星喰み編
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タルカロン内部に入ってから数十分、だいぶ歩いて来たけど最上階に着くまでまだ道のりは長そうだ
今は外から見えていたあの都市らしき場所に来ていた
「高ーい。これ何処まで続いてるんだろう」
「バウルでも登った事ない高さね」
「落ちたらヤバイわね、これ」
「なら落ちてみるか?」
「ちょっと、セイ。洒落になってないわよぉ!」
「なに、おっさんなら落ちても平気なのじゃ」
「その変な自信は何? パティちゃ~んι」
「もっと上の方に行って落ちる方が危ないと思います」
「そうですね。慎重に行かないといけませんね」
やっと長い階段を登り追えると目の前に大きな扉が見え、ユーリとフレンがその扉を開けた
そこは円上になった広場だったが、所々崩れていて足場が悪かった
「足場、最悪ね・・・」
「こんなんで敵さんと遭遇、ってのはやめてほしいわね」
「そんな事言ってると本当になっちまうぜ?」
壊れている足場を見て安全そうな所を見つけ、各々登って行く
「っ、きゃ」
「っと。大丈夫か」
が、タイミングが悪かったのかその足場が崩れ体制を崩してしまったが近くにいたユーリが私の腕を掴んでくれたお陰で転ばずにすんだ
「あ、う、うん・・・ありがとう」
「気を付けろよ」
「・・・ごめん」
だけどやっぱりまともにユーリを見る事が出来ず少しだけ視線を落として言うとユーリは小さく笑って先に歩き出した
「怪我はしてないみたいだね」
「え、あ、うん」
小さく息を吐いて気持ちを切り替えようとしているとフレンの声が聞こえ顔を上げるとさっきの様子が見えたのか心配して来てくれたようだった
「もう足場の悪い所はないから、大丈夫だと思うよ」
「う、うん・・・」
小さく笑って言うフレンを見てその言葉に素直に頷き、足場の良さそうな所を見つけそこに向かって行く
「「・・・・」」
そんな私達の様子を兄さんとアスラは何かを思い見ていた事に私達は気付いていなかった
116.Cross-purposes
「もうすぐ・・戦う事になるのね・・・」
そう呟き目の前にある魔刻に触れる
その人物が魔刻に触れるとその言葉に応えるかのように光を放った
「・・・私が戦う訳じゃないけど、こんなにツラいのは・・・だから、よね」
魔刻の一部を見ると数人の男女が歩いている姿が映っていて、更に目を惹く人物へ視線を移す
「・・・あの言葉を信じてくれるなら、必ず来る。・・・その時は、ちゃんと全ての事を話さないといけないわね」
その人物はツラいような悲しいような目をして微笑んでいた
*
「ねーえー、おっさんもお、つーかーれーたぁー」
「おい、フレン。あのおっさん何とかしろ」
「な、何とかと言われても・・・ι」
「あんたの上司でしょ」
「上司は上司・・なんだが・・・」
「彼はレイヴン、貴方の上司とは違う人物ですものね」
「・・・同一人物とは思えない程の違い振りだけどな」
「「「あははっ・・・ι」」」
あの足場の悪い所を越えると更に塔の外に出て来た
みんな多少の疲労があるもののそれでも文句一つ言わず進んでいたが、限界になったのかレイヴンがそう駄々を捏ねてしまった
そんなレイヴンを見て私達はとある人物とのギャップを感じ各々それを口にしていて、私とアスラとエステルは苦笑しか出来なかった
「おっさんはバテるのが早いのじゃ」
「年寄りは体力ないんだって。それにちょっと女性陣も辛そうにしてるでしょ」
レイヴンにそう言われ私達はちょっとだけ言葉に詰まった
確かに疲労もあるけど、先程と高さが変わり気圧が変わったから少しだけ空気に馴染めないでいた
「確かに気圧の変化もありますし、少しだけ休んで行こうか」
「そうだね。カロルもちょっとツラそうだし」
「ご、ごめん・・・」
「良いって。それにこんな状況で乗り込む方が危ないしな」
「うん。結界張ったからこの中にいれば魔物が襲ってくる心配もないよ」
「ありがとう、アスラ」
アスラの言葉を聞きみんな安堵してその場に座った
座ると同時にみんなふうっと息を吐いていた
(やっぱり疲れがあったから自然と溜息も出ちゃうよね)
「ワン」
「どうしたの、ラピード?」
みんなの様子を見て小さく微笑んでいるとラピードが私の目の前に水筒を差し出した
「水筒?」
「何処かで一息付けた時に飲もうと思ってみんなの分も持って着てたのよ」
ジュディスの言葉を聞きやっぱりこのパーティの事を思って一番気を遣ってくれてるなと思いながら、水筒を受け取った
「ありがとうジュディス、ラピード。みんなに配るなら私も手伝うよ」
「じゃあユーリとフレンとセイの分をお願いしようかしら」
「・・・! あ、うん、じゃあラピード、一緒に行こう」
「ワン」
ユーリとフレンの名前を聞き少しだけ目を瞠ってしまうけど、直ぐにラピードの方を向いて水筒を持ってその場を離れた
「・・・ラピード、ユーリとフレンの分、お願いね」
「クゥゥン」
ラピードに二人分の水筒を渡しラピードの反応を見て微笑して、そのまま兄さんの所まで向かって行った
「「・・・・」」
けど、その時の何処かツラそうな顔をしていたリアをラピードとジュディスはしっかりと見ていた
「兄さん、はいこれ」
「ん、ああサンキュ」
水筒を渡してそのまま兄さんの横に座るとアスラと姿を消して兄さんの側にいるフキが私に気付き話しを中断してこっちを見た
「中断しなくても良いのに」
『良いって。故郷の連中の様子を話してただけだし』
「みんなの準備は万全なの?」
『ああ。後は頂上でケリ付けるだけだな』
「一筋縄ではいかないだろうけどな」
「まあね・・・」
アスラやフキもデュークの事を知ってる訳ではないけど、やっぱり彼の持っている独特な雰囲気や始祖の隷長達と一緒にいたと思うとそれなりに思う所があるのかそう言っていた
「けどやらなきゃこの世界は無くなる」
『俺達はあまりその辺りに関しては口出ししないが』
「リアやセイが大事に思ってる場所があるから協力はするよ」
「アスラ、フキ、・・・ありがとう」
アスラ達式神は始祖の隷長と同じように長い年月を生きている
この世界の事は始祖の隷長が見守るという理があったし、式神達は別次元である言霊使いの故郷や主、言霊使い達以外の事にあまり関心を持っていない
アスラ達はその中でももっと力や能力の強い神将、始祖の隷長と同等の力と言える
だからフェロー達の事を知っていても口にしなかったし、彼等のやる事に干渉しなかったのだった
それでも今こうやって私達に協力してくれているのは、私や兄さんがこの世界やみんなの事が大事だと思っているから
アスラ達も私達とみんなと旅をして来て今までと見方も代わって着てるからだと言う事は私も兄さんもこの旅の中で感じた事だった
「さてと、じゃあそろそろ先に進むか」
「うん。みんなももう気圧に慣れたみたいだし」
「じゃ、あいつ等に伝えに行くか」
「・・私、エステルとリタの所に行って来るね」
「あ、リア・・・」
少しだけ休憩したお陰なのか私を含めみんなを見ると、みんなもだいぶ顔色が良くなっていて兄さんの言葉に頷いて立ち上がったが、兄さんの視線の先がユーリとフレンの方を向いているのを見て思わずそう言ってエステルとリタがいる方へ走って行った
『・・・明らかに避けてるな』
「ああ」
「私達が口出ししちゃいけない事なんでしょうけれど」
リアが走って行った後フキはリアの背中を見つめぽつりと呟きセイもアスラも静かに頷き別の声が聞こえ振り向くとジュディスがセイ達の方へ歩いて着ていたがジュディスの視線の先のリアを見てそう言った
「ジュディス、見てたのか」
「ええ」
「ジュディスも気付いてたんだね。リアの様子が可笑しい事に」
「みんなはまだ気付いてないでしょうけど」
「他の連中が気付くのも時間の問題、か」
此処に来る前からリアがユーリとフレンの事を何処か避けている事にセイ達も薄々気付いていた
リアが二人を避けている理由、それは色々と考えられるがリア達自身の問題だからだと思い口を挟まないでいた
が、あの状態が続けばエステル達も気付き始めてしまうだろう
『リアは正直者だからな』
仕事面に関してや言霊使いの事や言ってはいけない事など隠したり言わなかったりするのは上手いのだが、それ以外の事は表情や態度に出てしまう
正直で素直なリアだからと言えばらしいのだが、それでも今リアが抱えてる事はいつも以上に深い悩みで、あからさまに感じてしまう所もあった
「ボクもなるべく離れないようにはするけど・・・」
「俺達も気に止めておいた方が良いだろうな」
『ああ』「ええ」
続く
あとがき
この後も書いてたけど此処で一旦切ろうι
リアちゃんの不安がってる事はセイ兄ちゃん、アスラ、フキ、ジュディス、ラピードはやっぱ気が付きますよね
多分レイヴンも気が付いてると思うけどww
若干遊んだり意味深だったりってとこもあるけど・・・
次回はいよいよアイツと決着・・かな?
Cross-purposes:すれ違い
2011.07.30
今は外から見えていたあの都市らしき場所に来ていた
「高ーい。これ何処まで続いてるんだろう」
「バウルでも登った事ない高さね」
「落ちたらヤバイわね、これ」
「なら落ちてみるか?」
「ちょっと、セイ。洒落になってないわよぉ!」
「なに、おっさんなら落ちても平気なのじゃ」
「その変な自信は何? パティちゃ~んι」
「もっと上の方に行って落ちる方が危ないと思います」
「そうですね。慎重に行かないといけませんね」
やっと長い階段を登り追えると目の前に大きな扉が見え、ユーリとフレンがその扉を開けた
そこは円上になった広場だったが、所々崩れていて足場が悪かった
「足場、最悪ね・・・」
「こんなんで敵さんと遭遇、ってのはやめてほしいわね」
「そんな事言ってると本当になっちまうぜ?」
壊れている足場を見て安全そうな所を見つけ、各々登って行く
「っ、きゃ」
「っと。大丈夫か」
が、タイミングが悪かったのかその足場が崩れ体制を崩してしまったが近くにいたユーリが私の腕を掴んでくれたお陰で転ばずにすんだ
「あ、う、うん・・・ありがとう」
「気を付けろよ」
「・・・ごめん」
だけどやっぱりまともにユーリを見る事が出来ず少しだけ視線を落として言うとユーリは小さく笑って先に歩き出した
「怪我はしてないみたいだね」
「え、あ、うん」
小さく息を吐いて気持ちを切り替えようとしているとフレンの声が聞こえ顔を上げるとさっきの様子が見えたのか心配して来てくれたようだった
「もう足場の悪い所はないから、大丈夫だと思うよ」
「う、うん・・・」
小さく笑って言うフレンを見てその言葉に素直に頷き、足場の良さそうな所を見つけそこに向かって行く
「「・・・・」」
そんな私達の様子を兄さんとアスラは何かを思い見ていた事に私達は気付いていなかった
116.Cross-purposes
「もうすぐ・・戦う事になるのね・・・」
そう呟き目の前にある魔刻に触れる
その人物が魔刻に触れるとその言葉に応えるかのように光を放った
「・・・私が戦う訳じゃないけど、こんなにツラいのは・・・だから、よね」
魔刻の一部を見ると数人の男女が歩いている姿が映っていて、更に目を惹く人物へ視線を移す
「・・・あの言葉を信じてくれるなら、必ず来る。・・・その時は、ちゃんと全ての事を話さないといけないわね」
その人物はツラいような悲しいような目をして微笑んでいた
*
「ねーえー、おっさんもお、つーかーれーたぁー」
「おい、フレン。あのおっさん何とかしろ」
「な、何とかと言われても・・・ι」
「あんたの上司でしょ」
「上司は上司・・なんだが・・・」
「彼はレイヴン、貴方の上司とは違う人物ですものね」
「・・・同一人物とは思えない程の違い振りだけどな」
「「「あははっ・・・ι」」」
あの足場の悪い所を越えると更に塔の外に出て来た
みんな多少の疲労があるもののそれでも文句一つ言わず進んでいたが、限界になったのかレイヴンがそう駄々を捏ねてしまった
そんなレイヴンを見て私達はとある人物とのギャップを感じ各々それを口にしていて、私とアスラとエステルは苦笑しか出来なかった
「おっさんはバテるのが早いのじゃ」
「年寄りは体力ないんだって。それにちょっと女性陣も辛そうにしてるでしょ」
レイヴンにそう言われ私達はちょっとだけ言葉に詰まった
確かに疲労もあるけど、先程と高さが変わり気圧が変わったから少しだけ空気に馴染めないでいた
「確かに気圧の変化もありますし、少しだけ休んで行こうか」
「そうだね。カロルもちょっとツラそうだし」
「ご、ごめん・・・」
「良いって。それにこんな状況で乗り込む方が危ないしな」
「うん。結界張ったからこの中にいれば魔物が襲ってくる心配もないよ」
「ありがとう、アスラ」
アスラの言葉を聞きみんな安堵してその場に座った
座ると同時にみんなふうっと息を吐いていた
(やっぱり疲れがあったから自然と溜息も出ちゃうよね)
「ワン」
「どうしたの、ラピード?」
みんなの様子を見て小さく微笑んでいるとラピードが私の目の前に水筒を差し出した
「水筒?」
「何処かで一息付けた時に飲もうと思ってみんなの分も持って着てたのよ」
ジュディスの言葉を聞きやっぱりこのパーティの事を思って一番気を遣ってくれてるなと思いながら、水筒を受け取った
「ありがとうジュディス、ラピード。みんなに配るなら私も手伝うよ」
「じゃあユーリとフレンとセイの分をお願いしようかしら」
「・・・! あ、うん、じゃあラピード、一緒に行こう」
「ワン」
ユーリとフレンの名前を聞き少しだけ目を瞠ってしまうけど、直ぐにラピードの方を向いて水筒を持ってその場を離れた
「・・・ラピード、ユーリとフレンの分、お願いね」
「クゥゥン」
ラピードに二人分の水筒を渡しラピードの反応を見て微笑して、そのまま兄さんの所まで向かって行った
「「・・・・」」
けど、その時の何処かツラそうな顔をしていたリアをラピードとジュディスはしっかりと見ていた
「兄さん、はいこれ」
「ん、ああサンキュ」
水筒を渡してそのまま兄さんの横に座るとアスラと姿を消して兄さんの側にいるフキが私に気付き話しを中断してこっちを見た
「中断しなくても良いのに」
『良いって。故郷の連中の様子を話してただけだし』
「みんなの準備は万全なの?」
『ああ。後は頂上でケリ付けるだけだな』
「一筋縄ではいかないだろうけどな」
「まあね・・・」
アスラやフキもデュークの事を知ってる訳ではないけど、やっぱり彼の持っている独特な雰囲気や始祖の隷長達と一緒にいたと思うとそれなりに思う所があるのかそう言っていた
「けどやらなきゃこの世界は無くなる」
『俺達はあまりその辺りに関しては口出ししないが』
「リアやセイが大事に思ってる場所があるから協力はするよ」
「アスラ、フキ、・・・ありがとう」
アスラ達式神は始祖の隷長と同じように長い年月を生きている
この世界の事は始祖の隷長が見守るという理があったし、式神達は別次元である言霊使いの故郷や主、言霊使い達以外の事にあまり関心を持っていない
アスラ達はその中でももっと力や能力の強い神将、始祖の隷長と同等の力と言える
だからフェロー達の事を知っていても口にしなかったし、彼等のやる事に干渉しなかったのだった
それでも今こうやって私達に協力してくれているのは、私や兄さんがこの世界やみんなの事が大事だと思っているから
アスラ達も私達とみんなと旅をして来て今までと見方も代わって着てるからだと言う事は私も兄さんもこの旅の中で感じた事だった
「さてと、じゃあそろそろ先に進むか」
「うん。みんなももう気圧に慣れたみたいだし」
「じゃ、あいつ等に伝えに行くか」
「・・私、エステルとリタの所に行って来るね」
「あ、リア・・・」
少しだけ休憩したお陰なのか私を含めみんなを見ると、みんなもだいぶ顔色が良くなっていて兄さんの言葉に頷いて立ち上がったが、兄さんの視線の先がユーリとフレンの方を向いているのを見て思わずそう言ってエステルとリタがいる方へ走って行った
『・・・明らかに避けてるな』
「ああ」
「私達が口出ししちゃいけない事なんでしょうけれど」
リアが走って行った後フキはリアの背中を見つめぽつりと呟きセイもアスラも静かに頷き別の声が聞こえ振り向くとジュディスがセイ達の方へ歩いて着ていたがジュディスの視線の先のリアを見てそう言った
「ジュディス、見てたのか」
「ええ」
「ジュディスも気付いてたんだね。リアの様子が可笑しい事に」
「みんなはまだ気付いてないでしょうけど」
「他の連中が気付くのも時間の問題、か」
此処に来る前からリアがユーリとフレンの事を何処か避けている事にセイ達も薄々気付いていた
リアが二人を避けている理由、それは色々と考えられるがリア達自身の問題だからだと思い口を挟まないでいた
が、あの状態が続けばエステル達も気付き始めてしまうだろう
『リアは正直者だからな』
仕事面に関してや言霊使いの事や言ってはいけない事など隠したり言わなかったりするのは上手いのだが、それ以外の事は表情や態度に出てしまう
正直で素直なリアだからと言えばらしいのだが、それでも今リアが抱えてる事はいつも以上に深い悩みで、あからさまに感じてしまう所もあった
「ボクもなるべく離れないようにはするけど・・・」
「俺達も気に止めておいた方が良いだろうな」
『ああ』「ええ」
続く
あとがき
この後も書いてたけど此処で一旦切ろうι
リアちゃんの不安がってる事はセイ兄ちゃん、アスラ、フキ、ジュディス、ラピードはやっぱ気が付きますよね
多分レイヴンも気が付いてると思うけどww
若干遊んだり意味深だったりってとこもあるけど・・・
次回はいよいよアイツと決着・・かな?
Cross-purposes:すれ違い
2011.07.30