水道魔導器奪還編
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「・・・何か・・・声が聞こえなかった?」
カロルがそう言った途端、虫の飛ぶ音と聞き覚えのある女の子の声が聞こえた
「うちを何処へ連れてってくれるのかのー?」
「この声、何処かで・・・?」
エステルもその声に反応して疑問符を出していると、虫の魔物が私達の前に飛んで来た
「あっ!」
だが、その魔物は何かを捕まえていて、良く見るとそれはパティだった
「パ、パティ・・・!?」
「なに? お馴染みさん?」
「ええ」
「助けなきゃ・・・!」
「あーほいほい、俺様にお任せよっと・・・」
言うとレイヴンは弓を構えて魔物に命中させた
「当たりました!」
エステルがそう言うとパティが魔物から離れ、落ちて来そうになっていたが、それを見たユーリが駆け出しパティが落ちてくる所に立っていた
「ナイスキャッチなのじゃ」
ユーリは見事パティをキャッチし、それを見てホッと安堵の息を吐いているとドサッと音が聞こえ見てみると、ユーリはそのままパティを地面に落して戻って来ていた
「「ゆ、ユーリ・・・ι」」
「相変わらずだな、おいι」
それを見て兄さんもアスラも少し呆れていた
30.深い森の奧で
「パティ、大丈夫?」
「うむ、平気なのじゃ」
私はパティに駆け寄り立たせてあげながら尋ねるとパティはニコリと笑って返事を返した
「で? やっぱりアイフリードのお宝って奴を探してるのか?」
「アイフリード・・・?」
「のじゃ」
「嘘くさ。本当にこんな所に宝が? 誰に聞いて来たのよ」
「測量ギルド、天地の窖が色々と教えてくれるのじゃ。連中は世界を回っとるからの」
「まあ確かにね」
私達も時々、天地の窖には情報の売り買いはしているからその事は知っている
「それでラゴウの屋敷にも入ったって訳? 結局、何もなかったんでしょ」
「100パーセント信用出来る話の方が逆に胡散臭いのじゃ」
「ま、確かにそうかも」
「あんたは100パーセント胡散臭いわよね」
「俺もリタと同意見だな」
「二人してヒドイお言葉・・・」
リタと兄さんはじとーとした目でレイヴンを見て言うとレイヴンはがくりと肩を落した
「とりあえず、うちは宝探しを続行するのじゃ」
「一人でウロウロしたら、さっきみたいにまた魔物に襲われて危険な事に・・・」
「あれは襲われてたんではないのじゃ。戯れてたのじゃ」
「多分、魔物の方はそんな事思ってないと思うけどな」
「パティ、後ろ・・・」
その途端、パティの背後に魔物が現れエステルが知らせるとパティは備え付けてあった銃を取り出して、魔物目掛けて撃った
そして魔物が動かなくなったのを見ると、パティは銃を仕舞い、ずり落ちていた海賊帽を上げた
みんなその様子に驚いて呆気に取られ、私と兄さんとアスラは感心しているとユーリが口を開く
「つまり、一人でも大丈夫って事か」
「一緒に行くかの?」
「せっかくだけど、お宝探しはまたの機会にしとくわ」
「じゃあ、そっちの情報屋の兄ちゃんはどうじゃ?」
「はあ、俺?」
「セイご指名とはねえ・・・」
まさか此処で兄さんの名前が出るとはみんな思ってもいなかったので驚いていた
「えーと、つまり、情報屋である兄さんがいた方が色々と便利って事?」
「まあの。なんなら、兄妹セットでも良いぞ」
そう言われ私達は顔を見合わせた
確かにパティが探しているものに関しては何度か情報を売った事はあるし、さっきの戦闘を見て一人でも大丈夫って事は解ったけど・・・
「悪ぃけど、俺達も仕事でユーリ達と一緒にいるからパスな」
「まあ、そう言う事」
そう思っていると兄さんとアスラが代わりに答えていた
「それは残念至極なのじゃ。でも、うちはそれでも行くのじゃ。サラバなのじゃ」
言うとパティはニコリと笑って、走って行った
「行っちゃった・・・」
「本当に大丈夫なんでしょうか・・・」
「本人が大丈夫だって言ってるんだから、大丈夫なんでしょ」
「だと良いんだがな。ま、気にしてもしかたねえ。オレ達も行こうぜ」
「そうね。行きましょうか」
ユーリの言葉に私も同意して、歩き出した
「しっかし、まさかあそこでセイが指名されるとはなあ」
「お前だってご指名だろ、ユーリ」
「ホント、ビックリだったよ」
「セイ、気に入られちゃったんじゃないの?」
「面識あるっぽい感じだったしねえ」
「まあ、あるっちゃあるけど、そんなに絡んでないと思うぞ?」
「うん・・。ラゴウの屋敷の時と・・後は情報売った時くらいしかないと思うけど・・?」
私は記憶を張り巡らせて言うとエステルがニコニコとして言う
「きっとあの時に気に入られたんですよ」
「ああ、扱いが上手かったしね」
ラゴウの屋敷の時に、兄さんはパティとポリーの面倒を一番見ていたと言うのはアスラ達から聞いていたし、合流した後も面倒を見ていて、パティもポリーも兄さんに懐いていたからそれは何となく解るような気がした
「青年達モテモテねえ」
「ガキに気に入られてモテても嬉しくねえっての」
「同感だな」
兄さんとユーリがぼそりと言うとレイヴンはすかさずそれを拾う
「あら? やっぱりもう少し年上や同年代が好み?」
そう聞いた途端、私の隣にいたエステルの目が輝いたような気がした
「さあな。ほら、無駄話してないでさっさと行くぞ」
兄さんは呆れてユーリと一緒に先に歩いて行った
「相変わらずつれないわね、青年達は」
「ちょっと聞いてみたかったです・・・」
レイヴンの言葉にエステルも残念そうに同意していた
そんな二人を見てリタも我関せずという面持ちで歩き出し私も苦笑して歩き出した
*
「ねえ、あれ見て!!」
森の最深部に近付いた途端、ラピードと一緒に先頭を歩いていたカロルが最深部を指差して大きな声を出した
そこからエアルが異常な程に出ていた
「これ、ヘリオードの街で見たのと同じ現象ね。あの時よりエアルが弱いけど間違いないわ・・・」
エアルの暴走かと思っていると突然後ろからドスンと音が聞こえ振り返ると巨大な蠍のような魔物がいた
「あの魔物もダングレストを襲ったのと様子が似てます!」
「来やがったぞ!」
私達は一斉に武器を構え、ユーリとラピードが先に攻撃を仕掛けた
ユーリとラピードの攻撃が当たり、私と兄さんも続こうとしていると魔物が素早く動き尾を振りかざし反撃をした
「っと!!」
ユーリは上手く受け身を取り地面に着地した
「あの魔物、意外とスピードあるな」
「下手に近付いたらあの尻尾で反撃されちゃうよ」
「エアルの影響で更に攻撃力が上がってるしね」
「なら、おっさんに任せなさい」
レイヴンはそう言って弓を構え魔物の足に狙いを定め矢を放った
「お見事!」
「今のうちに行くぜ!」
「ああ」「「うん」」「了解」「ワン」
レイヴンが放った矢が当たり相手に隙が出来、一斉に攻撃を仕掛けた
「木も、魔物も、絶対あのエアルの所為だ!」
「ま、また来た!」
無事に襲って来た魔物を倒したと思っていると、同じ魔物が数匹現れ私達の周りを取り囲みユーリとレイヴンが背中合わせになる
「ああ、此処で死んじまうのか。さよなら、世界中の俺のファン」
「世界一の軽薄男、此処に眠るって墓に彫っといてやるからな」
「そんな事言わずに一緒に生き残ろうぜ、とか言えないの・・・!?」
魔物が寄って来ていると、突然銀髪の男性が私達の前に現れ持っていた剣を翳すと、円陣が開き眩い光が放たれた
光が消えると、エアルの暴走が治まり魔物も消えていた
「・・・誰?」
「「デューク・・・」」
私とレイヴンの声が重なり、ユーリ達は私達を一瞥し直ぐにデュークに視線を戻した
だが、デュークは相変わらず何も言わずそのまま立ち去ろうとしたが急にリタがデュークを呼び止めた
「その剣は何っ!? 見せて!」
リタはデュークが持っている剣をじっと見つめた
「今、一体何をしたの? エアルを斬るって言うか・・・。ううん、そんな事無理だけど」
「知ってどうする?」
「そりゃ勿論・・・いや・・・それがあれば、魔導器の暴走を止められるかと思って・・・。前にも魔導器の暴走を見たの。エアルが暴れて、どうする事も出来なくて・・・」
「それはひずみ、当然の現象だ」
「ひず・・・み・・・?」
「あ、あの、危ない所を有り難う御座いました」
エステルはデュークの前に行き深くお辞儀をしてお礼を言った
「エアルクレーネには近付くな」
「え・・・?」
「エアルクレーネって何? 此処の事?」
「世界に点在するエアルの源泉。それがエアルクレーネ」
「エアルの・・・源泉・・・」
「あんた、一体・・・こんな場所だ。散歩道って事もないよな?」
「・・・・・」
「ま、お陰で助かったけど。ありがとな」
「有り難う」
ユーリと私の言葉を聞くとデュークはそのまま立ち去って行った
「・・・まさか、あの力が『リゾマータの公式』」
「「・・・・・」」
兄さんとアスラはリタの言葉になのか、それとも先程立ち去ったデュークと先程の剣の事なのか、何かを気にした顔をしていた
「・・・此処だけ調べても良く分からないわ。他のも見てみないと」
「他のか・・・。さっきの人、世界中にこういうのがあるって言ってたね」
「言ってたねぇ」
「それを探し出してもっと検証してみないと確かな事は何も分かんない」
「・・・じゃあ、もう此処で調べる事はないんです?」
「んじゃ、ダングレストに戻ってドンに会おうぜ」
兄さんの言葉に皆歩き出しているとユーリが私の隣りに並んだ
「リア、さっきの奴と知り合いか?」
「デュークの事? うん、ちょっと前に会ってね」
「いつ会ったんだ?」
「えっと、最初に会ったのがデイドン砦でユーリと別れた後で、それからヘリオードで・・・って、ユーリ・・・?」
デュークと会った時の事を思い出しながら話しをしているとユーリの表情が少しだけ変わった事に気が付き、首を傾げた
「ユーリ、どうかした?」
「・・・いや」
そうは言ったけど、やっぱりユーリは難しい顔をして何か考えていた
(・・・あいつ、立ち去り際にリアの事見てたよな。それに、あの目・・・一瞬寂しい目になってたような・・)
ユーリは先程の事を思い出して考えていた
「・・・・」
が、何となくそれが引っ掛かる感じがしていた
「・・リ、ユーリ!」
「ああ、悪ぃ。なんだ?」
「なんだじゃないよ。難しい顔して考え込んでるから、大丈夫かと思って・・・」
私は少し心配した顔をしてユーリを見るとユーリは小さく笑って私の頭に手を乗せた
「何でもねえよ。ほら、行くぞ」
ユーリはそう言って私の頭を撫でて歩きだし私もその後に続いた
続く
あとがき
やっぱり此処で続いてしまった
ま、でも、今回はパティとの絡みがあり、ちょっとセイ兄ちゃんと絡ませてみました
パティはユーリの次にセイ兄ちゃんの事気に入ってますww
さ、次はあのシーンです!
頑張って書くぞ!
2009.12.03
カロルがそう言った途端、虫の飛ぶ音と聞き覚えのある女の子の声が聞こえた
「うちを何処へ連れてってくれるのかのー?」
「この声、何処かで・・・?」
エステルもその声に反応して疑問符を出していると、虫の魔物が私達の前に飛んで来た
「あっ!」
だが、その魔物は何かを捕まえていて、良く見るとそれはパティだった
「パ、パティ・・・!?」
「なに? お馴染みさん?」
「ええ」
「助けなきゃ・・・!」
「あーほいほい、俺様にお任せよっと・・・」
言うとレイヴンは弓を構えて魔物に命中させた
「当たりました!」
エステルがそう言うとパティが魔物から離れ、落ちて来そうになっていたが、それを見たユーリが駆け出しパティが落ちてくる所に立っていた
「ナイスキャッチなのじゃ」
ユーリは見事パティをキャッチし、それを見てホッと安堵の息を吐いているとドサッと音が聞こえ見てみると、ユーリはそのままパティを地面に落して戻って来ていた
「「ゆ、ユーリ・・・ι」」
「相変わらずだな、おいι」
それを見て兄さんもアスラも少し呆れていた
30.深い森の奧で
「パティ、大丈夫?」
「うむ、平気なのじゃ」
私はパティに駆け寄り立たせてあげながら尋ねるとパティはニコリと笑って返事を返した
「で? やっぱりアイフリードのお宝って奴を探してるのか?」
「アイフリード・・・?」
「のじゃ」
「嘘くさ。本当にこんな所に宝が? 誰に聞いて来たのよ」
「測量ギルド、天地の窖が色々と教えてくれるのじゃ。連中は世界を回っとるからの」
「まあ確かにね」
私達も時々、天地の窖には情報の売り買いはしているからその事は知っている
「それでラゴウの屋敷にも入ったって訳? 結局、何もなかったんでしょ」
「100パーセント信用出来る話の方が逆に胡散臭いのじゃ」
「ま、確かにそうかも」
「あんたは100パーセント胡散臭いわよね」
「俺もリタと同意見だな」
「二人してヒドイお言葉・・・」
リタと兄さんはじとーとした目でレイヴンを見て言うとレイヴンはがくりと肩を落した
「とりあえず、うちは宝探しを続行するのじゃ」
「一人でウロウロしたら、さっきみたいにまた魔物に襲われて危険な事に・・・」
「あれは襲われてたんではないのじゃ。戯れてたのじゃ」
「多分、魔物の方はそんな事思ってないと思うけどな」
「パティ、後ろ・・・」
その途端、パティの背後に魔物が現れエステルが知らせるとパティは備え付けてあった銃を取り出して、魔物目掛けて撃った
そして魔物が動かなくなったのを見ると、パティは銃を仕舞い、ずり落ちていた海賊帽を上げた
みんなその様子に驚いて呆気に取られ、私と兄さんとアスラは感心しているとユーリが口を開く
「つまり、一人でも大丈夫って事か」
「一緒に行くかの?」
「せっかくだけど、お宝探しはまたの機会にしとくわ」
「じゃあ、そっちの情報屋の兄ちゃんはどうじゃ?」
「はあ、俺?」
「セイご指名とはねえ・・・」
まさか此処で兄さんの名前が出るとはみんな思ってもいなかったので驚いていた
「えーと、つまり、情報屋である兄さんがいた方が色々と便利って事?」
「まあの。なんなら、兄妹セットでも良いぞ」
そう言われ私達は顔を見合わせた
確かにパティが探しているものに関しては何度か情報を売った事はあるし、さっきの戦闘を見て一人でも大丈夫って事は解ったけど・・・
「悪ぃけど、俺達も仕事でユーリ達と一緒にいるからパスな」
「まあ、そう言う事」
そう思っていると兄さんとアスラが代わりに答えていた
「それは残念至極なのじゃ。でも、うちはそれでも行くのじゃ。サラバなのじゃ」
言うとパティはニコリと笑って、走って行った
「行っちゃった・・・」
「本当に大丈夫なんでしょうか・・・」
「本人が大丈夫だって言ってるんだから、大丈夫なんでしょ」
「だと良いんだがな。ま、気にしてもしかたねえ。オレ達も行こうぜ」
「そうね。行きましょうか」
ユーリの言葉に私も同意して、歩き出した
「しっかし、まさかあそこでセイが指名されるとはなあ」
「お前だってご指名だろ、ユーリ」
「ホント、ビックリだったよ」
「セイ、気に入られちゃったんじゃないの?」
「面識あるっぽい感じだったしねえ」
「まあ、あるっちゃあるけど、そんなに絡んでないと思うぞ?」
「うん・・。ラゴウの屋敷の時と・・後は情報売った時くらいしかないと思うけど・・?」
私は記憶を張り巡らせて言うとエステルがニコニコとして言う
「きっとあの時に気に入られたんですよ」
「ああ、扱いが上手かったしね」
ラゴウの屋敷の時に、兄さんはパティとポリーの面倒を一番見ていたと言うのはアスラ達から聞いていたし、合流した後も面倒を見ていて、パティもポリーも兄さんに懐いていたからそれは何となく解るような気がした
「青年達モテモテねえ」
「ガキに気に入られてモテても嬉しくねえっての」
「同感だな」
兄さんとユーリがぼそりと言うとレイヴンはすかさずそれを拾う
「あら? やっぱりもう少し年上や同年代が好み?」
そう聞いた途端、私の隣にいたエステルの目が輝いたような気がした
「さあな。ほら、無駄話してないでさっさと行くぞ」
兄さんは呆れてユーリと一緒に先に歩いて行った
「相変わらずつれないわね、青年達は」
「ちょっと聞いてみたかったです・・・」
レイヴンの言葉にエステルも残念そうに同意していた
そんな二人を見てリタも我関せずという面持ちで歩き出し私も苦笑して歩き出した
*
「ねえ、あれ見て!!」
森の最深部に近付いた途端、ラピードと一緒に先頭を歩いていたカロルが最深部を指差して大きな声を出した
そこからエアルが異常な程に出ていた
「これ、ヘリオードの街で見たのと同じ現象ね。あの時よりエアルが弱いけど間違いないわ・・・」
エアルの暴走かと思っていると突然後ろからドスンと音が聞こえ振り返ると巨大な蠍のような魔物がいた
「あの魔物もダングレストを襲ったのと様子が似てます!」
「来やがったぞ!」
私達は一斉に武器を構え、ユーリとラピードが先に攻撃を仕掛けた
ユーリとラピードの攻撃が当たり、私と兄さんも続こうとしていると魔物が素早く動き尾を振りかざし反撃をした
「っと!!」
ユーリは上手く受け身を取り地面に着地した
「あの魔物、意外とスピードあるな」
「下手に近付いたらあの尻尾で反撃されちゃうよ」
「エアルの影響で更に攻撃力が上がってるしね」
「なら、おっさんに任せなさい」
レイヴンはそう言って弓を構え魔物の足に狙いを定め矢を放った
「お見事!」
「今のうちに行くぜ!」
「ああ」「「うん」」「了解」「ワン」
レイヴンが放った矢が当たり相手に隙が出来、一斉に攻撃を仕掛けた
「木も、魔物も、絶対あのエアルの所為だ!」
「ま、また来た!」
無事に襲って来た魔物を倒したと思っていると、同じ魔物が数匹現れ私達の周りを取り囲みユーリとレイヴンが背中合わせになる
「ああ、此処で死んじまうのか。さよなら、世界中の俺のファン」
「世界一の軽薄男、此処に眠るって墓に彫っといてやるからな」
「そんな事言わずに一緒に生き残ろうぜ、とか言えないの・・・!?」
魔物が寄って来ていると、突然銀髪の男性が私達の前に現れ持っていた剣を翳すと、円陣が開き眩い光が放たれた
光が消えると、エアルの暴走が治まり魔物も消えていた
「・・・誰?」
「「デューク・・・」」
私とレイヴンの声が重なり、ユーリ達は私達を一瞥し直ぐにデュークに視線を戻した
だが、デュークは相変わらず何も言わずそのまま立ち去ろうとしたが急にリタがデュークを呼び止めた
「その剣は何っ!? 見せて!」
リタはデュークが持っている剣をじっと見つめた
「今、一体何をしたの? エアルを斬るって言うか・・・。ううん、そんな事無理だけど」
「知ってどうする?」
「そりゃ勿論・・・いや・・・それがあれば、魔導器の暴走を止められるかと思って・・・。前にも魔導器の暴走を見たの。エアルが暴れて、どうする事も出来なくて・・・」
「それはひずみ、当然の現象だ」
「ひず・・・み・・・?」
「あ、あの、危ない所を有り難う御座いました」
エステルはデュークの前に行き深くお辞儀をしてお礼を言った
「エアルクレーネには近付くな」
「え・・・?」
「エアルクレーネって何? 此処の事?」
「世界に点在するエアルの源泉。それがエアルクレーネ」
「エアルの・・・源泉・・・」
「あんた、一体・・・こんな場所だ。散歩道って事もないよな?」
「・・・・・」
「ま、お陰で助かったけど。ありがとな」
「有り難う」
ユーリと私の言葉を聞くとデュークはそのまま立ち去って行った
「・・・まさか、あの力が『リゾマータの公式』」
「「・・・・・」」
兄さんとアスラはリタの言葉になのか、それとも先程立ち去ったデュークと先程の剣の事なのか、何かを気にした顔をしていた
「・・・此処だけ調べても良く分からないわ。他のも見てみないと」
「他のか・・・。さっきの人、世界中にこういうのがあるって言ってたね」
「言ってたねぇ」
「それを探し出してもっと検証してみないと確かな事は何も分かんない」
「・・・じゃあ、もう此処で調べる事はないんです?」
「んじゃ、ダングレストに戻ってドンに会おうぜ」
兄さんの言葉に皆歩き出しているとユーリが私の隣りに並んだ
「リア、さっきの奴と知り合いか?」
「デュークの事? うん、ちょっと前に会ってね」
「いつ会ったんだ?」
「えっと、最初に会ったのがデイドン砦でユーリと別れた後で、それからヘリオードで・・・って、ユーリ・・・?」
デュークと会った時の事を思い出しながら話しをしているとユーリの表情が少しだけ変わった事に気が付き、首を傾げた
「ユーリ、どうかした?」
「・・・いや」
そうは言ったけど、やっぱりユーリは難しい顔をして何か考えていた
(・・・あいつ、立ち去り際にリアの事見てたよな。それに、あの目・・・一瞬寂しい目になってたような・・)
ユーリは先程の事を思い出して考えていた
「・・・・」
が、何となくそれが引っ掛かる感じがしていた
「・・リ、ユーリ!」
「ああ、悪ぃ。なんだ?」
「なんだじゃないよ。難しい顔して考え込んでるから、大丈夫かと思って・・・」
私は少し心配した顔をしてユーリを見るとユーリは小さく笑って私の頭に手を乗せた
「何でもねえよ。ほら、行くぞ」
ユーリはそう言って私の頭を撫でて歩きだし私もその後に続いた
続く
あとがき
やっぱり此処で続いてしまった
ま、でも、今回はパティとの絡みがあり、ちょっとセイ兄ちゃんと絡ませてみました
パティはユーリの次にセイ兄ちゃんの事気に入ってますww
さ、次はあのシーンです!
頑張って書くぞ!
2009.12.03