星喰み編
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「それ以上行ってはダメ!」
「え!?」
そう言われた途端、誰かに腕を掴まれた
101.Brack out
ゆっくりと振り返ると着物を着た紫の長髪の女性が私の腕を掴んでいた
「それ以上、そっちに行ってはいけません」
「え?」
「戻って来れなくなってしまいます」
「!」
その言葉を聞き前を見るとその記憶の欠片は小さな光となって消えていった
それを見届けると彼女は私の腕を放し、私は振り返って彼女を見た
「・・、貴女は?」
「貴女と同じ言霊使いです」
「言霊使い・・・?」
彼女を見ると確かに私達と同じ言霊使いが着ている着物を着ていた
「じゃあ此処は言霊使いが見る世界?」
私達言霊使いは過去、現在、未来の記憶を見る事が出来る
それはさっきの欠片のような物となって私達の夢の中に出てくる事がある
「うーん、半分正解で半分はずれ、かしら」
彼女は少しだけ唸って微笑してそう答えた
「半分・・? どう言う事?」
「此処は貴女の精神世界、そして貴女の意識は今この精神世界の中にある」
「!」
「アレクセイに刺された後、貴女は瀕死状態になった。そして彼が刺された所を見て更に力を無くし、此処に来た」
「!」
その言葉を聞いて思わず目を瞠り、その時の事を思い出す
アレクセイに刺された後、出血が酷く何も出来ない状態になって気を失っていたけど、ユーリの声が聞こえ目を開けるとユーリが私を支えていた
(だからさっき色々な記憶を見たり、刺された所もどうもなってなかったのね)
けど、安堵している余裕もなく、その後ソディアさんがユーリに向かって行ったと思ったら今度はソディアさんがユーリの腹部を刺し、ユーリはそのまま足場を失い海へ落ちてしまった
「ユーリは、ユーリはどうなったの!?」
少しだけ腹部に触れ納得してあの時の事を思い出し少しだけ不安を抱いてそう聞くと彼女は苦笑して私を見た
「自分の心配より彼の心配をするなんて。ホント、貴女らしいわね。彼なら無事よ、貴女が最後の力を振り絞って助けたのだから」
「え?」
少しだけクスッと笑った後彼女はニコリとして答え、更にその言葉を聞き首を傾げた
「私が、ユーリを助けた?」
「無我夢中だったし、意識も遠退きかけていたのだから覚えていないのも無理もないわ」
彼女が言うには、ユーリが刺され海に落ちたのを見た私は、ユーリを助ける為に無意識に力を発動させてユーリを助けたようだった
「じゃあ、ユーリは無事なのね」
「ええ。多分今頃帝都にいるはずよ」
「・・・良かった」
その言葉を聞き安堵して胸を撫で下ろし、そんな私の様子を見て彼女も微笑んでいた
「本当に彼の事が大事なのね。・・まるで私と彼のように・・・」
「え?」
ぽつりと何か聞こえたような気がして彼女を見ると何でもないわと言って小さく笑った
そして疑問に思っていた事を聞いてみた
「でも、私の精神世界にどうやって・・・?」
言霊使いでも他人の精神世界に入る事は出来ないはず
「ちょっとした事情があって貴女にリンクしているの」
「リンク・・・?」
「ええ。今までも何度かそうして言霊使いの姫である貴女を陰から護ってきたわ」
「!」
その言葉に驚いていると彼女は先程より真剣な目をして私を見た
「今まで記憶が曖昧になっていた事はない?」
「あ、」
そう言われ今までの事を思い出す
確かに何度か記憶が曖昧になっている事があった
ユーリとアスピオで話しをした時、そしてザーフィアス城にいたはずなのにいつの間にかザウデの最深部にいた事
「じゃあ、あの時の声は」
「ええ、私よ」
ザーフィアス城に居た時に聞こえた声は彼女の声だった
「少しだけ貴女の身体を借りた事もあったわ。そしてあの時、貴女の願いと私の勤めを果たす為に貴女の身体を借りていたの」
だからエステルを助けた時の事やザウデの中で遭った出来事を覚えていなかったのかと納得していると彼女は悲しい目をしていた
「けど、結局貴女を助けられなかった」
「え?」
「アレクセイ、私の力の事まで計算してザーフィアスの時は逃がして、ザウデで力が弱まった所を見て貴女を捕らえて、姫の力と血を使って星喰みを復活させた・・・」
ふとまたアレクセイに刺された時の事が蘇る
「・・・ザウデは満月の子の命を代用して動いているのよね」
「え?」
ぽつりと言った言葉に彼女は疑問を持って私を見た
「ええ。さっき貴女が見た記憶の通り」
「言霊使いは、始祖の隷長側の鍵、なんでしょ。それって」
「・・・・・」
私の言葉を聞き彼女はツラそうな顔をした
まるで満月の子と言霊使いの事を話してくれた時の兄さんやアスラ達と同じように
「・・・言霊使いは、満月の子や始祖の隷長やクリティア族と同じように古い一族だと言う事は知っていますね。さっき貴女が見た記憶は、星喰みを封印する時の記憶」
「星喰みを封印!? ・・・そっか、だからあの時」
その言葉を聞き、ユーリが星喰みを見てぽつりと呟いた言葉とミョルゾで見た壁画の事を思い出す
『星喰み虚空へと消え去れり』
ユーリの言っていた通り、確かに滅ぼされた、とは言っていなかった
そして壁画にあった『満月の子等は命燃え果つ』と言うのは、彼等の命を代用したからだった
「でもミョルゾの壁画にも、色んな文献にも言霊使いの事は載っていなかったはず・・・」
「言霊使いの事は色々と隠されているからね。それは貴女も知ってる通り、ね。言霊使いの故郷にもこの事を知っている人は本家の血筋でも限られてるわ。この事は禁書に記されているのだから」
「・・・禁書」
禁書、それは本家の何処かにあると言われている書物だった
「その事を知っているのは始祖の隷長と式神達。そして貴女のご両親であり言霊使いの頭首様達も、そしてセイ様もご存じよ」
「!?」
それを聞き今度こそ言葉を無くした
頭首である両親はその禁書を読む事を許されているからその事を知っていたのも納得がいく
アスラ達も私や兄さん、そして故郷に生きるみんなより長い時を生きているのだからその事を知っていたのかもしれない
「けどその鍵となるのは、言霊使いの姫の中でも最も稀な力を持った姫のみ。そう、貴女のように、ね」
「・・・・」
子供の頃から私の力を抑える訓練を何度もしていた
力が安定出来ない以上、家からも故郷にも、そして故郷の外にも出る事は出来ない
それは言霊使いなら誰しも通る道、だから私達は子供の頃から色々な修行を欠かさずやっていた
「けど、ザウデの力を発動させるのはそれだけじゃないの」
「え・・・?」
「ザウデの力を発動させるだけなら言霊使いの力があれば強くても弱くても多少は発動する。だけど、あの星喰みを復活させるには姫の稀な力と、もう一つある物が必要なの」
「もう一つ? ・・・まさか」
そこである事を思い出す
「そう、姫の血、よ」
アレクセイは私の力を使った後、腹部を刺し、必要だった血を流させた
「だから式神様やセイ様は貴女の傍を離れずにいた」
「・・・・」
その言葉を聞き昔から両親にもアスラ達や故郷のみんな、そして兄さんから凄く大事にされてきた事を思い出す
けどその事だけで側にいた訳じゃない事も知っている
(私もみんなと同じように、ユーリもフレンもみんなも、兄さんもアスラ達も故郷のみんながとても大事だから)
私の思っている事を彼女は理解しているのか小さく笑った後、話しを続けた
「姫の血と力がザウデと魔刻に共鳴し、凛々の明星とザウデのシステムが起動し、結界が無くなった」
「つまりザウデは世界を守る、結界魔導器の一部だったって事?」
彼女の話を聞きその答えに辿り着き尋ねると彼女は頷いた
「アレクセイは兵器と思ってたみたいだけれどね。その所為で姫様を危険にさらして、星喰みまで蘇って・・・。・・このままじゃ、あの人が・・・」
「・・・?」
何処かツラそうな顔をしている彼女を見て私は首を傾げた
「あの・・・」
彼女を呼ぼうとしたけど未だに名前を聞いていない事に気が付きじっと見ていると彼女も私が言いたい事に気が付いたのか名前を教えてくれた
「ごめんなさい、そう言えばまだ名乗ってなかったわね。私はシエラ、シエラ・シルヴィアーナよ」
「シエラさんですね」
お互いに微笑んで握手を交わし、よろしくと言った
「挨拶を交わした所で、そろそろ本題に入らないとね」
「本題?」
私の言葉にシエラさんは頷き真剣な目をして私を見た
「姫、貴女はこのまま此処に留まっていては駄目。貴女はまだやらなくちゃいけない事があるし、貴女を待っている人が沢山いるわ」
「え・・・?」
シエラさんにそう言われた途端、此処で目が覚めた時と同じようにまた誰かに呼ばれたような気がして辺りを見た
「貴女を呼んでいる声が聞こえるでしょう」
「私を? ・・・」
そう言われ耳を澄ましてみると徐々に言葉が聞こえだした
(誰かが呼んでる・・・)
その声は一人や二人じゃなくもっと大人数の男女の声
そしてそれはとても見知った人達の声でもあった
「・・・この声、みんな?」
必死に私の名前を呼んでいる声が聞こえる
それはエステル達、そしてイサキや神将達、みんなの声だった
それでもまだ遠くからしか聞こえない
「・・・・・」
シエラさんは私の様子をじっと見つめている
「ア! ・・・・」
「! 兄さん、アスラ!?」
更に耳を澄ますと兄さんとアスラの声が聞こえた
『『 っ!』』
「?」
そしてみんなの声が聞こえる中、一際強く聞こえる所を見つけそこに意識を向け耳を澄ました
『『ア! 』』
その声は徐々に強くなっていき、はっきりと聞こえだした
『『リアっっ!!』』
「! ユーリ!? フレン!?」
その声が聞こえた途端、ユーリとフレンが必死に私の名前を呼んでいる光景が見えた
「どうやら辿り着いたみたいね」
「え? っ!?」
私の様子を見てシエラさんは優しく微笑み、シエラさんの言葉に疑問を持って振り返った途端眩い光が放たれた
「姫、これから貴女は現世 に戻ります」
「え?」
「けど、私は今までと同じように此処から貴女をサポートします」
「え、どういう・・・」
「貴女を待っている人達と大切な人の所へ、戻って下さい」
「シエラさん!」
光に包まれながらシエラさんに呼び掛けると優しく微笑んだ
そして、
「・・・彼を、救って ――」
「!?」
そう聞こえその意味を聞こうとしたけど、光に包まれ私の意識はそこから遠のいた
続く
あとがき
何とか終わったぁ~!
色々と謎になっていた事も此処でだいぶ明らかになりましたね!
ザウデの時にもセイ兄ちゃんやアスラ達が言ってたけどリアちゃんは事実知らなかったからね
まあその辺も含めた話しはリアちゃんが現世に戻ってから、かな?ww
とりあえず、シエラちゃんも無事に登場できた(ww)し、これからも色々とリアちゃんをサポートして下さい←
でも最後、気になる事言ってたけど・・・?
その辺も今後、か??
次こそ、みんな出せると良いな・・・ι
GRANRODEO 2rdアルバム Instinct&GRANRODEO 曲名でお題 25.Black out より
2011.06.05
「え!?」
そう言われた途端、誰かに腕を掴まれた
101.Brack out
ゆっくりと振り返ると着物を着た紫の長髪の女性が私の腕を掴んでいた
「それ以上、そっちに行ってはいけません」
「え?」
「戻って来れなくなってしまいます」
「!」
その言葉を聞き前を見るとその記憶の欠片は小さな光となって消えていった
それを見届けると彼女は私の腕を放し、私は振り返って彼女を見た
「・・、貴女は?」
「貴女と同じ言霊使いです」
「言霊使い・・・?」
彼女を見ると確かに私達と同じ言霊使いが着ている着物を着ていた
「じゃあ此処は言霊使いが見る世界?」
私達言霊使いは過去、現在、未来の記憶を見る事が出来る
それはさっきの欠片のような物となって私達の夢の中に出てくる事がある
「うーん、半分正解で半分はずれ、かしら」
彼女は少しだけ唸って微笑してそう答えた
「半分・・? どう言う事?」
「此処は貴女の精神世界、そして貴女の意識は今この精神世界の中にある」
「!」
「アレクセイに刺された後、貴女は瀕死状態になった。そして彼が刺された所を見て更に力を無くし、此処に来た」
「!」
その言葉を聞いて思わず目を瞠り、その時の事を思い出す
アレクセイに刺された後、出血が酷く何も出来ない状態になって気を失っていたけど、ユーリの声が聞こえ目を開けるとユーリが私を支えていた
(だからさっき色々な記憶を見たり、刺された所もどうもなってなかったのね)
けど、安堵している余裕もなく、その後ソディアさんがユーリに向かって行ったと思ったら今度はソディアさんがユーリの腹部を刺し、ユーリはそのまま足場を失い海へ落ちてしまった
「ユーリは、ユーリはどうなったの!?」
少しだけ腹部に触れ納得してあの時の事を思い出し少しだけ不安を抱いてそう聞くと彼女は苦笑して私を見た
「自分の心配より彼の心配をするなんて。ホント、貴女らしいわね。彼なら無事よ、貴女が最後の力を振り絞って助けたのだから」
「え?」
少しだけクスッと笑った後彼女はニコリとして答え、更にその言葉を聞き首を傾げた
「私が、ユーリを助けた?」
「無我夢中だったし、意識も遠退きかけていたのだから覚えていないのも無理もないわ」
彼女が言うには、ユーリが刺され海に落ちたのを見た私は、ユーリを助ける為に無意識に力を発動させてユーリを助けたようだった
「じゃあ、ユーリは無事なのね」
「ええ。多分今頃帝都にいるはずよ」
「・・・良かった」
その言葉を聞き安堵して胸を撫で下ろし、そんな私の様子を見て彼女も微笑んでいた
「本当に彼の事が大事なのね。・・まるで私と彼のように・・・」
「え?」
ぽつりと何か聞こえたような気がして彼女を見ると何でもないわと言って小さく笑った
そして疑問に思っていた事を聞いてみた
「でも、私の精神世界にどうやって・・・?」
言霊使いでも他人の精神世界に入る事は出来ないはず
「ちょっとした事情があって貴女にリンクしているの」
「リンク・・・?」
「ええ。今までも何度かそうして言霊使いの姫である貴女を陰から護ってきたわ」
「!」
その言葉に驚いていると彼女は先程より真剣な目をして私を見た
「今まで記憶が曖昧になっていた事はない?」
「あ、」
そう言われ今までの事を思い出す
確かに何度か記憶が曖昧になっている事があった
ユーリとアスピオで話しをした時、そしてザーフィアス城にいたはずなのにいつの間にかザウデの最深部にいた事
「じゃあ、あの時の声は」
「ええ、私よ」
ザーフィアス城に居た時に聞こえた声は彼女の声だった
「少しだけ貴女の身体を借りた事もあったわ。そしてあの時、貴女の願いと私の勤めを果たす為に貴女の身体を借りていたの」
だからエステルを助けた時の事やザウデの中で遭った出来事を覚えていなかったのかと納得していると彼女は悲しい目をしていた
「けど、結局貴女を助けられなかった」
「え?」
「アレクセイ、私の力の事まで計算してザーフィアスの時は逃がして、ザウデで力が弱まった所を見て貴女を捕らえて、姫の力と血を使って星喰みを復活させた・・・」
ふとまたアレクセイに刺された時の事が蘇る
「・・・ザウデは満月の子の命を代用して動いているのよね」
「え?」
ぽつりと言った言葉に彼女は疑問を持って私を見た
「ええ。さっき貴女が見た記憶の通り」
「言霊使いは、始祖の隷長側の鍵、なんでしょ。それって」
「・・・・・」
私の言葉を聞き彼女はツラそうな顔をした
まるで満月の子と言霊使いの事を話してくれた時の兄さんやアスラ達と同じように
「・・・言霊使いは、満月の子や始祖の隷長やクリティア族と同じように古い一族だと言う事は知っていますね。さっき貴女が見た記憶は、星喰みを封印する時の記憶」
「星喰みを封印!? ・・・そっか、だからあの時」
その言葉を聞き、ユーリが星喰みを見てぽつりと呟いた言葉とミョルゾで見た壁画の事を思い出す
『星喰み虚空へと消え去れり』
ユーリの言っていた通り、確かに滅ぼされた、とは言っていなかった
そして壁画にあった『満月の子等は命燃え果つ』と言うのは、彼等の命を代用したからだった
「でもミョルゾの壁画にも、色んな文献にも言霊使いの事は載っていなかったはず・・・」
「言霊使いの事は色々と隠されているからね。それは貴女も知ってる通り、ね。言霊使いの故郷にもこの事を知っている人は本家の血筋でも限られてるわ。この事は禁書に記されているのだから」
「・・・禁書」
禁書、それは本家の何処かにあると言われている書物だった
「その事を知っているのは始祖の隷長と式神達。そして貴女のご両親であり言霊使いの頭首様達も、そしてセイ様もご存じよ」
「!?」
それを聞き今度こそ言葉を無くした
頭首である両親はその禁書を読む事を許されているからその事を知っていたのも納得がいく
アスラ達も私や兄さん、そして故郷に生きるみんなより長い時を生きているのだからその事を知っていたのかもしれない
「けどその鍵となるのは、言霊使いの姫の中でも最も稀な力を持った姫のみ。そう、貴女のように、ね」
「・・・・」
子供の頃から私の力を抑える訓練を何度もしていた
力が安定出来ない以上、家からも故郷にも、そして故郷の外にも出る事は出来ない
それは言霊使いなら誰しも通る道、だから私達は子供の頃から色々な修行を欠かさずやっていた
「けど、ザウデの力を発動させるのはそれだけじゃないの」
「え・・・?」
「ザウデの力を発動させるだけなら言霊使いの力があれば強くても弱くても多少は発動する。だけど、あの星喰みを復活させるには姫の稀な力と、もう一つある物が必要なの」
「もう一つ? ・・・まさか」
そこである事を思い出す
「そう、姫の血、よ」
アレクセイは私の力を使った後、腹部を刺し、必要だった血を流させた
「だから式神様やセイ様は貴女の傍を離れずにいた」
「・・・・」
その言葉を聞き昔から両親にもアスラ達や故郷のみんな、そして兄さんから凄く大事にされてきた事を思い出す
けどその事だけで側にいた訳じゃない事も知っている
(私もみんなと同じように、ユーリもフレンもみんなも、兄さんもアスラ達も故郷のみんながとても大事だから)
私の思っている事を彼女は理解しているのか小さく笑った後、話しを続けた
「姫の血と力がザウデと魔刻に共鳴し、凛々の明星とザウデのシステムが起動し、結界が無くなった」
「つまりザウデは世界を守る、結界魔導器の一部だったって事?」
彼女の話を聞きその答えに辿り着き尋ねると彼女は頷いた
「アレクセイは兵器と思ってたみたいだけれどね。その所為で姫様を危険にさらして、星喰みまで蘇って・・・。・・このままじゃ、あの人が・・・」
「・・・?」
何処かツラそうな顔をしている彼女を見て私は首を傾げた
「あの・・・」
彼女を呼ぼうとしたけど未だに名前を聞いていない事に気が付きじっと見ていると彼女も私が言いたい事に気が付いたのか名前を教えてくれた
「ごめんなさい、そう言えばまだ名乗ってなかったわね。私はシエラ、シエラ・シルヴィアーナよ」
「シエラさんですね」
お互いに微笑んで握手を交わし、よろしくと言った
「挨拶を交わした所で、そろそろ本題に入らないとね」
「本題?」
私の言葉にシエラさんは頷き真剣な目をして私を見た
「姫、貴女はこのまま此処に留まっていては駄目。貴女はまだやらなくちゃいけない事があるし、貴女を待っている人が沢山いるわ」
「え・・・?」
シエラさんにそう言われた途端、此処で目が覚めた時と同じようにまた誰かに呼ばれたような気がして辺りを見た
「貴女を呼んでいる声が聞こえるでしょう」
「私を? ・・・」
そう言われ耳を澄ましてみると徐々に言葉が聞こえだした
(誰かが呼んでる・・・)
その声は一人や二人じゃなくもっと大人数の男女の声
そしてそれはとても見知った人達の声でもあった
「・・・この声、みんな?」
必死に私の名前を呼んでいる声が聞こえる
それはエステル達、そしてイサキや神将達、みんなの声だった
それでもまだ遠くからしか聞こえない
「・・・・・」
シエラさんは私の様子をじっと見つめている
「ア! ・・・・」
「! 兄さん、アスラ!?」
更に耳を澄ますと兄さんとアスラの声が聞こえた
『『 っ!』』
「?」
そしてみんなの声が聞こえる中、一際強く聞こえる所を見つけそこに意識を向け耳を澄ました
『『ア! 』』
その声は徐々に強くなっていき、はっきりと聞こえだした
『『リアっっ!!』』
「! ユーリ!? フレン!?」
その声が聞こえた途端、ユーリとフレンが必死に私の名前を呼んでいる光景が見えた
「どうやら辿り着いたみたいね」
「え? っ!?」
私の様子を見てシエラさんは優しく微笑み、シエラさんの言葉に疑問を持って振り返った途端眩い光が放たれた
「姫、これから貴女は
「え?」
「けど、私は今までと同じように此処から貴女をサポートします」
「え、どういう・・・」
「貴女を待っている人達と大切な人の所へ、戻って下さい」
「シエラさん!」
光に包まれながらシエラさんに呼び掛けると優しく微笑んだ
そして、
「・・・彼を、救って ――」
「!?」
そう聞こえその意味を聞こうとしたけど、光に包まれ私の意識はそこから遠のいた
続く
あとがき
何とか終わったぁ~!
色々と謎になっていた事も此処でだいぶ明らかになりましたね!
ザウデの時にもセイ兄ちゃんやアスラ達が言ってたけどリアちゃんは事実知らなかったからね
まあその辺も含めた話しはリアちゃんが現世に戻ってから、かな?ww
とりあえず、シエラちゃんも無事に登場できた(ww)し、これからも色々とリアちゃんをサポートして下さい←
でも最後、気になる事言ってたけど・・・?
その辺も今後、か??
次こそ、みんな出せると良いな・・・ι
GRANRODEO 2rdアルバム Instinct&GRANRODEO 曲名でお題 25.Black out より
2011.06.05