水道魔導器奪還編
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「セイ、子供の扱いに慣れてますね」
エステルはオレ達の前を歩くセイとパティ、そしてポリーとアスラを見て微笑ましい顔をしていた
「そりゃずっとオレ達の面倒見てたしな」
「ワン」
「え? そうだったの?」
「まあ年齢的に考えたらそうでしょうね」
実際にオレもフレンもリアと一緒にセイに面倒見て貰ってたし、元々から面倒見が良いからガキの扱いには慣れてるしな
「あ、鳥だ!」
そう思っているとポリーが言い、オレ達はポリーに視線を向ける
「鳥って、こんな所に?」
「ほら、あそこ!」
「?」
ポリーが指さす方を見れば、確かに白い鳥がオレ達の方に向かって飛んで来ていた
20.辿り着いた場所
それはセイの前に行き、セイが腕を伸ばすと鳥はセイの手に止まった
その途端、それはただの紙に変わった
「うわっ!? 鳥が、紙になった!?」
それには此処に居た全員が驚いていたが、セイとアスラだけは動じずセイはその紙を開き、オレ達もその紙を見てみた
「・・・何、これ?」
「何も書いてませんね・・・」
「・・・白紙、じゃの・・・」
「「「・・・・」」」
その紙を見てリタは何か考えているような顔をして、セイとアスラはその紙に目を通していたが、突然セイとアスラの表情が変わった
「アスラ、解るか?」
「ちょっと待ってね・・・」
軽く会話をするとアスラは目を瞑って意識を集中させだした
「解ったよ。これで何とか辿れるよ」
「そうか・・・」
アスラの返事を聞くとセイはその紙を手でなぞると、白紙だった紙に地図のようなものが浮かび上がった
「凄いのじゃ! どういう仕掛けなのじゃ?」
「これは一体・・・?」
エステル達は驚いて何度もセイとその紙を見比べていた
「ユーリ、リアからだ」
セイはそう言ってその紙をオレに渡した
それは紛れもなくこの階の部屋の地図だった
そして左の部屋の所に丸く囲まれた所があった
「・・・此処にリアがいるのか?」
「ああ。後はアスラに案内して貰う」
「じゃあ、行くぜ」
セイの言葉にアスラは頷き、オレ達はその地図を持ってリアがいる所へと向かい出した
「よぉ、お目覚めのようだな」
「・・・・」
そう言って入って来たのは私を此処に連れて来た張本人、つまりあの時あの場にいた男達だった
「そんなコワイ顔しない方が良いぜぇ。良い顔が台無しになる」
「・・・それはどうも」
愛想のない返事を返すとまたも楽しそうに笑う
「つれないなぁ」
「・・・離してくれませんか?」
男は私の顎を持ち上げて、私の反応を見て更に言葉を続ける
「武器も武醒魔導器もないのに強きだねぇ」
「じっとしてる方が身の安全だぜ」
「一応此処の事知ってる奴は容赦なく殺れって言われてんだが、あんたなかなかイイ女だからなぁ」
「殺すには勿体ないんだよな」
「・・・・」
男達は更に詰め寄り私の髪に触れる
「・・・殺してないって事は、私は他の人と違って特別扱いって事で良いのかしら?」
「ああ、そうだぜ」
言うと男達はにやりと笑ったがそれは嫌気が刺す程、嫌な笑いだった
「・・・遠慮させて頂きます。こっちも暇じゃないんです」
「「なっ!?」」
私は溜息を吐いて手首に巻かれていた縄を護身用のナイフで一気に解いて、素早く足の縄も切ってその場を離れた
「なっ! 武醒魔導器が無いのに・・・」
「これでも体術はイヤってほど叩き込まれてるので」
私の場合、武醒魔導器を着けていてもそんなに使う事はない
あれは魔術や術をみんなと同じように使っているように見せているだけのようなものだし
本当に時々しか使わないから今みたいな状況になっても焦る必要がない
「此処でじっとしてる時間もないので、どいてくれません?」
「大人しくしてる方が身の為だぜぇ?」
言って男達は剣を構えた
(・・・ちょっとだけ、こっちが不利・・か。ま、バレない程度に力は使うけど・・・)
私は前にいる男達を見据えて地を蹴って移動した
(早く片付けるつもりだけど、一応戦いになっちゃった事だけは伝えておこう)
薄く笑ってアスラに連絡を入れながら、戦いだした
リアから届いた式に書かれている地図を見ながらオレ達は順調に進んでいた
「今が此処だから・・・これをこっちに行けば」
「・・・リア?」
カロル達が地図を見ながら話をしていると、急にアスラが眉を寄せリアの名前を呟いた
どうやらリアから連絡が入ったようだったが、数言話すとセイとオレにだけ聞こえる声で言った
「リアの所にリアを捕まえた奴が着てるらしいんだ」
「ラゴウはいないのか?」
「うん。でも、武醒魔導器も武器も取り上げられてる中、今そいつ等と戦ってるんだって」
「「!」」
「あ、ユーリ!」
その言葉を聞いた途端、オレはリアがいる部屋へと向かって走り出した
「アスラ、ユーリと先に行け」
「了解!」
そんなユーリを見てセイはアスラをユーリの元へと向かわせ、その後をエステル達と一緒に追いかけて行った
あれから何とか一人気絶させる事が出来たけど、まだもう一人残ってる
「なかなか強いお嬢さんだな」
「どうも・・・」
男の言葉を軽く聞き流し、アスラからの連絡が来た事を思い返していた
私の事を聞き、直ぐにみんなこの部屋に向かい出したそうだ
(みんなが来る前までには片付けておきたいし・・・)
「次で終わらせなきゃ・・・」
そう思い体制を整えて地を蹴ろうとした時だった
「っ!! しまっ!!」
さっき倒した男が私の足首を思いっきり掴み、私は足場を崩し倒れそうになったが、目の前の男が私の両手首を押さえてそのまま床に押し付ける
「っ!!」
「これで逃げられないぜ」
「バラされたくなかったらじっとしておくんだな」
「っ・・!」
襟に一番近いボタンを短剣でひとつ外され、更に睨み付けると男達はまた嫌気が刺すような笑みを浮かべる
「じゃあ、楽しませてもらおうか」
「っ、・・嫌っ!!」
反射的に声が上がり目を瞑ると突然扉の向こうから声が聞こえた
「蒼波刃っ!!」
「ぐおっ!!」
途端、扉の破れる音と一人の男の叫び声が聞こえた
そしてゆっくりと目を開けると私の両手首を掴んでいる男の後ろに良く見知った人物が立っていた
「・・ユー・・リ・・・?」
が、ユーリはいつもと雰囲気が違い殺気を露わにして立っていた
「・・・その手ぇ離しな」
「なっ、ぐおぉっっ!!」
ユーリは男が反撃しようと少し動いたと同時に攻撃を与えた
そして男が倒れたのを見るとユーリは私へ視線を向け、私の手を引いて立たせた
「・・えっと・・・ユーリ・・あの、・・っ!!」
いつもと違う雰囲気のユーリに少し戸惑いながらお礼を言おうとしていると急に抱きしめられた
「ゆ、ユーリ///!?」
「・・・た」
「え?」
聞き取れずにいるともう一度ユーリが口を開く
「リアの声が聞こえた時、マジで焦った・・・」
「ユーリ・・・」
「・・・なんもされてねえか?」
「うん、大丈夫。首元のボタンが取れちゃっただけだし」
「・・・そっか」
言うとユーリはさっきより強く抱きしめる
こんなに焦ってるユーリを見たのは、もしかしたら初めてかもしれない
「・・・ごめんね、心配かけて」
心配させてしまった事と、ユーリの表情を見ていたら自然とユーリの背中に腕が回っていた
それを感じ、ユーリは更に私を抱きしめる
さっきまでとは違う安心感に自然と微笑んでいると、
(リア、そろそろみんなが来るよ)
「ユーリ~~~~!!」
アスラから連絡が入り直ぐにカロルが大きな声でユーリの名前を呼んでいる声と走って来る音が聞こえた
ユーリはゆっくりと私を離し、部屋の入り口へと視線を向けるとカロル達が走って来ているのが見えた
「リア! 良かった、無事だったんですね!」
「わっと、エステル・・・」
エステルは私の姿を見るや否、ギュッと私に抱きついた
「無事だって連絡は着てたんだし、当たり前でしょ」
「そういうリタだって、心配してたじゃん」
「ぅ、うっさい!」
リタはカロルにチョップを入れるとカロルは頭を押さえていた
けど、エステル達の様子を見る限り、私が男達と戦っていた事を知らない感じだった
(心配かけないようにしてくれたのかもね・・・)
「ありがとう、兄さん、アスラ」
エステル達に聞こえないように兄さんとアスラに言うと兄さんとアスラは微笑んでいた
「・・・その子達は?」
そして兄さんの後ろにいる男の子と女の子に目が止まり聞いてみると、この地下で捕まっていた子達で、男の子はポリー、女の子の方はパティと言うそうだ
「あれ・・・?」
「どうしたんです?」
パティの姿を見て私が首を傾げているとエステルが私に疑問を振る
「・・・貴女、前に私達から情報貰った子じゃない?」
「うん?」
私の言葉にパティは私に目を向け、アスラと兄さんにも目を向ける
「うーん・・・。おぉ思い出したのじゃ、あの時の情報屋の兄ちゃんと姉ちゃん!」
「・・・ああ。それでどっかで見た事がある気がしてたのか」
「え、何、知り合いなの?」
「知り合いって程じゃないよ。お客さん」
「あの時は世話になったのじゃ」
「いいえ、情報屋として情報を提供するのは当然だからね」
「情報って何の・・・」
「リアも無事だったんだし、そろそろ行ねえとフレン達が乗り込んで来れねえぞ」
「そうよ、魔導器!」
此処に来た目的を思い出しリタは目の色を変えた
「じゃ、行くか」
兄さんの言葉を聞き私達は部屋を立ち去ろうとしていると、急にユーリが私の腕を掴んだ
「・・・ユーリ?」
振り返ってユーリの表情を見ると、まだ心配そうな顔をしていた
そして私の腕を引き、そのままユーリの隣に並ぶような形になる
「お前は此処」
「え? でも、もうだいじょ・・・」
大丈夫、と続けようとしていたけど、ユーリが隣にいろ、と言う目をしていた
「・・・・」
その目はいつも以上に真剣な目で何も言えず大人しくユーリの隣にいる事にした
「・・・解った。ユーリの隣で大人しくしてる」
「良し。なら、行くか」
私の返事を聞くとユーリはさっきより表情を緩め、兄さん達の後を追った
続く
あとがき
何とかリアちゃん救出!!
ちょっと危なかったけどね
此処はユーリほんとに焦ってたんでしょうねえww
心配のあまり終わった後も隣においてましたしw
さ、次こそ屋敷の話し終わらせるぞ!
2009.11.08
エステルはオレ達の前を歩くセイとパティ、そしてポリーとアスラを見て微笑ましい顔をしていた
「そりゃずっとオレ達の面倒見てたしな」
「ワン」
「え? そうだったの?」
「まあ年齢的に考えたらそうでしょうね」
実際にオレもフレンもリアと一緒にセイに面倒見て貰ってたし、元々から面倒見が良いからガキの扱いには慣れてるしな
「あ、鳥だ!」
そう思っているとポリーが言い、オレ達はポリーに視線を向ける
「鳥って、こんな所に?」
「ほら、あそこ!」
「?」
ポリーが指さす方を見れば、確かに白い鳥がオレ達の方に向かって飛んで来ていた
20.辿り着いた場所
それはセイの前に行き、セイが腕を伸ばすと鳥はセイの手に止まった
その途端、それはただの紙に変わった
「うわっ!? 鳥が、紙になった!?」
それには此処に居た全員が驚いていたが、セイとアスラだけは動じずセイはその紙を開き、オレ達もその紙を見てみた
「・・・何、これ?」
「何も書いてませんね・・・」
「・・・白紙、じゃの・・・」
「「「・・・・」」」
その紙を見てリタは何か考えているような顔をして、セイとアスラはその紙に目を通していたが、突然セイとアスラの表情が変わった
「アスラ、解るか?」
「ちょっと待ってね・・・」
軽く会話をするとアスラは目を瞑って意識を集中させだした
「解ったよ。これで何とか辿れるよ」
「そうか・・・」
アスラの返事を聞くとセイはその紙を手でなぞると、白紙だった紙に地図のようなものが浮かび上がった
「凄いのじゃ! どういう仕掛けなのじゃ?」
「これは一体・・・?」
エステル達は驚いて何度もセイとその紙を見比べていた
「ユーリ、リアからだ」
セイはそう言ってその紙をオレに渡した
それは紛れもなくこの階の部屋の地図だった
そして左の部屋の所に丸く囲まれた所があった
「・・・此処にリアがいるのか?」
「ああ。後はアスラに案内して貰う」
「じゃあ、行くぜ」
セイの言葉にアスラは頷き、オレ達はその地図を持ってリアがいる所へと向かい出した
「よぉ、お目覚めのようだな」
「・・・・」
そう言って入って来たのは私を此処に連れて来た張本人、つまりあの時あの場にいた男達だった
「そんなコワイ顔しない方が良いぜぇ。良い顔が台無しになる」
「・・・それはどうも」
愛想のない返事を返すとまたも楽しそうに笑う
「つれないなぁ」
「・・・離してくれませんか?」
男は私の顎を持ち上げて、私の反応を見て更に言葉を続ける
「武器も武醒魔導器もないのに強きだねぇ」
「じっとしてる方が身の安全だぜ」
「一応此処の事知ってる奴は容赦なく殺れって言われてんだが、あんたなかなかイイ女だからなぁ」
「殺すには勿体ないんだよな」
「・・・・」
男達は更に詰め寄り私の髪に触れる
「・・・殺してないって事は、私は他の人と違って特別扱いって事で良いのかしら?」
「ああ、そうだぜ」
言うと男達はにやりと笑ったがそれは嫌気が刺す程、嫌な笑いだった
「・・・遠慮させて頂きます。こっちも暇じゃないんです」
「「なっ!?」」
私は溜息を吐いて手首に巻かれていた縄を護身用のナイフで一気に解いて、素早く足の縄も切ってその場を離れた
「なっ! 武醒魔導器が無いのに・・・」
「これでも体術はイヤってほど叩き込まれてるので」
私の場合、武醒魔導器を着けていてもそんなに使う事はない
あれは魔術や術をみんなと同じように使っているように見せているだけのようなものだし
本当に時々しか使わないから今みたいな状況になっても焦る必要がない
「此処でじっとしてる時間もないので、どいてくれません?」
「大人しくしてる方が身の為だぜぇ?」
言って男達は剣を構えた
(・・・ちょっとだけ、こっちが不利・・か。ま、バレない程度に力は使うけど・・・)
私は前にいる男達を見据えて地を蹴って移動した
(早く片付けるつもりだけど、一応戦いになっちゃった事だけは伝えておこう)
薄く笑ってアスラに連絡を入れながら、戦いだした
リアから届いた式に書かれている地図を見ながらオレ達は順調に進んでいた
「今が此処だから・・・これをこっちに行けば」
「・・・リア?」
カロル達が地図を見ながら話をしていると、急にアスラが眉を寄せリアの名前を呟いた
どうやらリアから連絡が入ったようだったが、数言話すとセイとオレにだけ聞こえる声で言った
「リアの所にリアを捕まえた奴が着てるらしいんだ」
「ラゴウはいないのか?」
「うん。でも、武醒魔導器も武器も取り上げられてる中、今そいつ等と戦ってるんだって」
「「!」」
「あ、ユーリ!」
その言葉を聞いた途端、オレはリアがいる部屋へと向かって走り出した
「アスラ、ユーリと先に行け」
「了解!」
そんなユーリを見てセイはアスラをユーリの元へと向かわせ、その後をエステル達と一緒に追いかけて行った
あれから何とか一人気絶させる事が出来たけど、まだもう一人残ってる
「なかなか強いお嬢さんだな」
「どうも・・・」
男の言葉を軽く聞き流し、アスラからの連絡が来た事を思い返していた
私の事を聞き、直ぐにみんなこの部屋に向かい出したそうだ
(みんなが来る前までには片付けておきたいし・・・)
「次で終わらせなきゃ・・・」
そう思い体制を整えて地を蹴ろうとした時だった
「っ!! しまっ!!」
さっき倒した男が私の足首を思いっきり掴み、私は足場を崩し倒れそうになったが、目の前の男が私の両手首を押さえてそのまま床に押し付ける
「っ!!」
「これで逃げられないぜ」
「バラされたくなかったらじっとしておくんだな」
「っ・・!」
襟に一番近いボタンを短剣でひとつ外され、更に睨み付けると男達はまた嫌気が刺すような笑みを浮かべる
「じゃあ、楽しませてもらおうか」
「っ、・・嫌っ!!」
反射的に声が上がり目を瞑ると突然扉の向こうから声が聞こえた
「蒼波刃っ!!」
「ぐおっ!!」
途端、扉の破れる音と一人の男の叫び声が聞こえた
そしてゆっくりと目を開けると私の両手首を掴んでいる男の後ろに良く見知った人物が立っていた
「・・ユー・・リ・・・?」
が、ユーリはいつもと雰囲気が違い殺気を露わにして立っていた
「・・・その手ぇ離しな」
「なっ、ぐおぉっっ!!」
ユーリは男が反撃しようと少し動いたと同時に攻撃を与えた
そして男が倒れたのを見るとユーリは私へ視線を向け、私の手を引いて立たせた
「・・えっと・・・ユーリ・・あの、・・っ!!」
いつもと違う雰囲気のユーリに少し戸惑いながらお礼を言おうとしていると急に抱きしめられた
「ゆ、ユーリ///!?」
「・・・た」
「え?」
聞き取れずにいるともう一度ユーリが口を開く
「リアの声が聞こえた時、マジで焦った・・・」
「ユーリ・・・」
「・・・なんもされてねえか?」
「うん、大丈夫。首元のボタンが取れちゃっただけだし」
「・・・そっか」
言うとユーリはさっきより強く抱きしめる
こんなに焦ってるユーリを見たのは、もしかしたら初めてかもしれない
「・・・ごめんね、心配かけて」
心配させてしまった事と、ユーリの表情を見ていたら自然とユーリの背中に腕が回っていた
それを感じ、ユーリは更に私を抱きしめる
さっきまでとは違う安心感に自然と微笑んでいると、
(リア、そろそろみんなが来るよ)
「ユーリ~~~~!!」
アスラから連絡が入り直ぐにカロルが大きな声でユーリの名前を呼んでいる声と走って来る音が聞こえた
ユーリはゆっくりと私を離し、部屋の入り口へと視線を向けるとカロル達が走って来ているのが見えた
「リア! 良かった、無事だったんですね!」
「わっと、エステル・・・」
エステルは私の姿を見るや否、ギュッと私に抱きついた
「無事だって連絡は着てたんだし、当たり前でしょ」
「そういうリタだって、心配してたじゃん」
「ぅ、うっさい!」
リタはカロルにチョップを入れるとカロルは頭を押さえていた
けど、エステル達の様子を見る限り、私が男達と戦っていた事を知らない感じだった
(心配かけないようにしてくれたのかもね・・・)
「ありがとう、兄さん、アスラ」
エステル達に聞こえないように兄さんとアスラに言うと兄さんとアスラは微笑んでいた
「・・・その子達は?」
そして兄さんの後ろにいる男の子と女の子に目が止まり聞いてみると、この地下で捕まっていた子達で、男の子はポリー、女の子の方はパティと言うそうだ
「あれ・・・?」
「どうしたんです?」
パティの姿を見て私が首を傾げているとエステルが私に疑問を振る
「・・・貴女、前に私達から情報貰った子じゃない?」
「うん?」
私の言葉にパティは私に目を向け、アスラと兄さんにも目を向ける
「うーん・・・。おぉ思い出したのじゃ、あの時の情報屋の兄ちゃんと姉ちゃん!」
「・・・ああ。それでどっかで見た事がある気がしてたのか」
「え、何、知り合いなの?」
「知り合いって程じゃないよ。お客さん」
「あの時は世話になったのじゃ」
「いいえ、情報屋として情報を提供するのは当然だからね」
「情報って何の・・・」
「リアも無事だったんだし、そろそろ行ねえとフレン達が乗り込んで来れねえぞ」
「そうよ、魔導器!」
此処に来た目的を思い出しリタは目の色を変えた
「じゃ、行くか」
兄さんの言葉を聞き私達は部屋を立ち去ろうとしていると、急にユーリが私の腕を掴んだ
「・・・ユーリ?」
振り返ってユーリの表情を見ると、まだ心配そうな顔をしていた
そして私の腕を引き、そのままユーリの隣に並ぶような形になる
「お前は此処」
「え? でも、もうだいじょ・・・」
大丈夫、と続けようとしていたけど、ユーリが隣にいろ、と言う目をしていた
「・・・・」
その目はいつも以上に真剣な目で何も言えず大人しくユーリの隣にいる事にした
「・・・解った。ユーリの隣で大人しくしてる」
「良し。なら、行くか」
私の返事を聞くとユーリはさっきより表情を緩め、兄さん達の後を追った
続く
あとがき
何とかリアちゃん救出!!
ちょっと危なかったけどね
此処はユーリほんとに焦ってたんでしょうねえww
心配のあまり終わった後も隣においてましたしw
さ、次こそ屋敷の話し終わらせるぞ!
2009.11.08