水道魔導器奪還編
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「・・・フレン、聞いても良い?」
「なんだい?」
「私達を側に置いてるのって、仕事の事だけじゃないんでしょ?」
「・・・・」
私の言葉にフレンは押し黙ってしまった
24. He smiled sadly.
今、私達は新興都市ヘリオードに向かう為に馬車の中にいた
まだ皇族争いの事でお城はごたごたとしているだろうと判断し、騎士団の本部があるヘリオードに向かう事になり、二台の馬車で移動していた
前の馬車にヨーデル様と兄さんが乗り、その後ろの馬車に私とフレンが乗っていた
アスラは馬車の間で両方の馬車の様子を見ていた
「仕事の事で側に置いてるのは本当だ。今、その事を知っている人がいてくれた方がこっちも助かるしね」
船の時とトリム港の時の事を考えると、フレンの意見は私も兄さんも同意見だった
だけど、それだけじゃないような気がずっとしていた
聞こうにもなかなかタイミングが掴めずにいた
「後は・・・心配だからだよ」
「心配・・・?」
「ああ。船の中でも言ったけど、リアもセイもユーリと一緒で直ぐに無茶をするからね。それに・・・」
「それに・・・?」
「・・・からね」
「え・・? な・・きゃっ!?」
フレンの言った事が聞き取れず、聞き返そうとしていると突然馬車が揺れ、体勢を崩し倒れそうになったが、フレンが抱き留めてくれた
「ありがと、フレン・・・!」
お礼を言おうとしているとそのまま抱き締められた
「・・あの時みたいな思いをさせたくないからだよ」
あの時、それはラゴウの屋敷の地下での事を言っている
確かにあの事が遭ってから、ユーリとフレン、どちらかが私の側にいるようになった
兄さんとアスラも色々と気に留めているけど、二人ほどではなかった
そして、どこどなくだけど、ユーリとフレンの接し方も変わってきているような気がしていた・・・
「リア」
「え? 何・・?」
考え込んでいると急に声を掛けられ顔を上げると、フレンは少しだけ寂しそうな目をしていた
「・・・もう少しでヘリオードに着くけど、着くまでこうしてても良いかい?」
「・・・うん」
その寂しそうな目を見ていると、なんだかあの頃のフレンと重なって放っておけなくなって自然とそう答えていた
「ありがとう・・・」
私の返事を聞くと、フレンは私を自分の方に引き寄せそのまま抱き締めた
その頃、
「良し、次行くぞ」
「ワン!」
ユーリ達はカルボクラムの街を歩いていた
が・・・
「・・・ねえ、エステル、リタ。何かユーリ荒れてない?」
「はい・・・。どうしたんでしょう?」
此処に来てからユーリは戦闘でずっとフェイタルストライクを決めてる
最初は戦いを楽しんでいるように思っていたが、ちょっとずつ違和感を感じ始めたのだった
「あのフレンって騎士と、何か遭ったんじゃない?」
「・・・・」
その言葉にエステルは少しだけ黙ってしまう
トリム港でヨーデルや帝国の事を話した後、ユーリは直ぐに部屋を出て行き、その後をリアとフレンが追った
その時に何が遭ったかは解らないが、リアもフレンも複雑な面持ちで部屋に帰って来たのだった
「でも、それだけじゃないような気がするんだよねぇ」
ユーリはいつも通りの表情でラピードと先頭を歩いていて、いつも通りにエステル達に接するが、やはり少しばかり苛立ちが感じられた
「やっぱり、リアがいないから・・でしょうか?」
「え? でも、リア達は仕事でしょ?」
「・・・あいつ、独占欲強そうだし・・・」
「? リタ、何か言いました?」「え? 何?」
エステルの言葉にカロルが疑問符を出していると、リタは先頭を歩くユーリを見てぼそりと呟いたが、その言葉はエステルとカロルには聞こえていなかったようだった
「何でもないわよ。ほら、早く行かないと、あいつ見失うわよ」
「あ、待って下さい」「あ、待ってよぉ」
リタは小さく溜息を吐いて、二人の横をすり抜けて歩き出し、エステルとカロルもその後を追った
*
ヘリオードに着くと、騎士団長であるアレクセイ、そして副官のクロームが騎士団本部の前にいた
そのままヨーデル様とフレンは二人の元へ行き、数言話すとアレクセイとクロームは私と兄さんの所に来た
「私は帝国騎士団で騎士団長を務めているアレクセイ。そして彼女は帝国騎士団特別諮問官のクロームだ」
「俺はセイ・ルーティアだ」
「リア・ルーティアです」
アレクセイは自分とクロームの紹介をしクロームは会釈し、私と兄さんも名乗り同じように会釈した
「ヨーデル様の救出と護衛、騎士団として礼を言おう」
「いえ。お礼ならユーリに言って下さい、助けたのはユーリですから」
「そうだな。それに、俺達は仕事でフレンに着いて来てるだけだしな」
私の言葉に兄さんもアスラも頷いて答えると、アレクセイは少しだけ驚いた顔をしたが直ぐにそうかと言ってヨーデル様とフレンと一緒に宿へと通された
それから暫くして、私と兄さんが知っている帝国の事をヨーデル様とフレンに話していた
最初はやっぱり驚いた顔をされたけど、ヨーデル様はフレンから私達が特殊な情報屋と言う事を聞いていたからなのか、直ぐに私達が知っている事を理解してくれた
「エステリーゼは、貴女に懐いているんですね」
「はい」
話しも一段落し、ヨーデル様は旅でのエステルの様子を聞いて来たので、今までの出来事を話していた
「良い友達が出来たようで、良かった」
「リアからすれば友達っていうより、妹みたいなものだよね」
「友達っつーなら、リタだしな」
「それでも良い仲間に巡り会えて、エステリーゼも嬉しそうです」
「そうですね」
ヨーデル様の言葉にフレンも同意して微笑む
なんだかんだ言っても、フレンもエステルをユーリの側に置いているのは、エステルの為でもあり、ユーリを信頼しているからこそだった
それを解っているから、私も兄さんもアスラも此処で安心していられるのだった
トントン
そう思い私も微笑んでいると突然扉をノックする音が聞こえ、フレンが返事を返すと、一人の騎士が入って来て、敬礼をして言葉を発した
「お話中失礼します。キュモール隊及び、シュヴァーン隊がカルボクラムに向かったと思われる賞金首のユーリ・ローウェルとその一味を捕らえ、エステリーゼ様を救出致しました」
「「「「「!」」」」」
それを聞き私達は驚き、騎士へと目を向ける
「・・・状況は?」
「現在、ヘリオードに向かって来ている所です」
「解った。私も後で本部に向かう」
フレンの返事を聞くと騎士は部屋を出て行った
「フレン、どう言う事?」
「ユーリがエステリーゼ様を城から連れ出したのはリアも知っているだろう?」
「うん。それで色々と遭って、賞金首になっちゃったのも」
「まあ、ルブラン達が勘違いして手配書作っちゃったんだけどね」
「僕達はエステリーゼ様が自分の意思で行動していると言う事は知っている。だが、他の隊の者達はその事を知らない」
「だから、ユーリ達がカルボクラムに向かった事を知ったキュモールやルブラン達が追っかけてって捕まえたって事か?」
兄さんの言葉にフレンは頷いた
「僕も後で本部に行って騎士団長に詳しく話してみるつもりだ」
「私も、彼等の事は知っていますから話しをしてみます」
フレンとヨーデル様はそう言って私を安心させるように微笑んでくれた
「でも、後でボク等も色々と聞かれるんじゃない?」
「だろうな。ユーリやエステル達と一緒にいたしな」
「ああ。特にリアは帝都を出た頃から一緒だったから聞かれる事は多いだろうが」
「大丈夫よ。そう言う事には仕事上や誰かさんのお陰で慣れてるから」
「ふふ、そうだったね」
私の言いたい事やその“誰かさん”と言うのが誰なのか分かり、フレン達は笑っていた
「じゃあ、僕は様子を見てくるよ」
そう言ってフレンはヨーデル様に一礼して部屋を後にした
続く
あとがき
此処で続いちゃったよww
まあ、この後は事情聴取みたいな感じになってきますが・・・どう書こう(おい!w)
上手く纏めて書きますよ!!
そして、最初は・・・フレンがリアちゃんを側に置いている理由を話しましたが、聞こえなかった台詞は一体何を言ったのか・・?
気になる所ですが、そこは追々!
因みにあの頃って言うのは過去の話 の事です
さ、次回はユーリ達と合流です!
He smiled sadly.(彼は寂しく微笑んだ)
2009.11.16
「なんだい?」
「私達を側に置いてるのって、仕事の事だけじゃないんでしょ?」
「・・・・」
私の言葉にフレンは押し黙ってしまった
24. He smiled sadly.
今、私達は新興都市ヘリオードに向かう為に馬車の中にいた
まだ皇族争いの事でお城はごたごたとしているだろうと判断し、騎士団の本部があるヘリオードに向かう事になり、二台の馬車で移動していた
前の馬車にヨーデル様と兄さんが乗り、その後ろの馬車に私とフレンが乗っていた
アスラは馬車の間で両方の馬車の様子を見ていた
「仕事の事で側に置いてるのは本当だ。今、その事を知っている人がいてくれた方がこっちも助かるしね」
船の時とトリム港の時の事を考えると、フレンの意見は私も兄さんも同意見だった
だけど、それだけじゃないような気がずっとしていた
聞こうにもなかなかタイミングが掴めずにいた
「後は・・・心配だからだよ」
「心配・・・?」
「ああ。船の中でも言ったけど、リアもセイもユーリと一緒で直ぐに無茶をするからね。それに・・・」
「それに・・・?」
「・・・からね」
「え・・? な・・きゃっ!?」
フレンの言った事が聞き取れず、聞き返そうとしていると突然馬車が揺れ、体勢を崩し倒れそうになったが、フレンが抱き留めてくれた
「ありがと、フレン・・・!」
お礼を言おうとしているとそのまま抱き締められた
「・・あの時みたいな思いをさせたくないからだよ」
あの時、それはラゴウの屋敷の地下での事を言っている
確かにあの事が遭ってから、ユーリとフレン、どちらかが私の側にいるようになった
兄さんとアスラも色々と気に留めているけど、二人ほどではなかった
そして、どこどなくだけど、ユーリとフレンの接し方も変わってきているような気がしていた・・・
「リア」
「え? 何・・?」
考え込んでいると急に声を掛けられ顔を上げると、フレンは少しだけ寂しそうな目をしていた
「・・・もう少しでヘリオードに着くけど、着くまでこうしてても良いかい?」
「・・・うん」
その寂しそうな目を見ていると、なんだかあの頃のフレンと重なって放っておけなくなって自然とそう答えていた
「ありがとう・・・」
私の返事を聞くと、フレンは私を自分の方に引き寄せそのまま抱き締めた
その頃、
「良し、次行くぞ」
「ワン!」
ユーリ達はカルボクラムの街を歩いていた
が・・・
「・・・ねえ、エステル、リタ。何かユーリ荒れてない?」
「はい・・・。どうしたんでしょう?」
此処に来てからユーリは戦闘でずっとフェイタルストライクを決めてる
最初は戦いを楽しんでいるように思っていたが、ちょっとずつ違和感を感じ始めたのだった
「あのフレンって騎士と、何か遭ったんじゃない?」
「・・・・」
その言葉にエステルは少しだけ黙ってしまう
トリム港でヨーデルや帝国の事を話した後、ユーリは直ぐに部屋を出て行き、その後をリアとフレンが追った
その時に何が遭ったかは解らないが、リアもフレンも複雑な面持ちで部屋に帰って来たのだった
「でも、それだけじゃないような気がするんだよねぇ」
ユーリはいつも通りの表情でラピードと先頭を歩いていて、いつも通りにエステル達に接するが、やはり少しばかり苛立ちが感じられた
「やっぱり、リアがいないから・・でしょうか?」
「え? でも、リア達は仕事でしょ?」
「・・・あいつ、独占欲強そうだし・・・」
「? リタ、何か言いました?」「え? 何?」
エステルの言葉にカロルが疑問符を出していると、リタは先頭を歩くユーリを見てぼそりと呟いたが、その言葉はエステルとカロルには聞こえていなかったようだった
「何でもないわよ。ほら、早く行かないと、あいつ見失うわよ」
「あ、待って下さい」「あ、待ってよぉ」
リタは小さく溜息を吐いて、二人の横をすり抜けて歩き出し、エステルとカロルもその後を追った
*
ヘリオードに着くと、騎士団長であるアレクセイ、そして副官のクロームが騎士団本部の前にいた
そのままヨーデル様とフレンは二人の元へ行き、数言話すとアレクセイとクロームは私と兄さんの所に来た
「私は帝国騎士団で騎士団長を務めているアレクセイ。そして彼女は帝国騎士団特別諮問官のクロームだ」
「俺はセイ・ルーティアだ」
「リア・ルーティアです」
アレクセイは自分とクロームの紹介をしクロームは会釈し、私と兄さんも名乗り同じように会釈した
「ヨーデル様の救出と護衛、騎士団として礼を言おう」
「いえ。お礼ならユーリに言って下さい、助けたのはユーリですから」
「そうだな。それに、俺達は仕事でフレンに着いて来てるだけだしな」
私の言葉に兄さんもアスラも頷いて答えると、アレクセイは少しだけ驚いた顔をしたが直ぐにそうかと言ってヨーデル様とフレンと一緒に宿へと通された
それから暫くして、私と兄さんが知っている帝国の事をヨーデル様とフレンに話していた
最初はやっぱり驚いた顔をされたけど、ヨーデル様はフレンから私達が特殊な情報屋と言う事を聞いていたからなのか、直ぐに私達が知っている事を理解してくれた
「エステリーゼは、貴女に懐いているんですね」
「はい」
話しも一段落し、ヨーデル様は旅でのエステルの様子を聞いて来たので、今までの出来事を話していた
「良い友達が出来たようで、良かった」
「リアからすれば友達っていうより、妹みたいなものだよね」
「友達っつーなら、リタだしな」
「それでも良い仲間に巡り会えて、エステリーゼも嬉しそうです」
「そうですね」
ヨーデル様の言葉にフレンも同意して微笑む
なんだかんだ言っても、フレンもエステルをユーリの側に置いているのは、エステルの為でもあり、ユーリを信頼しているからこそだった
それを解っているから、私も兄さんもアスラも此処で安心していられるのだった
トントン
そう思い私も微笑んでいると突然扉をノックする音が聞こえ、フレンが返事を返すと、一人の騎士が入って来て、敬礼をして言葉を発した
「お話中失礼します。キュモール隊及び、シュヴァーン隊がカルボクラムに向かったと思われる賞金首のユーリ・ローウェルとその一味を捕らえ、エステリーゼ様を救出致しました」
「「「「「!」」」」」
それを聞き私達は驚き、騎士へと目を向ける
「・・・状況は?」
「現在、ヘリオードに向かって来ている所です」
「解った。私も後で本部に向かう」
フレンの返事を聞くと騎士は部屋を出て行った
「フレン、どう言う事?」
「ユーリがエステリーゼ様を城から連れ出したのはリアも知っているだろう?」
「うん。それで色々と遭って、賞金首になっちゃったのも」
「まあ、ルブラン達が勘違いして手配書作っちゃったんだけどね」
「僕達はエステリーゼ様が自分の意思で行動していると言う事は知っている。だが、他の隊の者達はその事を知らない」
「だから、ユーリ達がカルボクラムに向かった事を知ったキュモールやルブラン達が追っかけてって捕まえたって事か?」
兄さんの言葉にフレンは頷いた
「僕も後で本部に行って騎士団長に詳しく話してみるつもりだ」
「私も、彼等の事は知っていますから話しをしてみます」
フレンとヨーデル様はそう言って私を安心させるように微笑んでくれた
「でも、後でボク等も色々と聞かれるんじゃない?」
「だろうな。ユーリやエステル達と一緒にいたしな」
「ああ。特にリアは帝都を出た頃から一緒だったから聞かれる事は多いだろうが」
「大丈夫よ。そう言う事には仕事上や誰かさんのお陰で慣れてるから」
「ふふ、そうだったね」
私の言いたい事やその“誰かさん”と言うのが誰なのか分かり、フレン達は笑っていた
「じゃあ、僕は様子を見てくるよ」
そう言ってフレンはヨーデル様に一礼して部屋を後にした
続く
あとがき
此処で続いちゃったよww
まあ、この後は事情聴取みたいな感じになってきますが・・・どう書こう(おい!w)
上手く纏めて書きますよ!!
そして、最初は・・・フレンがリアちゃんを側に置いている理由を話しましたが、聞こえなかった台詞は一体何を言ったのか・・?
気になる所ですが、そこは追々!
因みにあの頃って言うのは
さ、次回はユーリ達と合流です!
He smiled sadly.(彼は寂しく微笑んだ)
2009.11.16