水道魔導器奪還編
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クオイの森で出会った少年、カロル
彼はギルド魔狩りの剣に所属していて、魔狩りの剣のエースらしい
何か用事があってクオイの森に来ていたみたいだけど、私達がフレンがいるであろうと思われる花の街ハルルに向かうと言うとカロルもハルルに戻ると言い出した
そして今、カロルを含めたメンバーでハルルに向かっていた
だが、街に入ると、そこは前に立ち寄った時とは違った光景が広がっていた
05.ハルルの樹
「此処が花の街ハルルなんですよね?」
「うん、そうだよ」
「この街、結界ないのか?」
ユーリは辺りを見回し結界魔導器がない事に気が付きエステルもきょろきょろと回りを見た
けど、私はこの街に何度も立ち寄った事があり疑問に思い結界魔導器である樹を見た
「・・・もしかして、もう時期?」
「でもまだちょっと早いんじゃ・・・」
私とアスラはハルルの樹を見て疑問を浮かべていた
「リアとアスラは知ってるみたいだね。二人は初めて?」
「はい」
「そっか。だったら、ハルルの樹の結界魔導器も知らないんだ」
「樹の結界?」
何の事だと首を傾げていると、不意にエステルが口を開いた
「魔導器の中には植物と融合し、有機的特性を身に付ける事で進化をするものがある、です。その代表が花の街ハルルの結界魔導器だと本で読みました」
「・・・博識だな。で、その自慢の結界はどうしちまったんだ?」
周りを見ると幾人かの人が怪我をしたまま苦しそうに地べたに座り込んでいる
集団でこれだけの重軽傷者が出ると言う事は原因は一つ
魔物が街に入り込んで来たからだ
「役に立ってねえみたいだけど」
「毎年、満開の季節が近付くと一時的に結界が弱くなるんだよ」
「丁度今の季節がそうなんだけど・・・今年はちょっと早いかな」
「そうなんだ。そこを魔物に襲われて・・・」
「結界魔導器がやられたのか?」
「うん。魔物はやっつけたけど、樹が徐々に枯れ初めてるんだ」
カロルが説明していると、不意に誰かが横切った
その人影をカロルは瞬時に目で追い、どうしたのかとエステルが尋ねるとカロルは慌ててその人影を追って走り去って行った
「あ、カロル!」
「・・・行っちゃった。誰か知り合いでも居たのかな?」
「さあな。とりあえず此処にいるはずのフレンを・・・って」
「またいないし」
ユーリがエステルに声を掛けようとし振り返ったが、肝心のエステルがいなかった
何処に行ったのかと目で探すと、怪我をしたのであろうハルルの街の人々の元へ駆けて行き、怪我人の手当を始めた
「大人しくしとけってまだ分かってないらしいな。それにフレンはいいのかよ」
「目の前の事が放って置けないタイプなんでしょ」
「ユーリと一緒で」
「オレかよ」
エステルの様子を少し離れた所で見ているとエステルは次々に治癒術を掛けていった
「・・・?」
私はその様子を見ているとふと何かに気が付き、眉を寄せた
「どうかしたか?」
私の様子に気が付いたのかユーリが私に声を掛け、私は少しだけ間を作って口を開いた
「・・・ねえ、ユーリ。エステルって治癒術師?」
「どうだろうな。けど使えてるって事は習得したんだろうな」
「そっか・・・」
私は黙ってまた考え出した
(私も治癒術は使えるけど・・・エステルの場合、ちょっとだけ違う気がする・・・)
そんな疑問を抱いていると、ハルルの樹の方から不思議な力を感じた
それはアスラも感じたのか、アスラもハルルの樹の方を見ていた
「・・・ごめん、ユーリ。私先に行ってるね」
「おい、リア!」
言うと私はアスラと一緒にハルルの樹の方へ走って行った
私はアスラと一緒にハルルの樹に続く坂道を登り出した
前に来た時は満開に咲いており、街中にはハルルの花が舞っていて樹も何処から見てもとても綺麗だった
だが今は一つも花は付いていない
開花の前にしても蕾すらないのが気になった
近くで見るとカロルが言っていた通り、ハルルの樹は徐々に枯れ始めていた
「これじゃ結界魔導器の役目も出来ないか・・・」
「うん・・・」
私はそのままハルルの樹の元へ歩いて行き、樹に触れた
すると辺りは不思議な空気に包まれ、一人の女性が姿を現した
「私達を呼んだのは貴方?」
私の声を聞くと女性はゆっくりと目を開いて、私とアスラを見た
「・・・式神・・? と言う事は貴方は言霊使いですか?」
「はい。私はリア・ルーティア。こっちは相棒のアスラ」
「私はハルルの樹の守人です」
「ボク等を呼んだって事は何かあるんでしょ?」
「はい。この樹が枯れかけている事はご存じでしょうか?」
「ええ。でも、魔物が襲って来た位じゃ樹は枯れないはず」
「って事は何か原因があるはず、でしょ?」
今まで結界魔導器が弱くなり魔物が襲って来たという話しは何度か聞いた事があったが今回みたいにハルルの樹が枯れるという事はなかった
「はい。そこから少し離れた樹の根元を見て下さい」
守人は私とアスラに言うと私達は樹の根元を見た
「これは!?」
樹の根元とその近くの地面を見ると不自然に土の色が変わっていた
「それは街を襲った魔物の血です。土が血を吸ってしまっていてそれが毒になって・・・」
「・・・それで樹が枯れ始めてるのね」
「はい・・・。私の力も徐々に無くなって来ていて」
「それで声を掛けたけど、聞こえる人はいない。で、たまたまこの街に来たリアとボクが気が付いた」
「式神様の仰る通りです。今の時代、我々の声が聞こえる者は減ってしまいました」
アスラや守人の言う通り、人々は身近にある“モノ達”の声を聞く事が出来なくなっている
昔、アスラ達にも同じ事を言われた事があった
それは時代の流れだから仕方がない、と言っていたけど・・・
けど私みたいに“違う力”を持ち続けている一族だと、話は別だ
「この事に気が付いた人っているの?」
私はちらりと地面を見て言うと守人は小さく頷いた
「はい。一人だけ」
「それって誰なの?」
「この街に来ていたギルドの少年です。大きな鞄を持った」
「それって、カロルの事じゃない?」
「うん・・・。その後、その子はどうしたの?」
「原因を見つけるとそのまま何処かへ走って行ってしまいました」
守人の話しを聞き、カロルは木が枯れた原因が分りその毒を取り除くものを見つけに行ったのだと察しが付いた
「毒を取り除くもの・・・。パナシーアボトルか」
「それで取り除けるなら、やりましょう」
「うん」
私とアスラはお互いに笑うと守人へ顔を向ける
「ハルルの樹の毒は私達がなんとかするわ」
「本当ですか!」
「うん。だからもうちょっとだけ待っててくれない」
「はい、有り難う御座います」
守人の返事を聞くと私達はまた笑って答え、そして辺りにあった不思議な空気はゆっくりと消えていった
目を開けるとハルルの花が舞っていて、樹を見上げると後ろから声が聞こえた
「リア」
振り返るとユーリ達が樹の方に歩いて来ていた
「ユーリ。どうしたの、みんな揃って」
「リアを迎えに来たんです」
「迎えにって、フレン、この街にいなかったの?」
「ああ、入れ違いになったみたいだ」
「結界を直す魔導士を探すと言って旅立たれたみたいです」
「そうなんだ・・・」
「じゃ、リアも揃った事だし早速行こうよ」
「行くって何処に?」
「パナシーアボトルの素材の調達にクオイの森に、です」
どうやら私とアスラが守人と話している間に、ユーリとエステルはカロルから樹が枯れた原因を聞いたようでパナシーアボトルを買いに行ったが品切れで素材さえあれば作れると言われ、クオイの森に素材があるとカロルが言ったのでクオイの森に行く、と言う事のようだ
「こっちも事情知ってるんなら早く済みそうだね」
「そうね。じゃあ行きましょうか」
「うん」「はい」
私の返事にカロルとエステルは嬉しそうな顔をして歩き出した
続く
あとがき
実は箱版の時に今回の方も考えていたんですけど、面倒なのでカットしちゃいましたι
なので、今回こっちに持って来たけど・・・
守人との会話が意味深げになってしまった
でもあの声を聞くって辺りは俺が昔聞いた話しなんですよ(実話です)
まあ設定として使えそうだったので引っ張ってきました
あ、因みに、守人はサブイベントで精霊が出て来たじゃないですか
一応あれのつもりです(笑)
そしてエステルの治癒術に何処か疑問を抱いたリアちゃん
リアちゃんとエステルの治癒術の違いとは・・・?
さて次はまたまたクオイの森に行きます
今回あんまユーリ達と絡ませられなかったから頑張って書こう
では!
2009.10.09
彼はギルド魔狩りの剣に所属していて、魔狩りの剣のエースらしい
何か用事があってクオイの森に来ていたみたいだけど、私達がフレンがいるであろうと思われる花の街ハルルに向かうと言うとカロルもハルルに戻ると言い出した
そして今、カロルを含めたメンバーでハルルに向かっていた
だが、街に入ると、そこは前に立ち寄った時とは違った光景が広がっていた
05.ハルルの樹
「此処が花の街ハルルなんですよね?」
「うん、そうだよ」
「この街、結界ないのか?」
ユーリは辺りを見回し結界魔導器がない事に気が付きエステルもきょろきょろと回りを見た
けど、私はこの街に何度も立ち寄った事があり疑問に思い結界魔導器である樹を見た
「・・・もしかして、もう時期?」
「でもまだちょっと早いんじゃ・・・」
私とアスラはハルルの樹を見て疑問を浮かべていた
「リアとアスラは知ってるみたいだね。二人は初めて?」
「はい」
「そっか。だったら、ハルルの樹の結界魔導器も知らないんだ」
「樹の結界?」
何の事だと首を傾げていると、不意にエステルが口を開いた
「魔導器の中には植物と融合し、有機的特性を身に付ける事で進化をするものがある、です。その代表が花の街ハルルの結界魔導器だと本で読みました」
「・・・博識だな。で、その自慢の結界はどうしちまったんだ?」
周りを見ると幾人かの人が怪我をしたまま苦しそうに地べたに座り込んでいる
集団でこれだけの重軽傷者が出ると言う事は原因は一つ
魔物が街に入り込んで来たからだ
「役に立ってねえみたいだけど」
「毎年、満開の季節が近付くと一時的に結界が弱くなるんだよ」
「丁度今の季節がそうなんだけど・・・今年はちょっと早いかな」
「そうなんだ。そこを魔物に襲われて・・・」
「結界魔導器がやられたのか?」
「うん。魔物はやっつけたけど、樹が徐々に枯れ初めてるんだ」
カロルが説明していると、不意に誰かが横切った
その人影をカロルは瞬時に目で追い、どうしたのかとエステルが尋ねるとカロルは慌ててその人影を追って走り去って行った
「あ、カロル!」
「・・・行っちゃった。誰か知り合いでも居たのかな?」
「さあな。とりあえず此処にいるはずのフレンを・・・って」
「またいないし」
ユーリがエステルに声を掛けようとし振り返ったが、肝心のエステルがいなかった
何処に行ったのかと目で探すと、怪我をしたのであろうハルルの街の人々の元へ駆けて行き、怪我人の手当を始めた
「大人しくしとけってまだ分かってないらしいな。それにフレンはいいのかよ」
「目の前の事が放って置けないタイプなんでしょ」
「ユーリと一緒で」
「オレかよ」
エステルの様子を少し離れた所で見ているとエステルは次々に治癒術を掛けていった
「・・・?」
私はその様子を見ているとふと何かに気が付き、眉を寄せた
「どうかしたか?」
私の様子に気が付いたのかユーリが私に声を掛け、私は少しだけ間を作って口を開いた
「・・・ねえ、ユーリ。エステルって治癒術師?」
「どうだろうな。けど使えてるって事は習得したんだろうな」
「そっか・・・」
私は黙ってまた考え出した
(私も治癒術は使えるけど・・・エステルの場合、ちょっとだけ違う気がする・・・)
そんな疑問を抱いていると、ハルルの樹の方から不思議な力を感じた
それはアスラも感じたのか、アスラもハルルの樹の方を見ていた
「・・・ごめん、ユーリ。私先に行ってるね」
「おい、リア!」
言うと私はアスラと一緒にハルルの樹の方へ走って行った
私はアスラと一緒にハルルの樹に続く坂道を登り出した
前に来た時は満開に咲いており、街中にはハルルの花が舞っていて樹も何処から見てもとても綺麗だった
だが今は一つも花は付いていない
開花の前にしても蕾すらないのが気になった
近くで見るとカロルが言っていた通り、ハルルの樹は徐々に枯れ始めていた
「これじゃ結界魔導器の役目も出来ないか・・・」
「うん・・・」
私はそのままハルルの樹の元へ歩いて行き、樹に触れた
すると辺りは不思議な空気に包まれ、一人の女性が姿を現した
「私達を呼んだのは貴方?」
私の声を聞くと女性はゆっくりと目を開いて、私とアスラを見た
「・・・式神・・? と言う事は貴方は言霊使いですか?」
「はい。私はリア・ルーティア。こっちは相棒のアスラ」
「私はハルルの樹の守人です」
「ボク等を呼んだって事は何かあるんでしょ?」
「はい。この樹が枯れかけている事はご存じでしょうか?」
「ええ。でも、魔物が襲って来た位じゃ樹は枯れないはず」
「って事は何か原因があるはず、でしょ?」
今まで結界魔導器が弱くなり魔物が襲って来たという話しは何度か聞いた事があったが今回みたいにハルルの樹が枯れるという事はなかった
「はい。そこから少し離れた樹の根元を見て下さい」
守人は私とアスラに言うと私達は樹の根元を見た
「これは!?」
樹の根元とその近くの地面を見ると不自然に土の色が変わっていた
「それは街を襲った魔物の血です。土が血を吸ってしまっていてそれが毒になって・・・」
「・・・それで樹が枯れ始めてるのね」
「はい・・・。私の力も徐々に無くなって来ていて」
「それで声を掛けたけど、聞こえる人はいない。で、たまたまこの街に来たリアとボクが気が付いた」
「式神様の仰る通りです。今の時代、我々の声が聞こえる者は減ってしまいました」
アスラや守人の言う通り、人々は身近にある“モノ達”の声を聞く事が出来なくなっている
昔、アスラ達にも同じ事を言われた事があった
それは時代の流れだから仕方がない、と言っていたけど・・・
けど私みたいに“違う力”を持ち続けている一族だと、話は別だ
「この事に気が付いた人っているの?」
私はちらりと地面を見て言うと守人は小さく頷いた
「はい。一人だけ」
「それって誰なの?」
「この街に来ていたギルドの少年です。大きな鞄を持った」
「それって、カロルの事じゃない?」
「うん・・・。その後、その子はどうしたの?」
「原因を見つけるとそのまま何処かへ走って行ってしまいました」
守人の話しを聞き、カロルは木が枯れた原因が分りその毒を取り除くものを見つけに行ったのだと察しが付いた
「毒を取り除くもの・・・。パナシーアボトルか」
「それで取り除けるなら、やりましょう」
「うん」
私とアスラはお互いに笑うと守人へ顔を向ける
「ハルルの樹の毒は私達がなんとかするわ」
「本当ですか!」
「うん。だからもうちょっとだけ待っててくれない」
「はい、有り難う御座います」
守人の返事を聞くと私達はまた笑って答え、そして辺りにあった不思議な空気はゆっくりと消えていった
目を開けるとハルルの花が舞っていて、樹を見上げると後ろから声が聞こえた
「リア」
振り返るとユーリ達が樹の方に歩いて来ていた
「ユーリ。どうしたの、みんな揃って」
「リアを迎えに来たんです」
「迎えにって、フレン、この街にいなかったの?」
「ああ、入れ違いになったみたいだ」
「結界を直す魔導士を探すと言って旅立たれたみたいです」
「そうなんだ・・・」
「じゃ、リアも揃った事だし早速行こうよ」
「行くって何処に?」
「パナシーアボトルの素材の調達にクオイの森に、です」
どうやら私とアスラが守人と話している間に、ユーリとエステルはカロルから樹が枯れた原因を聞いたようでパナシーアボトルを買いに行ったが品切れで素材さえあれば作れると言われ、クオイの森に素材があるとカロルが言ったのでクオイの森に行く、と言う事のようだ
「こっちも事情知ってるんなら早く済みそうだね」
「そうね。じゃあ行きましょうか」
「うん」「はい」
私の返事にカロルとエステルは嬉しそうな顔をして歩き出した
続く
あとがき
実は箱版の時に今回の方も考えていたんですけど、面倒なのでカットしちゃいましたι
なので、今回こっちに持って来たけど・・・
守人との会話が意味深げになってしまった
でもあの声を聞くって辺りは俺が昔聞いた話しなんですよ(実話です)
まあ設定として使えそうだったので引っ張ってきました
あ、因みに、守人はサブイベントで精霊が出て来たじゃないですか
一応あれのつもりです(笑)
そしてエステルの治癒術に何処か疑問を抱いたリアちゃん
リアちゃんとエステルの治癒術の違いとは・・・?
さて次はまたまたクオイの森に行きます
今回あんまユーリ達と絡ませられなかったから頑張って書こう
では!
2009.10.09