水道魔導器奪還編
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あれから暫く部屋を進んで行き、取り上げられていた私の武醒魔導器と武器を見つけ、身に着けてまた暫く歩いてある部屋に入った
その途端、
「侵入者ァアアァ!」
数人の男達が私達目掛けて襲い掛かって来た
それを見て私は剣を抜こうとしたけど、直ぐにユーリに止められる
「リアはパティとポリーを頼む」
「解った」
さっきの事もある所為かユーリは私を戦わせないようにし、私はそのままパティとポリーを守るようにしていた
21.Contact
「こんな危険な連中のいる屋敷を良く一人でウロウロしてたな」
ユーリは倒した男を見てパティに振るとパティはさらりと答えた
「危険を冒してでも、手に入れる価値のあるお宝なのじゃ」
「それってどんな宝?」
「アイフリードの隠したお宝なのじゃ」
「ア、アイフリードッ・・・!」
「アイフリードってあの、大海賊の?」
アイフリード、と聞いてカロルは大きな声を出し驚き、エステルも驚いていた
「有名人なのか?」
「し、知らないの? 海を荒らしまわった大悪党だよ」
「アイフリード・・・海精 の牙という名の海賊ギルドを率いた首領。移民船を襲い、数百人という民間人を殺害した海賊として騎士団に追われている。その消息は不明だが、既に死んでいるのではと言われている、です」
「ブラックホープ号事件って呼ばれてるんだけど、もうヒドかったんだって」
「・・・ま、そう言われとるの」
パティの声は何処か不機嫌そうだった
「・・・? パティ?」
「何でもないのじゃ」
「でも、あんたそんなもん手に入れて、どうすんのよ」
「どうする・・・? 決まってるのじゃ、大海賊の宝を手にして、冒険家として名を上げるのじゃ」
「危ない目に遭っても、か?」
「それが冒険家という生き方なのじゃ」
パティは私達の方に振り返って頷きながら答えた
「ふっ・・・面白いじゃねぇか」
「面白いか? どうじゃ、うちと一緒にやらんか」
パティはユーリの言葉を聞き嬉しそうに微笑んでユーリに尋ねる
「性には合いそうだけど、遠慮しとくわ。そんなに暇じゃないんでな」
「ユーリは冷たいのじゃ。サメの肌より冷たいのじゃ」
「サメの肌・・・?」
「でも、そこが素敵なのじゃ」
「素敵・・・?」
「素敵か・・・?」
「もしかしてパティってユーリのこと・・・」
カロルの言葉にパティはにやっとして振り返った
「一目惚れなのじゃ」
そしてユーリにウインクを投げる
「やめといた方がいいと思うけど」
「同感だな・・・」
「「一目惚れ・・・」」
パティの言葉に私とエステルはそう呟き、エステルはニコリと笑っていて、私はユーリを見ると、ユーリは気にした様子もなく明後日の方を見ていた
「・・・何でもいいけど、さっさと行きましょ」
リタは呆れたように溜息を吐いて歩き出し、その後を嬉しそうなパティが続いた
「・・・また一目惚れされたんだ、ユーリ」
「またって・・・?」
「こいつ、下町にいた頃もそうだったんだよ」
「そうなんです?」
「それを言うならセイ、お前もだろ」
兄さんの言う通り、ユーリに一目惚れた、と言う人は山程いた
それは勿論兄さんにもフレンにも言える事だけど
「何処に行ってもみんな人気ね」
「それ、リアが言うんだι」
私はその様子を見て笑っているとアスラがぼそりと呟いていた
暫く歩いていると、更に上に続く階段があった
その階段を上がって行くとそこには巨大な魔導器があった
どうやらこれが天候を操っているという魔導器らしい
リタは魔導器を見つけると急に走り出して魔導器の近くまで走って行き調べ始め、ぶつぶつ言いながら魔導器のシステムをいじる
それを下で見ながら私とアスラと兄さんはその魔導器の全体を見渡していた
「・・・おい、これって」
「・・・うん。この感じ、間違いないよ」
「これは・・・」
「・・・どうかしたのか?」
私達が小さく呟いていると近くにいたユーリが私達の様子に気付いて声を掛けた
「ううん。何でもない・・・」
私はそこで言葉を切り有事 を始めようと辺りを見渡しているユーリを見るとパティも愛用の銃を取り出して加勢しようとしていたが、ユーリに首根っこを掴まれ大人しくしているように言われていた
ガンッと、物凄い音が聞こえその方向に目を向けると、カロルが近くにあった柱にハンマーをぶつけ部屋を壊し始め、魔導器を調べていたリタが痺れを切らし部屋全体に魔術を放った
「あ~っ!! もうっ!!」
「あ~、リタがキレた」
リタが憂さ晴らしに魔術を発動していると騒ぎに気が付いたラゴウが数人の傭兵を引き連れて部屋に入って来た
「こいつ等、5大ギルドの1つ、紅の絆傭兵団だよ」
カロルは傭兵を見て直ぐに紅の絆傭兵団だと解った
流石はギルドの人間だと思っていると傭兵達は武器を構えてユーリ達を襲って来た
ユーリとエステルとカロルと兄さんは応戦し、私はポリーとパティを連れて傭兵達から逃げていると、ふと殺気を感じ急いで二人を後ろに隠し剣を構えた
「流石、強いねぇ」
「っ! 貴方、さっきの!」
私目掛けて剣を振り下ろした男はさっき地下で私と戦いユーリに倒された男の一人だった
「アスラ、こっちは私に任せて二人を安全な所に連れて行って!」
「了解!」
「今度は剣があるから五分の戦いになりそうだな」
「そうですね。けど、さっきも言った通り、こっちは急いでるんですよ、」
アスラが私達から離れたのを確認すると、剣を押し付け距離を置き、一歩踏み出そうとしている時だった
「執政官。何事かは存じ上げませんが、事態の対処に協力いたします」
リタの放った魔術が扉付近に当たった直後、この部屋に別の声が聞こえた
「フレン!?」
そこにいたのは、フレンとソディアさんとウィチル君だった
どうやらフレンが騒ぎを聞きつけこの部屋に入って来たようだった
「・・ちっ。仕事熱心な騎士ですね」
ガシャン!!
ラゴウはフレンに背を向けて言い放つと、突然この部屋の窓が割れ、そこから竜使いが現れた
「なっ!?」
「あれは!?」
「うわぁっ・・! あ、あれって・・竜使い?」
各々別々の反応を示しながら竜使いを見上げた
その間にフレンとソディアさんとウィチル君は竜に攻撃を加える
しかし竜は三人の攻撃を交わして魔導器の傍に近付くと持っている槍でそれを壊す
「ちょっと!! 何してくれてんのよ!? 魔導器を壊すなんて!」
それを見たリタが声を荒げて魔導器を壊して逃げ出そうとしている竜使いを狙い落とそうと魔術を発動したが竜使いはそれを綺麗に避け、竜使いは乗っている魔物に火を吐かせてそのまま窓から出て行ってしまった
「待て! こら!!」
リタはそれを見ると直ぐに外へと駆け出して行き、エステル達もその後に続いた
私も駆け出そうとしていたが、さっきの男が動く気配を感じ一気に詠唱を唱え魔術を放った
「サンダーブレード!!」
「「「「ぐおっ!!」」」」
一気に足止め出来る魔術を放つとそれを見ていたユーリと兄さんが驚いた顔をしていた
「ハデに足止めしたなぁ・・・」
「さっきの仕返しってのもあるだろ」
「解っちゃった?」
ユーリは地下での事を思い出し苦笑して私を見て、私もユーリと同じく苦笑して、それから私達も外へと向かった
外に出るとやはり竜使いはもういなかったが竜使いがあの魔導器を壊してくれたお陰で雨は上がり、天気は良くなっていた
ほっと一安心しているとラゴウが船に乗っている姿が見え、ユーリは直ぐにパティとポリーに目を向ける
「お前等とは、此処でお別れだ」
「ラゴウってわるい人をやっつけに行くんだね」
「ああ、急いでんだ」
「だいじょうぶ、ひとりで帰れるよ」
「いい子だ。お前ももう危ない所に行ったりすんなよ」
「解ったのじゃ」
パティはそう言ってポリーと一緒に街の方へと走って行った
「・・・あの娘、多分解ってないわね・・・」
「ああいうタイプはなかなか言う事聞かねえからな・・・」
リタと兄さんの言葉に苦笑しているとエステルの表情が曇っていた
「エステル、どうしたの?」
エステルの表情に気が付いたカロルが尋ねるとエステルは重い口を開いた
「わたし、まだ信じられないです。執政官があんな酷い事をしていたなんて・・・」
「良くある事だよ・・・」
「・・・・」
ラゴウのやっていた事は私も兄さんに聞いたし、仕事上調べていたから知っていた
けど、お城の中で暮らしていたエステルにとってはやっぱりショックだったのかもしれない
「帝国がってんなら、この旅の間にも何度か見て来たろ?」
「・・・・」
「話し込むのも良いけど、そろそろ行かないとラゴウが逃げちゃうよ?」
「そうだった。行こう!」
アスラの言葉を聞きリタとカロルは先に走り出し、その後を曇っていた表情を変えたエステルが続き私達も続き、ラゴウが乗っている船が出港しようとしているのが見え、急いでその船に飛び乗った
無事に船の甲板に着くとリタは近くにあった箱の中を見た
「これ、魔導器の魔刻じゃない!」
その言葉に私達は箱の中を見ると、そこにはかなりの数の魔刻があった
「何でこんなに沢山魔刻だけ?」
「知らないわよ。研究所にだってこんなに数揃わないってのに!」
「まさか、これって魔刻ドロボウと関係が?」
「かもな」
「けど、黒幕は隻眼の大男でしょ? ラゴウとは一致しないよ」
「だとすると、他にも黒幕がいるって事だな。此処に下町の魔刻、混ざってねえか?」
「残念だけど、それほど大型の魔刻はないわ」
すると、ラピードが物陰に向かって唸りだした
「・・・敵さんの登場みだいだよ」
周りを見るとぞろぞろと傭兵が集まって来た
「紅の絆傭兵団の登場ってか」
その言葉を合図に紅の絆傭兵団は斬り掛かって来たが、ユーリと兄さんが一瞬で隙を突き男達を気絶させた
「さて・・・」
ユーリとカロルと兄さんは目の前の扉に近付きユーリは左、兄さんは右に行き、カロルが鍵を開けていた
「どきやがれぇっ!!」
「うわっ!!」
すると突然扉の向こうから怒鳴り声が聞こえカロルが飛ばされ私達の前に倒れた
何事かと思い前を見ると大柄の男が私達を見下したような目で見ていた
「はんっ、ラゴウの腰抜けはこんなガキから逃げてんのか」
「隻眼の大男・・・あんたか。人使って魔刻盗ませてるのは」
「そうかもしれねぇな」
「紅の絆傭兵団の首領、バルボス、で間違いなさそうだな」
ユーリと兄さんは剣を抜き男に突き付た
「ほぉ。そこまで知ってるとはな」
バルボスは大剣を抜きユーリと兄さんに斬り掛かったが、二人はそれを軽々と避け私達の前へ降り立った
「良い動きだ。その肝っ玉も良い。ワシの腕も疼くねえ・・・。うちのギルドにも欲しい所だ」
「そりゃ光栄だね」
「だが、野心の強い目はいけねえ。ギルドの調和を崩しやがる。惜しいな・・・」
「バルボス、さっさとこいつ等を始末しなさい!」
避難用の船がある所でラゴウがバルボスに声を掛けた
「金の分は働いた。それに直ぐ騎士が来る。追い付かれては面倒だ。小僧ども! 次に会った時は容赦せん!」
バルボスはそう言って避難用の船に乗り込みラゴウが何か言っていたが諦め新たな傭兵を呼び、船の縄を切ってそのまま逃げて行った
それを横目で見て目の前に視線を戻すと柱の影から一人の男が出て来た
「誰を殺らせてくれるんだ・・・?」
男は嫌な目付きと雰囲気で私達を見ていた
「貴方はお城で!!」
「どうも縁があるみたいだな」
エステルとユーリが驚いていると突然船が揺れだした
どうやら逃げたラゴウとバルボスがこの船を攻撃しているらしい
「刃がうずくぅ・・・殺らせろ・・・殺らせろぉっ!」
男はそう言ってユーリに斬り掛かってきたがユーリは素早く避けるが、男の攻撃が船の駆動魔導器に当たってしまい駆動魔導器が爆発した
「うぉっと・・・お手柔らかに頼むぜ」
男は振り返り、ユーリの言葉など聞こえていないようで遠慮無く攻撃して来た
「っと! どうやら聞こえてないみだいだぜ」
「こういう奴には何言っても無駄だよ」
「こうなったら全力でやるしかないんじゃない?」
「その方が早く片付きそうよ」
「だな。じゃあ遠慮無しで行くぜ!」
「はい!」「うん!」「ワンっ!」
それぞれ返事をするといつものポジションに入り、戦いだした
続く
あとがき
やっと終わった・・・
何処まで書こうか悩んだけど、此処で終了~
パティの言う通り、ユーリに一目惚れした人は多いはず!!
オレもその一人だぁ!!
あ、多分、次のザギ戦はカットすると思うので(笑)
じゃ、次書こ~っと
Contact:接触
2009.11.09
その途端、
「侵入者ァアアァ!」
数人の男達が私達目掛けて襲い掛かって来た
それを見て私は剣を抜こうとしたけど、直ぐにユーリに止められる
「リアはパティとポリーを頼む」
「解った」
さっきの事もある所為かユーリは私を戦わせないようにし、私はそのままパティとポリーを守るようにしていた
21.Contact
「こんな危険な連中のいる屋敷を良く一人でウロウロしてたな」
ユーリは倒した男を見てパティに振るとパティはさらりと答えた
「危険を冒してでも、手に入れる価値のあるお宝なのじゃ」
「それってどんな宝?」
「アイフリードの隠したお宝なのじゃ」
「ア、アイフリードッ・・・!」
「アイフリードってあの、大海賊の?」
アイフリード、と聞いてカロルは大きな声を出し驚き、エステルも驚いていた
「有名人なのか?」
「し、知らないの? 海を荒らしまわった大悪党だよ」
「アイフリード・・・
「ブラックホープ号事件って呼ばれてるんだけど、もうヒドかったんだって」
「・・・ま、そう言われとるの」
パティの声は何処か不機嫌そうだった
「・・・? パティ?」
「何でもないのじゃ」
「でも、あんたそんなもん手に入れて、どうすんのよ」
「どうする・・・? 決まってるのじゃ、大海賊の宝を手にして、冒険家として名を上げるのじゃ」
「危ない目に遭っても、か?」
「それが冒険家という生き方なのじゃ」
パティは私達の方に振り返って頷きながら答えた
「ふっ・・・面白いじゃねぇか」
「面白いか? どうじゃ、うちと一緒にやらんか」
パティはユーリの言葉を聞き嬉しそうに微笑んでユーリに尋ねる
「性には合いそうだけど、遠慮しとくわ。そんなに暇じゃないんでな」
「ユーリは冷たいのじゃ。サメの肌より冷たいのじゃ」
「サメの肌・・・?」
「でも、そこが素敵なのじゃ」
「素敵・・・?」
「素敵か・・・?」
「もしかしてパティってユーリのこと・・・」
カロルの言葉にパティはにやっとして振り返った
「一目惚れなのじゃ」
そしてユーリにウインクを投げる
「やめといた方がいいと思うけど」
「同感だな・・・」
「「一目惚れ・・・」」
パティの言葉に私とエステルはそう呟き、エステルはニコリと笑っていて、私はユーリを見ると、ユーリは気にした様子もなく明後日の方を見ていた
「・・・何でもいいけど、さっさと行きましょ」
リタは呆れたように溜息を吐いて歩き出し、その後を嬉しそうなパティが続いた
「・・・また一目惚れされたんだ、ユーリ」
「またって・・・?」
「こいつ、下町にいた頃もそうだったんだよ」
「そうなんです?」
「それを言うならセイ、お前もだろ」
兄さんの言う通り、ユーリに一目惚れた、と言う人は山程いた
それは勿論兄さんにもフレンにも言える事だけど
「何処に行ってもみんな人気ね」
「それ、リアが言うんだι」
私はその様子を見て笑っているとアスラがぼそりと呟いていた
暫く歩いていると、更に上に続く階段があった
その階段を上がって行くとそこには巨大な魔導器があった
どうやらこれが天候を操っているという魔導器らしい
リタは魔導器を見つけると急に走り出して魔導器の近くまで走って行き調べ始め、ぶつぶつ言いながら魔導器のシステムをいじる
それを下で見ながら私とアスラと兄さんはその魔導器の全体を見渡していた
「・・・おい、これって」
「・・・うん。この感じ、間違いないよ」
「これは・・・」
「・・・どうかしたのか?」
私達が小さく呟いていると近くにいたユーリが私達の様子に気付いて声を掛けた
「ううん。何でもない・・・」
私はそこで言葉を切り
ガンッと、物凄い音が聞こえその方向に目を向けると、カロルが近くにあった柱にハンマーをぶつけ部屋を壊し始め、魔導器を調べていたリタが痺れを切らし部屋全体に魔術を放った
「あ~っ!! もうっ!!」
「あ~、リタがキレた」
リタが憂さ晴らしに魔術を発動していると騒ぎに気が付いたラゴウが数人の傭兵を引き連れて部屋に入って来た
「こいつ等、5大ギルドの1つ、紅の絆傭兵団だよ」
カロルは傭兵を見て直ぐに紅の絆傭兵団だと解った
流石はギルドの人間だと思っていると傭兵達は武器を構えてユーリ達を襲って来た
ユーリとエステルとカロルと兄さんは応戦し、私はポリーとパティを連れて傭兵達から逃げていると、ふと殺気を感じ急いで二人を後ろに隠し剣を構えた
「流石、強いねぇ」
「っ! 貴方、さっきの!」
私目掛けて剣を振り下ろした男はさっき地下で私と戦いユーリに倒された男の一人だった
「アスラ、こっちは私に任せて二人を安全な所に連れて行って!」
「了解!」
「今度は剣があるから五分の戦いになりそうだな」
「そうですね。けど、さっきも言った通り、こっちは急いでるんですよ、」
アスラが私達から離れたのを確認すると、剣を押し付け距離を置き、一歩踏み出そうとしている時だった
「執政官。何事かは存じ上げませんが、事態の対処に協力いたします」
リタの放った魔術が扉付近に当たった直後、この部屋に別の声が聞こえた
「フレン!?」
そこにいたのは、フレンとソディアさんとウィチル君だった
どうやらフレンが騒ぎを聞きつけこの部屋に入って来たようだった
「・・ちっ。仕事熱心な騎士ですね」
ガシャン!!
ラゴウはフレンに背を向けて言い放つと、突然この部屋の窓が割れ、そこから竜使いが現れた
「なっ!?」
「あれは!?」
「うわぁっ・・! あ、あれって・・竜使い?」
各々別々の反応を示しながら竜使いを見上げた
その間にフレンとソディアさんとウィチル君は竜に攻撃を加える
しかし竜は三人の攻撃を交わして魔導器の傍に近付くと持っている槍でそれを壊す
「ちょっと!! 何してくれてんのよ!? 魔導器を壊すなんて!」
それを見たリタが声を荒げて魔導器を壊して逃げ出そうとしている竜使いを狙い落とそうと魔術を発動したが竜使いはそれを綺麗に避け、竜使いは乗っている魔物に火を吐かせてそのまま窓から出て行ってしまった
「待て! こら!!」
リタはそれを見ると直ぐに外へと駆け出して行き、エステル達もその後に続いた
私も駆け出そうとしていたが、さっきの男が動く気配を感じ一気に詠唱を唱え魔術を放った
「サンダーブレード!!」
「「「「ぐおっ!!」」」」
一気に足止め出来る魔術を放つとそれを見ていたユーリと兄さんが驚いた顔をしていた
「ハデに足止めしたなぁ・・・」
「さっきの仕返しってのもあるだろ」
「解っちゃった?」
ユーリは地下での事を思い出し苦笑して私を見て、私もユーリと同じく苦笑して、それから私達も外へと向かった
外に出るとやはり竜使いはもういなかったが竜使いがあの魔導器を壊してくれたお陰で雨は上がり、天気は良くなっていた
ほっと一安心しているとラゴウが船に乗っている姿が見え、ユーリは直ぐにパティとポリーに目を向ける
「お前等とは、此処でお別れだ」
「ラゴウってわるい人をやっつけに行くんだね」
「ああ、急いでんだ」
「だいじょうぶ、ひとりで帰れるよ」
「いい子だ。お前ももう危ない所に行ったりすんなよ」
「解ったのじゃ」
パティはそう言ってポリーと一緒に街の方へと走って行った
「・・・あの娘、多分解ってないわね・・・」
「ああいうタイプはなかなか言う事聞かねえからな・・・」
リタと兄さんの言葉に苦笑しているとエステルの表情が曇っていた
「エステル、どうしたの?」
エステルの表情に気が付いたカロルが尋ねるとエステルは重い口を開いた
「わたし、まだ信じられないです。執政官があんな酷い事をしていたなんて・・・」
「良くある事だよ・・・」
「・・・・」
ラゴウのやっていた事は私も兄さんに聞いたし、仕事上調べていたから知っていた
けど、お城の中で暮らしていたエステルにとってはやっぱりショックだったのかもしれない
「帝国がってんなら、この旅の間にも何度か見て来たろ?」
「・・・・」
「話し込むのも良いけど、そろそろ行かないとラゴウが逃げちゃうよ?」
「そうだった。行こう!」
アスラの言葉を聞きリタとカロルは先に走り出し、その後を曇っていた表情を変えたエステルが続き私達も続き、ラゴウが乗っている船が出港しようとしているのが見え、急いでその船に飛び乗った
無事に船の甲板に着くとリタは近くにあった箱の中を見た
「これ、魔導器の魔刻じゃない!」
その言葉に私達は箱の中を見ると、そこにはかなりの数の魔刻があった
「何でこんなに沢山魔刻だけ?」
「知らないわよ。研究所にだってこんなに数揃わないってのに!」
「まさか、これって魔刻ドロボウと関係が?」
「かもな」
「けど、黒幕は隻眼の大男でしょ? ラゴウとは一致しないよ」
「だとすると、他にも黒幕がいるって事だな。此処に下町の魔刻、混ざってねえか?」
「残念だけど、それほど大型の魔刻はないわ」
すると、ラピードが物陰に向かって唸りだした
「・・・敵さんの登場みだいだよ」
周りを見るとぞろぞろと傭兵が集まって来た
「紅の絆傭兵団の登場ってか」
その言葉を合図に紅の絆傭兵団は斬り掛かって来たが、ユーリと兄さんが一瞬で隙を突き男達を気絶させた
「さて・・・」
ユーリとカロルと兄さんは目の前の扉に近付きユーリは左、兄さんは右に行き、カロルが鍵を開けていた
「どきやがれぇっ!!」
「うわっ!!」
すると突然扉の向こうから怒鳴り声が聞こえカロルが飛ばされ私達の前に倒れた
何事かと思い前を見ると大柄の男が私達を見下したような目で見ていた
「はんっ、ラゴウの腰抜けはこんなガキから逃げてんのか」
「隻眼の大男・・・あんたか。人使って魔刻盗ませてるのは」
「そうかもしれねぇな」
「紅の絆傭兵団の首領、バルボス、で間違いなさそうだな」
ユーリと兄さんは剣を抜き男に突き付た
「ほぉ。そこまで知ってるとはな」
バルボスは大剣を抜きユーリと兄さんに斬り掛かったが、二人はそれを軽々と避け私達の前へ降り立った
「良い動きだ。その肝っ玉も良い。ワシの腕も疼くねえ・・・。うちのギルドにも欲しい所だ」
「そりゃ光栄だね」
「だが、野心の強い目はいけねえ。ギルドの調和を崩しやがる。惜しいな・・・」
「バルボス、さっさとこいつ等を始末しなさい!」
避難用の船がある所でラゴウがバルボスに声を掛けた
「金の分は働いた。それに直ぐ騎士が来る。追い付かれては面倒だ。小僧ども! 次に会った時は容赦せん!」
バルボスはそう言って避難用の船に乗り込みラゴウが何か言っていたが諦め新たな傭兵を呼び、船の縄を切ってそのまま逃げて行った
それを横目で見て目の前に視線を戻すと柱の影から一人の男が出て来た
「誰を殺らせてくれるんだ・・・?」
男は嫌な目付きと雰囲気で私達を見ていた
「貴方はお城で!!」
「どうも縁があるみたいだな」
エステルとユーリが驚いていると突然船が揺れだした
どうやら逃げたラゴウとバルボスがこの船を攻撃しているらしい
「刃がうずくぅ・・・殺らせろ・・・殺らせろぉっ!」
男はそう言ってユーリに斬り掛かってきたがユーリは素早く避けるが、男の攻撃が船の駆動魔導器に当たってしまい駆動魔導器が爆発した
「うぉっと・・・お手柔らかに頼むぜ」
男は振り返り、ユーリの言葉など聞こえていないようで遠慮無く攻撃して来た
「っと! どうやら聞こえてないみだいだぜ」
「こういう奴には何言っても無駄だよ」
「こうなったら全力でやるしかないんじゃない?」
「その方が早く片付きそうよ」
「だな。じゃあ遠慮無しで行くぜ!」
「はい!」「うん!」「ワンっ!」
それぞれ返事をするといつものポジションに入り、戦いだした
続く
あとがき
やっと終わった・・・
何処まで書こうか悩んだけど、此処で終了~
パティの言う通り、ユーリに一目惚れした人は多いはず!!
オレもその一人だぁ!!
あ、多分、次のザギ戦はカットすると思うので(笑)
じゃ、次書こ~っと
Contact:接触
2009.11.09