水道魔導器奪還編
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リアを助けにとラゴウの屋敷にあると言う天候を操る魔導器を調べにこの屋敷に来たはずだったんだが・・・
何か違うとこに来ちまった気がする・・・
あのおっさんの所為で・・・
19.冒険家の少女
セイ達と知り合いと言うあのおっさんの後を追ってオレ達は屋敷の裏側まで走って行った
けど、そこで手違いが起こり、おっさんは上の階へ行き、その後を追い駆けようとエレベーターに乗ったが、オレ達は下の地下室らしき所へ来てしまった
直ぐに上の階へ上がろうとリタがエレベーターの装置を見たが、どうやら一方通行だったらしく、仕方なくこの地下から上の階へ行く事になった
が、直ぐにポリーというガキがこの地下で泣いているとこを見つけた
どうやらポリーはあの夫婦のガキらしい
地上に戻るならこのままオレ達と一緒にいた方が安全だと判断し、ポリーを連れて地下を歩いていた
「それにしても、リアは何処にいるんだろうね?」
「暗い部屋にいる、って言ってたから、この地下の何処かだと思うけど」
「後はアスラにリアの気配を追って探すしかないな・・・」
「ポリーは見てませんか? 水色の髪の女性なんですけど・・・?」
「ううん、ボクは見てないよ」
ポリーの言葉を聞き、エステルは少しだけ残念そうな顔をした
「あ、あそこから上に上がれそうだよ」
カロルの言う方を見れば、少し先に上へと続く階段が見えオレ達はその階段を上がって行った
そこには鉄格子がありオレ達はその前で立ち止まる
すると丁度良いタイミングで鉄格子の向こうに一人の男がオレ達の前に現れた
「はて、これはどうした事か。おいしい餌が増えていますね」
「・・・ラゴウ」
「・・・コイツが」
「ああ」
オレ達の前に現れた男を見てセイが小声で言い、オレは一歩前に出てラゴウを睨んだ
「あんたがラゴウさん? 随分と胸糞悪い趣味をお持ちじゃねぇか」
「趣味? ああ、地下室の事ですか。これは私のような高雅な者にしか理解出来ない楽しみなのですよ。評議会の小心な老人共ときたら退屈な駆け引きばかりで、私を楽しませてくれませんからね」
「これが、高雅な楽しみ?」
「こんなヒドイ事が?」
「その退屈を和らげる為に関係のない人達を使って紛らわすってワケか」
「ホント、随分と良い趣味してるわ」
「それが出来るのは私のような選ばれた人間の特権というものでしょう」
「まさか、ただそれだけの理由でこんな事を・・・?」
「それを楽しんで高みの見物って訳ね・・・」
「・・・マジで虫唾が走るな」
ラゴウの言葉を聞いてオレ達は更に嫌気がさした
「さて・・・リブガロを連れ帰って来るとしますか。これだけ獲物が増えたなら、面白い見世物になります。ま、それまで生きてれば、ですが」
「リブガロなら探しても無駄だぜ。オレ等がやっちまったから」
「・・・なんですって?」
「聞こえなかったか? オレ等が倒したって言ったんだよ」
「くっ・・。なんという事を・・・」
「飼ってるなら解るように鈴でも付けときゃ良かったんだ」
「まぁ、良いでしょう。金さえ積めば直ぐに手に入ります」
ラゴウのその発言にオレの後ろにいたエステルが前に乗り出す
「ラゴウ! それでも貴方は帝国に仕える人間ですか!!」
「!! むむっ・・・貴方様は・・・まさか・・・!?」
エステルの姿を見たラゴウは目を見開いて顔を強張らせた
その隙にオレとセイは剣を抜いて目の前の鉄格子を破り、その衝撃でラゴウは後ろに倒れた
「き、貴様等! な、何をするのですか! 誰か! この者達を捕らえなさい!」
叫ぶとラゴウは上の階に続く階段を駆け上がって行き、オレ達もそれを追って一気に階段を駆け上がった
その頃、リアは・・・
「・・・右に二つ・・・それから・・下、かな・・?」
アスラから兄さん達がこの屋敷に乗り込んだと言う連絡が来た
ちょっとした手違いで地下に降りて来てしまったけど、調べていた事の確信が持てたし、多分私がいるのもその地下だろうから、好都合と言えば好都合だったのかもしれない
それを聞き私は身動きが捕れないにしてもただじっとしている訳にもいかないので、式を使って遠視して近くの部屋の構造を探っていた
一旦目を開けて息を吐く
「・・・色々と面倒な作りしてるわね、この屋敷」
あまり知られたくない事なのか、かなり複雑な構造をしているこの地下と言える場所
何の為に、と言うのは調べていて解ってはいる事だけど
「でも、例の魔導器は見つからないなぁ・・・」
探ってはいるものの、肝心の天候を操る魔導器が何処を調べても見つからない
「もしかして、この地下じゃなくてもっと上の階だったりするのかな・・・?」
この屋敷は街の中でも一番大きな屋敷だ
けど、まさか地下まであるとは誰も思わないし、地下が税金を払えなかった人を閉じ込め、魔物を飼っている場所だと言う事は誰も知らない事だろう
「・・・・」
私は小さく頭を振ってまた遠視をして最終確認を取ると、護身用のナイフで手元の縄を少しだけ緩めてポケットから式を取り出しそれを宙に投げると、それは鳥の形となった
「アスラと兄さんの所に向かって」
私の言葉を聞くと、鳥となった式は扉の小さな窓を抜けて行った
「さてと、じゃあ足の方も緩めようかな」
それを見送り護身用のナイフを取り出し、足首の方の縄も緩めだした
ラゴウと会った後、オレ達は奴の後を追って上に向かった
この階はさっきのとこより面倒な構造じゃなかったが、仕掛けは一緒だった
そしてオレ達はある一室に入った
「!」
部屋に入ると天井から何かがぶら下がっているのが見えた
「良ーい眺めなのじゃ・・・」
それは良く見ると布団で簀巻きにされている金髪で三つ編みの子供だった
「誰・・・?」
カロルはオレにぼそりと呟き、オレはそのままその簀巻きにされたガキの方へ歩いていく
「そこで何してんだ?」
「見ての通り、高見の見物なのじゃ」
「ふーん、オレはてっきり捕まってるのかと思ったよ」
「あの・・・捕まってるんだと思うんですけど・・・」
「そんな事ないぞ」
違うと言うばかりに身体を動かすと、布団は左右に揺れる
「お・・・? お前、知ってるのじゃ」
ガキは動きを止め、じっとオレを見た
「えーと、名前は・・・ジャック」
「誰なんです?」
エステルはオレに視線を向け、オレは小さく息を吐いて答えた
「オレはユーリだ。お前、名前は?」
「パティなのじゃ」
「パティか。さっき、屋敷の前で会ったよな」
オレはパティに似た格好の人形らしきものを見せる
「おお、そうなのじゃ。うちの手の温もりを忘れられなくて追い駆けて来たんじゃな」
オレはその言葉を聞き大きな溜息を吐いてカロルとセイと天井から延びている縄を切って、簀巻きになっていたパティを解いてやった
「ね、こんな所で何してたの?」
「お宝を探してたのじゃ」
「宝? こんな所に?」
「あの道楽腹黒ジジィの事だし、そういうのがめてても不思議じゃないけど・・・」
リタの言葉に納得していると、カロルは更にパティに尋ねる
「パティは何してる人?」
「冒険家なのじゃ」
「と、ともかく、女の子一人でこんな所ウロウロするのは危ないです」
「そうだね。ボク達と一緒に行こう」
「うちはまだ宝も何も見つけていないのじゃ」
「人の事言えた義理じゃねえがお前、やってること冒険家っていうより泥棒だぞ」
「冒険家というのは、常に探求心を持ち、未知に分け入る精神を持つ者の事なのじゃ。だから、泥棒に見えても、これは泥棒ではないのじゃ」
「ふーん・・・。それより、水色の髪をした女見なかったか?」
セイは気にした様子もなくパティに聞くとパティはうーん・・・と唸って考え出した
「ちょっと前に、男がそんな女の人を捕まえてたような気がするぞ? 顔はまでは見えんかったが」
「「!」」
パティは天井に吊されて捕まっていたのだから、小窓からでもその様子は見えたのかもしれねえ
「そいつ等、どっちに行ったか解るか?」
「確か・・・あっちだったと思うのじゃ」
パティは記憶を巡らせながら、左に指を指していた
「なら、パティも一緒に行きましょう」
「うちは宝を・・・」
「ほら、行くぞ」
「あうっ、離すのじゃ」
「諦めなって」
まだ宝を諦めきれないパティを見てセイはパティの首根っこを掴んで歩き出し、アスラが諦めるよう言い、オレ達もその後に続いた
続く
あとがき
いつもよりちょっと短めで終わらせました
次回の事を考えて・・・ι
皆様、お待たせ致しました! 遂にパティの登場です!!
パティは登場時から可愛い子だなぁと思ってたけど、本編進めると更に可愛い子ですよvv
ネタバレになるので多くは語りませんがww
次回はリアちゃん救出・・・かな?
ちょっとだけ甘くなるかなぁ~(ニヤニヤw)
多分次でラゴウの屋敷の話は終わると思います
では
2009.11.08
何か違うとこに来ちまった気がする・・・
あのおっさんの所為で・・・
19.冒険家の少女
セイ達と知り合いと言うあのおっさんの後を追ってオレ達は屋敷の裏側まで走って行った
けど、そこで手違いが起こり、おっさんは上の階へ行き、その後を追い駆けようとエレベーターに乗ったが、オレ達は下の地下室らしき所へ来てしまった
直ぐに上の階へ上がろうとリタがエレベーターの装置を見たが、どうやら一方通行だったらしく、仕方なくこの地下から上の階へ行く事になった
が、直ぐにポリーというガキがこの地下で泣いているとこを見つけた
どうやらポリーはあの夫婦のガキらしい
地上に戻るならこのままオレ達と一緒にいた方が安全だと判断し、ポリーを連れて地下を歩いていた
「それにしても、リアは何処にいるんだろうね?」
「暗い部屋にいる、って言ってたから、この地下の何処かだと思うけど」
「後はアスラにリアの気配を追って探すしかないな・・・」
「ポリーは見てませんか? 水色の髪の女性なんですけど・・・?」
「ううん、ボクは見てないよ」
ポリーの言葉を聞き、エステルは少しだけ残念そうな顔をした
「あ、あそこから上に上がれそうだよ」
カロルの言う方を見れば、少し先に上へと続く階段が見えオレ達はその階段を上がって行った
そこには鉄格子がありオレ達はその前で立ち止まる
すると丁度良いタイミングで鉄格子の向こうに一人の男がオレ達の前に現れた
「はて、これはどうした事か。おいしい餌が増えていますね」
「・・・ラゴウ」
「・・・コイツが」
「ああ」
オレ達の前に現れた男を見てセイが小声で言い、オレは一歩前に出てラゴウを睨んだ
「あんたがラゴウさん? 随分と胸糞悪い趣味をお持ちじゃねぇか」
「趣味? ああ、地下室の事ですか。これは私のような高雅な者にしか理解出来ない楽しみなのですよ。評議会の小心な老人共ときたら退屈な駆け引きばかりで、私を楽しませてくれませんからね」
「これが、高雅な楽しみ?」
「こんなヒドイ事が?」
「その退屈を和らげる為に関係のない人達を使って紛らわすってワケか」
「ホント、随分と良い趣味してるわ」
「それが出来るのは私のような選ばれた人間の特権というものでしょう」
「まさか、ただそれだけの理由でこんな事を・・・?」
「それを楽しんで高みの見物って訳ね・・・」
「・・・マジで虫唾が走るな」
ラゴウの言葉を聞いてオレ達は更に嫌気がさした
「さて・・・リブガロを連れ帰って来るとしますか。これだけ獲物が増えたなら、面白い見世物になります。ま、それまで生きてれば、ですが」
「リブガロなら探しても無駄だぜ。オレ等がやっちまったから」
「・・・なんですって?」
「聞こえなかったか? オレ等が倒したって言ったんだよ」
「くっ・・。なんという事を・・・」
「飼ってるなら解るように鈴でも付けときゃ良かったんだ」
「まぁ、良いでしょう。金さえ積めば直ぐに手に入ります」
ラゴウのその発言にオレの後ろにいたエステルが前に乗り出す
「ラゴウ! それでも貴方は帝国に仕える人間ですか!!」
「!! むむっ・・・貴方様は・・・まさか・・・!?」
エステルの姿を見たラゴウは目を見開いて顔を強張らせた
その隙にオレとセイは剣を抜いて目の前の鉄格子を破り、その衝撃でラゴウは後ろに倒れた
「き、貴様等! な、何をするのですか! 誰か! この者達を捕らえなさい!」
叫ぶとラゴウは上の階に続く階段を駆け上がって行き、オレ達もそれを追って一気に階段を駆け上がった
その頃、リアは・・・
「・・・右に二つ・・・それから・・下、かな・・?」
アスラから兄さん達がこの屋敷に乗り込んだと言う連絡が来た
ちょっとした手違いで地下に降りて来てしまったけど、調べていた事の確信が持てたし、多分私がいるのもその地下だろうから、好都合と言えば好都合だったのかもしれない
それを聞き私は身動きが捕れないにしてもただじっとしている訳にもいかないので、式を使って遠視して近くの部屋の構造を探っていた
一旦目を開けて息を吐く
「・・・色々と面倒な作りしてるわね、この屋敷」
あまり知られたくない事なのか、かなり複雑な構造をしているこの地下と言える場所
何の為に、と言うのは調べていて解ってはいる事だけど
「でも、例の魔導器は見つからないなぁ・・・」
探ってはいるものの、肝心の天候を操る魔導器が何処を調べても見つからない
「もしかして、この地下じゃなくてもっと上の階だったりするのかな・・・?」
この屋敷は街の中でも一番大きな屋敷だ
けど、まさか地下まであるとは誰も思わないし、地下が税金を払えなかった人を閉じ込め、魔物を飼っている場所だと言う事は誰も知らない事だろう
「・・・・」
私は小さく頭を振ってまた遠視をして最終確認を取ると、護身用のナイフで手元の縄を少しだけ緩めてポケットから式を取り出しそれを宙に投げると、それは鳥の形となった
「アスラと兄さんの所に向かって」
私の言葉を聞くと、鳥となった式は扉の小さな窓を抜けて行った
「さてと、じゃあ足の方も緩めようかな」
それを見送り護身用のナイフを取り出し、足首の方の縄も緩めだした
ラゴウと会った後、オレ達は奴の後を追って上に向かった
この階はさっきのとこより面倒な構造じゃなかったが、仕掛けは一緒だった
そしてオレ達はある一室に入った
「!」
部屋に入ると天井から何かがぶら下がっているのが見えた
「良ーい眺めなのじゃ・・・」
それは良く見ると布団で簀巻きにされている金髪で三つ編みの子供だった
「誰・・・?」
カロルはオレにぼそりと呟き、オレはそのままその簀巻きにされたガキの方へ歩いていく
「そこで何してんだ?」
「見ての通り、高見の見物なのじゃ」
「ふーん、オレはてっきり捕まってるのかと思ったよ」
「あの・・・捕まってるんだと思うんですけど・・・」
「そんな事ないぞ」
違うと言うばかりに身体を動かすと、布団は左右に揺れる
「お・・・? お前、知ってるのじゃ」
ガキは動きを止め、じっとオレを見た
「えーと、名前は・・・ジャック」
「誰なんです?」
エステルはオレに視線を向け、オレは小さく息を吐いて答えた
「オレはユーリだ。お前、名前は?」
「パティなのじゃ」
「パティか。さっき、屋敷の前で会ったよな」
オレはパティに似た格好の人形らしきものを見せる
「おお、そうなのじゃ。うちの手の温もりを忘れられなくて追い駆けて来たんじゃな」
オレはその言葉を聞き大きな溜息を吐いてカロルとセイと天井から延びている縄を切って、簀巻きになっていたパティを解いてやった
「ね、こんな所で何してたの?」
「お宝を探してたのじゃ」
「宝? こんな所に?」
「あの道楽腹黒ジジィの事だし、そういうのがめてても不思議じゃないけど・・・」
リタの言葉に納得していると、カロルは更にパティに尋ねる
「パティは何してる人?」
「冒険家なのじゃ」
「と、ともかく、女の子一人でこんな所ウロウロするのは危ないです」
「そうだね。ボク達と一緒に行こう」
「うちはまだ宝も何も見つけていないのじゃ」
「人の事言えた義理じゃねえがお前、やってること冒険家っていうより泥棒だぞ」
「冒険家というのは、常に探求心を持ち、未知に分け入る精神を持つ者の事なのじゃ。だから、泥棒に見えても、これは泥棒ではないのじゃ」
「ふーん・・・。それより、水色の髪をした女見なかったか?」
セイは気にした様子もなくパティに聞くとパティはうーん・・・と唸って考え出した
「ちょっと前に、男がそんな女の人を捕まえてたような気がするぞ? 顔はまでは見えんかったが」
「「!」」
パティは天井に吊されて捕まっていたのだから、小窓からでもその様子は見えたのかもしれねえ
「そいつ等、どっちに行ったか解るか?」
「確か・・・あっちだったと思うのじゃ」
パティは記憶を巡らせながら、左に指を指していた
「なら、パティも一緒に行きましょう」
「うちは宝を・・・」
「ほら、行くぞ」
「あうっ、離すのじゃ」
「諦めなって」
まだ宝を諦めきれないパティを見てセイはパティの首根っこを掴んで歩き出し、アスラが諦めるよう言い、オレ達もその後に続いた
続く
あとがき
いつもよりちょっと短めで終わらせました
次回の事を考えて・・・ι
皆様、お待たせ致しました! 遂にパティの登場です!!
パティは登場時から可愛い子だなぁと思ってたけど、本編進めると更に可愛い子ですよvv
ネタバレになるので多くは語りませんがww
次回はリアちゃん救出・・・かな?
ちょっとだけ甘くなるかなぁ~(ニヤニヤw)
多分次でラゴウの屋敷の話は終わると思います
では
2009.11.08