満月の子編
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「悪いけど、僕も引き下がる気はないよ!」
「へっ、言うじゃねぇか。なら、そろそろ本気で白黒衝けるか?」
「望む所だ」
お互いに睨み合う体制になり、そして一歩前に出ようとした時だった
「ユーリ~~~~・・・・ローウェル!」
すると突然何処からかユーリの名を叫ぶ声が聞こえた
53.Minor question
「この声、何処かで・・・!?」
その声の主はユーリとフレンの間に降り立った
「あいつ・・・紅の絆傭兵団の船に乗ってた奴だ!」
「確か、ザギ!?」
「これは大変! 大ハプニング! 舞台上の主役達もお株を奪われた感じか!」
突然の乱入者に会場は一気にざわめきだすが、ザギはお構いなしにユーリを見た
「ユーリ! オレに殺される為に生き延びた男よ! 感謝するぜ!」
「ちっ、生き延びたのはお前の為じゃねぇぞ」
「オレを初めて傷つけたお前を、オレは絶対この手で殺す!」
「やる気出すなら、もっと別の事にしとけよ」
「見ろぉ!」
ザギはそう言って自分の左手を空に掲げた
その手はまるで手術して付けたかのように腕から手先まで魔導器になっていた
「っ! この感じ・・・まさかあれ・・・」
ザギの左腕にある魔導器を見ていると、客席でその様子を見ていたジュディスが客席から降りて来た
「ジュディス!?」
「リア、ボク達も行こ・・・」
「リア!」
「兄さん!」
ジュディスの後を追ってエステル達も客席から降りて行き、私もアスラもそれを見て客席から飛び降りようとしていると、聞き慣れた声が聞こえ振り返ると兄さんが逃げている人達の間を抜けて私とアスラの所に来た
「どうだ、この腕は? お前の所為だ、お前の為だ! くくくく! さぁ、この腕をぶちこんでやるぜ! ユーリ!」
「しつこいと嫌われるぜ!」
ザギはユーリの言葉など聞こえていないようでユーリ達に攻撃を仕掛けてきた
ユーリ達は一斉にその場から離れて体制を整えた
だがザギの方がスピードが速く、そしてあの左腕の魔導器の威力があり上手くいつもの連携に入らない
「っち」
「そのまま大人しくして! インブレイスエンド!!」
「おまけだ!!」
途端、何処からか男女の声が聞こえ、ザギの周りに冷気が集まり巨大が氷が現れそして後から現れた男がその氷とザギ目掛けて剣を振り翳した
「ぐああっ!!」
「なっ!?」
「みんな、大丈夫?」
「「リア!」」「「「セイ!」」」「「アスラ!」」
私達は一斉にザギに攻撃を仕掛け、ユーリ達の前に降り立った
「お前等、どうして此処に?」
「それにリア、もう具合の方は良いんです?」
「ええ、大丈夫よ。それより」
「ああ、ゆっくり話してるヒマはなさそうだな」
ユーリとエステルと話しをしているとザギが動く気配がし、私とフレンの言葉で皆一斉に前へと視線を戻す
「お前達・・・あの時の・・・」
「覚えてやがったか」
「なんかリアとセイも目付けられた気がするよ、これ」
「まあいい。お前達も一緒に相手してやる!!」
アスラの言葉に兄さんと一緒に苦笑していると、ザギは更に左腕の魔導器の力を解放する
私は直ぐにジュディスの隣に移動した
「ジュディス、あの魔導器・・・」
「ええ、間違いないわ・・・」
そう返事を返すとジュディスはザギの左腕の魔導器目掛けて槍を振るうが、ザギの方がスピードが速く擦れただけだった
続いて私も攻撃を仕掛けようとしたが、レイヴンの魔術が発動し、巻き起こった風が消えふとザギを見るとザギの魔導器が怪しく光っていた
「?」
気のせいかと思っているとリタの魔術が発動し、再びザギの魔導器の光が強くなっていた
「・・・アスラ、あれ、気のせいじゃないよね?」
「うん。リアが思ってる事当たってるよ」
「なら・・・リタ!」
「な、何!?」
急に名前を呼ばれリタは詠唱をやめて私を見た
「ザギの魔導器に向かって魔術を放って!」
「え?」
「レイヴンもお願い」
「俺様も?」
「じゃ、お願いね!」
二人にそう言うと私はユーリとフレンと兄さんの所へ向かった
「ユーリ、フレン、私と兄さんがザギの魔導器に攻撃した後一気に攻撃して」
「解った!」「ああ」
二人の返事を聞くと私は兄さんとアイコンタクトして左右に別れた
「デモンズランス!」
「ハボックゲイル!」
リタとレイヴンの魔術が発動して、ユーリとフレンの攻撃の後に二人の間を抜けて私と兄さんも魔術を発動させた
「エクスプロード!」
「エンシェントノヴァ!」
魔法の連携を受け、ザギの魔導器の色は更に変化した
「ユーリ、フレン、今よ!!」
「任せろ! 行くぜフレン!」
「ああ!」
そう言うとユーリとフレンは左右に別れ、地を蹴って宙で剣を構えた
「見せてやろうぜ! 貫け! 「「武神双天波!!」」
二人は剣を振るうと同時に二閃の光が現れザギの魔導器目掛けていった
「・・・ぐわぁっ!!」
二人の攻撃が当りザギは地面に倒れ、それと同時に左腕を押さえ唸りだした
「ぐわぁあぁぁぁっっっ!!」
「な、何!?」
急な事にカロルは驚いていると隣にいたリタが口を開く
「制御しきれてない! あんな無茶な使い方するから!」
「魔導器風情がオレに逆らう気か!」
ザギは左腕を空に掲げると魔導器が暴走して光を放ち近くにあった結界魔導器を壊した
その途端、そこから魔物が出て来た
「ま、魔物!」
「どうして、こんな所に!?」
「見世物の為に捕まえてあった魔物だ。多分、今ので魔物を閉じ込めていた結界魔導器が壊れたんだ!」
フレンはそう言うとそのまま控えていた騎士団の元へ急いだ
「ぐわあああっ・・・・・!」
ザギは苦しそうに左腕を押さえそのまま何処かへ走り出した
「逃がさないわ・・・!」
「きゃっ!」
「エステル!」
逃げ出したザギの後をジュディスが追おうとしていると魔物の攻撃を受けたエステルが倒れ駆け寄って起こしてあげ辺りを見ると既にザギの姿はなく、代わりに魔物達が私達を囲むようにしていた
「ちっ、魔物の掃除が先だな」
「・・・・」
ジュディスは悔しそうにザギが去っていた方を見ていたが直ぐに魔物の退治を始めた
しかし魔物を倒しても魔物は現れる一方で、これではキリがない
「こりゃ、ちょいとしんどいねえ」
「口じゃなくて、手動かして」
リタがそう言って魔術を発動させようとしていると急に眩い光が見えた
「な、何?」
その光はエステルが持っているあの紅の小箱からだった
すると、リタが放った魔術が突然消えた
「ちょっと・・・どういう事!?」
「この箱の所為・・・?」
エステルがその箱を見ていると突然ラーギィさんがその箱を奪い取った
「あいつ!」
それを見たジュディスと兄さんとラピードは急いで後を追った
「騎士団に告ぐ! ソディアは小隊を指揮し、散った魔物の討伐に当たれ!」
「客を避難させるのが先だろ」
「残りは私と、観客の護衛だ! 魔物は一匹たりとも逃がすな!」
「心配しなくても大丈夫みたいね」
「ああ。ちゃんと隊長らしさも板についてるしな。オレ達も行くぞ」
「ジュディスとセイと犬っころが先に行ったわよ」
「ああ」
ユーリはそう言って駆けだし、私達も後に続いた
「やれやれ・・・ちょっと待てよ、おいってば」
レイヴンは小さく呆れるとユーリ達の後を追った
闘技場の出口付近に来ると兄さんとジュディスが私達の所まで来た
「街の外に逃げられたわ」
「・・・逃げ足の速い野郎だ」
「まだラピードが追ってる」
「ラピードが追い着いてくれてれば良いんだが」
「それにしても、どうなってるの? 何で、ラーギィさんが」
「どうやら、はめられたっぽい?」
「らしいな。セイの言ってた通りだったな」
「フレンの任務を妨害する為に俺達やユーリ達をけしかけたんだろ」
「任務・・・?」
兄さんの言葉にエステルは疑問を持って兄さんを見ると答えのはユーリだった
「お姫様を連れ返しにって事じゃなさそうだぜ。それなら闘技場の大会に出たりしないからな」
「じゃあ一体何なんでしょう?」
「さあな。ラーギィの思惑を邪魔するものだったってのは間違いなさそうだ」
「でも、あの温厚そうなラーギィさんが・・・」
「箱を奪ってた時のあいつは温厚なんてもんじゃなかったわよ」
「確かに温厚っていう感じじゃなかったね」
「遺講の門は表向きの顔ってヤツかもねぇ・・・」
「それにしてもあの箱を奪っていくなんて」
「橙明の核晶って一体何だったんでしょう?」
「解ってるのはあたしの魔術があの箱の所為で暴走したって事くらいかしら。あんな風に武醒魔導器が制御出来なかったのなんて初めて・・・」
確かにあの時、リタの武醒魔導器が制御出来ず魔術が可笑しくなった
けど、此処でじっとして話しをしている時間はない
「ねぇ、ラピード追い駆けた方が良いんじゃない?」
「そうね、行きましょ。あの箱は私が預かったものでもあるから」
「だから返して貰わねえとな」
「ああ。じゃあ行くぞ」
アスラの意見に賛成するとみんなも頷き、私達は闘技場の外へと出た
「お、ラピード」
街の出口に行くとラピードが服の切れ端みたいな物を咥えて戻って来た
「これ・・・」
「ラーギィの服の切れ端だな」
「こいつがあれば匂いで追えるな」
「ワン!」
「あの箱を取り返さなきゃ!」
「それもあるけどな」
「ギルドは裏切りを許さない」
「うん・・・」
カロルは何処か寂しそうな顔をして頷いた
「西の山脈は旅支度のないまま通り抜けるのは無理だと思うから追い詰められそうよ」
「ああ、とっ捕まえるぜ」
「闘技場の方は大丈夫でしょうか?」
「気になる?」
「じゃ、エステル達は此処で待ってる?」
「え?」
「これはギルドの問題だしな。お嬢ちゃん達が着いてくる理由は、ま、ないわな」
「ゴメン、エステル。あたしは行くわ。あの箱が気になるし。それにあの箱盗んだバカに落とし前つけたいから」
「私も行く。さっきも言ったけど、あの箱は大切なもので預かってるものだから」
「わたしは・・・」
「自分で決めな」
私の言葉にアスラも兄さんも頷くとエステルはどうしようかと一旦考える
「い、行きます。騎士団を妨害しようとしのなら何か帝国にも関係があるかもしれないから」
「そっか。ま、闘技場の方は大丈夫だろう。フレンが上手くやるさ」
「じゃあ準備が出来たら行こう」
「ええ。とりあえず、こうなった経緯を教えてくれると助かるかな・・・」
「あ、そっか。リアは知らないままだったんだよね」
「じゃ、話しながら行きましょうか」
「ああ」
そこで話しを一旦切って、私達は宿に荷物を取りに戻り、そしてこうなった経緯を教えてもらいながらラーギィさんが逃げた方へと向かって行った
続く
あとがき
ちょこっとだけ変更
でもってまたしてもヴェスペリアで使わない技www
これ好きなんだもんw
なので使ってみましたww
満月の子編もやっと半分近くになりましたね
まだまだ続きますが・・・何話まで行く事やら
次はラーギィを追いかけて行く所からです
Minor question(小問題)
2010.02.11
「へっ、言うじゃねぇか。なら、そろそろ本気で白黒衝けるか?」
「望む所だ」
お互いに睨み合う体制になり、そして一歩前に出ようとした時だった
「ユーリ~~~~・・・・ローウェル!」
すると突然何処からかユーリの名を叫ぶ声が聞こえた
53.Minor question
「この声、何処かで・・・!?」
その声の主はユーリとフレンの間に降り立った
「あいつ・・・紅の絆傭兵団の船に乗ってた奴だ!」
「確か、ザギ!?」
「これは大変! 大ハプニング! 舞台上の主役達もお株を奪われた感じか!」
突然の乱入者に会場は一気にざわめきだすが、ザギはお構いなしにユーリを見た
「ユーリ! オレに殺される為に生き延びた男よ! 感謝するぜ!」
「ちっ、生き延びたのはお前の為じゃねぇぞ」
「オレを初めて傷つけたお前を、オレは絶対この手で殺す!」
「やる気出すなら、もっと別の事にしとけよ」
「見ろぉ!」
ザギはそう言って自分の左手を空に掲げた
その手はまるで手術して付けたかのように腕から手先まで魔導器になっていた
「っ! この感じ・・・まさかあれ・・・」
ザギの左腕にある魔導器を見ていると、客席でその様子を見ていたジュディスが客席から降りて来た
「ジュディス!?」
「リア、ボク達も行こ・・・」
「リア!」
「兄さん!」
ジュディスの後を追ってエステル達も客席から降りて行き、私もアスラもそれを見て客席から飛び降りようとしていると、聞き慣れた声が聞こえ振り返ると兄さんが逃げている人達の間を抜けて私とアスラの所に来た
「どうだ、この腕は? お前の所為だ、お前の為だ! くくくく! さぁ、この腕をぶちこんでやるぜ! ユーリ!」
「しつこいと嫌われるぜ!」
ザギはユーリの言葉など聞こえていないようでユーリ達に攻撃を仕掛けてきた
ユーリ達は一斉にその場から離れて体制を整えた
だがザギの方がスピードが速く、そしてあの左腕の魔導器の威力があり上手くいつもの連携に入らない
「っち」
「そのまま大人しくして! インブレイスエンド!!」
「おまけだ!!」
途端、何処からか男女の声が聞こえ、ザギの周りに冷気が集まり巨大が氷が現れそして後から現れた男がその氷とザギ目掛けて剣を振り翳した
「ぐああっ!!」
「なっ!?」
「みんな、大丈夫?」
「「リア!」」「「「セイ!」」」「「アスラ!」」
私達は一斉にザギに攻撃を仕掛け、ユーリ達の前に降り立った
「お前等、どうして此処に?」
「それにリア、もう具合の方は良いんです?」
「ええ、大丈夫よ。それより」
「ああ、ゆっくり話してるヒマはなさそうだな」
ユーリとエステルと話しをしているとザギが動く気配がし、私とフレンの言葉で皆一斉に前へと視線を戻す
「お前達・・・あの時の・・・」
「覚えてやがったか」
「なんかリアとセイも目付けられた気がするよ、これ」
「まあいい。お前達も一緒に相手してやる!!」
アスラの言葉に兄さんと一緒に苦笑していると、ザギは更に左腕の魔導器の力を解放する
私は直ぐにジュディスの隣に移動した
「ジュディス、あの魔導器・・・」
「ええ、間違いないわ・・・」
そう返事を返すとジュディスはザギの左腕の魔導器目掛けて槍を振るうが、ザギの方がスピードが速く擦れただけだった
続いて私も攻撃を仕掛けようとしたが、レイヴンの魔術が発動し、巻き起こった風が消えふとザギを見るとザギの魔導器が怪しく光っていた
「?」
気のせいかと思っているとリタの魔術が発動し、再びザギの魔導器の光が強くなっていた
「・・・アスラ、あれ、気のせいじゃないよね?」
「うん。リアが思ってる事当たってるよ」
「なら・・・リタ!」
「な、何!?」
急に名前を呼ばれリタは詠唱をやめて私を見た
「ザギの魔導器に向かって魔術を放って!」
「え?」
「レイヴンもお願い」
「俺様も?」
「じゃ、お願いね!」
二人にそう言うと私はユーリとフレンと兄さんの所へ向かった
「ユーリ、フレン、私と兄さんがザギの魔導器に攻撃した後一気に攻撃して」
「解った!」「ああ」
二人の返事を聞くと私は兄さんとアイコンタクトして左右に別れた
「デモンズランス!」
「ハボックゲイル!」
リタとレイヴンの魔術が発動して、ユーリとフレンの攻撃の後に二人の間を抜けて私と兄さんも魔術を発動させた
「エクスプロード!」
「エンシェントノヴァ!」
魔法の連携を受け、ザギの魔導器の色は更に変化した
「ユーリ、フレン、今よ!!」
「任せろ! 行くぜフレン!」
「ああ!」
そう言うとユーリとフレンは左右に別れ、地を蹴って宙で剣を構えた
「見せてやろうぜ! 貫け! 「「武神双天波!!」」
二人は剣を振るうと同時に二閃の光が現れザギの魔導器目掛けていった
「・・・ぐわぁっ!!」
二人の攻撃が当りザギは地面に倒れ、それと同時に左腕を押さえ唸りだした
「ぐわぁあぁぁぁっっっ!!」
「な、何!?」
急な事にカロルは驚いていると隣にいたリタが口を開く
「制御しきれてない! あんな無茶な使い方するから!」
「魔導器風情がオレに逆らう気か!」
ザギは左腕を空に掲げると魔導器が暴走して光を放ち近くにあった結界魔導器を壊した
その途端、そこから魔物が出て来た
「ま、魔物!」
「どうして、こんな所に!?」
「見世物の為に捕まえてあった魔物だ。多分、今ので魔物を閉じ込めていた結界魔導器が壊れたんだ!」
フレンはそう言うとそのまま控えていた騎士団の元へ急いだ
「ぐわあああっ・・・・・!」
ザギは苦しそうに左腕を押さえそのまま何処かへ走り出した
「逃がさないわ・・・!」
「きゃっ!」
「エステル!」
逃げ出したザギの後をジュディスが追おうとしていると魔物の攻撃を受けたエステルが倒れ駆け寄って起こしてあげ辺りを見ると既にザギの姿はなく、代わりに魔物達が私達を囲むようにしていた
「ちっ、魔物の掃除が先だな」
「・・・・」
ジュディスは悔しそうにザギが去っていた方を見ていたが直ぐに魔物の退治を始めた
しかし魔物を倒しても魔物は現れる一方で、これではキリがない
「こりゃ、ちょいとしんどいねえ」
「口じゃなくて、手動かして」
リタがそう言って魔術を発動させようとしていると急に眩い光が見えた
「な、何?」
その光はエステルが持っているあの紅の小箱からだった
すると、リタが放った魔術が突然消えた
「ちょっと・・・どういう事!?」
「この箱の所為・・・?」
エステルがその箱を見ていると突然ラーギィさんがその箱を奪い取った
「あいつ!」
それを見たジュディスと兄さんとラピードは急いで後を追った
「騎士団に告ぐ! ソディアは小隊を指揮し、散った魔物の討伐に当たれ!」
「客を避難させるのが先だろ」
「残りは私と、観客の護衛だ! 魔物は一匹たりとも逃がすな!」
「心配しなくても大丈夫みたいね」
「ああ。ちゃんと隊長らしさも板についてるしな。オレ達も行くぞ」
「ジュディスとセイと犬っころが先に行ったわよ」
「ああ」
ユーリはそう言って駆けだし、私達も後に続いた
「やれやれ・・・ちょっと待てよ、おいってば」
レイヴンは小さく呆れるとユーリ達の後を追った
闘技場の出口付近に来ると兄さんとジュディスが私達の所まで来た
「街の外に逃げられたわ」
「・・・逃げ足の速い野郎だ」
「まだラピードが追ってる」
「ラピードが追い着いてくれてれば良いんだが」
「それにしても、どうなってるの? 何で、ラーギィさんが」
「どうやら、はめられたっぽい?」
「らしいな。セイの言ってた通りだったな」
「フレンの任務を妨害する為に俺達やユーリ達をけしかけたんだろ」
「任務・・・?」
兄さんの言葉にエステルは疑問を持って兄さんを見ると答えのはユーリだった
「お姫様を連れ返しにって事じゃなさそうだぜ。それなら闘技場の大会に出たりしないからな」
「じゃあ一体何なんでしょう?」
「さあな。ラーギィの思惑を邪魔するものだったってのは間違いなさそうだ」
「でも、あの温厚そうなラーギィさんが・・・」
「箱を奪ってた時のあいつは温厚なんてもんじゃなかったわよ」
「確かに温厚っていう感じじゃなかったね」
「遺講の門は表向きの顔ってヤツかもねぇ・・・」
「それにしてもあの箱を奪っていくなんて」
「橙明の核晶って一体何だったんでしょう?」
「解ってるのはあたしの魔術があの箱の所為で暴走したって事くらいかしら。あんな風に武醒魔導器が制御出来なかったのなんて初めて・・・」
確かにあの時、リタの武醒魔導器が制御出来ず魔術が可笑しくなった
けど、此処でじっとして話しをしている時間はない
「ねぇ、ラピード追い駆けた方が良いんじゃない?」
「そうね、行きましょ。あの箱は私が預かったものでもあるから」
「だから返して貰わねえとな」
「ああ。じゃあ行くぞ」
アスラの意見に賛成するとみんなも頷き、私達は闘技場の外へと出た
「お、ラピード」
街の出口に行くとラピードが服の切れ端みたいな物を咥えて戻って来た
「これ・・・」
「ラーギィの服の切れ端だな」
「こいつがあれば匂いで追えるな」
「ワン!」
「あの箱を取り返さなきゃ!」
「それもあるけどな」
「ギルドは裏切りを許さない」
「うん・・・」
カロルは何処か寂しそうな顔をして頷いた
「西の山脈は旅支度のないまま通り抜けるのは無理だと思うから追い詰められそうよ」
「ああ、とっ捕まえるぜ」
「闘技場の方は大丈夫でしょうか?」
「気になる?」
「じゃ、エステル達は此処で待ってる?」
「え?」
「これはギルドの問題だしな。お嬢ちゃん達が着いてくる理由は、ま、ないわな」
「ゴメン、エステル。あたしは行くわ。あの箱が気になるし。それにあの箱盗んだバカに落とし前つけたいから」
「私も行く。さっきも言ったけど、あの箱は大切なもので預かってるものだから」
「わたしは・・・」
「自分で決めな」
私の言葉にアスラも兄さんも頷くとエステルはどうしようかと一旦考える
「い、行きます。騎士団を妨害しようとしのなら何か帝国にも関係があるかもしれないから」
「そっか。ま、闘技場の方は大丈夫だろう。フレンが上手くやるさ」
「じゃあ準備が出来たら行こう」
「ええ。とりあえず、こうなった経緯を教えてくれると助かるかな・・・」
「あ、そっか。リアは知らないままだったんだよね」
「じゃ、話しながら行きましょうか」
「ああ」
そこで話しを一旦切って、私達は宿に荷物を取りに戻り、そしてこうなった経緯を教えてもらいながらラーギィさんが逃げた方へと向かって行った
続く
あとがき
ちょこっとだけ変更
でもってまたしてもヴェスペリアで使わない技www
これ好きなんだもんw
なので使ってみましたww
満月の子編もやっと半分近くになりましたね
まだまだ続きますが・・・何話まで行く事やら
次はラーギィを追いかけて行く所からです
Minor question(小問題)
2010.02.11