水道魔導器奪還編
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エフミドの丘を越えれば目指すノール港は直ぐ・・・のはずだった
今いるのはエフミドの丘の獣道だった
獣道とは言うもののクオイの森とは違い、それ程鬱蒼としておらず、木々の間から光が差し込んでいるので薄気味悪くはなかった
流れでこうなってしまったのだからしょうがないと思い、皆黙々と歩いていた
「・・・これ、進んで大丈夫なの?」
「魔物とか、出て来ません・・よね?」
「獣道だから出ない可能性の方が低いと思うけど」
「・・ですよね・・・」
「なあに、魔物の一匹や二匹、カロル先生に任せておけば万事解決だよな」
「そ、そりゃあね。結界があれば、魔物の心配もなかったのに」
「まったくよ、どっかのバカが魔導器壊すからほんとにいい迷惑!」
「魔導器を壊す・・か・・・」
リアはそれが気になりぽつりと呟いた
「ん? どうした?」
「あ、ううん・・・。魔導器を壊す人がいるんだなって思って・・・」
「確かにな。世の中にはおかしな趣味の奴もいたもんだな」
「趣味とは違うと思いますけど」
「何処かで会ったら、あたしがぶっ飛ばしてやる」
「あ、ははっ・・・」
「何か、壊す理由があるんじゃない?」
「訳があろうがなかろうが、魔導器を破壊するなんて、あたしは許さないのよ!」
「わ~、ちょ、首、首を! ぐへええ~~~!」
アスラが乾いた笑いをしていると、カロルの言った言葉にリタは怒りが抑えきれず、そのままカロルに近付きカロルの首を絞めていた
「だずげで、ユーリ・・・」
「やだよ、面倒くさい。がきんちょ同士、仲良くしとけ」
「エステル~~~」
「えと・・・頑張って下さい」
「リア~~っ」
「カロル、危ない!」
「え? ぎゃあっ!?」
13.ビリバリハの花
カロルの目の前には身の丈程もある大きな赤い花が咲いていた
そしてカロルがちょっとその葉に触れてしまった途端、大量の花粉を吐き出し、カロルはそのまま立ったまま動かなくなってしまった
「カロル!?」
「ちょっ、何!?」
「・・・あー、ビリバリハの花粉を吸い込んじゃったみたいだね」
「ビリバリハ?」
「その花の名前だよ」
「ビリバリハの花粉を吸い込むと目眩と激しい脱力感に襲われる、です」
「このきつい色は警告色って訳か」
「うん・・・」
エステルは急いでカロルに駆け寄り、治癒術を掛ける
「・・・・」
その様子をリタは興味深そうに見つめていた
「治癒術に興味あんのか?」
「別に・・・」
ユーリの問にそっけなく答えるリタだったが腕を組み何かを考えていた
「・・・駄目ですね。治癒術じゃ治りません。自然に回復するのを待つしかなさそうです」
「・・・これ、いつ治るんだ?」
「さあ? 暫く待つしかないみたいだね」
「そうね。じゃあ・・・?」
「どうした?」
ふと風の感じが変わった気がしてリアは少し先をじっと見ていた
「・・潮風が吹いてる」
「潮風・・・?」
「海が近くにあるんだ。じゃあ方向はこっちで合ってるんだね」
「海・・・?」
「みんな、見た事ないの?」
「ああ」「はい」「ええ」
きょとんとしてユーリ達を見ていると、同じ答えが返ってきた
「なら、「グルルゥ・・・」!」
リアが言葉を続けようとしていると、急にラピードが唸りだした
何事かと思ってラピードが見ている先を見ると、そこにはこの辺りにいる魔物より少し大きめの魔物が居た
そして威嚇するように雄叫びを上げた
「うぅ~・・ん・・・う、うわあああ!!?」
カロルはその雄叫びで目が覚めたのか、その雄叫びが聞こえた方に顔を向け、魔物を見て驚いた
「あ、あれ、ハルルの街を襲った魔物だよ!」
「へえ、こいつがね。生き残りって訳か」
「ほっといたらまたハルルの街を荒らしに行くわね、多分」
「でも、今なら結界があります」
「結界があってもあんなのが近くにいたんじゃ安心出来ないよ」
「それに、もう私達目掛けて来てるわよ」
「ガウッ!!」
リアの言う通り、魔物はさっきいた場所から飛び降り、リア達目掛けて来ていた
皆一斉にその場を離れ武器を構えて戦闘態勢に入った
「気を付けて、こいつ結構スピードあるから!」
「スピードなら、私とラピードが行けるわ」
「ワン!」
言うとリアとラピードは周りの魔物の退治に向かった
何とか周りの魔物を片付けたが、ハルルの街を襲った魔物は体力もかなりあるようで、少しばかり手こずっていた
「・・・あれは・・」
ふと、此処でリアはあるモノが目に止まった
「アスラ」
そしてアスラを呼び、何か話した後アスラは後方にいるリタとエステルに何か伝えていた
「カロル、リタが魔物の動きを封じたと同時に更に動きを封じて」
「え? うん、」
「それから直ぐに離れてね。ユーリ、その後直ぐに蒼波刃を放って」
「解った」
「アスラ、こっちは良いわよ」
「こっちもだよ」
「じゃあ、行くよ、ラピード」
「ワン!」
各々返事が返って来ると、リアはラピードと共に魔物へと向かって行った
「バリアー!」
エステルが物理防御を唱え、すかさず物理攻撃を上げる詠唱を唱えた
そして最初にラピードが攻撃を与え、リアが同時に攻撃を与える
「ファイアーボール!」
次にリタが詠唱を終え、攻撃を与え、敵の動きが止まったのを確認するとカロルが足下目掛けて攻撃した
「ユーリ、任せたよ!」
「おう。蒼波刃!!」
「アスラ!」
「了解!」
ユーリが蒼波人を放ったのを見て、リアは直ぐにアスラに合図を送る
アスラは魔物の近くに咲いていたビリバリハの花に衝撃を与えると、花粉が辺りに散らばり魔物はそれを吸い込み、体制が取れなくなった
そしてふらついている所にユーリが先程放った蒼波刃が急所に辺り、魔物は悲鳴を上げてそのまま倒れた
「・・・やったの?」
「・・・うん」
アスラが魔物が動かない事を確認すると、みんなほっと安堵の息を付いた
「な、なーんだ、手応えゼロだったね」
「リアとアスラのお陰でな」
「リア、良く気が付きましたね」
「さっきのビリバリハの事がなかったら気付かなかったけどね」
「カロル先生の身体を張った行動のお陰ってワケか」
「え、そう・・・? あ、はははっ」
「・・・はぁ、バカっぽい」
カロルは褒められた事になのか、誤魔化しなのか、曖昧に乾いた笑いをするとリタは呆れたように溜息を吐いて歩き出し、リア達もその後を追った
続く
あとがき
今回はちゃんとガットゥーゾとの戦いを書いてみました
前は此処はしょっちゃってたけど、違うパターン書きたかったので書きました
次はあのシーンです
PS3版でも綺麗でしたよね!
さ、次書こう
2009.10.11
今いるのはエフミドの丘の獣道だった
獣道とは言うもののクオイの森とは違い、それ程鬱蒼としておらず、木々の間から光が差し込んでいるので薄気味悪くはなかった
流れでこうなってしまったのだからしょうがないと思い、皆黙々と歩いていた
「・・・これ、進んで大丈夫なの?」
「魔物とか、出て来ません・・よね?」
「獣道だから出ない可能性の方が低いと思うけど」
「・・ですよね・・・」
「なあに、魔物の一匹や二匹、カロル先生に任せておけば万事解決だよな」
「そ、そりゃあね。結界があれば、魔物の心配もなかったのに」
「まったくよ、どっかのバカが魔導器壊すからほんとにいい迷惑!」
「魔導器を壊す・・か・・・」
リアはそれが気になりぽつりと呟いた
「ん? どうした?」
「あ、ううん・・・。魔導器を壊す人がいるんだなって思って・・・」
「確かにな。世の中にはおかしな趣味の奴もいたもんだな」
「趣味とは違うと思いますけど」
「何処かで会ったら、あたしがぶっ飛ばしてやる」
「あ、ははっ・・・」
「何か、壊す理由があるんじゃない?」
「訳があろうがなかろうが、魔導器を破壊するなんて、あたしは許さないのよ!」
「わ~、ちょ、首、首を! ぐへええ~~~!」
アスラが乾いた笑いをしていると、カロルの言った言葉にリタは怒りが抑えきれず、そのままカロルに近付きカロルの首を絞めていた
「だずげで、ユーリ・・・」
「やだよ、面倒くさい。がきんちょ同士、仲良くしとけ」
「エステル~~~」
「えと・・・頑張って下さい」
「リア~~っ」
「カロル、危ない!」
「え? ぎゃあっ!?」
13.ビリバリハの花
カロルの目の前には身の丈程もある大きな赤い花が咲いていた
そしてカロルがちょっとその葉に触れてしまった途端、大量の花粉を吐き出し、カロルはそのまま立ったまま動かなくなってしまった
「カロル!?」
「ちょっ、何!?」
「・・・あー、ビリバリハの花粉を吸い込んじゃったみたいだね」
「ビリバリハ?」
「その花の名前だよ」
「ビリバリハの花粉を吸い込むと目眩と激しい脱力感に襲われる、です」
「このきつい色は警告色って訳か」
「うん・・・」
エステルは急いでカロルに駆け寄り、治癒術を掛ける
「・・・・」
その様子をリタは興味深そうに見つめていた
「治癒術に興味あんのか?」
「別に・・・」
ユーリの問にそっけなく答えるリタだったが腕を組み何かを考えていた
「・・・駄目ですね。治癒術じゃ治りません。自然に回復するのを待つしかなさそうです」
「・・・これ、いつ治るんだ?」
「さあ? 暫く待つしかないみたいだね」
「そうね。じゃあ・・・?」
「どうした?」
ふと風の感じが変わった気がしてリアは少し先をじっと見ていた
「・・潮風が吹いてる」
「潮風・・・?」
「海が近くにあるんだ。じゃあ方向はこっちで合ってるんだね」
「海・・・?」
「みんな、見た事ないの?」
「ああ」「はい」「ええ」
きょとんとしてユーリ達を見ていると、同じ答えが返ってきた
「なら、「グルルゥ・・・」!」
リアが言葉を続けようとしていると、急にラピードが唸りだした
何事かと思ってラピードが見ている先を見ると、そこにはこの辺りにいる魔物より少し大きめの魔物が居た
そして威嚇するように雄叫びを上げた
「うぅ~・・ん・・・う、うわあああ!!?」
カロルはその雄叫びで目が覚めたのか、その雄叫びが聞こえた方に顔を向け、魔物を見て驚いた
「あ、あれ、ハルルの街を襲った魔物だよ!」
「へえ、こいつがね。生き残りって訳か」
「ほっといたらまたハルルの街を荒らしに行くわね、多分」
「でも、今なら結界があります」
「結界があってもあんなのが近くにいたんじゃ安心出来ないよ」
「それに、もう私達目掛けて来てるわよ」
「ガウッ!!」
リアの言う通り、魔物はさっきいた場所から飛び降り、リア達目掛けて来ていた
皆一斉にその場を離れ武器を構えて戦闘態勢に入った
「気を付けて、こいつ結構スピードあるから!」
「スピードなら、私とラピードが行けるわ」
「ワン!」
言うとリアとラピードは周りの魔物の退治に向かった
何とか周りの魔物を片付けたが、ハルルの街を襲った魔物は体力もかなりあるようで、少しばかり手こずっていた
「・・・あれは・・」
ふと、此処でリアはあるモノが目に止まった
「アスラ」
そしてアスラを呼び、何か話した後アスラは後方にいるリタとエステルに何か伝えていた
「カロル、リタが魔物の動きを封じたと同時に更に動きを封じて」
「え? うん、」
「それから直ぐに離れてね。ユーリ、その後直ぐに蒼波刃を放って」
「解った」
「アスラ、こっちは良いわよ」
「こっちもだよ」
「じゃあ、行くよ、ラピード」
「ワン!」
各々返事が返って来ると、リアはラピードと共に魔物へと向かって行った
「バリアー!」
エステルが物理防御を唱え、すかさず物理攻撃を上げる詠唱を唱えた
そして最初にラピードが攻撃を与え、リアが同時に攻撃を与える
「ファイアーボール!」
次にリタが詠唱を終え、攻撃を与え、敵の動きが止まったのを確認するとカロルが足下目掛けて攻撃した
「ユーリ、任せたよ!」
「おう。蒼波刃!!」
「アスラ!」
「了解!」
ユーリが蒼波人を放ったのを見て、リアは直ぐにアスラに合図を送る
アスラは魔物の近くに咲いていたビリバリハの花に衝撃を与えると、花粉が辺りに散らばり魔物はそれを吸い込み、体制が取れなくなった
そしてふらついている所にユーリが先程放った蒼波刃が急所に辺り、魔物は悲鳴を上げてそのまま倒れた
「・・・やったの?」
「・・・うん」
アスラが魔物が動かない事を確認すると、みんなほっと安堵の息を付いた
「な、なーんだ、手応えゼロだったね」
「リアとアスラのお陰でな」
「リア、良く気が付きましたね」
「さっきのビリバリハの事がなかったら気付かなかったけどね」
「カロル先生の身体を張った行動のお陰ってワケか」
「え、そう・・・? あ、はははっ」
「・・・はぁ、バカっぽい」
カロルは褒められた事になのか、誤魔化しなのか、曖昧に乾いた笑いをするとリタは呆れたように溜息を吐いて歩き出し、リア達もその後を追った
続く
あとがき
今回はちゃんとガットゥーゾとの戦いを書いてみました
前は此処はしょっちゃってたけど、違うパターン書きたかったので書きました
次はあのシーンです
PS3版でも綺麗でしたよね!
さ、次書こう
2009.10.11