水道魔導器奪還編
夢主名変更
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ぅっ・・・」
気が付くと暗い場所にいた
ゆっくりと首を動かし辺りを見ると何処かの部屋の一室らしい事が解った
「っ・・!」
起き上がろうとしていると手首と足首にチクリとした痛みが走り見ると縄で縛られていた
「・・・武器も武醒魔導器も取り上げられちゃったか」
気絶させられる前の事を思い出し、少し先にある扉を見る
その扉には中が見えるようになっている小さな窓があり、その窓から微かに血と何かが腐った臭いが漂って着ていた
「・・・此処が兄さんが言ってた地下、か・・。ちょっと手こずっちゃったけど、知らせないと怒られるしな・・・」
私は小さく苦笑して目を閉じて意識を集中させた
18. 黒雲の報 せ
リブガロの角を取って帰って着たユーリ達は角をあの夫婦に渡し、フレンに話しを聞きに行く為にフレンの部屋に向かった
中に入るとフレンとソディアとウィチルがなにやら話しをしていた
「相変わらず辛気臭い顔してんな」
「色々考える事が多いんだ。君と違って」
「ふーん・・・」
「また無茶をして賞金額を上げて来たんじゃないだろうね?」
「・・・・。執政官のとこに行かなかったのか?」
ユーリは少しだけ間を置いて言うとフレンは少しだけ不満そうな声で答えた
「行った。魔導器研究所から調査執行書を取り寄せてね」
「それで中に入って調べたんだな」
「いや・・・。執政官にはあっさり拒否された」
「なんで!?」
「魔導器が本当にあると思うのなら正面から乗り込んでみたまえ、と安い挑発までくれましたよ」
「私達にその権限がないから馬鹿にしているんだ!」
「でも、そりゃそいつの言う通りなんじゃねぇの?」
「何だと!?」
ソディアは悔しそうに言うとユーリがさらりと答えた
「ユーリ、どっちの味方なのさ」
「敵味方の問題じゃねぇ。自信があんなら乗り込めよ」
「いや。これは罠だ」
「罠?」
「ラゴウは執政官の失態を噴出して評議会の権力強化を狙っている。今下手に踏み込んでも証拠は隠蔽され、しらを切られるだろう」
ユーリとフレン、二人の意見にどちらも賛成だが、ラゴウの地位を考えると少し考えてしまう
フレンの言う通り、ラゴウも評議会の人間
騎士団も評議会も帝国を支える重要な組織
騎士団に所属しているフレンにとっては下手に動けないだろう
「とにかく、ただの執政官様って訳じゃないって事か。で、次の手考えてあんのか?」
「・・・・・・」
ユーリの言葉にフレンは黙ってしまう
「なんだよ。打つ手なしか?」
「・・・中で騒ぎでも起これば、騎士団の有事特権が優先され、突入出来るんですけどね」
中で騒ぎでも起きれば・・・か
その言葉を聞いてユーリは小さく笑みを浮かべた
「成る程。屋敷に泥棒でも入ってボヤ騒ぎでも起これば良いんだな」
「ユーリ、しつこいようだけど・・・」
「無茶するな。だろ?」
心配そうな顔をしてユーリを見るフレンにユーリはいつもの笑みを浮かべるが、フレンはまだ納得していない様子だった
その時、
「ユーリ、フレン、ちょい良いか?」
そう言って部屋に入って来たのはセイだった
「セイ? どうしたんだ?」
「お前等に話しがあるんだが・・・ちょっと借りるけど良いか?」
セイはそう言ってこの中で一番の権限を持っているエステルを見ていた
「あ、はい、構いませんよ」
「じゃ、借りてくな」
「お、おい、セイ」
エステルの返事を聞くとセイはユーリとフレンの首根っこを引っ張って部屋を後にした
二人がセイに引っ張られて着いた場所はセイが泊まっている部屋だった
「お兄ちゃん達!」
「「うわっ!」」
部屋に入ると同時に小さな女の子がユーリとフレンの足下に抱きついた
「な、え・・?」
「えっと、何処かで会った・・かい?」
ユーリとフレンは女の子を見て一瞬きょとんとしたが直ぐにフレンが女の子に尋ねると答えたのはセイだった
「会うのはこれが初めてだ」
「じゃあ何でオレ達の事・・・」
「お兄ちゃん達、お姉ちゃんのお友達でしょ?」
「お姉ちゃん?」
「リアの事だよ」
セイの言葉に女の子はこくんと頷いて顔を上げ目元に涙を浮かべながら二人を見た
「お願い、お姉ちゃんを助けて!!」
「「!」」
その言葉にユーリとフレンは驚いて目を見開いた
ユーリ達に助けを求めに来た女の子はリアが助けたあの女の子だった
リアに助けられた後、少し離れた路地に身を潜めていたが、リアが気絶させられ連れ去られる所をたまたま見てしまったようだった
何故ユーリ達の事を知っていたかと言うと、女の子が住んでいる家が宿屋の隣でリア達が揃って話しをしているのがたまたま窓から見えたそうだ
「だからこの場所と僕達の事を知っていたのか」
「アスラはどうしたんだ?」
「今リアを探してる所だ。アスラなら確実に探せるからな」
「リアを連れ去った奴ってのは、ラゴウんとこの奴か?」
「剣を持ったコワイおじさんだった」
「雇われてる紅の傭兵団、か」
「・・・お姉ちゃん、だいじょうぶだよね?」
女の子は心配そうな顔をして今にも泣きそうな顔をして三人を見た
フレンは女の子の目線に合わせるようにしゃがんだ
「大丈夫だよ。僕達が無事に助け出すから」
「・・・ホント?」
「ああ、だからウチで待ってな」
フレンの言葉にユーリもセイも同意して答えると女の子は嬉しそうな顔をして笑った
「うん!」
「じゃ、俺はこの子送って来るから外で待っててくれ」
セイはそう言うと女の子を連れて部屋を出て行った
「・・・じゃ、オレも行くわ」
「ああ・・・」
お互いに短い会話をするとユーリは先に部屋を出てエステル達と合流した
そして宿屋の外に出るとセイの側にアスラがいた
「セイ、アスラ」
セイとアスラはユーリ達に気が付き視線をユーリ達に向け、ユーリはそんな二人に真剣な表情をして見ていた
「・・・リアの居場所、解ったのか?」
「ああ・・・」
「え? リアがどうかしたの?」
少しだけ重たい空気を纏っているユーリ、セイ、アスラを見てカロル達は疑問を浮かべていた
「・・・リアがラゴウの手下に捕まったんだよ」
「「「!」」」
アスラの言葉にエステル達は驚いて目を見開いた
「そんなっ、どうして!」
「ちょっとミスってな・・・。けど、怪我もしてねえし、無事みたいだから安心しろ」
その言葉を聞いて皆安堵の息を吐いた
「場所が解ってるなら、早く行った方が良いんじゃない?」
リタの言う通り、その安全もいつまで続くかは解らないし、リアがいる場所が場所なだけに安心出来ない
「そうだな。詳しくはアスラが知ってるから行こうぜ」
セイの言葉にユーリ達は頷いて、ラゴウの屋敷へと向かい出した
「何度見てもおっきな屋敷だね」
屋敷に到着するとカロルは屋敷を見てぼそりと呟いた
「評議会の役人ってそんなに偉いの?」
「偉いからこんな大きな屋敷に住んでるんじゃない」
「評議会は皇帝を政治面で補佐する機関であり、貴族の有力者により構成されている、です」
「言わば皇帝の代理人って訳だ」
「へぇ、そうなんだ」
「それより、どうやって入るの?」
屋敷はこの街の中でも一際大きなもので、門前には傭兵がいて腰には剣を拵えていて、ユーリ達は傭兵達に見つからないように屋敷から少し離れた所にある壁の影に隠れていた
「裏口はどうです?」
「残念。外壁に囲まれてて、あそこを通らにゃ入れんのよね」
エステルの提案にユーリ達以外の人物が口を挟む
その声に反応してユーリ達は一斉に振り向く
するとそこにいたのはボサボサヘアーの男がいた
「・・っ!?」
エステルが驚いて声を発そうとしていると、男はエステルに近付きしぃ・・という合図を出した
「こんな所で叫んじゃうと見つかっちゃうよ、お嬢さん」
「えっと、失礼ですが・・・どちら様です?」
「な~に。そっちのカッコいいお兄ちゃんとお兄さんとちょっとした仲なのよ。な?」
言いながら男はユーリとセイの顔を見ながエステルから離れる
「あんた達知り合いなの?」
「「「いや、違うから」」」
男はユーリとセイとアスラの違うと言う言葉を聞いて少しガクリとした
「おいおい。ヒドイじゃないの。お城の牢屋で仲良くしたじゃない、ユーリ・ローウェル君よぉ」
「ん? 名乗った覚えはねぇぞ」
すると男は懐から手配書を取り出してそれをひらひらとユーリ達に見せた
「ユーリは有名人だからね。で、おじさん名前は?」
「そっちのお兄さんと喋る・・・ん?」
ふと、男はそこで言葉を切り眉を寄せた
「あの、どうかしましたか?」
「セイ、リアちゃんはどうしたのよ? いつもアスラはリアちゃんと一緒にいるのに」
「「「「!」」」」
男の言葉を聞いてユーリ達は驚いた顔をした
「なんであんたがそんな事・・・」
話しの流れからしてセイの事は知っていたにしろ、リアやアスラの事まで知っていたからだ
「だから言ったでしょ、知り合いだって。で、何でいないのよ?」
「ちょっとな・・・。それより、こいつ等に名乗らなくて良いのか?」
セイは少しだけめんどくさそうに言い、早く名乗れと言う目をして男を見ていた
「ん? そうだな・・・。とりあえずレイヴンで」
と、凄く投げやりに言った
「とりあえずって・・・どんだけふざけた奴なのよ」
「んじゃ、レイヴンさん。達者で暮らせよ」
「つれない事言わないの。屋敷に入りたいんでしょ? ま、おっさんに任せときなって」
そう言うとレイヴンはユーリ達から離れて屋敷の門の前まで走って行った
「あっ・・行っちゃった」
「止めなくて良いの、あれ?」
「良いんじゃねえの。つかユーリ、お前ホントにレイヴンと牢屋で会ってたんだな」
「まあな。で、セイとアスラはあのおっさんとどういう知り合いなんだ?」
「リアの事も知ってましたしね・・・」
「ああ、仕事でね。レイヴンも・・・」
「・・・ねえ、何かこっちに来るけど・・・」
「え?」
皆カロルの言葉を聞いて門の方を見るとレイヴンの横をすり抜け傭兵達がユーリ達の方に向かって来ていた
レイヴンを見ると口パクで後は任せた! と言ってそのまま裏口の方へ走って行った
するとエステルの隣にいたリタがギュッと拳を握り締め怒りに満ちた声を発した
「あたしはこういう風に利用されるのが大嫌なのよ~~!!」
リタは叫ぶと同時に走ってくる傭兵達にファイアーボールをぶっ放した
「あ~ぁ、やっちゃった」
「どうすんの、これ?」
アスラとカロルが呆れて倒れた傭兵達を見ているとユーリは気にするなと言う目をして歩き出した
「今のうちに行くぞ」
「え、でも・・・」
「どのみち乗り込むんだ、その手間が省けたと思えば良い」
「ほら、行くぞ」
そしてユーリ達はそのままレイヴンを追って屋敷に向って走って行った
続く
あとがき
とりあえず、リアちゃんの事を知って屋敷に乗り込む所まででした
よくよく思えばユーリとレイヴンって、過去に会った事あったんですよね、接触はしてないけど(劇場版観たら解ると思うけど)
さ、次は何処まで書けるかなぁ
でも次はやっとあの子の登場ですよ!!
それでは!
2009.11.07
気が付くと暗い場所にいた
ゆっくりと首を動かし辺りを見ると何処かの部屋の一室らしい事が解った
「っ・・!」
起き上がろうとしていると手首と足首にチクリとした痛みが走り見ると縄で縛られていた
「・・・武器も武醒魔導器も取り上げられちゃったか」
気絶させられる前の事を思い出し、少し先にある扉を見る
その扉には中が見えるようになっている小さな窓があり、その窓から微かに血と何かが腐った臭いが漂って着ていた
「・・・此処が兄さんが言ってた地下、か・・。ちょっと手こずっちゃったけど、知らせないと怒られるしな・・・」
私は小さく苦笑して目を閉じて意識を集中させた
18. 黒雲の
リブガロの角を取って帰って着たユーリ達は角をあの夫婦に渡し、フレンに話しを聞きに行く為にフレンの部屋に向かった
中に入るとフレンとソディアとウィチルがなにやら話しをしていた
「相変わらず辛気臭い顔してんな」
「色々考える事が多いんだ。君と違って」
「ふーん・・・」
「また無茶をして賞金額を上げて来たんじゃないだろうね?」
「・・・・。執政官のとこに行かなかったのか?」
ユーリは少しだけ間を置いて言うとフレンは少しだけ不満そうな声で答えた
「行った。魔導器研究所から調査執行書を取り寄せてね」
「それで中に入って調べたんだな」
「いや・・・。執政官にはあっさり拒否された」
「なんで!?」
「魔導器が本当にあると思うのなら正面から乗り込んでみたまえ、と安い挑発までくれましたよ」
「私達にその権限がないから馬鹿にしているんだ!」
「でも、そりゃそいつの言う通りなんじゃねぇの?」
「何だと!?」
ソディアは悔しそうに言うとユーリがさらりと答えた
「ユーリ、どっちの味方なのさ」
「敵味方の問題じゃねぇ。自信があんなら乗り込めよ」
「いや。これは罠だ」
「罠?」
「ラゴウは執政官の失態を噴出して評議会の権力強化を狙っている。今下手に踏み込んでも証拠は隠蔽され、しらを切られるだろう」
ユーリとフレン、二人の意見にどちらも賛成だが、ラゴウの地位を考えると少し考えてしまう
フレンの言う通り、ラゴウも評議会の人間
騎士団も評議会も帝国を支える重要な組織
騎士団に所属しているフレンにとっては下手に動けないだろう
「とにかく、ただの執政官様って訳じゃないって事か。で、次の手考えてあんのか?」
「・・・・・・」
ユーリの言葉にフレンは黙ってしまう
「なんだよ。打つ手なしか?」
「・・・中で騒ぎでも起これば、騎士団の有事特権が優先され、突入出来るんですけどね」
中で騒ぎでも起きれば・・・か
その言葉を聞いてユーリは小さく笑みを浮かべた
「成る程。屋敷に泥棒でも入ってボヤ騒ぎでも起これば良いんだな」
「ユーリ、しつこいようだけど・・・」
「無茶するな。だろ?」
心配そうな顔をしてユーリを見るフレンにユーリはいつもの笑みを浮かべるが、フレンはまだ納得していない様子だった
その時、
「ユーリ、フレン、ちょい良いか?」
そう言って部屋に入って来たのはセイだった
「セイ? どうしたんだ?」
「お前等に話しがあるんだが・・・ちょっと借りるけど良いか?」
セイはそう言ってこの中で一番の権限を持っているエステルを見ていた
「あ、はい、構いませんよ」
「じゃ、借りてくな」
「お、おい、セイ」
エステルの返事を聞くとセイはユーリとフレンの首根っこを引っ張って部屋を後にした
二人がセイに引っ張られて着いた場所はセイが泊まっている部屋だった
「お兄ちゃん達!」
「「うわっ!」」
部屋に入ると同時に小さな女の子がユーリとフレンの足下に抱きついた
「な、え・・?」
「えっと、何処かで会った・・かい?」
ユーリとフレンは女の子を見て一瞬きょとんとしたが直ぐにフレンが女の子に尋ねると答えたのはセイだった
「会うのはこれが初めてだ」
「じゃあ何でオレ達の事・・・」
「お兄ちゃん達、お姉ちゃんのお友達でしょ?」
「お姉ちゃん?」
「リアの事だよ」
セイの言葉に女の子はこくんと頷いて顔を上げ目元に涙を浮かべながら二人を見た
「お願い、お姉ちゃんを助けて!!」
「「!」」
その言葉にユーリとフレンは驚いて目を見開いた
ユーリ達に助けを求めに来た女の子はリアが助けたあの女の子だった
リアに助けられた後、少し離れた路地に身を潜めていたが、リアが気絶させられ連れ去られる所をたまたま見てしまったようだった
何故ユーリ達の事を知っていたかと言うと、女の子が住んでいる家が宿屋の隣でリア達が揃って話しをしているのがたまたま窓から見えたそうだ
「だからこの場所と僕達の事を知っていたのか」
「アスラはどうしたんだ?」
「今リアを探してる所だ。アスラなら確実に探せるからな」
「リアを連れ去った奴ってのは、ラゴウんとこの奴か?」
「剣を持ったコワイおじさんだった」
「雇われてる紅の傭兵団、か」
「・・・お姉ちゃん、だいじょうぶだよね?」
女の子は心配そうな顔をして今にも泣きそうな顔をして三人を見た
フレンは女の子の目線に合わせるようにしゃがんだ
「大丈夫だよ。僕達が無事に助け出すから」
「・・・ホント?」
「ああ、だからウチで待ってな」
フレンの言葉にユーリもセイも同意して答えると女の子は嬉しそうな顔をして笑った
「うん!」
「じゃ、俺はこの子送って来るから外で待っててくれ」
セイはそう言うと女の子を連れて部屋を出て行った
「・・・じゃ、オレも行くわ」
「ああ・・・」
お互いに短い会話をするとユーリは先に部屋を出てエステル達と合流した
そして宿屋の外に出るとセイの側にアスラがいた
「セイ、アスラ」
セイとアスラはユーリ達に気が付き視線をユーリ達に向け、ユーリはそんな二人に真剣な表情をして見ていた
「・・・リアの居場所、解ったのか?」
「ああ・・・」
「え? リアがどうかしたの?」
少しだけ重たい空気を纏っているユーリ、セイ、アスラを見てカロル達は疑問を浮かべていた
「・・・リアがラゴウの手下に捕まったんだよ」
「「「!」」」
アスラの言葉にエステル達は驚いて目を見開いた
「そんなっ、どうして!」
「ちょっとミスってな・・・。けど、怪我もしてねえし、無事みたいだから安心しろ」
その言葉を聞いて皆安堵の息を吐いた
「場所が解ってるなら、早く行った方が良いんじゃない?」
リタの言う通り、その安全もいつまで続くかは解らないし、リアがいる場所が場所なだけに安心出来ない
「そうだな。詳しくはアスラが知ってるから行こうぜ」
セイの言葉にユーリ達は頷いて、ラゴウの屋敷へと向かい出した
「何度見てもおっきな屋敷だね」
屋敷に到着するとカロルは屋敷を見てぼそりと呟いた
「評議会の役人ってそんなに偉いの?」
「偉いからこんな大きな屋敷に住んでるんじゃない」
「評議会は皇帝を政治面で補佐する機関であり、貴族の有力者により構成されている、です」
「言わば皇帝の代理人って訳だ」
「へぇ、そうなんだ」
「それより、どうやって入るの?」
屋敷はこの街の中でも一際大きなもので、門前には傭兵がいて腰には剣を拵えていて、ユーリ達は傭兵達に見つからないように屋敷から少し離れた所にある壁の影に隠れていた
「裏口はどうです?」
「残念。外壁に囲まれてて、あそこを通らにゃ入れんのよね」
エステルの提案にユーリ達以外の人物が口を挟む
その声に反応してユーリ達は一斉に振り向く
するとそこにいたのはボサボサヘアーの男がいた
「・・っ!?」
エステルが驚いて声を発そうとしていると、男はエステルに近付きしぃ・・という合図を出した
「こんな所で叫んじゃうと見つかっちゃうよ、お嬢さん」
「えっと、失礼ですが・・・どちら様です?」
「な~に。そっちのカッコいいお兄ちゃんとお兄さんとちょっとした仲なのよ。な?」
言いながら男はユーリとセイの顔を見ながエステルから離れる
「あんた達知り合いなの?」
「「「いや、違うから」」」
男はユーリとセイとアスラの違うと言う言葉を聞いて少しガクリとした
「おいおい。ヒドイじゃないの。お城の牢屋で仲良くしたじゃない、ユーリ・ローウェル君よぉ」
「ん? 名乗った覚えはねぇぞ」
すると男は懐から手配書を取り出してそれをひらひらとユーリ達に見せた
「ユーリは有名人だからね。で、おじさん名前は?」
「そっちのお兄さんと喋る・・・ん?」
ふと、男はそこで言葉を切り眉を寄せた
「あの、どうかしましたか?」
「セイ、リアちゃんはどうしたのよ? いつもアスラはリアちゃんと一緒にいるのに」
「「「「!」」」」
男の言葉を聞いてユーリ達は驚いた顔をした
「なんであんたがそんな事・・・」
話しの流れからしてセイの事は知っていたにしろ、リアやアスラの事まで知っていたからだ
「だから言ったでしょ、知り合いだって。で、何でいないのよ?」
「ちょっとな・・・。それより、こいつ等に名乗らなくて良いのか?」
セイは少しだけめんどくさそうに言い、早く名乗れと言う目をして男を見ていた
「ん? そうだな・・・。とりあえずレイヴンで」
と、凄く投げやりに言った
「とりあえずって・・・どんだけふざけた奴なのよ」
「んじゃ、レイヴンさん。達者で暮らせよ」
「つれない事言わないの。屋敷に入りたいんでしょ? ま、おっさんに任せときなって」
そう言うとレイヴンはユーリ達から離れて屋敷の門の前まで走って行った
「あっ・・行っちゃった」
「止めなくて良いの、あれ?」
「良いんじゃねえの。つかユーリ、お前ホントにレイヴンと牢屋で会ってたんだな」
「まあな。で、セイとアスラはあのおっさんとどういう知り合いなんだ?」
「リアの事も知ってましたしね・・・」
「ああ、仕事でね。レイヴンも・・・」
「・・・ねえ、何かこっちに来るけど・・・」
「え?」
皆カロルの言葉を聞いて門の方を見るとレイヴンの横をすり抜け傭兵達がユーリ達の方に向かって来ていた
レイヴンを見ると口パクで後は任せた! と言ってそのまま裏口の方へ走って行った
するとエステルの隣にいたリタがギュッと拳を握り締め怒りに満ちた声を発した
「あたしはこういう風に利用されるのが大嫌なのよ~~!!」
リタは叫ぶと同時に走ってくる傭兵達にファイアーボールをぶっ放した
「あ~ぁ、やっちゃった」
「どうすんの、これ?」
アスラとカロルが呆れて倒れた傭兵達を見ているとユーリは気にするなと言う目をして歩き出した
「今のうちに行くぞ」
「え、でも・・・」
「どのみち乗り込むんだ、その手間が省けたと思えば良い」
「ほら、行くぞ」
そしてユーリ達はそのままレイヴンを追って屋敷に向って走って行った
続く
あとがき
とりあえず、リアちゃんの事を知って屋敷に乗り込む所まででした
よくよく思えばユーリとレイヴンって、過去に会った事あったんですよね、接触はしてないけど(劇場版観たら解ると思うけど)
さ、次は何処まで書けるかなぁ
でも次はやっとあの子の登場ですよ!!
それでは!
2009.11.07