星喰み編
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憎イ ――
お前達ノ、・・・ソノ力ガ・・・
アノ娘ガ、ソウか・・・
「!?」
その言葉が聞こえた瞬間、更に身体が震え身動きが取れなくなる
(っ、動かない・・!? !!)
「「「「「「「「リア(様)っ!!」」」」」」」」
身体が動かないと思っていると急に黒い手のようなものに掴まれ、星喰みが集まっている中に引き込まれてしまった
122.哀愁リンケージ
「きゃっ、・・・っけっほ、けっほ・・・」
身体にあった締め付けられている感じがなくなったと思ったら今度は宙に放り出され、地面に思いっきり身体をぶつけた
「・・・何が起こったの? ・・・それに、此処は・・・っ!」
身体を起こして状況を確認しようとし、辺りを見ると周りは完全に黒く覆われた闇の中だった
そしてその中に何かが蠢いていた
憎イ ――
それはこの場所に来る前に聞いた声と同じものだった
「・・・星喰みの、声・・?」
そして徐々に星喰み達が近付いて来ていて、また息苦しくなってしまう
お前ハ、言霊使いノ姫か?
「っ、」
答えようにも息苦しく何も喋る事が出来ない
ソノ力、我等を封ジシ力
力ヲ寄コセ
お前を滅スる ――
星喰み達の色々な言葉が耳に響いてくる
「、ああっ・・・・」
その途端、また身体に何かが絡まり締め付けられた
力を・・・
力ヲ寄コセ・・・
我等ノ役割ノタメノ力ヲ・・・!
「っぐ、・・ああっ・・・」
徐々に身体の力が抜けていく
それが自分でも解るほど、体力も力も削られていく
(・・・駄目、このままじゃ・・・。何とかしなくちゃ・・・)
ムダナ足掻キヲ!
「あああっっっ」
力を使おうと思い手を動かすとそれに気付いたのか更に締め付けられてしまう
「リア、リアっ!!」
「リア、返事して!!」
変わってこちらはユーリ達サイド
星喰み対抗に専念して何とか威力も増し、何とかなると思っていた矢先、リアが星喰みがいる中に引き摺られていったのを見て皆、リアの名を呼んでいた
「アスラ、リアは無事なのか!」
「大丈夫、ちゃんと生きてるよ。けど・・・」
「けど?」
「どんどん力が削られていってる・・・」
「!」
「どういう事だ」
「解りません。ただ、このままではリア様が危険な状態になってしまいます」
「そんな! じゃあどうしたら」
「また力をぶつければっ!」
「ヘタにぶつければリアに当る可能性もある」
「一緒に消滅って可能性もあるんだ」
「っ!?」「そんなっ!?」
「・・・あの中がどうなってるのかは?」
「解らない・・・」
「「・・・・っ」」
誰もがリアを助ける方法を探すがいい手が見つからない
アスラ達の言う通り、このままあの中にいたらいくら言霊使いの力が強いリアでも体力が持たなくなってしまう
そうなる前に助けなくてはいけないのだが、方法が見つからない
「方法がない訳ではない」
「「!」」
その場に今までと違う声が聞こえ振り返ると、この場所、そして此処に居る誰とも違う雰囲気を纏っている白髪で白い着物を着た男性が立っていた
「「「「「長っ!!」」」」」「「「ハガスミ!!」」」
「! ハガスミだとっ!?」「!」
アスラ達はその人物を見ると一斉に長と言い、セイとシエラはその名前を聞き驚いた顔をしてハガスミと呼ばれたその男性を見ていた
「長? ハガスミ・・・?」
「おい、こいつは、一体・・・?」
ユーリ達もその人物が持つ雰囲気に圧倒されてしまっているのか少しだけ身体が硬くなっていた
「ハガスミ、全式神の長。そして言霊使いと式神の間を結ぶ者」
「言霊使いや式神達の管理者とも言える人物です」
「普段は下界に降りて来る事もなければ、故郷でも姿を見る事も殆どない人物だ」
「私も、そしてセイ様も初めて見る・・と、思います」
「「「「「!?」」」」
セイとシエラの説明を聞きユーリ達は更に驚いてしまう
アスラ達の方を見ると皆跪いてハガスミの傍に控えていた
全式神の長と言うだけあって、此処に居る誰よりも迫力も違えばアスラ達とも、そして精霊達とも比べものにならないものを自然と感じてしまう
「お前達、言霊使いの姫を助けたいか?」
「当たり前だ」「はい」「ああ」「ええ」
ハガスミはユーリ達、言霊使いであるセイとシエラ、そしてアスラ達へと視線を向けると一斉に返事が返ってきてアスラ達も頷いた
「長、リアを助ける方法があるなら教えて下さいっ!」
「お願いします!!」
タイリンとユイカが必死にハガスミに頼む
「ハガスミ、頼む」
「これは此処に居る全員の願いでもあるんだ」
「・・・・」
フキ、アスラの言葉を聞きハガスミは更に神将達を見る
口を開いていない他の神将達も、アスラ達、四大精霊達も同じ願いだという事は見て取れた
そしてセイ、シエラ、エステル達を見て、ユーリとフレンへと視線を向ける
「・・・この者達か。あの姫が大事に思っている人物は」
そう呟き二人を見据えた後、ユーリが持っている明星二号とデュークが持っている宙の戒典を見る
「姫を助ける方法を教えよう。お前達が持っているその剣に我々の力と精霊達の力を加える。力が溜まった所で私と共にあの中へ入る。ただし、あの中へ入れるのはその剣を持つお前だけだ」
「!」
ハガスミが指名したのはユーリだった
「宙の戒典の力はこちらに戻って来る為の道として残しておかなくてはならない。それに、姫を助けられるのはおそらくお前だけだろう」
「どういう、事ですか?」
「・・・・」
その言葉を聞き、皆何処か嫌な予感がしていた
だがハガスミは何を言う訳でもなくそのまま身を翻し、アスラ達と精霊達に視線を送りアスラ達は一斉に立ち上がって円陣になり、精霊達も頷いた
「時間がない。急げ」
その言葉はユーリ達、そして同じく道を開く為に力を使うセイとシエラとデューク、精霊達にも向けられていた
それを見てセイとシエラは準備を始め、シエラはセイ達の所へ向かった
「セイ様、式神様達、よろしくお願いします」
「あんたが言霊使いってのは解ってるが、後で何者なのか話して貰うぜ」
「ええ」
「我等の準備も整っております」
「いつでも大丈夫です」
「キュオォォン」
「では、いくぞ」
「「ああ」」
セイの言葉を聞きシエラは小さく笑い、精霊達の言葉を聞きセイ達も力を発動させた
「絶対に、リアを連れ戻して来てね」
「わたし達、信じてます」
「ユーリ、リアの事頼んだぞ」
「ああ」
カロル、エステル、そしてフレンの言葉を聞き、ユーリは笑って答え明星二号を宙に掲げた
「行くぞ」
「ああ!」
そしてハガスミとユーリは光に包まれ星喰みの中へと向かって行った
「・・此処は?」
「星喰みの中だ」
ユーリは地を踏む感覚を感じゆっくりと目を開けると、ハガスミの声が聞こえた
だが辺りは暗く殆ど先の様子が見えない
「私の力がある間は遠くまでは見渡せる」
ユーリが思っている事を読んだのかハガスミはそう言って歩き出し、ユーリもその後に続く
「貴公、名は?」
「ユーリだ。ユーリ・ローウェル」
「ユーリか」
ハガスミはユーリの名を聞くと振り返ってユーリを見た
「ユーリ、言霊使いの姫リアを救えるのはおそらくお前だけだ」
「あんたさっきもそう言ってたよな」
「私はお前の手助けを少しだけする。その間に姫を救い出せ」
「肝心な事は言わねえのな」
「・・・言ってはお前の為にも、そして姫の為にもならぬ」
言うとハガスミは踵を返し目の前を見て目を細めた
「・・・行け。手遅れになる前に」
「きゃあああっっ!!」
「! リアっ!!」
ハガスミがそう呟いた直後、リアの悲鳴が響きユーリは急いでリアの悲鳴が聞こえた方へ走って行った
「・・・・はぁ・・、はぁっ・・・」
ダイブ弱っテ来タか・・・
ダガ、マダ力ガ残ッテイル
だいぶ力が削られ弱まって来て、少しだけ意識が朦朧としている中、星喰み達の声が聞こえた
デハ、次へ行クトシヨウ
「! きゃぁ、・・ああっっ!」
服の中に何かが入り込んだと思ったら今度は心臓の辺りが苦しくなった
「うあっっ・・・・、ああっっ」
更に苦しくなってどんどん意識が引き摺られていく
「リアっ!!」
「・・ユー、・・・リっ・・・?」
何処からか聞き慣れた声が聞こえ荒い息を吐きながら声の聞こえた方へゆっくりと目を向けると、ユーリがいた
キサマ、ドウヤッテ此処へ!?
「どうだって良いだろ。リアを返して貰うぜ」
サセルモノか、長年待チ続ケタ、コノ力ヲ
ソウ簡単ニ返ス訳ニハイカヌ!
「リアの力はリア自身のもんだろ。勝手に取ってんじゃねえ」
「・・・ユーリ・・、きちゃ、・・ダメ・・・っ」
「そんな状況になってて来るなってのはないんじゃねえか」
「・・ちがっ・・・。今、星喰み・・達は・・・私の力を・・ああっっ!」
ユーリに今の状況を説明しようとしたがまた締め付けと心臓が苦しくなって蹲ってしまう
見ツケタ!
・・・ホウ、コレハ面白イ
「っっ!」
星喰みは何かを見つけたのかそう呟き、にやりと笑った気がした
キサマにコレカライイモノヲ与エテやろう
「いやああああああっっっっ!!」
「リアっ!!」
その声が聞こえた途端、心の一部に何かが入り込み更に悲痛な声が響き、悲鳴が聞こえ終わると星喰み達はぐったりとしたリアをその場で放し、リアは地面に落ちた
「リア、大丈夫か!?」
ユーリはリアを抱え肩を揺さぶると瞼が動きゆっくりと目を開けた
「っ・・・、」
「大丈夫か?」
「・・・・っ、・・ゃ」
「え?」
「いやっ! 放してっ!!」
「!」
ユーリを見た途端リアは小さく震え、ユーリを突き飛ばしそのまま距離を取った
「リア?」
「嫌っ、来ないで! 触らないでっ!! 近寄らないでっ!!」
それはユーリに向けられた言葉であり、何処か違う相手に向けられている言葉でもあった
「リア! おい、どうしちまったんだ!!」
ハッハッハ、成功ダ!
「何? てめえ、リアに何した!」
何、チョットシタ事ダ
ソノ娘ノ負と恐怖ノ感情ヲ解放シタダケダ
その言葉を聞きユーリはリアを見た
確かに何かに怯えてずっと涙目になって身体が震えていた
ダガ、ソレ以外のモノモ解放してヤッタよ
「それ以外だと?」
アノ娘ガ今一番悩ヤンデイル事ノ恐怖を、ダ
「!?」
星喰みはフっと笑ったようにユーリに言うとユーリは弾かれたようにリアを見た
リアが一番悩んでいる事、それは一つしかない
アノ娘を助ケタクバ、お前ノ力も差シ出セ
サモナクバ、アノ娘ハ自我ヲ無クシ壊レ、力ハ我等ノモノだ
「いやぁ・・、っ・・・」
「!」
星喰み達の声を聞いているとリアの弱々しい声が聞こえユーリは振り返ってリアを見ると膝を抱え両手で耳を塞いでる状態だった
「・・・お前等にリアも、リアの力も渡さねえ」
ユーリは鋭い目を星喰み達に向けそう言うとそのままリアの所へ向かって行く
「リア」
「っ!」
ユーリの声が聞こえた途端、リアの身体がビクリとなった
「・・・悪かったな。あん時に言っちまって。けど、」
「嫌、・・それ以上は言わないで。お願い、側に来ないで」
「普段のお前なら、そんな事言わないだろ」
「っ! 触らないでっ!!」
ユーリがリアに触れるとリアはその手を思いっきり弾いたが、ユーリは気にする事なくリアを見つめて言う
「・・・お前はオレやフレンの事が嫌いか?」
「嫌いじゃない、むしろ好きだよ。誰よりも大事な人だもん」
「なら、なんで今嫌がってんだ」
「っ、・・・。ない・・、そんなの私だって解らない!!」
「っ!!」
リアがそう叫ぶと急にリアの身体から力が爆発し、ユーリは少し後ろに下がるとリアが剣を持ってユーリの方に向かって来ていて、寸での所でその剣を受け止めた
「リア、やめろっ!」
言うが星喰み達に力を奪われ更に負の感情が抑えられないのかそのまま剣を振り翳す
「リア、しっかりしろっ!」
「・・・の」
「?」
「ツラいの・・。苦しいの。だって、私はっ・・・」
リアは涙を流しながらそう言った
今の言葉はリアの本心、それはあの言葉を告げられた後から昇降機解除近くまでリアが抱え込んでいた痛みだった
「・・・・」
「っ!」
そんなリアを見てユーリは剣を降ろした
そしてゆっくりとリアに近付いて行く
「いやっ、・・来ないで」
「・・・・」
だがユーリは無言のまま更に近付いて行く
「っ・・・来ないでって!!」
そのまま風の力を使って小さな衝撃波を放つがユーリは気にする様子はない
「なっ!」
ユーリが近付いて来る度にリアはどんどん後退って行くが、それは何かに包まれ歩みは止まった
「ちょ・・、ゃ、放してっ!!」
何かに包まれた感じがしたのはユーリがそのままリアを自分の方に引き寄せ抱き締めたからだった
リアは必死に抵抗してそこから逃れようとするがビクともしない
「・・・そんなに拒絶するまで傷ついてたのか」
「え・・・?」
ユーリの言葉にリアは暴れるのをやめちらりとユーリを見た
「リアからすれば確かにオレ達の言葉はちとキツかったかもな。オレ達もリアが悩んでるのは知ってた。けど、オレ達が声掛けたら余計近寄り難くなっただろ」
「・・・・」
「だからオレ達も極力近くにいなかったんだよ」
「・・・・」
ユーリの言葉に優しさを感じリアは完全に抵抗をやめた
「・・・けど、此処に居るリアはオレ達の知ってるリアじゃねえ」
「え?」
言うとユーリは少しだけリアを放し、鋭い目つきでリアを見た
「今此処に居るリアは星喰みにいいように操られてるだけのリアだ。オレ達の知ってるリアとは違うんだよ。いい加減リアを返して貰うぜ!」
「!?」
言うと明星二号から眩い光が発せられリアを包み込んだ
「ああああっっっ!!」
「「「ぐああああっっっっ!!!」」」
リアの叫び声と共に、リアの中に入っていた星喰み声も聞こえた
叫び声が聞こえなくなり、光も消えるとユーリは倒れてきたリアを受け止めた
「・・・リア、大丈夫か?」
「・・ぅっ・・ユー・・リ・・・?」
「身体、違和感ねえか」
「・・・うん、・・大丈夫・・みたい・・・」
「みたい、って・・お前・・・」
リアとのやり取りを見てユーリはいつものリアに戻ったと感じ、優しく微笑むとリアも小さく笑った
我等ノ仲間ヲ倒シタダト・・・?
タダノ人間ガ・・・?
その様子を見ていた星喰みは驚いたような声を上げざわめいていた
「人の力も、案外侮れないもんだぜ」
「・・・ユーリ・・」
「無理に喋るな。話しなら後で聞いてやる」
「うん・・・」
「じゃ、そろそろフレンやセイ達んとこ戻るか」
「うん、みんな・・心配、しちゃってるよね・・・」
サセルか!!
「「!」」
星喰みがユーリとリアに向かって手を伸ばした
ぐああっ!
だが、それはユーリとリアの前に現れた一人の男性によって防がれる
「どうやら、無事に姫を救い出せたようだな」
「! あんた」
「・・・誰?」
「私はハガスミと言う」
「! ハガスミって、あの!?」
その名前を聞いた途端、リアはセイ達が初めてハガスミと会った時と同じ反応を見せた
リアの反応を見てハガスミはフッと笑い、ユーリが持っている明星二号を見て力を送った
「これは・・・」
「・・明星二号が・・・」
途端、明星二号から先程とは比べものにならない強い力を感じた
「そろそろ下界に戻るぞ。あまり長居してはお前達の身体に負担が掛かる」
「ああ、こんなとこ長居は無用だな。リア、オレの側から離れんなよ」
「え、あ、うん」
ユーリはリアの頭をポンポンと撫でると、リアは返事を返しそのままユーリに掴まった
それを見てユーリは微笑み、明星二号を握り直した
「瞬け、明星の光!」
「!」
「うおおおお! くらいやがれっ!!」
そして明星二号から眩い光が放たれ巨大な羽のような形をした光の剣になり、
「天翔光翼剣 ―――!!」
ユーリはその剣を一気に振り翳した
続く
あとがき
まさかな展開へww
そしてまさかの新キャラ!!
最初書いてたパターンでは彼は登場してなかったんですけど、このパターンの方がなんかしっくりと来たのでこっちに変更ww
彼は今後も良い仕事してくれるはずだよ?ww
あと精霊達の出番が意外にない事に気付きちょっとだけセリフ足しました!
・・・次回もちょっとはセリフ入れてみんなとも絡ませてあげたいな・・ι
でもって、此処まで取り乱したリアちゃんって今まで書いた事なかったからどう終わらせるかかなり悩んだι
まあでも無事にリアちゃん元に戻って良かったね
けどまた星喰みとの戦いは終わってません!
次回で遂に星喰みと決着が着きます!!
リンケージ:連鎖
2011.08.02