満月の子編
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翌朝、エステルが帝都に戻る事になり兄さんは仕事でドンの所に行く事になったので軽く挨拶をして、ドンの所に向かった
エステルの見送り、とも思ったけど逆に帰りづらくさせてしまうような気がしたので部屋を出る時に挨拶をして私は本業の仕事に行っていた
「・・・れ・・・・。ふぅ・・これで終りね」
「お疲れ様、リア」
私は集中を解き、ゆっくりと息を吐いているとアスラが私の元にやって来た
「もうこの辺りには異常を感じないから、これで仕事は終わりだね」
「うん。アスラもお疲れ様」
「そう言えば、エステルの見送りに行かなくて良かったの?」
「何か帰りづらくさせる気がして・・・。今はユーリ達が見送ってると思うけど」
「正確にはカロルとリタが、でしょ」
アスラの言葉に私は苦笑した
ユーリも同じ事を思って見送りに行ってないと思うし・・・
(・・・ユーリ、大丈夫かな・・・)
私は昨日の夜の事を思い出した
あれから宿に帰って今朝までユーリとはまだ顔を合わせていない
兄さんやアスラと一緒に出て来た時はまだ寝ていたから、様子は分からないけど、複雑な思いでいるのは違いないだろう
「じゃあ、故郷に報告に行ってくるよ」
「うん。お願いね」
私はダングレストの方を見ながら考え事をしているとアスラは辺りの様子を見直した後、私に声を掛けそのまま故郷に報告に行った
「さてと、じゃあ私もダングレストに戻ろ・・・」
ドオォォン
「!?」
アスラを見送り、ダングレストに戻ろうとしていると突然大きな爆発音が聞こえた
「あっちって、ダングレストの方!?」
空に上がって行く煙と更に聞こえる爆発音に嫌な予感がして急いでダングレストに向かった
38.波乱は波乱を呼ぶ
「!? な、何これ・・・」
私は急いでダングレストに戻って来た
だが、そこにはぼろぼろになった騎士団の姿とそして馬車や街が所々壊れている光景が目に入った
キュオォォォォォォォォォッ!
「!?」
突然空から何かの鳴き声が聞こえ空を見ると、大きな鳥の様な魔物が空を飛んでいる姿が目に入った
「何、・・あれ・・・! フレン!?」
魔物が空を浮遊しているのを見ていると、少し先の方にフレンが怪我をして片膝を着いている姿が見え、急いで駆け寄った
「フレン、大丈夫!?」
「リア・・・どうして・・・」
「今治すからじっとしてて」
私はフレンの言葉を遮り、治癒術をフレンにかけ始めた
「フレン、あれは・・・?」
「解らない・・・。帝都に戻ろうとしたら急にさっきみたい鳴き声が聞こえて」
「それで襲われたの?」
「ああ・・・」
「エステルは?」
フレンに治癒術を掛けながら事態を聞き、エステルの居場所を聞くとフレンはエステルがいる方に視線を向け、私も同じ場所を見る
此処から少しだけ離れた場所で怪我をした騎士の手当をしていた
「・・・良かった、無事だったんだ。!?」
エステルが無事だった事に安堵していると、魔物が橋の近くに降りて来た
「魔物め、こっちに来い!」
その隙を見てウィチル君が魔術を放つ
だが、魔物はそれを避けてある場所を見つめた
私はフレンの傷がなくなったのを確認すると立ち上がって魔物が見ている方を見た
魔物が見ている場所、そこには橋の上で倒れている騎士の一人に治癒術を掛けているエステルの姿があった
「!? エステル!」
「リア!!」
私はそれを見て急いでウィチル君とソディアさんや騎士団の人達の間を抜けて、エステルの元に向かいだした
「忌マワシキ、世界ノ毒ハ消ス」
するとじっとエステルを見ていた魔物が言葉を発した
「世界の、毒・・・?」
(『世界の毒』・・・? どういう事? それに言葉を話すなんて・・・)
『世界の毒』、その言葉に何かが引っかかりドクンと心臓が跳ねた
(・・・何、今の・・・?)
「・・・リア!」
「え? エステ、!?」
魔物の言った言葉、そして不意に心臓が跳ねた事を考えていると、突然エステルの声が聞こえ顔を上げると、あの魔物が私の前に飛んで来た
「何故、言霊使いの姫が、満月の子と共にいる!?」
「「!?」」
その言葉に私もエステルも驚いて目を瞠った
(何でこの魔物が言霊使いの事を・・・それに、今、姫って・・・)
「リアっ!!」「エステル!!」
途端、ユーリとカロルの声が聞こえ振り返るとユーリとラピードとカロルが私とエステルの元に走って来ていた
「ユーリ、カロル、ラピード!」
「無事だな」
「うん・・・」
「その割には顔色が悪いよ?」
「クウゥゥン」
カロルが言うとラピードも心配して私を見ていた
「大丈夫よ・・・、!」
ユーリ達を安心させるように小さく笑っていると、途端、魔物に攻撃が当たった
そしてダングレストから少し離れた所に大きな戦闘機のような物が見え、それが魔物に向かって術を放ち攻撃をしていた
「あれは・・・?」
「ヘラクレス・・・」
「ヘラクレスって・・・あの、」
私がそう言うとエステルはその先の言葉を分かっているようで小さく頷いた
私はそのままヘラクレスとあの魔物に目を向ける
魔物は更に浮上し、攻撃が当たらない所で様子を伺っていた
(あの魔物・・・普通の魔物じゃない・・・。アスラ達みたいに言葉を喋るし・・・。それに、なんだか知っているような気がする・・・)
私は胸の前に手を持っていきギュッと握った
(でも、さっき言ってた満月の子と共にいるって・・・?)
「うわっ!」
「きゃっ!?」
考え事をしていると、途端、砲撃が橋に当たり、橋の欠片が辺りに散らばった
「・・・え?」
弾幕と欠片を避けようとしているとエステルと私の横を誰かが通り過ぎた様な気がした
「リア、橋が壊れる! 走れ!」
「兄さん!」
突然の声に驚いて声の聞こえた方を見ると橋が崩れかけ弾幕の中から兄さんがアスラを連れて出て来て、そのまま私の手を掴み走り出した
「うわぁああああ!!」
徐々に橋が崩れて行き私達は何とか崩れていない所まで走って行くと、エステルがジュディス!? と驚いた声を出した
振り返ると、ジュディスの前にはあの魔物がいた
エステルは直ぐにジュディスの元へ走って行き私達もその後に続いた
「危ない事しないで!」
「お前がそれ言うな」
「心配ないわ。貴方達は先に」
「さぁ、早く!」
「あら、強引な子」
すると魔物は突然向きを変え何処かへ飛び去って行った
「あれ? 帰ってく、何で?」
カロルがその様子に疑問を抱いていると、崩れた橋の向こうからフレンの声が聞こえた
「待つんだ、ユーリ! それにエステリーゼ様も」
私達は立ち止まりフレンを見るとエステルは橋越しに立った
「ごめんなさい、フレン。わたし、やっぱり帝都には戻れません。学ばなければならない事がまだ沢山あります」
「それは帝都にお戻りになった上でも・・・」
フレンの言葉にエステルを首を横に振る
「帝都にはノール港で苦しむ人々の声は届きませんでした。自分から歩み寄らなければ何も得られない・・・それをこの旅で知りました。だから! だから旅を続けます!」
「エステリーゼ様・・・」
ユーリは懐から水道魔導器の魔刻を出し、橋の向こうにいるフレンに投げると、フレンはそれを見事に受け取った
「フレン、その魔刻、下町に届けといてくれ!」
「ユーリ!」
「帝都には暫く戻れねえ。オレ、ギルド始めるわ。ハンクスじいさんや下町のみんなによろしくな」
「ユーリ・・・!」
ユーリの言葉を聞くとカロルは嬉しそうな顔をした
「・・・ギルド。それが君の言っていた君のやり方か」
「ああ。腹は決めた」
「・・・それは構わないが、エステリーゼ様は・・・」
「頼んだぜ」
ユーリはそう言ってカロルの所へ行きよろしくと言ってハイタッチをして歩き出し、兄さんとアスラとジュディスが続き、その後を嬉しそうな顔をしたエステルが続いて行った
「フレン、エステルの事は私達が守るから安心して」
「リア・・・」
フレンは目を閉じて小さく溜息を吐いてもう一度私を見た
「君もあまり無理をしないように」
「フレンもね」
そう言って踵を返しユーリ達の後を追った
続く
あとがき
こちらも4話(ハルルの樹)同様、前回考えていたものです
箱版書き終えてるから、更に色んなものをプラスして書けたなぁ~
つか、今回 ユーリフレンのVSモノなのに、最近絡みが少ないような・・・ι
うーん・・・頑張って絡ませよう
2009.12.08
エステルの見送り、とも思ったけど逆に帰りづらくさせてしまうような気がしたので部屋を出る時に挨拶をして私は本業の仕事に行っていた
「・・・れ・・・・。ふぅ・・これで終りね」
「お疲れ様、リア」
私は集中を解き、ゆっくりと息を吐いているとアスラが私の元にやって来た
「もうこの辺りには異常を感じないから、これで仕事は終わりだね」
「うん。アスラもお疲れ様」
「そう言えば、エステルの見送りに行かなくて良かったの?」
「何か帰りづらくさせる気がして・・・。今はユーリ達が見送ってると思うけど」
「正確にはカロルとリタが、でしょ」
アスラの言葉に私は苦笑した
ユーリも同じ事を思って見送りに行ってないと思うし・・・
(・・・ユーリ、大丈夫かな・・・)
私は昨日の夜の事を思い出した
あれから宿に帰って今朝までユーリとはまだ顔を合わせていない
兄さんやアスラと一緒に出て来た時はまだ寝ていたから、様子は分からないけど、複雑な思いでいるのは違いないだろう
「じゃあ、故郷に報告に行ってくるよ」
「うん。お願いね」
私はダングレストの方を見ながら考え事をしているとアスラは辺りの様子を見直した後、私に声を掛けそのまま故郷に報告に行った
「さてと、じゃあ私もダングレストに戻ろ・・・」
ドオォォン
「!?」
アスラを見送り、ダングレストに戻ろうとしていると突然大きな爆発音が聞こえた
「あっちって、ダングレストの方!?」
空に上がって行く煙と更に聞こえる爆発音に嫌な予感がして急いでダングレストに向かった
38.波乱は波乱を呼ぶ
「!? な、何これ・・・」
私は急いでダングレストに戻って来た
だが、そこにはぼろぼろになった騎士団の姿とそして馬車や街が所々壊れている光景が目に入った
キュオォォォォォォォォォッ!
「!?」
突然空から何かの鳴き声が聞こえ空を見ると、大きな鳥の様な魔物が空を飛んでいる姿が目に入った
「何、・・あれ・・・! フレン!?」
魔物が空を浮遊しているのを見ていると、少し先の方にフレンが怪我をして片膝を着いている姿が見え、急いで駆け寄った
「フレン、大丈夫!?」
「リア・・・どうして・・・」
「今治すからじっとしてて」
私はフレンの言葉を遮り、治癒術をフレンにかけ始めた
「フレン、あれは・・・?」
「解らない・・・。帝都に戻ろうとしたら急にさっきみたい鳴き声が聞こえて」
「それで襲われたの?」
「ああ・・・」
「エステルは?」
フレンに治癒術を掛けながら事態を聞き、エステルの居場所を聞くとフレンはエステルがいる方に視線を向け、私も同じ場所を見る
此処から少しだけ離れた場所で怪我をした騎士の手当をしていた
「・・・良かった、無事だったんだ。!?」
エステルが無事だった事に安堵していると、魔物が橋の近くに降りて来た
「魔物め、こっちに来い!」
その隙を見てウィチル君が魔術を放つ
だが、魔物はそれを避けてある場所を見つめた
私はフレンの傷がなくなったのを確認すると立ち上がって魔物が見ている方を見た
魔物が見ている場所、そこには橋の上で倒れている騎士の一人に治癒術を掛けているエステルの姿があった
「!? エステル!」
「リア!!」
私はそれを見て急いでウィチル君とソディアさんや騎士団の人達の間を抜けて、エステルの元に向かいだした
「忌マワシキ、世界ノ毒ハ消ス」
するとじっとエステルを見ていた魔物が言葉を発した
「世界の、毒・・・?」
(『世界の毒』・・・? どういう事? それに言葉を話すなんて・・・)
『世界の毒』、その言葉に何かが引っかかりドクンと心臓が跳ねた
(・・・何、今の・・・?)
「・・・リア!」
「え? エステ、!?」
魔物の言った言葉、そして不意に心臓が跳ねた事を考えていると、突然エステルの声が聞こえ顔を上げると、あの魔物が私の前に飛んで来た
「何故、言霊使いの姫が、満月の子と共にいる!?」
「「!?」」
その言葉に私もエステルも驚いて目を瞠った
(何でこの魔物が言霊使いの事を・・・それに、今、姫って・・・)
「リアっ!!」「エステル!!」
途端、ユーリとカロルの声が聞こえ振り返るとユーリとラピードとカロルが私とエステルの元に走って来ていた
「ユーリ、カロル、ラピード!」
「無事だな」
「うん・・・」
「その割には顔色が悪いよ?」
「クウゥゥン」
カロルが言うとラピードも心配して私を見ていた
「大丈夫よ・・・、!」
ユーリ達を安心させるように小さく笑っていると、途端、魔物に攻撃が当たった
そしてダングレストから少し離れた所に大きな戦闘機のような物が見え、それが魔物に向かって術を放ち攻撃をしていた
「あれは・・・?」
「ヘラクレス・・・」
「ヘラクレスって・・・あの、」
私がそう言うとエステルはその先の言葉を分かっているようで小さく頷いた
私はそのままヘラクレスとあの魔物に目を向ける
魔物は更に浮上し、攻撃が当たらない所で様子を伺っていた
(あの魔物・・・普通の魔物じゃない・・・。アスラ達みたいに言葉を喋るし・・・。それに、なんだか知っているような気がする・・・)
私は胸の前に手を持っていきギュッと握った
(でも、さっき言ってた満月の子と共にいるって・・・?)
「うわっ!」
「きゃっ!?」
考え事をしていると、途端、砲撃が橋に当たり、橋の欠片が辺りに散らばった
「・・・え?」
弾幕と欠片を避けようとしているとエステルと私の横を誰かが通り過ぎた様な気がした
「リア、橋が壊れる! 走れ!」
「兄さん!」
突然の声に驚いて声の聞こえた方を見ると橋が崩れかけ弾幕の中から兄さんがアスラを連れて出て来て、そのまま私の手を掴み走り出した
「うわぁああああ!!」
徐々に橋が崩れて行き私達は何とか崩れていない所まで走って行くと、エステルがジュディス!? と驚いた声を出した
振り返ると、ジュディスの前にはあの魔物がいた
エステルは直ぐにジュディスの元へ走って行き私達もその後に続いた
「危ない事しないで!」
「お前がそれ言うな」
「心配ないわ。貴方達は先に」
「さぁ、早く!」
「あら、強引な子」
すると魔物は突然向きを変え何処かへ飛び去って行った
「あれ? 帰ってく、何で?」
カロルがその様子に疑問を抱いていると、崩れた橋の向こうからフレンの声が聞こえた
「待つんだ、ユーリ! それにエステリーゼ様も」
私達は立ち止まりフレンを見るとエステルは橋越しに立った
「ごめんなさい、フレン。わたし、やっぱり帝都には戻れません。学ばなければならない事がまだ沢山あります」
「それは帝都にお戻りになった上でも・・・」
フレンの言葉にエステルを首を横に振る
「帝都にはノール港で苦しむ人々の声は届きませんでした。自分から歩み寄らなければ何も得られない・・・それをこの旅で知りました。だから! だから旅を続けます!」
「エステリーゼ様・・・」
ユーリは懐から水道魔導器の魔刻を出し、橋の向こうにいるフレンに投げると、フレンはそれを見事に受け取った
「フレン、その魔刻、下町に届けといてくれ!」
「ユーリ!」
「帝都には暫く戻れねえ。オレ、ギルド始めるわ。ハンクスじいさんや下町のみんなによろしくな」
「ユーリ・・・!」
ユーリの言葉を聞くとカロルは嬉しそうな顔をした
「・・・ギルド。それが君の言っていた君のやり方か」
「ああ。腹は決めた」
「・・・それは構わないが、エステリーゼ様は・・・」
「頼んだぜ」
ユーリはそう言ってカロルの所へ行きよろしくと言ってハイタッチをして歩き出し、兄さんとアスラとジュディスが続き、その後を嬉しそうな顔をしたエステルが続いて行った
「フレン、エステルの事は私達が守るから安心して」
「リア・・・」
フレンは目を閉じて小さく溜息を吐いてもう一度私を見た
「君もあまり無理をしないように」
「フレンもね」
そう言って踵を返しユーリ達の後を追った
続く
あとがき
こちらも4話(ハルルの樹)同様、前回考えていたものです
箱版書き終えてるから、更に色んなものをプラスして書けたなぁ~
つか、
うーん・・・頑張って絡ませよう
2009.12.08