満月の子編
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翌朝、
「おはよう、エステル、リタ、ジュディス」
「あ、おはよう御座います」
「おはよう、みんな」
「あれ、リアちゃんは?」
ユーリ達はロビーで別室だったエステル達を待っていたが、その中にいつもいるはずのリアがいなかった
「「・・・・」」
エステルとジュディスは顔を見合わせているとリタが代わりに答えた
「何か体調悪いみたいよ」
「ちょっと貧血気味みたいなので、出発までは休んでいたいそうです」
「そうなの? じゃあ無理させるのも悪いよね」
「アスラが付いているから心配はないと思うけれど」
「アスラが付いてるなら、大丈夫だろ」
「・・・そうだな。じゃ、オレ達は情報でも集めるか」
「ワン、ワン」
ユーリはソファーから立ち上がりエステル達に声を掛けそのまま宿の外へと向かい出したが、その時にユーリの表情が曇っていた事に気が付いたのは隣にいたラピードだけだった
52.sweet pain and a firm sword
「・・・・・」
夜が明けて、朝が来た
今日は昨日出来なかった砂漠についての情報を集める為に街に出る、予定だった
けど、私はアスラと一緒に部屋に残っていた
「リア、大丈夫?」
「うん・・・」
私は布団と枕に顔を埋めて顔が見えないようにして答えた
「ツラいなら、ハクスイかミズハ呼ぶ?」
「ううん、横になってれば大丈夫・・・。アスラ」
「ん?」
「・・・ちょっと一人にして欲しいの」
「・・・解った。何か遭ったら呼んでね」
「うん・・・ありがとう」
私の言葉にアスラは一瞬驚いていたけど、何かを感じアスラは小さく笑ってそのまま姿を消した
「・・・・」
アスラが姿を消し、部屋は更にシンと静まり返った
実際に一人にして欲しかったのは本当だった
昨日の晩の事があり、私は寝付けずずっと考え込んでいて気が付いたら朝になっていた
一日寝ないでいるのは良くある事だから慣れてはいる
けどベッドから出られない理由、それはユーリとフレンだった
今の状態で二人に会ってしまうといつも以上に変に接してしまうのは確実だった
だから少しでも気持ちを落ち着かせる為に、一人でいたかった
「・・キス、されたんだよね。私・・・」
昔から一緒にいた、幼馴染みで親友のユーリとフレン
今までもそれを踏まえ異性として見ていた事は何度もあった
けど、昨日の晩、二人にキスされて今まで感じていたものとは違う感じがした
「・・・ユーリもフレンも、・・異性 、なんだよね・・・。・・っ///」
そう呟くとまたキスされた時の事が頭を過ぎり、胸が苦しくなってそのまま顔を埋めた
*
「にしても、リアちゃんが体調崩すなんて珍しいわね」
「此処のとこ色々遭ったから、その疲れが一気に出たんじゃない?」
「そうだねえ・・・」
ラーギィから依頼を受けて、オレ達は闘技場の受付へと向かっていた
セイはラーギィの言っていた事が怪しすぎると言って真相を調べに行き、オレ達はその為に闘技場の受付に向かっている途中だった
カロル達は今この場にいないリアの事を話していた
実際此処んとこ、色々ありすぎて疲れてるのは確かだ
けど、一番の理由は昨日の事があるからだろう
オレもリアも互いに気になってる事はある
リアが昨日言った事の結論はオレは解ってるが、リア自身が自覚してねえから何とも言えねえ・・・
けど、その事だけで部屋に籠もってる訳じゃねえ気がしていた
「ワフっ」
「お、着いたか」
そう思っていると受付に着き、さっとエントリーを済ませた
「じゃあ、張り切って中までお進み下さぁい♡」
「んじゃ、ちょっくら行ってくるわ」
「頑張って下さいね」
「ああ」
「私も出たかったわ」
「まだ言ってるし・・・ι」
言うとエステル達は客席の方へ向かって行きオレは闘技場の中へと向かい出した
*
「・・・あれ・・?」
ゆっくりと瞼を開けるとぼんやりと天井が見え出す
「・・・私、寝ちゃってた?」
色々と考え込んでいたらいつの間にか寝ていたようだ
私は身体を起こして部屋の中を見た
荷物は置いてあるから、まだみんなこの街にいるようだった
「アスラ」
そう呼ぶとアスラは姿を現して安心した顔を見せれくれた
「リア、もう顔色も良いみたいだね」
「うん。ちょっと休んだから平気。それでこれからみんなと合流しようと思ってるんだけど、何処にいるか解る?」
「ちょっと待ってね・・・闘技場みたいだよ」
「闘技場?」
「うん。でも、ユーリ達とセイは別行動してるみたい」
「別に・・・?」
仕事の事だったら直ぐにアスラに連絡が来るはずなのに、アスラも知らないとなると、仕事絡みじゃないようだった
「アスラ、先に兄さんの所に行って状況を把握して来てくれる? 私は闘技場の方に向かうから」
「解った」
言うとアスラは姿を消して兄さんの所に向かい私はベッドから降りて上着を羽織って髪を整えてから部屋を出た
闘技場に近付くにつれ、大きな歓声が聞こえる
それもいつも以上に盛り上がっているようで、白熱した試合が今行われているのかもしれない
『リア、大変だよ!』
そう思っているとアスラから連絡が入った
(アスラ? どうしたの、そんなに慌てて・・?)
『今、何処にいる?』
(もうすぐ闘技場の客席に着くけど)
『なら直ぐに来て! ボクもそこで待ってるから!』
(え、アスラ!)
「・・・なんだろう?」
あんなに慌てているアスラの声を聞いたのは久しぶりでちょっとだけ唖然としてしまった
「「「「「おおぉぉぉっ!!!」」」」
すると客席から更に大きな歓声が聞こえ、それが気になり私は客席へと足を伸ばした
「なっ!?」
が、私は闘技場で戦っている人物を見て驚いた
「なんで、ユーリとフレンが戦ってるの・・?」
そう、闘技場で戦っているのユーリとフレンだった
「ユーリが挑戦者でフレンが闘技場の現チャンピオンらしいよ」
「えっ!?」
アスラは私を見つけそのまま肩に飛び乗り、その言葉を聞き驚いてユーリとフレンを見た
ユーリはそのまま剣を振り翳し、フレンは後ろに飛び攻撃を交わしながら、お互いに観客に解らないように何か話しているようだった
「少しは手加減をして欲しいな」
「よく言うぜ、簡単に受け止めやがって」
短い会話を交わすとまた攻撃を仕掛ける二人
「手短に事情を聞こうか?」
「騎士団の任務だ。それ以上は言えない」
「闘技場で勝ち抜く任務って一体何の事だよ。それも隊長自ら・・・」
「言えないんだ」
フレンを首を横に振りユーリに言えないと言うとまた剣を振り翳す
観客達は白熱した試合に大きな歓声を浴びせている
「隊長になって張り切んのも良いがあんま一人で無理すんなよ」
「張り切っているのは君だ。そんな楽しそうな姿を見るのは久しぶりだよ」
フレンの言う通り、確かに今のユーリは凄く楽しそうな顔をしていた
「そう言えば・・・」
そしてフレンはまたユーリに剣を振り翳すとユーリはフレンの剣を受け止める
「リアにキスしたって言うのは本当か?」
「何でお前がそんな事知ってんだよ?」
「昨日の晩、リアと会ってね。様子が可笑しかったから色々と聞いたんだ」
「それでリアがオレにされたって言ったのか?」
「いや。途中で言えなくなったよ。けど、」
「リアの態度見てりゃ解るってか」
「そう言う事だ。だから、僕も君と同じ事をした」
「!?」
お互いに剣を弾き、後ろに下がり距離を置く
「成る程な。リアが籠もってる理由はそれか」
ユーリはリアが部屋から出てこない理由がこれでようやく解ったようだった
「悪いけど、僕も引き下がる気はないよ!」
「へっ、言うじゃねぇか。なら、そろそろ本気で白黒衝けるか?」
「望む所だ」
お互いに睨み合う体制になり、そして一歩前に出ようとした時だった
「ユーリ~~~~・・・・ローウェル!」
突然何処からかユーリの名を叫ぶ声が聞こえた
続く
あとがき
此処で終了ι
かなり悩んで書いてるのが読んでても解るなぁ~ι
ま、でもそろそろ進展させておかないとね・・・
次はプロットあるから書けるけど・・・箱版と一緒になりそうな気がしますι
sweet pain and a firm sword(甘い痛みと揺るぎない剣)
2010.02.10
「おはよう、エステル、リタ、ジュディス」
「あ、おはよう御座います」
「おはよう、みんな」
「あれ、リアちゃんは?」
ユーリ達はロビーで別室だったエステル達を待っていたが、その中にいつもいるはずのリアがいなかった
「「・・・・」」
エステルとジュディスは顔を見合わせているとリタが代わりに答えた
「何か体調悪いみたいよ」
「ちょっと貧血気味みたいなので、出発までは休んでいたいそうです」
「そうなの? じゃあ無理させるのも悪いよね」
「アスラが付いているから心配はないと思うけれど」
「アスラが付いてるなら、大丈夫だろ」
「・・・そうだな。じゃ、オレ達は情報でも集めるか」
「ワン、ワン」
ユーリはソファーから立ち上がりエステル達に声を掛けそのまま宿の外へと向かい出したが、その時にユーリの表情が曇っていた事に気が付いたのは隣にいたラピードだけだった
52.sweet pain and a firm sword
「・・・・・」
夜が明けて、朝が来た
今日は昨日出来なかった砂漠についての情報を集める為に街に出る、予定だった
けど、私はアスラと一緒に部屋に残っていた
「リア、大丈夫?」
「うん・・・」
私は布団と枕に顔を埋めて顔が見えないようにして答えた
「ツラいなら、ハクスイかミズハ呼ぶ?」
「ううん、横になってれば大丈夫・・・。アスラ」
「ん?」
「・・・ちょっと一人にして欲しいの」
「・・・解った。何か遭ったら呼んでね」
「うん・・・ありがとう」
私の言葉にアスラは一瞬驚いていたけど、何かを感じアスラは小さく笑ってそのまま姿を消した
「・・・・」
アスラが姿を消し、部屋は更にシンと静まり返った
実際に一人にして欲しかったのは本当だった
昨日の晩の事があり、私は寝付けずずっと考え込んでいて気が付いたら朝になっていた
一日寝ないでいるのは良くある事だから慣れてはいる
けどベッドから出られない理由、それはユーリとフレンだった
今の状態で二人に会ってしまうといつも以上に変に接してしまうのは確実だった
だから少しでも気持ちを落ち着かせる為に、一人でいたかった
「・・キス、されたんだよね。私・・・」
昔から一緒にいた、幼馴染みで親友のユーリとフレン
今までもそれを踏まえ異性として見ていた事は何度もあった
けど、昨日の晩、二人にキスされて今まで感じていたものとは違う感じがした
「・・・ユーリもフレンも、・・
そう呟くとまたキスされた時の事が頭を過ぎり、胸が苦しくなってそのまま顔を埋めた
*
「にしても、リアちゃんが体調崩すなんて珍しいわね」
「此処のとこ色々遭ったから、その疲れが一気に出たんじゃない?」
「そうだねえ・・・」
ラーギィから依頼を受けて、オレ達は闘技場の受付へと向かっていた
セイはラーギィの言っていた事が怪しすぎると言って真相を調べに行き、オレ達はその為に闘技場の受付に向かっている途中だった
カロル達は今この場にいないリアの事を話していた
実際此処んとこ、色々ありすぎて疲れてるのは確かだ
けど、一番の理由は昨日の事があるからだろう
オレもリアも互いに気になってる事はある
リアが昨日言った事の結論はオレは解ってるが、リア自身が自覚してねえから何とも言えねえ・・・
けど、その事だけで部屋に籠もってる訳じゃねえ気がしていた
「ワフっ」
「お、着いたか」
そう思っていると受付に着き、さっとエントリーを済ませた
「じゃあ、張り切って中までお進み下さぁい♡」
「んじゃ、ちょっくら行ってくるわ」
「頑張って下さいね」
「ああ」
「私も出たかったわ」
「まだ言ってるし・・・ι」
言うとエステル達は客席の方へ向かって行きオレは闘技場の中へと向かい出した
*
「・・・あれ・・?」
ゆっくりと瞼を開けるとぼんやりと天井が見え出す
「・・・私、寝ちゃってた?」
色々と考え込んでいたらいつの間にか寝ていたようだ
私は身体を起こして部屋の中を見た
荷物は置いてあるから、まだみんなこの街にいるようだった
「アスラ」
そう呼ぶとアスラは姿を現して安心した顔を見せれくれた
「リア、もう顔色も良いみたいだね」
「うん。ちょっと休んだから平気。それでこれからみんなと合流しようと思ってるんだけど、何処にいるか解る?」
「ちょっと待ってね・・・闘技場みたいだよ」
「闘技場?」
「うん。でも、ユーリ達とセイは別行動してるみたい」
「別に・・・?」
仕事の事だったら直ぐにアスラに連絡が来るはずなのに、アスラも知らないとなると、仕事絡みじゃないようだった
「アスラ、先に兄さんの所に行って状況を把握して来てくれる? 私は闘技場の方に向かうから」
「解った」
言うとアスラは姿を消して兄さんの所に向かい私はベッドから降りて上着を羽織って髪を整えてから部屋を出た
闘技場に近付くにつれ、大きな歓声が聞こえる
それもいつも以上に盛り上がっているようで、白熱した試合が今行われているのかもしれない
『リア、大変だよ!』
そう思っているとアスラから連絡が入った
(アスラ? どうしたの、そんなに慌てて・・?)
『今、何処にいる?』
(もうすぐ闘技場の客席に着くけど)
『なら直ぐに来て! ボクもそこで待ってるから!』
(え、アスラ!)
「・・・なんだろう?」
あんなに慌てているアスラの声を聞いたのは久しぶりでちょっとだけ唖然としてしまった
「「「「「おおぉぉぉっ!!!」」」」
すると客席から更に大きな歓声が聞こえ、それが気になり私は客席へと足を伸ばした
「なっ!?」
が、私は闘技場で戦っている人物を見て驚いた
「なんで、ユーリとフレンが戦ってるの・・?」
そう、闘技場で戦っているのユーリとフレンだった
「ユーリが挑戦者でフレンが闘技場の現チャンピオンらしいよ」
「えっ!?」
アスラは私を見つけそのまま肩に飛び乗り、その言葉を聞き驚いてユーリとフレンを見た
ユーリはそのまま剣を振り翳し、フレンは後ろに飛び攻撃を交わしながら、お互いに観客に解らないように何か話しているようだった
「少しは手加減をして欲しいな」
「よく言うぜ、簡単に受け止めやがって」
短い会話を交わすとまた攻撃を仕掛ける二人
「手短に事情を聞こうか?」
「騎士団の任務だ。それ以上は言えない」
「闘技場で勝ち抜く任務って一体何の事だよ。それも隊長自ら・・・」
「言えないんだ」
フレンを首を横に振りユーリに言えないと言うとまた剣を振り翳す
観客達は白熱した試合に大きな歓声を浴びせている
「隊長になって張り切んのも良いがあんま一人で無理すんなよ」
「張り切っているのは君だ。そんな楽しそうな姿を見るのは久しぶりだよ」
フレンの言う通り、確かに今のユーリは凄く楽しそうな顔をしていた
「そう言えば・・・」
そしてフレンはまたユーリに剣を振り翳すとユーリはフレンの剣を受け止める
「リアにキスしたって言うのは本当か?」
「何でお前がそんな事知ってんだよ?」
「昨日の晩、リアと会ってね。様子が可笑しかったから色々と聞いたんだ」
「それでリアがオレにされたって言ったのか?」
「いや。途中で言えなくなったよ。けど、」
「リアの態度見てりゃ解るってか」
「そう言う事だ。だから、僕も君と同じ事をした」
「!?」
お互いに剣を弾き、後ろに下がり距離を置く
「成る程な。リアが籠もってる理由はそれか」
ユーリはリアが部屋から出てこない理由がこれでようやく解ったようだった
「悪いけど、僕も引き下がる気はないよ!」
「へっ、言うじゃねぇか。なら、そろそろ本気で白黒衝けるか?」
「望む所だ」
お互いに睨み合う体制になり、そして一歩前に出ようとした時だった
「ユーリ~~~~・・・・ローウェル!」
突然何処からかユーリの名を叫ぶ声が聞こえた
続く
あとがき
此処で終了ι
かなり悩んで書いてるのが読んでても解るなぁ~ι
ま、でもそろそろ進展させておかないとね・・・
次はプロットあるから書けるけど・・・箱版と一緒になりそうな気がしますι
sweet pain and a firm sword(甘い痛みと揺るぎない剣)
2010.02.10