満月の子編
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闘技場での経緯を教えて貰いながら私達はラピードとアスラにラーギィさんの気配を追ってもらってノードポリカを後にし、西の山脈へと向かった
山脈には入り口があり、洞窟になっていてラピードは洞窟へと入っていく
「この中に逃げ込んだみたいだね」
「けど見当たらないわね」
「此処を進んだんでしょうか」
「これを抜けて山の向こうに逃げたって事?」
「でも、此処はカドスの喉笛って言われてる洞窟で、プテロプスって強い魔物が棲んでて危険なとこなんだって。前に、ナンが言ってた」
「それを知らなくて進んで行ったのかしら」
ラピードは匂いを嗅ぎながら進んで行くとワン!と一声鳴き、少し先にある岩陰の後ろに行き、人らしき物を引っ張り出してきた
「あ、わわわ・・・。は、離して、く、下さい」
それは紛れもなくこの洞窟に逃げ伏せたラーギィだった
「隠れてオレ達をやり過ごすつもりだったらしいな」
「さぁて、じっくり話を聞かせてもらわないとな」
「オレ達を闘技場に立たせてどうするつもりだったんだ」
「とにかく、箱を返しなさい!」
「ししし、仕方ないですね」
そう言うや否、突然あの赤眼の男達が現れた
「海凶の爪!?」
赤眼達の姿を確認すると一斉に武器を構え、お互いに攻撃を仕掛けた
赤眼達の攻撃を剣で受け止め体制を立て直そうとしているとラーギィが逃げ出そうとしているのが見え、私とアスラと兄さんは隙をついて戦闘から抜けラーギィの後を追った
「リア! セイ! アスラ!」
後ろでカロルが叫ぶ声が聞こえたが私達はラーギィの後を追った
「・・・逃げられたか」
だいぶ洞窟の中程まで来た所で気配は消え、私達は立ち止まった
「やっぱり遺講の門と海凶の爪は繋がってたのね」
「怪しい所があったしね」
「闘技場の件もそうだったしな」
「どうする、一旦戻る?」
「そうだな。とりあえず・・・ん?」
そう話していると後ろからユーリ達が走って来るのが見えた
「リア! セイ! アスラ! 良かった、無事だったんですね!」
「ええ。だけどラーギィには逃げられちゃったみたい」
「気配を上手く消してやがる。あいつただ者じゃねえぞ」
「普通の人が気配を上手く消すなんてあり得ないしね」
「ワン!!」
「・・・微かにだけど、匂いが残ってるみたいだな」
「ワンワン!」
「ああ、じゃあ追っ駆けるぞ!!」
54.記憶喪失の少女
「よっこいせ・・・」
「・・・なんか聞こえなかった?」
ラーギィを追ってカドスの喉笛を進んでいた私達だったが、突然何処からか声が聞こえ、その声に反応するように立ち止まった
「此処なのじゃ」
「うわあっ・・・! ・・・って、パティ・・・?」
「おっ・・・また会ったの」
「お前、どっから出て来てんだよ・・・」
パティが出て来たのは下の岩場と今私達がいる岩場の間の岩からで、パティはそこをよじ登って来たようだった
「そんな所から出て来て、やっぱりアイフリードのお宝を探してるのか」
「うむうむ」
「ねぇ、そのお宝ってどんなものなの?」
カロルの言葉にパティは一瞬きょとんとして私と兄さんを見た
「なんじゃ、リアとセイ兄とアスラから聞いとらんのか?」
「え?」
「リア達はパティが探しているものについてご存じなんです?」
「ええ。前に言ったでしょ、パティはお客さんって」
「でもそれなら」
「情報はそう簡単に漏らすものじゃない、でしょ?」
「そういう事」
レイヴンの言葉に私達は頷き、パティへと視線を戻す
「で、何探してるの?」
「聞いて驚け、それは麗しの星 なのじゃ!」
「・・・何それ?」
「え・・・えっと、さあ・・・」
「博識なエステルも知らないなんて・・・」
「麗しの星はアイフリードの宝の中でも、貴重なものらしい」
「貴重なもの?」
「ボク達も実物は見た事ないから、どんなものかは知らないけど」
「ふーん。で、その麗しの星とやらってお宝は見つかったのか?」
「宝とは簡単に見つからないから宝というのじゃ」
「・・・へんなの」
「・・・ねえ、ノードポリカで聞いたパティがアイフリードの孫って・・・本当?」
カロルはある事を思い出しパティに振ると次に反応したのはレイヴンだった
「なによ、そうなの、お嬢ちゃん? 盟友に孫がいたと知ったらドン、どんな顔するかね」
「そう言えば、ドンとアイフリードはユニオン結成以来のお友達なんでしたよね」
「でもさ・・・嘘でしょ? アイフリードの孫なんて。だって、そんな話、一度も聞いた事ないし」
カロルは少しだけ引き攣ったような顔をしてパティを見るとパティは勢い良く答えた
「本当、なのじゃ! ・・・たぶん・・・」
が、その後に聞こえた言葉は少しだけ沈んだ声だった
「たぶん・・・? どういう事です」
「たぶんというのは推測の事なのじゃ」
「エステルは、なんで、自分のおじいさんの事を推測で話してるか、って聞いてるのよ」
「あう。それはうちが記憶喪失だから、なのじゃ」
「!」
「記憶・・・」
「喪失・・・?」
その言葉にはこの場にいた誰もが驚いてしまった
「ま、そう言う事なのじゃ」
「じゃあ、アイフリードの孫ってのは、本当かどうか解らないって事?」
「絶対、本当なのじゃ! ・・・たぶん・・・」
「ああっ、もおっ! 絶対なのか多分なのかどっちよ!」
「分かんないから、麗しの星を探してるのじゃ」
「つまり、記憶を取り戻す為に、じいさんかもしれないアイフリードに会いたい。そのアイフリードを探し出す為に麗しの星っていうお宝を探して回っている、って事か?」
「のじゃ、いつの日か祖父ちゃんに会えるのじゃ」
「でも・・・」
「そんな事より、紅の小箱、追い駆けなくていいのかしら?」
パティは嬉しそうな顔をしていたが、カロルは少しだけ言い淀んでしまう
「あ、そうだった・・・!」
そして冷静に事を見ていたジュディスが声を掛け今の状況を思い出し、私達は走り出すと足音が一つ増え、皆不思議に思い立ち止まって振り返るとパティが一緒に来ていた
「あんた、何で着いて来てんのよ」
「うちもこっちへ行くつもりだったのじゃ」
「だったら一緒に行きましょう」
「それが良いのじゃ」
「・・・買い物に行くのとは訳が違うんだぞ?」
「承知の上なのじゃ、何か遭ったら力になるぞ」
「まあ、頼もしい」
「じゃあ改めてよろしくね」
そうして私達はパティを連れて一緒に奧へと向かいだした
おまけ
「記憶喪失って、お話の中だけだと思ってました」
「案外簡単になるわよ。魔導器の実験に失敗、爆発に巻き込まれて記憶が吹っ飛んだって、良く聞くし」
「でも、記憶が一切ないっていうのは珍しいよね」
「寂しいですね」
「そうじゃなあ・・・」
その言葉にエステルもパティも少しだけ表情を曇らせるが直ぐにジュディスが言葉を続ける
「でも、昔の記憶が無くても、今より先の記憶は、これから出来ていくものよ。そう悲観したものでもないと思うわ」
「成る程~、そういう考え方もあるのじゃな」
「パティ、元気になって良かった」
そう思っているとパティは凄い事を口にして、私達は思わず唖然としてしまう
「うちの思い出のアルバムは、これからユーリとユーリとユーリで埋めて行くんじゃ♪」
「・・・ι」
「ぞっとするアルバムだわ」
「わ、わたし達の事も、少しは入れて欲しいです・・・」
「んじゃ、隅っこにちまっと、入れておいてやるのじゃ。おぉ、そうじゃ! セイ兄も入れておくのじゃ♪」
「・・・やっぱり、セイも気に入られてたんだね」
「・・・ι」
「大変ね、リア」
「あははっ・・・はあ・・・ι」
けど、その大変と言う言葉に色々な意味が込められているような気がして、話に出ていた張本人であるユーリと兄さんを見て私は苦笑して溜息を吐いてしまったι
続く
あとがき
とりあえずパティ加入の所を書いてみました
相変わらず、この子は凄い所から登場しますねww
最後はスキットの所を書いてみました
これでパティがセイ兄ちゃんの事お気に入りって分かっちゃいましたね
リアちゃん、色々と頑張れ!w
次でカドスは終わると思います
2010.02.23
山脈には入り口があり、洞窟になっていてラピードは洞窟へと入っていく
「この中に逃げ込んだみたいだね」
「けど見当たらないわね」
「此処を進んだんでしょうか」
「これを抜けて山の向こうに逃げたって事?」
「でも、此処はカドスの喉笛って言われてる洞窟で、プテロプスって強い魔物が棲んでて危険なとこなんだって。前に、ナンが言ってた」
「それを知らなくて進んで行ったのかしら」
ラピードは匂いを嗅ぎながら進んで行くとワン!と一声鳴き、少し先にある岩陰の後ろに行き、人らしき物を引っ張り出してきた
「あ、わわわ・・・。は、離して、く、下さい」
それは紛れもなくこの洞窟に逃げ伏せたラーギィだった
「隠れてオレ達をやり過ごすつもりだったらしいな」
「さぁて、じっくり話を聞かせてもらわないとな」
「オレ達を闘技場に立たせてどうするつもりだったんだ」
「とにかく、箱を返しなさい!」
「ししし、仕方ないですね」
そう言うや否、突然あの赤眼の男達が現れた
「海凶の爪!?」
赤眼達の姿を確認すると一斉に武器を構え、お互いに攻撃を仕掛けた
赤眼達の攻撃を剣で受け止め体制を立て直そうとしているとラーギィが逃げ出そうとしているのが見え、私とアスラと兄さんは隙をついて戦闘から抜けラーギィの後を追った
「リア! セイ! アスラ!」
後ろでカロルが叫ぶ声が聞こえたが私達はラーギィの後を追った
「・・・逃げられたか」
だいぶ洞窟の中程まで来た所で気配は消え、私達は立ち止まった
「やっぱり遺講の門と海凶の爪は繋がってたのね」
「怪しい所があったしね」
「闘技場の件もそうだったしな」
「どうする、一旦戻る?」
「そうだな。とりあえず・・・ん?」
そう話していると後ろからユーリ達が走って来るのが見えた
「リア! セイ! アスラ! 良かった、無事だったんですね!」
「ええ。だけどラーギィには逃げられちゃったみたい」
「気配を上手く消してやがる。あいつただ者じゃねえぞ」
「普通の人が気配を上手く消すなんてあり得ないしね」
「ワン!!」
「・・・微かにだけど、匂いが残ってるみたいだな」
「ワンワン!」
「ああ、じゃあ追っ駆けるぞ!!」
54.記憶喪失の少女
「よっこいせ・・・」
「・・・なんか聞こえなかった?」
ラーギィを追ってカドスの喉笛を進んでいた私達だったが、突然何処からか声が聞こえ、その声に反応するように立ち止まった
「此処なのじゃ」
「うわあっ・・・! ・・・って、パティ・・・?」
「おっ・・・また会ったの」
「お前、どっから出て来てんだよ・・・」
パティが出て来たのは下の岩場と今私達がいる岩場の間の岩からで、パティはそこをよじ登って来たようだった
「そんな所から出て来て、やっぱりアイフリードのお宝を探してるのか」
「うむうむ」
「ねぇ、そのお宝ってどんなものなの?」
カロルの言葉にパティは一瞬きょとんとして私と兄さんを見た
「なんじゃ、リアとセイ兄とアスラから聞いとらんのか?」
「え?」
「リア達はパティが探しているものについてご存じなんです?」
「ええ。前に言ったでしょ、パティはお客さんって」
「でもそれなら」
「情報はそう簡単に漏らすものじゃない、でしょ?」
「そういう事」
レイヴンの言葉に私達は頷き、パティへと視線を戻す
「で、何探してるの?」
「聞いて驚け、それは
「・・・何それ?」
「え・・・えっと、さあ・・・」
「博識なエステルも知らないなんて・・・」
「麗しの星はアイフリードの宝の中でも、貴重なものらしい」
「貴重なもの?」
「ボク達も実物は見た事ないから、どんなものかは知らないけど」
「ふーん。で、その麗しの星とやらってお宝は見つかったのか?」
「宝とは簡単に見つからないから宝というのじゃ」
「・・・へんなの」
「・・・ねえ、ノードポリカで聞いたパティがアイフリードの孫って・・・本当?」
カロルはある事を思い出しパティに振ると次に反応したのはレイヴンだった
「なによ、そうなの、お嬢ちゃん? 盟友に孫がいたと知ったらドン、どんな顔するかね」
「そう言えば、ドンとアイフリードはユニオン結成以来のお友達なんでしたよね」
「でもさ・・・嘘でしょ? アイフリードの孫なんて。だって、そんな話、一度も聞いた事ないし」
カロルは少しだけ引き攣ったような顔をしてパティを見るとパティは勢い良く答えた
「本当、なのじゃ! ・・・たぶん・・・」
が、その後に聞こえた言葉は少しだけ沈んだ声だった
「たぶん・・・? どういう事です」
「たぶんというのは推測の事なのじゃ」
「エステルは、なんで、自分のおじいさんの事を推測で話してるか、って聞いてるのよ」
「あう。それはうちが記憶喪失だから、なのじゃ」
「!」
「記憶・・・」
「喪失・・・?」
その言葉にはこの場にいた誰もが驚いてしまった
「ま、そう言う事なのじゃ」
「じゃあ、アイフリードの孫ってのは、本当かどうか解らないって事?」
「絶対、本当なのじゃ! ・・・たぶん・・・」
「ああっ、もおっ! 絶対なのか多分なのかどっちよ!」
「分かんないから、麗しの星を探してるのじゃ」
「つまり、記憶を取り戻す為に、じいさんかもしれないアイフリードに会いたい。そのアイフリードを探し出す為に麗しの星っていうお宝を探して回っている、って事か?」
「のじゃ、いつの日か祖父ちゃんに会えるのじゃ」
「でも・・・」
「そんな事より、紅の小箱、追い駆けなくていいのかしら?」
パティは嬉しそうな顔をしていたが、カロルは少しだけ言い淀んでしまう
「あ、そうだった・・・!」
そして冷静に事を見ていたジュディスが声を掛け今の状況を思い出し、私達は走り出すと足音が一つ増え、皆不思議に思い立ち止まって振り返るとパティが一緒に来ていた
「あんた、何で着いて来てんのよ」
「うちもこっちへ行くつもりだったのじゃ」
「だったら一緒に行きましょう」
「それが良いのじゃ」
「・・・買い物に行くのとは訳が違うんだぞ?」
「承知の上なのじゃ、何か遭ったら力になるぞ」
「まあ、頼もしい」
「じゃあ改めてよろしくね」
そうして私達はパティを連れて一緒に奧へと向かいだした
おまけ
「記憶喪失って、お話の中だけだと思ってました」
「案外簡単になるわよ。魔導器の実験に失敗、爆発に巻き込まれて記憶が吹っ飛んだって、良く聞くし」
「でも、記憶が一切ないっていうのは珍しいよね」
「寂しいですね」
「そうじゃなあ・・・」
その言葉にエステルもパティも少しだけ表情を曇らせるが直ぐにジュディスが言葉を続ける
「でも、昔の記憶が無くても、今より先の記憶は、これから出来ていくものよ。そう悲観したものでもないと思うわ」
「成る程~、そういう考え方もあるのじゃな」
「パティ、元気になって良かった」
そう思っているとパティは凄い事を口にして、私達は思わず唖然としてしまう
「うちの思い出のアルバムは、これからユーリとユーリとユーリで埋めて行くんじゃ♪」
「・・・ι」
「ぞっとするアルバムだわ」
「わ、わたし達の事も、少しは入れて欲しいです・・・」
「んじゃ、隅っこにちまっと、入れておいてやるのじゃ。おぉ、そうじゃ! セイ兄も入れておくのじゃ♪」
「・・・やっぱり、セイも気に入られてたんだね」
「・・・ι」
「大変ね、リア」
「あははっ・・・はあ・・・ι」
けど、その大変と言う言葉に色々な意味が込められているような気がして、話に出ていた張本人であるユーリと兄さんを見て私は苦笑して溜息を吐いてしまったι
続く
あとがき
とりあえずパティ加入の所を書いてみました
相変わらず、この子は凄い所から登場しますねww
最後はスキットの所を書いてみました
これでパティがセイ兄ちゃんの事お気に入りって分かっちゃいましたね
リアちゃん、色々と頑張れ!w
次でカドスは終わると思います
2010.02.23