力の持ち主だ。それが干渉し合うと力の安定が利かなくなってしまう」
「・・・・」
アスラ達の話しを聞き、リアはデュークに言われた事を思い出す
(だからデュークは満月の子と一緒にいない方が良いって言ったのね)
「それでリアやセイの体調が悪くなったの」
「で、あの時に大技のホーリーソング使っちまったから更に負担が掛かったって事だ」
「・・・・」
デュークに言われた事、そしてベリウスを止める時に大技であるホーリーソングを使い、今の状態になっていると言う事を聞きリアは少しだけ表情を変えた
「ベリウスはリア様に感謝していたのですよね」
「うん」
「だったら、それは素直に喜んで良い事だぜ」
「流石にあそこで大技使ったのには驚いたけどね」
ハクスイの言葉にリアは頷くとゲツレイもアスラ達もリアを安心させるように微笑み、次の言葉に今度は苦笑する
「けど、これ以上リアにもセイにも無理をして欲しくない!」
「だからこれ以上一緒にいるのは、あたし達としてもすっごく心配なの!」
「無理を言っているのは承知ですが・・・」
「・・・・」
神将達から心配だと言う視線がリアに突き刺さる
それはリア自身も話しを聞いて解った事だ
(だからあの時、自然とユーリにごめんって言ったのかもしれない・・・)
リアはその時の事を思い出し、あの言葉はユーリに聞こえたか聞こえてなかったかは解らないが、少しだけ気になってしまった
「・・・もう一つの原因は?」
「「「・・・・」」」
リアは少しだけ気持ちを切り替えてもう一つの原因について尋ねると、今度は神将達が黙ってしまう
「・・・・」
セイが静かにアスラとフキに合図を出すと、神将達は姿を消した
どうやら此処からはセイと二人だけで話すようだ
「もう一つの原因は精神的なものだ」
「・・・精神的?」
「原因はユーリとフレン、と言った方が早いか?」
「っ!」
その言葉に胸がズキンと痛んだ
「ユーリがラゴウとキュモールを手に懸けてマンタイクでフレンと対立してから、だな。精神的にきてたのは」
「っ! 兄さん知って・・・」
「俺達が知らないとでも思ったか? ラゴウの時から知ってたぞ。リアもユーリもガキん時から面倒見てんだ。言わなくても大体解るって」
“達”と言うのは勿論アスラもフキも含まれているのだろう
確かにアスラ達式神は姿を消して遠視をしてリア達にその場を見せてくれる
実際ラゴウの時にリアはそうしてユーリの行動を見ていた
あの時、セイもユーリの行動に薄々気が付いていたのだろう
「リアとユーリがフレンと別れた後は知らねえけどな」
気を遣ってなのか、それとも本当に知らないのかセイはそう告げた
「その後は追い打ちを掛けるように色々と遭ったからな。ベリウスやジュディス、んで、ユーリとフレンの対立・・・」
「・・・・・」
そこまで聞いてもう何も言えなくなって黙ってしまった
「・・・今朝・・」
が、ある事を思い出しぽつりと呟くとセイは静かにその続きを待った
「・・・今朝ね、初めてユーリとフレンと会った時の夢を見たの」
リア達言霊使いが夢で見る事は何か意味がある
それはユーリとフレンが対立した事と何も言わずにユーリ達と離れてしまった事に対してだったのだろう
「心配してるのは私だけじゃない、ユーリもフレンも対立してるけど、お互いに悩んでる。だから、夢に見ちゃったのかも」
「そうだな・・・」
リアとセイにとって、ユーリとフレンの存在は他の誰よりも大きいものだ
だから余計に心配し、ツライ思いを抱いている
「あいつ等が対立してるの見てツラかったんだろ」
「うん・・・。また、あの時みたいになっちゃう気がしたから・・・」
数年前にもユーリとフレンは対立していた
けど、その頃の二人は、まだお互いを理解出来ていなかったからだ
が、今回はそれとは別だ
「ユーリがラゴウを手に懸けた時、最初はやっぱりショックだった。気付くのが遅かった自分にも悔しさを感じた。 ・・けど、ユーリ自身の正義を見て私は見届けるって言った。だから、キュモールの時も止めなかった」
ユーリの正義を見届ける為に ――
ユーリの意見もフレンの意見、どちらも捉え方、考え方次第で意見が分かれてしまう
リアも言霊使いと言う仕事をしている分、ユーリの考えが分かり、ユーリの正義を見届けると言った
だが、ずっと一緒にいたリアにとっては二人の対立は誰よりもツラい事に入る
「お前はユーリとフレン、どっちも大事に思ってるし、あいつ等もお前の事大事に思ってる。だから余計ツラかったんだろ」
「・・・うん」
頷くとポンと頭の上にセイの手が乗った
「リアもユーリもフレンも、何でもかんでも背負い込み過ぎなんだよ。背負い込み過ぎるのもキツイんだから本音吐ける時に吐かねえとだぞ」
セイは軽く頭を撫でて一旦手を止めてリアを見た
「お前はまだ甘えられる場所があるんだからな」
「・・・兄さん」
「此処には俺もイサキもアスラもフキも式神達もいるんだ。いつでも頼って良いんだぞ」
「・・・うん」
その言葉にリアは目頭が熱くなり涙が溢れ出しそうになった
「だから甘えろって言ってんだろ」
そう言ってセイはリアを自分の方に引き寄せた
「胸、貸してやるから。泣きたいだけ泣け」
「・・・うん。ありがと、“お兄ちゃん”」
「どう致しまして」
セイはリアの言葉を聞くと小さく笑い、リアはセイの胸に顔を埋め、あの時と同じように泣き出した
続く
あとがき
ホッ、何とか書き上がった
今回はオリキャラ達だけ登場でした
詳しくは次回に!とか言いつつあんま話してないじゃん・・・ι
それは追々ね・・・ι(誤魔化した)
さて、これで一応神将全員出て来た(名前は呼んでないけどι)訳ですが・・・、まあ箱版を読んで下さった方ならお分かりだと思いますが、みんな口調が似てる子達ばかりなので、補足を・・・
一応オリキャラ紹介の順で間にセイ兄ちゃんやアスラやフキが喋ってますι
次は何処まで進むかなぁ~?
パティが増えたからあのシーンだけは書こうかなぁ・・・?
良し、じゃさっさか次書こう!
When be coming sad:寂しさが来る時・悲しくなる時
2010.04.06
私達は年が近い、家が近いものあってか、子供の頃からずっと一緒だった
兄さんは少し年上だから私を含めユーリとフレンの面倒を良く見てくれていた
ユーリとフレンにとっても兄さんはお兄ちゃんポジションだった
いつも四人一緒で下町では仲が良いと有名だった
仕事で下町を離れている時以外は毎日と言っていいほど私達は一緒にいた
時々ケンカをしたりもしたが、それも直ぐに仲直りしていた
年齢が上がっていくに連れ、ケンカや対立したりっていうのは増えてきたが、それでも私達はお互いの事を大事に思っていた
二人が騎士団に入ってからは私と兄さんも仕事の方が忙しくなり、下町に戻る機会も少なくなり会える機会も減ったけど、手紙のやり取りをしてお互いの状況を解っていた
ユーリとフレンが対立していたのは騎士団にいた時もだった
けど、まだあの頃はユーリもフレンもお互いを理解出来ていない時期だったから
その後に私達にとってとても忘れられない出来事が遭った後は今まで以上にお互いを理解し、絆も今まで以上に強くなった
それでもケンカや対立をしてしまうのは皆、それぞれの考えで生きているのだから対立してしまうのは仕方のない事だ
それが私達の生き方だから・・・
66.When be coming sad
「これが今俺達の周りで起こってる出来事だ」
「・・・・」
セイやアスラ達神将から知らされた事実にリアは驚きを隠せずにいた
「・・・大体は解った。けど・・・」
リアの瞳が揺らいでる
それはこの場にいる全員が解っているが話さなくてはならいないし、リアも最後まで聞かなくてはいけない事だ
「此処からはリアが一番気になってる事だろうな」
「?」
「倒れた原因だ」
「リアが倒れた原因は二つある」
「二つ・・・?」
「一つは満月の子の力に触れすぎた事」
「それって、エステルの事よね?」
「普通の人間ならあんまり影響はないんだけど、リアやセイみたいに力が強いと言霊使いの力が不安定になるの」
「ヘリオードん時に立ち眩みがしただろ。それはその所為だ」
「でも、何で・・・。エステルに治癒術を掛けて貰っても何も起こらなかったのに・・・」
「始祖の隷長みたいになる訳じゃないけど、多少影響を受けちゃう」
「特にリアもエステルも稀な力の持ち主だ。それが干渉し合うと力の安定が利かなくなってしまう」
「・・・・」
アスラ達の話しを聞き、リアはデュークに言われた事を思い出す
(だからデュークは満月の子と一緒にいない方が良いって言ったのね)
「それでリアやセイの体調が悪くなったの」
「で、あの時に大技のホーリーソング使っちまったから更に負担が掛かったって事だ」
「・・・・」
デュークに言われた事、そしてベリウスを止める時に大技であるホーリーソングを使い、今の状態になっていると言う事を聞きリアは少しだけ表情を変えた
「ベリウスはリア様に感謝していたのですよね」
「うん」
「だったら、それは素直に喜んで良い事だぜ」
「流石にあそこで大技使ったのには驚いたけどね」
ハクスイの言葉にリアは頷くとゲツレイもアスラ達もリアを安心させるように微笑み、次の言葉に今度は苦笑する
「けど、これ以上リアにもセイにも無理をして欲しくない!」
「だからこれ以上一緒にいるのは、あたし達としてもすっごく心配なの!」
「無理を言っているのは承知ですが・・・」
「・・・・」
神将達から心配だと言う視線がリアに突き刺さる
それはリア自身も話しを聞いて解った事だ
(だからあの時、自然とユーリにごめんって言ったのかもしれない・・・)
リアはその時の事を思い出し、あの言葉はユーリに聞こえたか聞こえてなかったかは解らないが、少しだけ気になってしまった
「・・・もう一つの原因は?」
「「「・・・・」」」
リアは少しだけ気持ちを切り替えてもう一つの原因について尋ねると、今度は神将達が黙ってしまう
「・・・・」
セイが静かにアスラとフキに合図を出すと、神将達は姿を消した
どうやら此処からはセイと二人だけで話すようだ
「もう一つの原因は精神的なものだ」
「・・・精神的?」
「原因はユーリとフレン、と言った方が早いか?」
「っ!」
その言葉に胸がズキンと痛んだ
「ユーリがラゴウとキュモールを手に懸けてマンタイクでフレンと対立してから、だな。精神的にきてたのは」
「っ! 兄さん知って・・・」
「俺達が知らないとでも思ったか? ラゴウの時から知ってたぞ。リアもユーリもガキん時から面倒見てんだ。言わなくても大体解るって」
“達”と言うのは勿論アスラもフキも含まれているのだろう
確かにアスラ達式神は姿を消して遠視をしてリア達にその場を見せてくれる
実際ラゴウの時にリアはそうしてユーリの行動を見ていた
あの時、セイもユーリの行動に薄々気が付いていたのだろう
「リアとユーリがフレンと別れた後は知らねえけどな」
気を遣ってなのか、それとも本当に知らないのかセイはそう告げた
「その後は追い打ちを掛けるように色々と遭ったからな。ベリウスやジュディス、んで、ユーリとフレンの対立・・・」
「・・・・・」
そこまで聞いてもう何も言えなくなって黙ってしまった
「・・・今朝・・」
が、ある事を思い出しぽつりと呟くとセイは静かにその続きを待った
「・・・今朝ね、初めてユーリとフレンと会った時の夢を見たの」
リア達言霊使いが夢で見る事は何か意味がある
それはユーリとフレンが対立した事と何も言わずにユーリ達と離れてしまった事に対してだったのだろう
「心配してるのは私だけじゃない、ユーリもフレンも対立してるけど、お互いに悩んでる。だから、夢に見ちゃったのかも」
「そうだな・・・」
リアとセイにとって、ユーリとフレンの存在は他の誰よりも大きいものだ
だから余計に心配し、ツライ思いを抱いている
「あいつ等が対立してるの見てツラかったんだろ」
「うん・・・。また、あの時みたいになっちゃう気がしたから・・・」
数年前にもユーリとフレンは対立していた
けど、その頃の二人は、まだお互いを理解出来ていなかったからだ
が、今回はそれとは別だ
「ユーリがラゴウを手に懸けた時、最初はやっぱりショックだった。気付くのが遅かった自分にも悔しさを感じた。 ・・けど、ユーリ自身の正義を見て私は見届けるって言った。だから、キュモールの時も止めなかった」
ユーリの正義を見届ける為に ――
ユーリの意見もフレンの意見、どちらも捉え方、考え方次第で意見が分かれてしまう
リアも言霊使いと言う仕事をしている分、ユーリの考えが分かり、ユーリの正義を見届けると言った
だが、ずっと一緒にいたリアにとっては二人の対立は誰よりもツラい事に入る
「お前はユーリとフレン、どっちも大事に思ってるし、あいつ等もお前の事大事に思ってる。だから余計ツラかったんだろ」
「・・・うん」
頷くとポンと頭の上にセイの手が乗った
「リアもユーリもフレンも、何でもかんでも背負い込み過ぎなんだよ。背負い込み過ぎるのもキツイんだから本音吐ける時に吐かねえとだぞ」
セイは軽く頭を撫でて一旦手を止めてリアを見た
「お前はまだ甘えられる場所があるんだからな」
「・・・兄さん」
「此処には俺もイサキもアスラもフキも式神達もいるんだ。いつでも頼って良いんだぞ」
「・・・うん」
その言葉にリアは目頭が熱くなり涙が溢れ出しそうになった
「だから甘えろって言ってんだろ」
そう言ってセイはリアを自分の方に引き寄せた
「胸、貸してやるから。泣きたいだけ泣け」
「・・・うん。ありがと、“お兄ちゃん”」
「どう致しまして」
セイはリアの言葉を聞くと小さく笑い、リアはセイの胸に顔を埋め、あの時と同じように泣き出した
続く
あとがき
ホッ、何とか書き上がった
今回はオリキャラ達だけ登場でした
詳しくは次回に!とか言いつつあんま話してないじゃん・・・ι
それは追々ね・・・ι(誤魔化した)
さて、これで一応神将全員出て来た(名前は呼んでないけどι)訳ですが・・・、まあ箱版を読んで下さった方ならお分かりだと思いますが、みんな口調が似てる子達ばかりなので、補足を・・・
一応オリキャラ紹介の順で間にセイ兄ちゃんやアスラやフキが喋ってますι
次は何処まで進むかなぁ~?
パティが増えたからあのシーンだけは書こうかなぁ・・・?
良し、じゃさっさか次書こう!
When be coming sad:寂しさが来る時・悲しくなる時
2010.04.06