満月の子編
夢主名変更
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「わあ、これ可愛いです♡」
「私はもう少し違うのが良いわ」
「確かにこれはエステル向きかもね」
ショップに着くと直ぐにエステルとジュディスが服を選び出し、私も一緒になって色々な服を見ていた
41.扉越しで伝わる体温
「あ、これ可愛い」
エステルとジュディは未だに作戦で使う衣装を選んで話しをしていて時間も掛かり、ユーリ達は自由に過ごしていて、私も少しだけ場所を離れて普通に着れる服を見ていた
ショップの人は大した物はない、って言ってたけど、結構あるな、と思い目に止まった服を見ているとエステルが私を呼んだ
「リアー、ちょっと来て下さい」
「あ、選び終わったのかな?」
やっと選び終わったのかと思ってエステルとジュディスの元へ向かった
「リア、これを着てみて下さい」
「え?」
二人の元に着くとエステルはニコリとして私に一枚の服を渡した
「リアに似合いそうだと思ったので、着てみて下さい♡」
「じゃあ、私は先に着替えるわね」
ジュディスはニコリと笑ってそのまま更衣室へと入って行き、エステルも自分の服を選んだのか同じくニコリと笑って更衣室へと入って行った
「・・・・」
一人取り残された私はエステルから渡された服を少しだけ見つめた
「・・・とりえあず、着てみようかな」
せっかくエステルが見つけてくれた物だから、と思って私も更衣室へと入った
*
「遅いね、ジュディス達」
「女は服とか選ぶのに時間掛かるからな」
場所は変わってこちらは男子サイド
服選びに時間が掛かっているジュディス達を待っているが、あまりにも時間が掛かっていて皆、暇を持て余していた
「でもさっき更衣室に入って行くのが見えたからもうすぐ来るんじゃない?」
「だと良いけどな」
「お待たせしました!」
アスラとユーリの言葉の後にエステルの元気な声が聞こえ一同はその方向へと顔を向けた
そこには色仕掛け作戦で使う衣装を纏ったジュディスとエステルの姿があった
「どうです? 似合ってます?」
「似合ってます・・って、エステル、お前も着たのか?」
「はい、可愛かったので着てみました♡」
「・・・此処にフレンが居なくて良かったな」
「ああ。居たら確実にオレ達殺されてるぞ」
「うん・・・ι」「ワフゥ・・・」
セイとユーリとアスラとラピードは、もう一人の幼馴染みであるフレンの事を思った
エステルが自分で選んで着たとはいえ、彼女は一国の姫だ
騎士である彼が此処にいたら、ユーリ達は説教を食らって・・いや、説教だけじゃ済まなかっただろうι
そう思っているとカロルがジュディスの格好を見てぼそりと呟いていた
「大人って、こういう格好が好きなんだ・・・」
「あれ? リアは?」
「そういや、いねえな」
アスラの言葉でこの場にリアがいない事に気が付きユーリ達も辺りを見た
「ああ、リアなら・・・」
「・・エステル・・ジュディス・・・」
ジュディスがニコリと笑って答えようとしていると、もう一つの更衣室のドアが少しだけ開き、そこからリアの声が聞こえた
「あ、着替え終わったみたいです」
そしてそのままエステルとジュディスはリアがいる更衣室へと向かった
「ね、ねえ・・・本当に・・・、・・?」
「はい♡」
「で、でも、・・・」
「あら? ・・・、でしょ」
リアはまだ更衣室の中のようでそこから途切れ途切れで会話が聞こえるが、何を話しているかはユーリ達には全く解らない
「・・・何かもめてるみたいだよ?」
「だねえ・・・」
だが、何かもめている感じがしていたが、急にジュディスとエステルがユーリ達に向き合った
「じゃあ、お披露目といきましょうか」
「はい♡」
「え、ちょっ///」
言うとエステルとジュディスはリアの言葉を遮り、更衣室の扉を開けた
「「「「「・・・・」」」」」
が、一瞬にしてその場の空気が変わり、ユーリ達はリアの姿を見て固まってしまった
それはリアがエステルとジュディスと同じく、色仕掛け用の衣装を着ていたからだった
「あ、あれ・・? みんな・・・?」
リアはユーリ達が固まって何も言えなくなってしまった事に気付いていないのかそのまま首を傾げた
(っ///、その格好で小首を傾げて聞くのは反則だろっ///)
そんなリアを見てユーリは少しだけ視線を外し、カロルは顔を赤くして俯けていた
(まあカロルには刺激が強すぎるか・・・)
そんなユーリ達を見てエステルとジュディスはニコニコと笑っていた
「・・で、何でリアもそんな格好してるんだ?」
最初に言葉を発したのはセイだった
「えと・・エステルが選んでくれた服を着たらこれだったの」
「似合ってますよね、ユーリ?」
「ん、ああ・・まあ、な」
「ホント?」
「っ/// ああ」
今度は少しだけ上目遣いで聞いて来たリアにユーリは更に視線を外して答え、その言葉にリアも少しだけ照れてしまった
「じゃあ、リア、そろそろ行きましょうか」
急にジュディスにそう言われ顔を上げるとニコリとしたジュディスとエステルがいた
「え? 行くって、何処に?」
「勿論、色仕掛け作戦に、です♡」
「ええ!?」
エステルの言葉にカロルは驚いて声を上げ、ユーリとセイとアスラも驚いた顔をしていた
「え、だって、ジュディスがやるんじゃ・・・」
「あら、私はやるだなんて一言も言ってないわ」
「わたし達はこの服が可愛かったので着てみただけです」
「それに、私やエステルがやるより、リアの方が効果があるでしょ?」
その言葉は先程まで固まっていた男性陣に向けられた言葉、そしてユーリへと向けられた言葉だった
ジュディスの言葉にまた押し黙ってしまい、そんな男性陣を見てジュディスは小さく笑ってリアへと視線を戻す
「そういう事だから、頑張ってね、リア」
「頑張って下さい! リアなら大丈夫です♡」
「え、え?」
言うとリアはニッコリとしたジュディスとエステルに連れられて歩き出した
「ちょっ、その前にお前等はその格好どうにかしろ」
ユーリはそのまま外へと向かいそうになっていたジュディスとエステルを呼び止め、二人は私服へ着替える為に更衣室へと向かったのだった
そして・・・
「・・・結局はこうなるんだねι」
リアは見事に色仕掛け作戦を実行し、見張りの騎士をユーリ達が隠れている結界魔導器の所まで連れて来た
そして、タイミングを計ったかの様に歩いて行くと、直ぐにユーリとセイがその騎士を殴り倒した
(今、凄い音がしたような・・・ι)
「リア、お疲れ様です」
「お疲れ様」
そう思っているとエステルがリアに駆け寄り、ジュディスが上着を掛けてくれた
「ありがと、二人共。ユーリも兄さんもありがと。じゃあ私着替え」
「じゃ、行くぞ」
「え? ユ、ユーリ!?」
リアが着替えに行こうとしていると、急にユーリに腕を引かれ、そのままショップの方へと向かって歩き出した
「それにしても、本当に成功しちゃうなんてね・・・」
「成功しないって思ってたのか?」
ショップに着くとリアはそのまま更衣室へ向かい、着替えながら扉越しにユーリと話しをしていた
「あの騎士の人、真面目そうだったから・・・だからちょっとだけ申し訳ないな」
「リアらしい考えだな」
「それに、こう言うの、得意じゃなかったし・・・」
「結果的に成功したんだから良いじゃねえか。それにエステルもジュディも言ってただろ、同姓のわたし達もドキドキしてましたって」
「それ、素直に喜んで良いのか微妙なんだけど・・・ι」
「喜んどけって」
「うーん・・・あ、」
ユーリの言葉に少しだけ照れてしまってどう答えようかと思っていると、リアが何かに気が付き声音が変わった
「ん、どうした?」
「あ、うん・・・。ねえ、ユーリ」
「ん?」
「えと、服のファスナーに髪が絡まっちゃったから、・・取って欲しいんだけど・・・」
「・・・つまりそれは中に入って取って欲しい、って事か?」
「うん・・・」
「・・・・」
その言葉を聞きお互いに少しだけ間が出来てしまう
他の誰かに頼もうにも、周りには誰もいない
リアもそれを解っているからユーリに声を掛けたのだった
「・・・解ったよ。じゃあ、入るぞ」
「うん・・・」
言うとユーリは更衣室の扉を開けて中に入った
「で、何処・・っ!///」
が、中に入ってリアの姿を見た途端、ユーリは固まってしまった
「・・ユーリ?」
リアは固まってしまったユーリを見て首を傾げユーリを見るとユーリは直ぐに視線を逸らした
「取るぞ・・・///」
「う、うん・・?」
リアは疑問符を浮かべながら引っかかってる所を見せ、ユーリは絡まっている髪を取り始める
「・・・終わったぞ」
「ありがとう」
思ったより絡まっていなかったのか髪は直ぐに取れたが、ユーリはそのままボーとしていた
「ユーリ、どうしたの?」
「・・・・」
「・・・? ・・っ!?///」
未だに返事が返ってこないユーリの視線の先を見ると、鏡に着替え中の姿が映っていた
「ちょっ、あ、あんまり前・・見ないでよ///」
それに気付きリアは顔を染め開けっ放しだった胸元を隠しながら言うと、ユーリは眉を寄せリアに詰め寄り空いた手を掴んだ
「っ・・・、ユー・・リ・・?」
「・・・だな」
「え・・?」
「さっきはあんなに平気そうだったのに、今は平気じゃないんだな」
「え・・だって、あれは作戦だったし/// それに、今はそれとは・・・」
「・・・・」
言葉を続けようとするが、ユーリがじっとリアの目を見ていて、何故か視線を逸らす事が出来ず言葉も途絶えてしまった
「そ、れに・・・ユーリ・・だし///」
「・・・・」
リアはそう言って顔を赤くして俯き、ユーリはその言葉を聞き驚いた顔をしたが、直ぐに掴んでいたリアの手を放して、悪ぃ・・と小さく呟いて更衣室を出た
ユーリが更衣室を出たのを見送った後、リアは身体の力が抜けそのまま座り込んでしまった
「わ、たし・・・」
(さっき、何て言おうとしたの?)
『ユーリ・・だし///』
(ユーリだから・・? ユーリに、・・見られたから・・? それとも・・・)
「・・・っ///」
リアはそれ以上何も考えられなくなり、そのまま扉に寄り掛かり膝を抱えて赤くなっている顔を埋めた
「・・・はあ」
更衣室から出たユーリはそのまま扉に寄りかかり頭に手を置いて座り込んだ
「何やってんだ、オレは・・・」
ユーリは更衣室の中での出来事を思い出し複雑な顔をした
周りに誰もいなく、ユーリに声を掛けユーリは中に入ったが、リアは着替え中の自分の姿が鏡に映っている事に気が付いていなかった
が、最後にその事に気が付いて顔を赤くした
「リアだってあれくらい解ってただろうにな・・・」
ただでさえ色仕掛け用の衣装を着ていていつもより違う姿を見せられ、ユーリを含む男性陣は固まり動揺していた
ユーリの場合、好きな相手があの格好で、しかも着替え中の姿を見たのだから尚更複雑な思いだった
「リアが鈍いのは知ってるが・・・」
あの反応はどう見てもユーリを異性として見ている証拠だったが、あの時は作戦の時と態度が違い少しだけ嫉妬してああ言ってしまった
「・・・カッコ悪ぃとこ見せちまったな」
『そ、れに・・・ユーリ・・だし///』
「・・・・」
最後に言われた言葉を思い出しユーリは更に複雑な顔をした
(あれはそう思って良いのか? けど、普段のリアを見てる限りじゃそれはねえし、セイもアスラも何も言ってなかったしな・・・)
ユーリとフレンの事を幼馴染みであり親友であり、異性としても見ている事は知っていたが、さっきの言葉を思い出すとどう捉えて良いのか悩んでしまう
「・・・ますます解んなくなってきた」
ユーリははあ・・と大きな溜息を吐き、更に扉に寄り掛かった
ユーリとリアはお互い扉に寄り掛かり扉越しで悩んでいたと言う事は知らなかった
だが、お互いに何処か温かさを感じていた
続く
あとがき
ホッ、なんとか別パターンで仕上がった
一回仕上げたんですけど、もう少し違うパターンで書きたくて書いていったらこうなった!?
此処ちょっとだけリアちゃんがユーリの事を意識して距離が縮まる感じにしたかったので、最後はちょっと複雑~な感じで終わらせてみました
お互いにどう捉えているのやら・・・?
そこは追々ねw
さ、何とか色仕掛けも終わったし、二人のやり取りも終わったし、次回はみんなの所に戻ってキャンプに乗り込みます!
2010.01.26
「私はもう少し違うのが良いわ」
「確かにこれはエステル向きかもね」
ショップに着くと直ぐにエステルとジュディスが服を選び出し、私も一緒になって色々な服を見ていた
41.扉越しで伝わる体温
「あ、これ可愛い」
エステルとジュディは未だに作戦で使う衣装を選んで話しをしていて時間も掛かり、ユーリ達は自由に過ごしていて、私も少しだけ場所を離れて普通に着れる服を見ていた
ショップの人は大した物はない、って言ってたけど、結構あるな、と思い目に止まった服を見ているとエステルが私を呼んだ
「リアー、ちょっと来て下さい」
「あ、選び終わったのかな?」
やっと選び終わったのかと思ってエステルとジュディスの元へ向かった
「リア、これを着てみて下さい」
「え?」
二人の元に着くとエステルはニコリとして私に一枚の服を渡した
「リアに似合いそうだと思ったので、着てみて下さい♡」
「じゃあ、私は先に着替えるわね」
ジュディスはニコリと笑ってそのまま更衣室へと入って行き、エステルも自分の服を選んだのか同じくニコリと笑って更衣室へと入って行った
「・・・・」
一人取り残された私はエステルから渡された服を少しだけ見つめた
「・・・とりえあず、着てみようかな」
せっかくエステルが見つけてくれた物だから、と思って私も更衣室へと入った
*
「遅いね、ジュディス達」
「女は服とか選ぶのに時間掛かるからな」
場所は変わってこちらは男子サイド
服選びに時間が掛かっているジュディス達を待っているが、あまりにも時間が掛かっていて皆、暇を持て余していた
「でもさっき更衣室に入って行くのが見えたからもうすぐ来るんじゃない?」
「だと良いけどな」
「お待たせしました!」
アスラとユーリの言葉の後にエステルの元気な声が聞こえ一同はその方向へと顔を向けた
そこには色仕掛け作戦で使う衣装を纏ったジュディスとエステルの姿があった
「どうです? 似合ってます?」
「似合ってます・・って、エステル、お前も着たのか?」
「はい、可愛かったので着てみました♡」
「・・・此処にフレンが居なくて良かったな」
「ああ。居たら確実にオレ達殺されてるぞ」
「うん・・・ι」「ワフゥ・・・」
セイとユーリとアスラとラピードは、もう一人の幼馴染みであるフレンの事を思った
エステルが自分で選んで着たとはいえ、彼女は一国の姫だ
騎士である彼が此処にいたら、ユーリ達は説教を食らって・・いや、説教だけじゃ済まなかっただろうι
そう思っているとカロルがジュディスの格好を見てぼそりと呟いていた
「大人って、こういう格好が好きなんだ・・・」
「あれ? リアは?」
「そういや、いねえな」
アスラの言葉でこの場にリアがいない事に気が付きユーリ達も辺りを見た
「ああ、リアなら・・・」
「・・エステル・・ジュディス・・・」
ジュディスがニコリと笑って答えようとしていると、もう一つの更衣室のドアが少しだけ開き、そこからリアの声が聞こえた
「あ、着替え終わったみたいです」
そしてそのままエステルとジュディスはリアがいる更衣室へと向かった
「ね、ねえ・・・本当に・・・、・・?」
「はい♡」
「で、でも、・・・」
「あら? ・・・、でしょ」
リアはまだ更衣室の中のようでそこから途切れ途切れで会話が聞こえるが、何を話しているかはユーリ達には全く解らない
「・・・何かもめてるみたいだよ?」
「だねえ・・・」
だが、何かもめている感じがしていたが、急にジュディスとエステルがユーリ達に向き合った
「じゃあ、お披露目といきましょうか」
「はい♡」
「え、ちょっ///」
言うとエステルとジュディスはリアの言葉を遮り、更衣室の扉を開けた
「「「「「・・・・」」」」」
が、一瞬にしてその場の空気が変わり、ユーリ達はリアの姿を見て固まってしまった
それはリアがエステルとジュディスと同じく、色仕掛け用の衣装を着ていたからだった
「あ、あれ・・? みんな・・・?」
リアはユーリ達が固まって何も言えなくなってしまった事に気付いていないのかそのまま首を傾げた
(っ///、その格好で小首を傾げて聞くのは反則だろっ///)
そんなリアを見てユーリは少しだけ視線を外し、カロルは顔を赤くして俯けていた
(まあカロルには刺激が強すぎるか・・・)
そんなユーリ達を見てエステルとジュディスはニコニコと笑っていた
「・・で、何でリアもそんな格好してるんだ?」
最初に言葉を発したのはセイだった
「えと・・エステルが選んでくれた服を着たらこれだったの」
「似合ってますよね、ユーリ?」
「ん、ああ・・まあ、な」
「ホント?」
「っ/// ああ」
今度は少しだけ上目遣いで聞いて来たリアにユーリは更に視線を外して答え、その言葉にリアも少しだけ照れてしまった
「じゃあ、リア、そろそろ行きましょうか」
急にジュディスにそう言われ顔を上げるとニコリとしたジュディスとエステルがいた
「え? 行くって、何処に?」
「勿論、色仕掛け作戦に、です♡」
「ええ!?」
エステルの言葉にカロルは驚いて声を上げ、ユーリとセイとアスラも驚いた顔をしていた
「え、だって、ジュディスがやるんじゃ・・・」
「あら、私はやるだなんて一言も言ってないわ」
「わたし達はこの服が可愛かったので着てみただけです」
「それに、私やエステルがやるより、リアの方が効果があるでしょ?」
その言葉は先程まで固まっていた男性陣に向けられた言葉、そしてユーリへと向けられた言葉だった
ジュディスの言葉にまた押し黙ってしまい、そんな男性陣を見てジュディスは小さく笑ってリアへと視線を戻す
「そういう事だから、頑張ってね、リア」
「頑張って下さい! リアなら大丈夫です♡」
「え、え?」
言うとリアはニッコリとしたジュディスとエステルに連れられて歩き出した
「ちょっ、その前にお前等はその格好どうにかしろ」
ユーリはそのまま外へと向かいそうになっていたジュディスとエステルを呼び止め、二人は私服へ着替える為に更衣室へと向かったのだった
そして・・・
「・・・結局はこうなるんだねι」
リアは見事に色仕掛け作戦を実行し、見張りの騎士をユーリ達が隠れている結界魔導器の所まで連れて来た
そして、タイミングを計ったかの様に歩いて行くと、直ぐにユーリとセイがその騎士を殴り倒した
(今、凄い音がしたような・・・ι)
「リア、お疲れ様です」
「お疲れ様」
そう思っているとエステルがリアに駆け寄り、ジュディスが上着を掛けてくれた
「ありがと、二人共。ユーリも兄さんもありがと。じゃあ私着替え」
「じゃ、行くぞ」
「え? ユ、ユーリ!?」
リアが着替えに行こうとしていると、急にユーリに腕を引かれ、そのままショップの方へと向かって歩き出した
「それにしても、本当に成功しちゃうなんてね・・・」
「成功しないって思ってたのか?」
ショップに着くとリアはそのまま更衣室へ向かい、着替えながら扉越しにユーリと話しをしていた
「あの騎士の人、真面目そうだったから・・・だからちょっとだけ申し訳ないな」
「リアらしい考えだな」
「それに、こう言うの、得意じゃなかったし・・・」
「結果的に成功したんだから良いじゃねえか。それにエステルもジュディも言ってただろ、同姓のわたし達もドキドキしてましたって」
「それ、素直に喜んで良いのか微妙なんだけど・・・ι」
「喜んどけって」
「うーん・・・あ、」
ユーリの言葉に少しだけ照れてしまってどう答えようかと思っていると、リアが何かに気が付き声音が変わった
「ん、どうした?」
「あ、うん・・・。ねえ、ユーリ」
「ん?」
「えと、服のファスナーに髪が絡まっちゃったから、・・取って欲しいんだけど・・・」
「・・・つまりそれは中に入って取って欲しい、って事か?」
「うん・・・」
「・・・・」
その言葉を聞きお互いに少しだけ間が出来てしまう
他の誰かに頼もうにも、周りには誰もいない
リアもそれを解っているからユーリに声を掛けたのだった
「・・・解ったよ。じゃあ、入るぞ」
「うん・・・」
言うとユーリは更衣室の扉を開けて中に入った
「で、何処・・っ!///」
が、中に入ってリアの姿を見た途端、ユーリは固まってしまった
「・・ユーリ?」
リアは固まってしまったユーリを見て首を傾げユーリを見るとユーリは直ぐに視線を逸らした
「取るぞ・・・///」
「う、うん・・?」
リアは疑問符を浮かべながら引っかかってる所を見せ、ユーリは絡まっている髪を取り始める
「・・・終わったぞ」
「ありがとう」
思ったより絡まっていなかったのか髪は直ぐに取れたが、ユーリはそのままボーとしていた
「ユーリ、どうしたの?」
「・・・・」
「・・・? ・・っ!?///」
未だに返事が返ってこないユーリの視線の先を見ると、鏡に着替え中の姿が映っていた
「ちょっ、あ、あんまり前・・見ないでよ///」
それに気付きリアは顔を染め開けっ放しだった胸元を隠しながら言うと、ユーリは眉を寄せリアに詰め寄り空いた手を掴んだ
「っ・・・、ユー・・リ・・?」
「・・・だな」
「え・・?」
「さっきはあんなに平気そうだったのに、今は平気じゃないんだな」
「え・・だって、あれは作戦だったし/// それに、今はそれとは・・・」
「・・・・」
言葉を続けようとするが、ユーリがじっとリアの目を見ていて、何故か視線を逸らす事が出来ず言葉も途絶えてしまった
「そ、れに・・・ユーリ・・だし///」
「・・・・」
リアはそう言って顔を赤くして俯き、ユーリはその言葉を聞き驚いた顔をしたが、直ぐに掴んでいたリアの手を放して、悪ぃ・・と小さく呟いて更衣室を出た
ユーリが更衣室を出たのを見送った後、リアは身体の力が抜けそのまま座り込んでしまった
「わ、たし・・・」
(さっき、何て言おうとしたの?)
『ユーリ・・だし///』
(ユーリだから・・? ユーリに、・・見られたから・・? それとも・・・)
「・・・っ///」
リアはそれ以上何も考えられなくなり、そのまま扉に寄り掛かり膝を抱えて赤くなっている顔を埋めた
「・・・はあ」
更衣室から出たユーリはそのまま扉に寄りかかり頭に手を置いて座り込んだ
「何やってんだ、オレは・・・」
ユーリは更衣室の中での出来事を思い出し複雑な顔をした
周りに誰もいなく、ユーリに声を掛けユーリは中に入ったが、リアは着替え中の自分の姿が鏡に映っている事に気が付いていなかった
が、最後にその事に気が付いて顔を赤くした
「リアだってあれくらい解ってただろうにな・・・」
ただでさえ色仕掛け用の衣装を着ていていつもより違う姿を見せられ、ユーリを含む男性陣は固まり動揺していた
ユーリの場合、好きな相手があの格好で、しかも着替え中の姿を見たのだから尚更複雑な思いだった
「リアが鈍いのは知ってるが・・・」
あの反応はどう見てもユーリを異性として見ている証拠だったが、あの時は作戦の時と態度が違い少しだけ嫉妬してああ言ってしまった
「・・・カッコ悪ぃとこ見せちまったな」
『そ、れに・・・ユーリ・・だし///』
「・・・・」
最後に言われた言葉を思い出しユーリは更に複雑な顔をした
(あれはそう思って良いのか? けど、普段のリアを見てる限りじゃそれはねえし、セイもアスラも何も言ってなかったしな・・・)
ユーリとフレンの事を幼馴染みであり親友であり、異性としても見ている事は知っていたが、さっきの言葉を思い出すとどう捉えて良いのか悩んでしまう
「・・・ますます解んなくなってきた」
ユーリははあ・・と大きな溜息を吐き、更に扉に寄り掛かった
ユーリとリアはお互い扉に寄り掛かり扉越しで悩んでいたと言う事は知らなかった
だが、お互いに何処か温かさを感じていた
続く
あとがき
ホッ、なんとか別パターンで仕上がった
一回仕上げたんですけど、もう少し違うパターンで書きたくて書いていったらこうなった!?
此処ちょっとだけリアちゃんがユーリの事を意識して距離が縮まる感じにしたかったので、最後はちょっと複雑~な感じで終わらせてみました
お互いにどう捉えているのやら・・・?
そこは追々ねw
さ、何とか色仕掛けも終わったし、二人のやり取りも終わったし、次回はみんなの所に戻ってキャンプに乗り込みます!
2010.01.26