満月の子編
夢主名変更
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ベリウスのいる部屋まで足を運ぶと、その部屋の前には体格の良い男の人が立っていて行く手を阻んでいた
「この先は我が主、ベリウスの私室だ。立ち入りは控えてもらう」
「そのベリウスさんに会いに来たんです」
「何だって? お前達は誰だ?」
「ギルド、凛々の明星だよ」
「・・・聞かない名前だな。主との約束はあるか?」
「え? や、約束?」
「残念ながら、我が主は約束のない者とは会わない」
「ドン・ホワイトホースの使いの者でも?」
「ドン・・・こ、これは失礼。我が名はナッツ。この街の首領代理を務めている。我が主への用向きならば私が承ろう」
「すまないねぇ。一応ベリウスさんに直接渡せってドンから言われてんだ」
「そうか・・・しかしながら、ベリウス様は新月の晩にしか人に会われない。できれば、次の新月の晩に来てもらいたいのだが・・・」
「次の新月か・・・」
次の新月は二週間後、それまでベリウスには会えないようだ
「なら、出直しますか」
「居ないんなら仕方ないもんね」
「わざわざ悪かったな。ドンの使いの者が訪れた事は連絡しておこう」
「頼むわ」
「じゃあ今の内に砂漠の情報を集めてはどう?」
「フェローの情報もね」
「あたしはエアルクレーネの情報探したいんだけど」
「これだけ人の集まる場所なら期待出来そうですね」
「おっさんは先に宿に行ってて良い? とりあえずドンに経過報告の手紙出しとくわ」
「ああ」
「じゃあ、あたし等も行こ」
話しが纏まった所で私達は宿へと向かった
けど、先に宿に向かったはずのレイヴンがまだ来ていないようだったので、私達は情報を集める為に外に出ていた
50.アイフリードの孫
「あ、パティだよ?」
闘技場と街を繋ぐ階段と橋を降りるとカロルが何かを見つけそう言うと、小さな露天の前にパティがいた
「何してるんだろ?」
「買い物みたいですね」
「これとこれ、くれなのじゃ」
「は、はい・・・」
「ちょっと、あんた・・・!」
パティがお店のおばさんに商品を頼むとその様子を見ていた男性がおばさんを呼び、ひそひそと話しを始めた
が、途端おばさんの表情が変わった
「あのぉ・・・その格好・・・」
「・・・・」
私はそれを見て少しだけ表情を固くし、その様子を伺った
「・・・すいませんが、貴方、アイフリードのお孫さん・・・? いやね、ちょっとした噂が流れてるんだ。アイフリードみたいな服着てその孫だって名乗る娘がいるって・・・」
「・・・・!」
その言葉を聞き、パティは息を詰め目を瞠った
「え? 孫? 孫って・・・」
カロルはユーリを見て言うとユーリはさあ・・と言うように手で返事を返した
「・・・やっぱり・・・。えぇと・・・全部で450ガルドになります」
おばさんと男性はパティの表情を見てパティがそう名乗っている本人だと分かり、怪訝そうにする
「・・・・」
パティはおばさんにお金を渡すと背を向ける
「あ、あの・・・もううちにはあまり、来ないで頂けますか、ね・・・」
おばさんは少しだけ嫌そうな声で言うとパティは弱々しい声で言う
「それは・・・うちがアイフリードの孫だからかの?」
「あ、えと・・・そのですね。うちは別にいいんですよ、でもね、ほらお客さんとかが・・・」
「え? いや・・・わたし? いや、ちょっと待って下さいよ、わたしゃ、何もそんな事・・・」
「ちょっと、言ったじゃないですか、ギルドの義に反した奴の孫が来たら店のイメージダウンだって」
「そりゃ、だって人々を守るって言うギルドの本分破って、多くの民間人を殺戮した人物の孫だし・・・」
「そ、それは・・・」
「・・・・」
その様子を見ていた私達は誰もが苛つくほどの物言いだった
「・・・くだらねぇ話してるじゃねぇか」
そう思っていると先に動いたのはユーリだった
「な、何だよ・・・?」
おばさんと男性は急に後ろから声が聞こえ振り返ると、ユーリはそのまま表情を変えずに言葉を続ける
「こんな子供に何の責任があるってんだ。こいつが直接、何か悪い事をしたか?」
「・・・まあ、ユーリ、そう、カリカリするな。いつもの事なのじゃ」
「いつも・・って・・・」
「あんたね、こいつはあんたの事を思って・・・」
「心配せんでも、うちは直ぐにこの街を出て行くのじゃ」
パティの言葉に私とエステルは表情を曇らせているとリタがユーリと同じように前に出るが、パティの言葉で遮られてしまう
「んじゃの」
「あ・・・ちょっと、あんた・・・」
パティはそう告げるとリタの言葉を聞かずそのまま街の外へと走って行った
それを見届けるとおばさんは店終いを始め、男性はさっさとその場を離れて行った
「まったく・・・」
「・・・パティがアイフリードの孫って・・どういう事でしょう?」
「そんな話聞いた事ないけど・・・本当なのかな?」
「・・・・」
「さあ・・・どうだろうな。にしても、アイフリードってそこまで評判悪いのか?」
「ブラックホープ号の事件でギルドの信用を地に貶めたから、ギルド関係者は悪く言う奴が多いからな」
「だから関わりたくないって言う人ばっかりだね」
「・・・成る程な」
ユーリはそれを聞くと踵を返しラピードと一緒に宿へと向かい出す
「あ、ユーリ・・・パティほっといて良いんです?」
「あの子の事よ、強く生きるわ、きっと」
「ああ、それより早く帰らないとおっさんが待ちくたびれてまた悪さを始めかねないぜ」
「・・・そう、ですね・・・」
そこで話しを切り、私達は宿へと向かった
宿に行くとレイヴンが宿に来ていて部屋を2部屋取ってくれていた
宿に泊まれば後はいつも通り朝まで自由行動で各自好きな事を始め、私は外の空気を吸いに港まで出ていた
「・・・・」
私はフィエルティア号のバクルヘッドに腰掛けて波の音を聞きながら空を見上げた
空には綺麗な月と星々、そしてこの街の結界魔導器が見える
その中でも一際輝きを放っている星に目が止まった
「・・・凛々の明星、か・・・」
夜空で最も強い光を放つ星、凛々の明星
ユーリ達ギルドの名前
そして、あの古い伝承・・・
「凛々の明星に満月の子・・・」
―― その昔、世界を滅亡に追い込む災厄が起こりました。
人々は災厄に立ち向かい、多くの命が失われました。
皆が倒れ、力尽きた時、ある兄妹が現れました。
その兄妹は、力を合わせ、災厄と戦い、世界を救いました。
妹は満月の子と呼ばれ、戦いの後も大地に残りました。
兄は凛々の明星と呼ばれ、空から世界を見守る事にしました。――
そうぽつりと呟き、自然とあの伝承を口にしていた
「・・・・」
前に兄さんとアスラとエステルとも話したけど、フェローの言う満月の子があの伝承の満月の子なのか、そして私とエステルが何か関係しているのか・・・
凛々の明星を見て、伝承を口にして、更に考えてしまった
「そんなとこでボーとしてると落ちるぞ」
「・・・ユーリ」
聞き慣れた声が聞こえゆっくりと声の主の方に視線を向けると、フィエルティア号の下にユーリがいた
ユーリはそのままフィエルティア号に乗るのが見え、私はユーリの方へと振り返る
「ユーリも散歩?」
「ああ。さっき言ってたやつって、凛々の明星の話しか?」
「知ってたの?」
「さっきエステルから聞いたんだよ」
それを聞き、エステルも何処かであの凛々の明星を見ながら考え込んでいるのだろうと思った
「何考えてたんだ?」
「・・・ちょっと、ね」
「さっきの事か?」
「うん・・・」
実際に考えていたのはあの伝承の事でもあるけど、もう一つ気がかりになっていた
それはさっきのパティの事だった
「パティの気持ち、凄く分かるの。私達も、昔はああやって毛嫌いされてた部分があったから・・・」
ああいう仕打ちは毛嫌いされる理由があるからだ
それは私のような特殊な力を持っていて違う仕事をしている人も同じで、今現在でも変わらない事だから、言霊使いだと言う事は限られた人達にしか言っていない
パティの気持ちが分かるからこそ、あの時も、そして今もこうやって表情を曇らせて考え込んでいた
怒りを向けるべきアイフリードは、あの事件以降行方知れず
ギルドの人達がアイフリードの孫だと名乗っているパティに怒りの矛先を向けるのは当然と言えば当然の事だ
「けど・・・いくらなんでも、あの仕打ちはヒド過ぎるよ・・・」
何度もああ言った光景を見ているものあり、パティの気持ちが分るから、少しだけ悲しい顔をしてバルクヘッドの上に置いていた手を握った
「・・・きゃっ!?」
そう思っていると急にユーリに腕を引かれ、私はそのままユーリの胸へと倒れてしまった
「っ・・、ユーリ・・?」
ユーリは無言のまま私の背中に腕を回し私を抱きしめた
「リアは優しいな」
「え・・?」
「解ってても、普通はそこまで考えてやれねえと思うぞ」
「エステル達もみんな同じ事思ってるかもしれないけど・・・」
「共感出来る、か?」
「うん・・・」
ユーリの言う通り、あの場にいたエステル達も同じ事を思ってはいても、私や兄さんみたいに特別な力がある一族に生まれている訳じゃないから、パティのように毛嫌いされる気持ちが凄く分るという事はないのかもしれない・・・
「リアのその気持ち、パティに届いてると思うぜ」
「ユーリ・・・うん」
そう思っているとユーリは少しだけ強く私を抱きしめ優しく微笑んで言い、私も微笑み返し、ユーリの胸に顔を埋めた
続く
あとがき
此処で終了!!(えっ!?)
この後もうちょっと話続くけど、此処で終わらせます
その方が次回書きやすいのでι
さて、本編ではパティがアイフリードの孫?と言う話しが出て来ました
けど、あの仕打ちはホント見てて可哀想でしたよ・・・
その辺りも今後に繋がってくるのか・・?
さ、次はこの後のユーリとリアちゃんの会話からスタートです
次回はまたまたちょっと進展あり!? になりそうです!
2010.02.09
「この先は我が主、ベリウスの私室だ。立ち入りは控えてもらう」
「そのベリウスさんに会いに来たんです」
「何だって? お前達は誰だ?」
「ギルド、凛々の明星だよ」
「・・・聞かない名前だな。主との約束はあるか?」
「え? や、約束?」
「残念ながら、我が主は約束のない者とは会わない」
「ドン・ホワイトホースの使いの者でも?」
「ドン・・・こ、これは失礼。我が名はナッツ。この街の首領代理を務めている。我が主への用向きならば私が承ろう」
「すまないねぇ。一応ベリウスさんに直接渡せってドンから言われてんだ」
「そうか・・・しかしながら、ベリウス様は新月の晩にしか人に会われない。できれば、次の新月の晩に来てもらいたいのだが・・・」
「次の新月か・・・」
次の新月は二週間後、それまでベリウスには会えないようだ
「なら、出直しますか」
「居ないんなら仕方ないもんね」
「わざわざ悪かったな。ドンの使いの者が訪れた事は連絡しておこう」
「頼むわ」
「じゃあ今の内に砂漠の情報を集めてはどう?」
「フェローの情報もね」
「あたしはエアルクレーネの情報探したいんだけど」
「これだけ人の集まる場所なら期待出来そうですね」
「おっさんは先に宿に行ってて良い? とりあえずドンに経過報告の手紙出しとくわ」
「ああ」
「じゃあ、あたし等も行こ」
話しが纏まった所で私達は宿へと向かった
けど、先に宿に向かったはずのレイヴンがまだ来ていないようだったので、私達は情報を集める為に外に出ていた
50.アイフリードの孫
「あ、パティだよ?」
闘技場と街を繋ぐ階段と橋を降りるとカロルが何かを見つけそう言うと、小さな露天の前にパティがいた
「何してるんだろ?」
「買い物みたいですね」
「これとこれ、くれなのじゃ」
「は、はい・・・」
「ちょっと、あんた・・・!」
パティがお店のおばさんに商品を頼むとその様子を見ていた男性がおばさんを呼び、ひそひそと話しを始めた
が、途端おばさんの表情が変わった
「あのぉ・・・その格好・・・」
「・・・・」
私はそれを見て少しだけ表情を固くし、その様子を伺った
「・・・すいませんが、貴方、アイフリードのお孫さん・・・? いやね、ちょっとした噂が流れてるんだ。アイフリードみたいな服着てその孫だって名乗る娘がいるって・・・」
「・・・・!」
その言葉を聞き、パティは息を詰め目を瞠った
「え? 孫? 孫って・・・」
カロルはユーリを見て言うとユーリはさあ・・と言うように手で返事を返した
「・・・やっぱり・・・。えぇと・・・全部で450ガルドになります」
おばさんと男性はパティの表情を見てパティがそう名乗っている本人だと分かり、怪訝そうにする
「・・・・」
パティはおばさんにお金を渡すと背を向ける
「あ、あの・・・もううちにはあまり、来ないで頂けますか、ね・・・」
おばさんは少しだけ嫌そうな声で言うとパティは弱々しい声で言う
「それは・・・うちがアイフリードの孫だからかの?」
「あ、えと・・・そのですね。うちは別にいいんですよ、でもね、ほらお客さんとかが・・・」
「え? いや・・・わたし? いや、ちょっと待って下さいよ、わたしゃ、何もそんな事・・・」
「ちょっと、言ったじゃないですか、ギルドの義に反した奴の孫が来たら店のイメージダウンだって」
「そりゃ、だって人々を守るって言うギルドの本分破って、多くの民間人を殺戮した人物の孫だし・・・」
「そ、それは・・・」
「・・・・」
その様子を見ていた私達は誰もが苛つくほどの物言いだった
「・・・くだらねぇ話してるじゃねぇか」
そう思っていると先に動いたのはユーリだった
「な、何だよ・・・?」
おばさんと男性は急に後ろから声が聞こえ振り返ると、ユーリはそのまま表情を変えずに言葉を続ける
「こんな子供に何の責任があるってんだ。こいつが直接、何か悪い事をしたか?」
「・・・まあ、ユーリ、そう、カリカリするな。いつもの事なのじゃ」
「いつも・・って・・・」
「あんたね、こいつはあんたの事を思って・・・」
「心配せんでも、うちは直ぐにこの街を出て行くのじゃ」
パティの言葉に私とエステルは表情を曇らせているとリタがユーリと同じように前に出るが、パティの言葉で遮られてしまう
「んじゃの」
「あ・・・ちょっと、あんた・・・」
パティはそう告げるとリタの言葉を聞かずそのまま街の外へと走って行った
それを見届けるとおばさんは店終いを始め、男性はさっさとその場を離れて行った
「まったく・・・」
「・・・パティがアイフリードの孫って・・どういう事でしょう?」
「そんな話聞いた事ないけど・・・本当なのかな?」
「・・・・」
「さあ・・・どうだろうな。にしても、アイフリードってそこまで評判悪いのか?」
「ブラックホープ号の事件でギルドの信用を地に貶めたから、ギルド関係者は悪く言う奴が多いからな」
「だから関わりたくないって言う人ばっかりだね」
「・・・成る程な」
ユーリはそれを聞くと踵を返しラピードと一緒に宿へと向かい出す
「あ、ユーリ・・・パティほっといて良いんです?」
「あの子の事よ、強く生きるわ、きっと」
「ああ、それより早く帰らないとおっさんが待ちくたびれてまた悪さを始めかねないぜ」
「・・・そう、ですね・・・」
そこで話しを切り、私達は宿へと向かった
宿に行くとレイヴンが宿に来ていて部屋を2部屋取ってくれていた
宿に泊まれば後はいつも通り朝まで自由行動で各自好きな事を始め、私は外の空気を吸いに港まで出ていた
「・・・・」
私はフィエルティア号のバクルヘッドに腰掛けて波の音を聞きながら空を見上げた
空には綺麗な月と星々、そしてこの街の結界魔導器が見える
その中でも一際輝きを放っている星に目が止まった
「・・・凛々の明星、か・・・」
夜空で最も強い光を放つ星、凛々の明星
ユーリ達ギルドの名前
そして、あの古い伝承・・・
「凛々の明星に満月の子・・・」
―― その昔、世界を滅亡に追い込む災厄が起こりました。
人々は災厄に立ち向かい、多くの命が失われました。
皆が倒れ、力尽きた時、ある兄妹が現れました。
その兄妹は、力を合わせ、災厄と戦い、世界を救いました。
妹は満月の子と呼ばれ、戦いの後も大地に残りました。
兄は凛々の明星と呼ばれ、空から世界を見守る事にしました。――
そうぽつりと呟き、自然とあの伝承を口にしていた
「・・・・」
前に兄さんとアスラとエステルとも話したけど、フェローの言う満月の子があの伝承の満月の子なのか、そして私とエステルが何か関係しているのか・・・
凛々の明星を見て、伝承を口にして、更に考えてしまった
「そんなとこでボーとしてると落ちるぞ」
「・・・ユーリ」
聞き慣れた声が聞こえゆっくりと声の主の方に視線を向けると、フィエルティア号の下にユーリがいた
ユーリはそのままフィエルティア号に乗るのが見え、私はユーリの方へと振り返る
「ユーリも散歩?」
「ああ。さっき言ってたやつって、凛々の明星の話しか?」
「知ってたの?」
「さっきエステルから聞いたんだよ」
それを聞き、エステルも何処かであの凛々の明星を見ながら考え込んでいるのだろうと思った
「何考えてたんだ?」
「・・・ちょっと、ね」
「さっきの事か?」
「うん・・・」
実際に考えていたのはあの伝承の事でもあるけど、もう一つ気がかりになっていた
それはさっきのパティの事だった
「パティの気持ち、凄く分かるの。私達も、昔はああやって毛嫌いされてた部分があったから・・・」
ああいう仕打ちは毛嫌いされる理由があるからだ
それは私のような特殊な力を持っていて違う仕事をしている人も同じで、今現在でも変わらない事だから、言霊使いだと言う事は限られた人達にしか言っていない
パティの気持ちが分かるからこそ、あの時も、そして今もこうやって表情を曇らせて考え込んでいた
怒りを向けるべきアイフリードは、あの事件以降行方知れず
ギルドの人達がアイフリードの孫だと名乗っているパティに怒りの矛先を向けるのは当然と言えば当然の事だ
「けど・・・いくらなんでも、あの仕打ちはヒド過ぎるよ・・・」
何度もああ言った光景を見ているものあり、パティの気持ちが分るから、少しだけ悲しい顔をしてバルクヘッドの上に置いていた手を握った
「・・・きゃっ!?」
そう思っていると急にユーリに腕を引かれ、私はそのままユーリの胸へと倒れてしまった
「っ・・、ユーリ・・?」
ユーリは無言のまま私の背中に腕を回し私を抱きしめた
「リアは優しいな」
「え・・?」
「解ってても、普通はそこまで考えてやれねえと思うぞ」
「エステル達もみんな同じ事思ってるかもしれないけど・・・」
「共感出来る、か?」
「うん・・・」
ユーリの言う通り、あの場にいたエステル達も同じ事を思ってはいても、私や兄さんみたいに特別な力がある一族に生まれている訳じゃないから、パティのように毛嫌いされる気持ちが凄く分るという事はないのかもしれない・・・
「リアのその気持ち、パティに届いてると思うぜ」
「ユーリ・・・うん」
そう思っているとユーリは少しだけ強く私を抱きしめ優しく微笑んで言い、私も微笑み返し、ユーリの胸に顔を埋めた
続く
あとがき
此処で終了!!(えっ!?)
この後もうちょっと話続くけど、此処で終わらせます
その方が次回書きやすいのでι
さて、本編ではパティがアイフリードの孫?と言う話しが出て来ました
けど、あの仕打ちはホント見てて可哀想でしたよ・・・
その辺りも今後に繋がってくるのか・・?
さ、次はこの後のユーリとリアちゃんの会話からスタートです
次回はまたまたちょっと進展あり!? になりそうです!
2010.02.09