満月の子編
夢主名変更
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「いた!」「バウッ!!」
洞窟の中腹までやってくるとアスラとラピードが声を上げると、ゆっくりと歩いていたラーギィが振り返り逃げだそうとしたが転んでしまう
「ひっ・・・! おおお、お助けを!」
すると、突然洞窟内に大量のエアルが漏れ出した
55.震える乱声
「何なのじゃ、あれは」
パティは見た事もない物に疑問を持って首を傾げた
それはケーブ・モックで見た物と同じ、あのエアルクレーネだった
「こりゃ、どうすんだ?」
「強行突破・・・!」
「・・・は、無理そうね」
「です! この量のエアルに触れるのは危険です!」
「こここ、こんなものに、たた、助けられるとは」
ラーギィはそう言うとまた走り出したが、またエアルが広がり私達もラーギィも逃げ場を失う
「流石に離れた方が良さそう」
「こ、この揺れは一体・・・」
すると空から何か物音が聞こえ見ると、大きな鳥の魔物がエアルクレーネの中に降り立った
「あれがカロルの言ってた魔物か!?」
「ち、違う・・・あんな魔物、見た事ない・・・」
「パティ、ダメ・・・!」
パティがエアルクレーネの方へ走って行こうとしていると、魔物が一声鳴き、パティは驚いて足を止めた
「おうっ・・・!」
すると魔物は大きく羽を広げ口を開け、周りに広がっている大量のエアルを飲み込んだ
「エアルを食べた・・・?」
エアルを飲み込むと魔物をは大きく鳴き、その声にカロルは驚き悲鳴を上げた
「ひぁ・・・!」
突然、金縛りに遭ったように身体が動かなくなっていた
「か、身体が、動かない・・・」
「こ、こんなのって・・・」
「うぐぐ・・・」
「こりゃ、やばい・・・か」
そう思っていると魔物は私達を一瞥した後、羽を広げて飛び去って行った
「おろ、動ける・・・」
そして急に金縛りのようなものが取れ、身体が動くようになった
それはラーギィも同じだったようでラーギィはまた逃げて行った
「いい加減にして」
ジュディスは飽き飽きした感じで言って走り出そうとしていたが、カロルを心配しカロルに駆け寄った
リタはエアルクレーネが気になったのか目の前のエアルクレーネに近付いて行くとエステルが心配そうにリタに声を掛けるがこの程度の濃度なら害はないと言った
「今のは一体何だったんだぁ?」
「暴走したエアルクレーネをさっきの魔物が正常化した・・・でも、つまりエアルを制御してるって事で・・・ケーブ・モックの時にあいつが剣でやったのと・・・同じ!?」
「通っても大丈夫か・・・? リタ!」
「え、あ、そ、そうね。多分・・・」
「よしっ、突撃なのじゃ!」
「あっ、パティ、足元気を付けて下さい!」
パティはエステルの言葉など気にした様子もなく先に走って行った
「気になるかしら?」
「そりゃそうよ。あれを調べる為に旅してるんだし・・・」
「どうすんだ、リタ」
「解ってるわよ、解ってる。今はあいつを追う時・・・でも・・・」
「そいつは何処かに逃げたりすんのか?」
「逃げる訳ないでしょ! ・・・あ・・・そっか・・・良いわ、行きましょう」
「良し、決まったな。カロル、大丈夫か?」
「う、うん・・・。だいじょぶ・・・大丈夫だよ」
カロルの返事を聞くと私達はエアルクレーネを越えた所にいるパティの元へと歩き出した
だが、リタは立ち止まったまま何か小さく呟いていた
そして顔を上げてさっきの魔物の話を始めた
「それにしてもエアルを食べる魔物なんて・・・」
「一体何だったんでしょう」
「少し他の魔物とは雰囲気が違ってたよね」
「・・・ああ、それは感じた。オレ等の事じっと見てたようにも思うし」
「誰を食べようか、悩んでたんじゃなあい?」
「・・・わ、わたし、長い時間、目が合っていたんですけど・・・」
「私も・・・」
「良かったわね。きっと一番美味しそうに見えたのよ」
「「それ、全然良くない(です)・・・」」
「おーい、冗談だぞー。真に受けるなよー」
「・・・多分、エステルには聞こえてないよι」
若干怯えているエステルに私は優しく頭を撫でてあげながら奥へと進んだ
洞窟の一番奥まで行くとラーギィがいた
ただ、その唯一の出口は大量の魔物に塞がれていたようで、ラーギィも足止めを喰らっていた
「こ、こ、こんな事に・・・」
ラピードはラーギィに体当たりをすると箱を落としその箱を前足で蹴りユーリの方に渡し、私の足下で止まり私は箱を抱えた
「良くやった、ラピード。鬼ごっこは終わりだな」
「くっ、こここ、此処は・・・ミーのリアルなパワーを・・・!」
すると突然眩い光が見えその光が消えた途端、目の前に現れたのは海凶の爪の首領、イエガーだった
「うそっ・・・!」
「ふん、そう言う仕掛けか」
「どういう事です? ラーギィさんに変装して・・・?」
「同一人物って言った方が良いみたいだね」
「え?」
「今はあれこれと考えてる暇はなさそうよ」
「おーコワイで~す。ミーはラゴウみたいになりたくないですヨ」
「ラゴウ・・・? ラゴウがどうしたんですか?」
「ちょっとビフォアにラゴウの死体がダングレストの川下でファインドされたんですよ。ミーもああはなりたくネー、って事ですヨ」
イエガーの言葉にエステルとカロルは驚きを隠せないでいた
「ラゴウが死んだ・・・? どうして・・・!?」
「それはミーの口からはキャンノットスピークよ」
「「・・・・・」」
私とユーリはみんなには見えないよう小さく息を呑むと、ラピードがちらりと私とユーリを見ていた
「あ・・・そっちは・・・」
イエガーは私とユーリの表情を一瞥した後コウモリの大群が集まっている方へ向かいだした
「イエガー様!」
「お助け隊だにょーん!」
するとあの双子、ゴーシュとドロワットが私達の前に現れた
「ゴーシュ、ドロワット、後は任せましたヨー」
「了解」
「アイアイサー♪」
するとイエガーは出口に向かい、ゴーシュとドロワットはコウモリの大群に攻撃を始めた
「逃げられちゃう!」
「行かせるかよ!」
「イエー、また会いましょう、シーユーネクストタイムね!」
イエガーは出口に向かって行き、コウモリの大群は一カ所に集まり、黒い影みたいな物になり、その衝撃を受けたゴーシュとドロワットは弾き飛ばされた
「こいつだ! プテロプスだよ!」
「っちぃ・・・」
「あ、ユーリ!」
「面倒ね! さっさと片付けるわよ!」
ユーリもリタもイエガーを逃がした事が悔しいのかいつもより早く戦闘態勢を取り、ユーリはプテロプスに攻撃を仕掛けリタは詠唱を始めた
「やれやれ血の気の多い青年と少女ねぇ」
「付き合う方も大変ってか?」
「そうねぇ。でも保護者の方が大変でしょ?」
「まあな。でもああじゃなきゃあいつらしくねえけどな。じゃ、俺も行くか」
「・・・こっちの青年も血の気が多いんだから」
そう言ってレイヴンは弓を構えてプテロプスに矢を放った
「これで、最後っ!!」
最後の一匹にとどめを刺すと辺りは静けさを取り戻した
エステルがゴーシュとドロワットに駆け寄り治癒術を掛けようとすると二人は拒否し立ち上がるとまた煙玉を投げ逃げて行った
けど、それは前回の煙玉と違い、今度のは臭い付きの煙玉だった
その臭いが強すぎてラピードに追ってもらうのも無理になってしまった
「アスラ、解りそう?」
「・・・ダメ。上手く気配も一緒に消したみたい」
アスラでも探せないとなると、これ以上は追い駆けるのは無理だろう
そう思っていると、パティが先へ進み出し、私達も後を追おうとしていると、途端出口からもの凄い熱気が漂ってきた
「うっ・・・な、何、この熱気・・・」
「・・・洞窟で山の向こうに抜けてしまったのじゃ」
「それってつまり・・・」
「コゴール砂漠だわ・・・」
「あらら・・・来ちゃったわねぇ」
「コゴール砂漠・・・フェローがいる・・・」
ユーリの言葉に私達はちらりとエステルを見ると、じっと出口の先の砂漠を見ていた
「・・・わたし・・・やっぱりフェローに会いに行きます」
「待って・・・! エステル一人を行かせられないよ。今のボク達の仕事、エステルの護衛なんだから」
「・・・まあ、盗られた箱も戻って来たし、もう良いんでない?」
「いつまでもあいつ等を追っ駆けてる訳にもいかねーし。しゃあねぇ・・・次会ったらケリつけるぜ」
「ちょっと待って、本当に行くつもり? 解ってんの? 砂漠よ? 暑いのよ? 死ぬわよ? なめてない?」
「解ってる・・・つもりです・・・」
「「「・・・・」」」
エステルはそこで押し黙ってしまい、リタは私と兄さんとアスラにも目を向ける
それはエステルに問うた事と同じ事を言っている目だった
「・・・砂漠は三つの地域に分かれてるの」
それをじっと見ていたジュディスがぽつりと呟き、私達はジュディスへと視線を向けた
「は?」
「砂漠西側の狭い地域が山麓部、もっとも暑さが過酷な中央部、東部の巨山部の三つね」
「ちょ、ちょっと・・・?」
「・・・山麓部と中央部の中間地点にオアシスの街があるわ」
「何の話よ?」
「前に友達と行った事あるの。水場の側に栄えた良い街よ」
「込み入った話はとりあえず、そこでしようって事だよな?」
ジュディスは頷く
「それが良い、おっさん底冷えしていかんのよ」
「パティはどうするの? 探してる宝物・・・麗しの星だっけ? その街に手がかりがあるとは限らないと思うんだけど」
「なに、人が居れば、それはことごとく手がかりになるのじゃ」
「そうね、人は普通に住んでいるわ」
「では、うちも共にその街まで行くのじゃ」
「・・・リタ・・・」
「・・・解ったわよ。とりあえず、そこまで行きましょ」
続く
あとがき
余り変わらず・・・ι
まあこの辺変わらないのは仕方ないですよねぇ・・・ι
さて次はやっとマンタイクに到着です
ちょっとは変えるつもりですのでお楽しみに
2010.02.23
洞窟の中腹までやってくるとアスラとラピードが声を上げると、ゆっくりと歩いていたラーギィが振り返り逃げだそうとしたが転んでしまう
「ひっ・・・! おおお、お助けを!」
すると、突然洞窟内に大量のエアルが漏れ出した
55.震える
「何なのじゃ、あれは」
パティは見た事もない物に疑問を持って首を傾げた
それはケーブ・モックで見た物と同じ、あのエアルクレーネだった
「こりゃ、どうすんだ?」
「強行突破・・・!」
「・・・は、無理そうね」
「です! この量のエアルに触れるのは危険です!」
「こここ、こんなものに、たた、助けられるとは」
ラーギィはそう言うとまた走り出したが、またエアルが広がり私達もラーギィも逃げ場を失う
「流石に離れた方が良さそう」
「こ、この揺れは一体・・・」
すると空から何か物音が聞こえ見ると、大きな鳥の魔物がエアルクレーネの中に降り立った
「あれがカロルの言ってた魔物か!?」
「ち、違う・・・あんな魔物、見た事ない・・・」
「パティ、ダメ・・・!」
パティがエアルクレーネの方へ走って行こうとしていると、魔物が一声鳴き、パティは驚いて足を止めた
「おうっ・・・!」
すると魔物は大きく羽を広げ口を開け、周りに広がっている大量のエアルを飲み込んだ
「エアルを食べた・・・?」
エアルを飲み込むと魔物をは大きく鳴き、その声にカロルは驚き悲鳴を上げた
「ひぁ・・・!」
突然、金縛りに遭ったように身体が動かなくなっていた
「か、身体が、動かない・・・」
「こ、こんなのって・・・」
「うぐぐ・・・」
「こりゃ、やばい・・・か」
そう思っていると魔物は私達を一瞥した後、羽を広げて飛び去って行った
「おろ、動ける・・・」
そして急に金縛りのようなものが取れ、身体が動くようになった
それはラーギィも同じだったようでラーギィはまた逃げて行った
「いい加減にして」
ジュディスは飽き飽きした感じで言って走り出そうとしていたが、カロルを心配しカロルに駆け寄った
リタはエアルクレーネが気になったのか目の前のエアルクレーネに近付いて行くとエステルが心配そうにリタに声を掛けるがこの程度の濃度なら害はないと言った
「今のは一体何だったんだぁ?」
「暴走したエアルクレーネをさっきの魔物が正常化した・・・でも、つまりエアルを制御してるって事で・・・ケーブ・モックの時にあいつが剣でやったのと・・・同じ!?」
「通っても大丈夫か・・・? リタ!」
「え、あ、そ、そうね。多分・・・」
「よしっ、突撃なのじゃ!」
「あっ、パティ、足元気を付けて下さい!」
パティはエステルの言葉など気にした様子もなく先に走って行った
「気になるかしら?」
「そりゃそうよ。あれを調べる為に旅してるんだし・・・」
「どうすんだ、リタ」
「解ってるわよ、解ってる。今はあいつを追う時・・・でも・・・」
「そいつは何処かに逃げたりすんのか?」
「逃げる訳ないでしょ! ・・・あ・・・そっか・・・良いわ、行きましょう」
「良し、決まったな。カロル、大丈夫か?」
「う、うん・・・。だいじょぶ・・・大丈夫だよ」
カロルの返事を聞くと私達はエアルクレーネを越えた所にいるパティの元へと歩き出した
だが、リタは立ち止まったまま何か小さく呟いていた
そして顔を上げてさっきの魔物の話を始めた
「それにしてもエアルを食べる魔物なんて・・・」
「一体何だったんでしょう」
「少し他の魔物とは雰囲気が違ってたよね」
「・・・ああ、それは感じた。オレ等の事じっと見てたようにも思うし」
「誰を食べようか、悩んでたんじゃなあい?」
「・・・わ、わたし、長い時間、目が合っていたんですけど・・・」
「私も・・・」
「良かったわね。きっと一番美味しそうに見えたのよ」
「「それ、全然良くない(です)・・・」」
「おーい、冗談だぞー。真に受けるなよー」
「・・・多分、エステルには聞こえてないよι」
若干怯えているエステルに私は優しく頭を撫でてあげながら奥へと進んだ
洞窟の一番奥まで行くとラーギィがいた
ただ、その唯一の出口は大量の魔物に塞がれていたようで、ラーギィも足止めを喰らっていた
「こ、こ、こんな事に・・・」
ラピードはラーギィに体当たりをすると箱を落としその箱を前足で蹴りユーリの方に渡し、私の足下で止まり私は箱を抱えた
「良くやった、ラピード。鬼ごっこは終わりだな」
「くっ、こここ、此処は・・・ミーのリアルなパワーを・・・!」
すると突然眩い光が見えその光が消えた途端、目の前に現れたのは海凶の爪の首領、イエガーだった
「うそっ・・・!」
「ふん、そう言う仕掛けか」
「どういう事です? ラーギィさんに変装して・・・?」
「同一人物って言った方が良いみたいだね」
「え?」
「今はあれこれと考えてる暇はなさそうよ」
「おーコワイで~す。ミーはラゴウみたいになりたくないですヨ」
「ラゴウ・・・? ラゴウがどうしたんですか?」
「ちょっとビフォアにラゴウの死体がダングレストの川下でファインドされたんですよ。ミーもああはなりたくネー、って事ですヨ」
イエガーの言葉にエステルとカロルは驚きを隠せないでいた
「ラゴウが死んだ・・・? どうして・・・!?」
「それはミーの口からはキャンノットスピークよ」
「「・・・・・」」
私とユーリはみんなには見えないよう小さく息を呑むと、ラピードがちらりと私とユーリを見ていた
「あ・・・そっちは・・・」
イエガーは私とユーリの表情を一瞥した後コウモリの大群が集まっている方へ向かいだした
「イエガー様!」
「お助け隊だにょーん!」
するとあの双子、ゴーシュとドロワットが私達の前に現れた
「ゴーシュ、ドロワット、後は任せましたヨー」
「了解」
「アイアイサー♪」
するとイエガーは出口に向かい、ゴーシュとドロワットはコウモリの大群に攻撃を始めた
「逃げられちゃう!」
「行かせるかよ!」
「イエー、また会いましょう、シーユーネクストタイムね!」
イエガーは出口に向かって行き、コウモリの大群は一カ所に集まり、黒い影みたいな物になり、その衝撃を受けたゴーシュとドロワットは弾き飛ばされた
「こいつだ! プテロプスだよ!」
「っちぃ・・・」
「あ、ユーリ!」
「面倒ね! さっさと片付けるわよ!」
ユーリもリタもイエガーを逃がした事が悔しいのかいつもより早く戦闘態勢を取り、ユーリはプテロプスに攻撃を仕掛けリタは詠唱を始めた
「やれやれ血の気の多い青年と少女ねぇ」
「付き合う方も大変ってか?」
「そうねぇ。でも保護者の方が大変でしょ?」
「まあな。でもああじゃなきゃあいつらしくねえけどな。じゃ、俺も行くか」
「・・・こっちの青年も血の気が多いんだから」
そう言ってレイヴンは弓を構えてプテロプスに矢を放った
「これで、最後っ!!」
最後の一匹にとどめを刺すと辺りは静けさを取り戻した
エステルがゴーシュとドロワットに駆け寄り治癒術を掛けようとすると二人は拒否し立ち上がるとまた煙玉を投げ逃げて行った
けど、それは前回の煙玉と違い、今度のは臭い付きの煙玉だった
その臭いが強すぎてラピードに追ってもらうのも無理になってしまった
「アスラ、解りそう?」
「・・・ダメ。上手く気配も一緒に消したみたい」
アスラでも探せないとなると、これ以上は追い駆けるのは無理だろう
そう思っていると、パティが先へ進み出し、私達も後を追おうとしていると、途端出口からもの凄い熱気が漂ってきた
「うっ・・・な、何、この熱気・・・」
「・・・洞窟で山の向こうに抜けてしまったのじゃ」
「それってつまり・・・」
「コゴール砂漠だわ・・・」
「あらら・・・来ちゃったわねぇ」
「コゴール砂漠・・・フェローがいる・・・」
ユーリの言葉に私達はちらりとエステルを見ると、じっと出口の先の砂漠を見ていた
「・・・わたし・・・やっぱりフェローに会いに行きます」
「待って・・・! エステル一人を行かせられないよ。今のボク達の仕事、エステルの護衛なんだから」
「・・・まあ、盗られた箱も戻って来たし、もう良いんでない?」
「いつまでもあいつ等を追っ駆けてる訳にもいかねーし。しゃあねぇ・・・次会ったらケリつけるぜ」
「ちょっと待って、本当に行くつもり? 解ってんの? 砂漠よ? 暑いのよ? 死ぬわよ? なめてない?」
「解ってる・・・つもりです・・・」
「「「・・・・」」」
エステルはそこで押し黙ってしまい、リタは私と兄さんとアスラにも目を向ける
それはエステルに問うた事と同じ事を言っている目だった
「・・・砂漠は三つの地域に分かれてるの」
それをじっと見ていたジュディスがぽつりと呟き、私達はジュディスへと視線を向けた
「は?」
「砂漠西側の狭い地域が山麓部、もっとも暑さが過酷な中央部、東部の巨山部の三つね」
「ちょ、ちょっと・・・?」
「・・・山麓部と中央部の中間地点にオアシスの街があるわ」
「何の話よ?」
「前に友達と行った事あるの。水場の側に栄えた良い街よ」
「込み入った話はとりあえず、そこでしようって事だよな?」
ジュディスは頷く
「それが良い、おっさん底冷えしていかんのよ」
「パティはどうするの? 探してる宝物・・・麗しの星だっけ? その街に手がかりがあるとは限らないと思うんだけど」
「なに、人が居れば、それはことごとく手がかりになるのじゃ」
「そうね、人は普通に住んでいるわ」
「では、うちも共にその街まで行くのじゃ」
「・・・リタ・・・」
「・・・解ったわよ。とりあえず、そこまで行きましょ」
続く
あとがき
余り変わらず・・・ι
まあこの辺変わらないのは仕方ないですよねぇ・・・ι
さて次はやっとマンタイクに到着です
ちょっとは変えるつもりですのでお楽しみに
2010.02.23