水道魔導器奪還編
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「はぁ・・はぁ・・・」
「此処まで来ればもう大丈夫か?」
「・・・みたいだね。追って来てる気配はないし」
帝都からだいぶ離れた所に来ると私達は足を止め、ユーリとアスラとラピードは辺りの様子を伺った
「大丈夫?」
「は、はい・・・何とか」
言うが女の子は走り疲れて荒い息を吐いていた
「ちょっと休んだ方が良くない?」
「そうね・・・」
女の子の様子を見てアスラは私にそう言い、私は何処か休める場所がないか辺りを見ているとある一点に目が止まった
「もう少し歩けそう?」
「は、はい」
私は女の子に言うと返事を返してくれ、ユーリにも声を掛けてある場所を目指して歩き出した
02.旅立ち
着いた場所は道から少しだけ外れた所にある小さな丘だった
そこに一台の馬車と二人の男女がいた
「いらっしゃいませぇ。あら、こんにちは」
「こんにちは、カレンさん、リッチさん」
「・・・む・・・」
「知り合いか?」
「うん。旅してる時に何度かお世話になった事があるの」
「そちらの方々はお連れさんですか?」
「ええ、休ませてもらっても良い?」
「・・・勿論だ」
「もう、お兄ちゃん、愛想良くしてよ。ゴメンなさいね」
「い、いえ・・・」
「それじゃあ私達はこれで」
「・・・ゆっくり休め」
そう言ってカレンさんとリッチさんは離れて行った
「そう言えば自己紹介がまだだったわね。私はリア・ルーティア。貴女は?」
「わたしはエステリーゼと言います」
(エステリーゼ・・・?)
ふとその名前に疑問を持ったがエステリーゼが手を出して来たのでお互いに握手をした
「あの、リアさんってもしかしてフレンのお友達の?」
「ええ。フレンと知り合いなの?」
「はい。良くお城で話し相手になってくれました」
エステリーゼは嬉しそうにフレンの事を話してくれた
「・・・お城?」
私がそう言うとエステリーゼは「ぁ・・・」と小さく言ったが直ぐにユーリがフォローした
「城に住んでる貴族のお嬢様だ」
「ああ、それで」
それでフレンと知り合いだったんだ、とアスラと納得した
エステリーゼの楽しそうな顔を見るとフレンが城で私達の事を話せる人が出来たんだと少し安心した
そしてエステリーゼはユーリの隣に座っている犬と私の隣に座っている犬のような猫のような生き物に目をやった
「あの、そちらの犬と猫は・・・?」
私達は一瞬驚いて顔を見合わせたが直ぐにラピードとアスラの紹介を始めた
「こいつは俺の相棒のラピードだ」
「ワン!」
ユーリの言葉にラピードは一つ吠えエステリーゼは急に、小さくお辞儀をした
「あ、こちらこそ宜しくお願いします」
「こちらこそって、ラピードが何言ったか解ったのか?」
「いえ、全然・・・」
「ま、そりゃそうだよな」
「で、こっちが私の相棒のアスラ」
「よろしく」
「喋るんですか!?」
エステリーゼはアスラが喋った事に驚きユーリはそりゃ驚くわなと苦笑していた
「詳しくは話せないんだけど、アスラは特殊だから話す事が出来るの」
「そうなんですか」
「んで、リアは何であんなとこにいたんだ?」
エステリーゼと話しを終えると次に疑問を振ったのはユーリだった
「仕事が一段落して帰って着たら、広場が水浸しになってて、下町のみんなに事情を聞いたの。そうしたらユーリがまた無茶してるって」
「無茶した覚えはないんだけどな」
「ルブラン達に追っ駆けられてたじゃん」
「あれはいつもの事だろ」
「いつも、なんです?ι」
「まあねι」
エステリーゼが驚きと呆れのような顔をして私を見て来たので、私は苦笑して答えてあげた
「それで女将さん達に挨拶に行って暫くしたら外が騒がしくなって」
「で、テッドがユーリが戻って着たって知らせに来たんだけど」
「広場に行ったらみんなにユーリの事頼んだって言われて」
「それで追っ駆けて来たワケか」
「そう言う事」
大体の説明を終え、私とアスラはユーリとエステリーゼを見た
「それで、ユーリとエステリーゼは何で一緒にいるの?」
「ああ、実は・・・」
そして、ユーリとエステリーゼが私が帝都に戻って来る前、つまり水道魔導器が壊れた辺りからユーリがエステリーゼと出会ってからの事を話してくれた
下町の水道魔導器を修理した『モルディオ』
彼は貴族の魔導士だと名乗っていたが、貴族街にあった屋敷は空き家状態だった
ユーリがラピードと屋敷を調べていると別の部屋から一人の男が出て来て、袋から魔刻を取り出してじっと見ていた
実はその男がモルディオで下町の水道魔導器の魔核を盗んだ張本人だった
捕まえようとして逃げられてしまったが、ラピードが袋だけ取り戻していた
そしてモルディオを捕まえようと外に出ると運悪くアデコールとボッコスやキュモール達と会いモルディオはそのまま逃げてしまい、ラピードはあの袋を咥えて下町に戻って着ていた
ユーリはそのまま牢屋に入れられてしまったが、隣の牢屋にいた謎の胡散臭い男のお陰で牢屋を出る事が出来たそうだ
そして、下町の様子を見に行こうとしている矢先、偶然騎士団に追い駆けられているエステリーゼと出会った
最初はエステリーゼと騎士団がいなくなるのを待っていたユーリだったが、エステリーゼの口からフレンの名が出た
エステリーゼを助けると、彼女はフレンに会って伝えなきゃいけない事があると言ってユーリはエステリーゼをフレンの部屋まで案内してあげたが、フレンの部屋に行くとだいぶ物が片付けられていた
その感じからして遠出していると解った
確かにフレンは今、騎士の巡礼で帝都を離れているから帝都にはいない
けど、その事を知らなかったから入れ違いになってしまったようだった
そしてそこでエステリーゼがフレンの身に危険が迫っている事を親友であるユーリに伝えていると突然扉が破られ一人の男が入って来た
彼はユーリをフレンと勘違いし襲い掛かって来たが、途中でエステリーゼも参戦し暫く戦っていると男の仲間が引き上げると知らせに来たそうだ
何とかその場を凌いだユーリとエステリーゼは騒ぎが起きているうちに城を抜け出す事にした
抜け出す方法はユーリが牢屋で出会った胡散臭い男の“女神像の下”と言う言葉を信じて女神像の所に行くと、本当に隠し通路があった
そこは地下水路と繋がっていたようで、そこを抜けると貴族街へと繋がっていた
そして二人は下町に戻って来た所で出口で追い着いて来た私と会った、という事だった
「成る程ね。何個か疑問に思う所はあるけど・・・」
アスラはそこで言葉を濁し、私に視線を送ると私は軽く頷きユーリとエステリーゼを見た
「それでユーリとエステリーゼはこれからどうするの?」
「オレはモルディオを追っ駆ける」「フレンを追い駆けます」
二人は迷う事なく答え、私とアスラは少し笑い二人を見た
「じゃあまずはデイドン砦に向かうんでしょ?」
「ああ」
「じゃあ、決まりね」
「決まりって何がだ?」
ユーリの疑問にエステリーゼも同じ事を思ったらしく首を傾げ私を見る
「何がってこの先の目的地よ」
「でもお前、帰って来たばっかだったんだろ」
ユーリの言葉にエステリーゼは下町の出口での会話を思い出し「ぁ・・・」と呟いた
「良いのよ。それに結界の外に慣れる人がいた方が安心でしょ?」
「・・・そうですけど」
エステリーゼは申し訳なさそうな顔をするが私は苦笑して言葉を続ける
「それにハンクスさんや下町のみんなに、ユーリを頼んだ、って頼まれちゃったし」
「オレの世話係かよι」
「似たようなもんじゃん・・・」
アスラのツッコミにユーリははぁ・・・と溜息を吐いていた
確かに子供の頃から私達の面倒を兄さんと一緒に見ていたアスラにしてみれば、今更じゃないと思うしね
それを横目で見て苦笑して私はエステリーゼを見た
「それに私もアスラもデイドン砦に用があるから」
「デイドン砦に、ですか?」
「ええ」
その疑問に笑顔を崩さずにいるとユーリは理解したらしく軽く息を吐き私達を見た
「解ったよ。じゃあこれからよろしくな、エステル、リア、アスラ」
「ええ、よろしくね、ユーリ、エステル」
「よろしく、エステル」
「はい。 ・・・あれ? エス、テル? エステル? エス・・テル・・・?」
ユーリの『エステル』と言った言葉に疑問を持ち何度も口にしていたが納得すると笑顔で私達に挨拶をした
「こちらこそよろしくお願いします。ユーリ、リア、アスラ、ラピード」
「ワン!」
「じゃ、もうちょい休んでから行くか」
「ええ」「はい」「うん」「ワン」
それぞれ挨拶を交わし終わり、私達は少し休んでからデイドン砦に向かう事になった
「リア」
「どうしたの、エステル?」
するとエステルが私の隣に移動してきてニコリとして私を見た
「リアはユーリとフレン、どっちが好きなんです?」
「えっ!?///」
いきなりの質問に驚いてエステルを見るときらきらとした目をして私を見ていた
「ユーリです? それともフレンです?」
「え、えっと・・・」
エステルはじぃっと私の答えを待っていた
「私とユーリとフレンは幼馴染みで親友だから・・・」
そこで言葉を切ってエステルを見ると、聞き出すまで諦めない、と言う目をしていた
「えーっと・・・」
「そろそろ出発すんぞー」
どう言葉を続けて良いものかと思っていると、ラピードと一緒に少し先の様子を見に行っていたユーリが戻って着て私達に声を掛けた
「今行くー。行こう、エステル」
「あ、待って下さい」
私はユーリに返事を返してカレンさんとリッチさんにお礼を言ってユーリの後を追い駆け、エステルも私と同じようにお礼を言って私の後を追い駆けて来た
「・・・上手く逃げたね」
「あはは・・・ι ?」
アスラの言葉に苦笑していると、ふと、何処からか鐘の鳴る音が聞こえた
「? どうかした?」
急に立ち止まった私をアスラが疑問符を出して見ていた
「ううん、なんでもない」
鐘の音が聞こえないと分かり私はそのまま歩き出した
―― その時、物語の鐘は鳴り始めたのだった ――
続く
あとがき
前回(箱版連載の時)エステルがリアちゃんにユーリとフレンの事を(以下略)って聞くの書けなかったので今回は入れてみました
そしてゲームやってる人ならお世話になっただろうカレンさんとリッチさん
この二人も何気に好きなキャラですvv
こちらも前回出せなかったので(以下省略)
今回は結構説明文が多かったからちょっと大変でしたι
さて、次はデイドン砦に向かいます
この辺からは箱版とあんま変わらないかもしれませんけどι
頑張って書きます
それでは
2009.10.08
「此処まで来ればもう大丈夫か?」
「・・・みたいだね。追って来てる気配はないし」
帝都からだいぶ離れた所に来ると私達は足を止め、ユーリとアスラとラピードは辺りの様子を伺った
「大丈夫?」
「は、はい・・・何とか」
言うが女の子は走り疲れて荒い息を吐いていた
「ちょっと休んだ方が良くない?」
「そうね・・・」
女の子の様子を見てアスラは私にそう言い、私は何処か休める場所がないか辺りを見ているとある一点に目が止まった
「もう少し歩けそう?」
「は、はい」
私は女の子に言うと返事を返してくれ、ユーリにも声を掛けてある場所を目指して歩き出した
02.旅立ち
着いた場所は道から少しだけ外れた所にある小さな丘だった
そこに一台の馬車と二人の男女がいた
「いらっしゃいませぇ。あら、こんにちは」
「こんにちは、カレンさん、リッチさん」
「・・・む・・・」
「知り合いか?」
「うん。旅してる時に何度かお世話になった事があるの」
「そちらの方々はお連れさんですか?」
「ええ、休ませてもらっても良い?」
「・・・勿論だ」
「もう、お兄ちゃん、愛想良くしてよ。ゴメンなさいね」
「い、いえ・・・」
「それじゃあ私達はこれで」
「・・・ゆっくり休め」
そう言ってカレンさんとリッチさんは離れて行った
「そう言えば自己紹介がまだだったわね。私はリア・ルーティア。貴女は?」
「わたしはエステリーゼと言います」
(エステリーゼ・・・?)
ふとその名前に疑問を持ったがエステリーゼが手を出して来たのでお互いに握手をした
「あの、リアさんってもしかしてフレンのお友達の?」
「ええ。フレンと知り合いなの?」
「はい。良くお城で話し相手になってくれました」
エステリーゼは嬉しそうにフレンの事を話してくれた
「・・・お城?」
私がそう言うとエステリーゼは「ぁ・・・」と小さく言ったが直ぐにユーリがフォローした
「城に住んでる貴族のお嬢様だ」
「ああ、それで」
それでフレンと知り合いだったんだ、とアスラと納得した
エステリーゼの楽しそうな顔を見るとフレンが城で私達の事を話せる人が出来たんだと少し安心した
そしてエステリーゼはユーリの隣に座っている犬と私の隣に座っている犬のような猫のような生き物に目をやった
「あの、そちらの犬と猫は・・・?」
私達は一瞬驚いて顔を見合わせたが直ぐにラピードとアスラの紹介を始めた
「こいつは俺の相棒のラピードだ」
「ワン!」
ユーリの言葉にラピードは一つ吠えエステリーゼは急に、小さくお辞儀をした
「あ、こちらこそ宜しくお願いします」
「こちらこそって、ラピードが何言ったか解ったのか?」
「いえ、全然・・・」
「ま、そりゃそうだよな」
「で、こっちが私の相棒のアスラ」
「よろしく」
「喋るんですか!?」
エステリーゼはアスラが喋った事に驚きユーリはそりゃ驚くわなと苦笑していた
「詳しくは話せないんだけど、アスラは特殊だから話す事が出来るの」
「そうなんですか」
「んで、リアは何であんなとこにいたんだ?」
エステリーゼと話しを終えると次に疑問を振ったのはユーリだった
「仕事が一段落して帰って着たら、広場が水浸しになってて、下町のみんなに事情を聞いたの。そうしたらユーリがまた無茶してるって」
「無茶した覚えはないんだけどな」
「ルブラン達に追っ駆けられてたじゃん」
「あれはいつもの事だろ」
「いつも、なんです?ι」
「まあねι」
エステリーゼが驚きと呆れのような顔をして私を見て来たので、私は苦笑して答えてあげた
「それで女将さん達に挨拶に行って暫くしたら外が騒がしくなって」
「で、テッドがユーリが戻って着たって知らせに来たんだけど」
「広場に行ったらみんなにユーリの事頼んだって言われて」
「それで追っ駆けて来たワケか」
「そう言う事」
大体の説明を終え、私とアスラはユーリとエステリーゼを見た
「それで、ユーリとエステリーゼは何で一緒にいるの?」
「ああ、実は・・・」
そして、ユーリとエステリーゼが私が帝都に戻って来る前、つまり水道魔導器が壊れた辺りからユーリがエステリーゼと出会ってからの事を話してくれた
下町の水道魔導器を修理した『モルディオ』
彼は貴族の魔導士だと名乗っていたが、貴族街にあった屋敷は空き家状態だった
ユーリがラピードと屋敷を調べていると別の部屋から一人の男が出て来て、袋から魔刻を取り出してじっと見ていた
実はその男がモルディオで下町の水道魔導器の魔核を盗んだ張本人だった
捕まえようとして逃げられてしまったが、ラピードが袋だけ取り戻していた
そしてモルディオを捕まえようと外に出ると運悪くアデコールとボッコスやキュモール達と会いモルディオはそのまま逃げてしまい、ラピードはあの袋を咥えて下町に戻って着ていた
ユーリはそのまま牢屋に入れられてしまったが、隣の牢屋にいた謎の胡散臭い男のお陰で牢屋を出る事が出来たそうだ
そして、下町の様子を見に行こうとしている矢先、偶然騎士団に追い駆けられているエステリーゼと出会った
最初はエステリーゼと騎士団がいなくなるのを待っていたユーリだったが、エステリーゼの口からフレンの名が出た
エステリーゼを助けると、彼女はフレンに会って伝えなきゃいけない事があると言ってユーリはエステリーゼをフレンの部屋まで案内してあげたが、フレンの部屋に行くとだいぶ物が片付けられていた
その感じからして遠出していると解った
確かにフレンは今、騎士の巡礼で帝都を離れているから帝都にはいない
けど、その事を知らなかったから入れ違いになってしまったようだった
そしてそこでエステリーゼがフレンの身に危険が迫っている事を親友であるユーリに伝えていると突然扉が破られ一人の男が入って来た
彼はユーリをフレンと勘違いし襲い掛かって来たが、途中でエステリーゼも参戦し暫く戦っていると男の仲間が引き上げると知らせに来たそうだ
何とかその場を凌いだユーリとエステリーゼは騒ぎが起きているうちに城を抜け出す事にした
抜け出す方法はユーリが牢屋で出会った胡散臭い男の“女神像の下”と言う言葉を信じて女神像の所に行くと、本当に隠し通路があった
そこは地下水路と繋がっていたようで、そこを抜けると貴族街へと繋がっていた
そして二人は下町に戻って来た所で出口で追い着いて来た私と会った、という事だった
「成る程ね。何個か疑問に思う所はあるけど・・・」
アスラはそこで言葉を濁し、私に視線を送ると私は軽く頷きユーリとエステリーゼを見た
「それでユーリとエステリーゼはこれからどうするの?」
「オレはモルディオを追っ駆ける」「フレンを追い駆けます」
二人は迷う事なく答え、私とアスラは少し笑い二人を見た
「じゃあまずはデイドン砦に向かうんでしょ?」
「ああ」
「じゃあ、決まりね」
「決まりって何がだ?」
ユーリの疑問にエステリーゼも同じ事を思ったらしく首を傾げ私を見る
「何がってこの先の目的地よ」
「でもお前、帰って来たばっかだったんだろ」
ユーリの言葉にエステリーゼは下町の出口での会話を思い出し「ぁ・・・」と呟いた
「良いのよ。それに結界の外に慣れる人がいた方が安心でしょ?」
「・・・そうですけど」
エステリーゼは申し訳なさそうな顔をするが私は苦笑して言葉を続ける
「それにハンクスさんや下町のみんなに、ユーリを頼んだ、って頼まれちゃったし」
「オレの世話係かよι」
「似たようなもんじゃん・・・」
アスラのツッコミにユーリははぁ・・・と溜息を吐いていた
確かに子供の頃から私達の面倒を兄さんと一緒に見ていたアスラにしてみれば、今更じゃないと思うしね
それを横目で見て苦笑して私はエステリーゼを見た
「それに私もアスラもデイドン砦に用があるから」
「デイドン砦に、ですか?」
「ええ」
その疑問に笑顔を崩さずにいるとユーリは理解したらしく軽く息を吐き私達を見た
「解ったよ。じゃあこれからよろしくな、エステル、リア、アスラ」
「ええ、よろしくね、ユーリ、エステル」
「よろしく、エステル」
「はい。 ・・・あれ? エス、テル? エステル? エス・・テル・・・?」
ユーリの『エステル』と言った言葉に疑問を持ち何度も口にしていたが納得すると笑顔で私達に挨拶をした
「こちらこそよろしくお願いします。ユーリ、リア、アスラ、ラピード」
「ワン!」
「じゃ、もうちょい休んでから行くか」
「ええ」「はい」「うん」「ワン」
それぞれ挨拶を交わし終わり、私達は少し休んでからデイドン砦に向かう事になった
「リア」
「どうしたの、エステル?」
するとエステルが私の隣に移動してきてニコリとして私を見た
「リアはユーリとフレン、どっちが好きなんです?」
「えっ!?///」
いきなりの質問に驚いてエステルを見るときらきらとした目をして私を見ていた
「ユーリです? それともフレンです?」
「え、えっと・・・」
エステルはじぃっと私の答えを待っていた
「私とユーリとフレンは幼馴染みで親友だから・・・」
そこで言葉を切ってエステルを見ると、聞き出すまで諦めない、と言う目をしていた
「えーっと・・・」
「そろそろ出発すんぞー」
どう言葉を続けて良いものかと思っていると、ラピードと一緒に少し先の様子を見に行っていたユーリが戻って着て私達に声を掛けた
「今行くー。行こう、エステル」
「あ、待って下さい」
私はユーリに返事を返してカレンさんとリッチさんにお礼を言ってユーリの後を追い駆け、エステルも私と同じようにお礼を言って私の後を追い駆けて来た
「・・・上手く逃げたね」
「あはは・・・ι ?」
アスラの言葉に苦笑していると、ふと、何処からか鐘の鳴る音が聞こえた
「? どうかした?」
急に立ち止まった私をアスラが疑問符を出して見ていた
「ううん、なんでもない」
鐘の音が聞こえないと分かり私はそのまま歩き出した
―― その時、物語の鐘は鳴り始めたのだった ――
続く
あとがき
前回(箱版連載の時)エステルがリアちゃんにユーリとフレンの事を(以下略)って聞くの書けなかったので今回は入れてみました
そしてゲームやってる人ならお世話になっただろうカレンさんとリッチさん
この二人も何気に好きなキャラですvv
こちらも前回出せなかったので(以下省略)
今回は結構説明文が多かったからちょっと大変でしたι
さて、次はデイドン砦に向かいます
この辺からは箱版とあんま変わらないかもしれませんけどι
頑張って書きます
それでは
2009.10.08