星喰み編
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何処からか水滴が落ちたような音が聞こえる
その音が聞こえなくなると今度は頬や身体に冷たいものが当たった
「・・・っ・・・」
それは波打つように水は私の方に寄ってくる
(・・・不思議、なんだか落ち着く・・・)
だけどそれは心地良い感じがしてあまり冷たいとは感じなった
(まるで水の上に浮いているみたい)
眼を閉じたままゆっくりと両手を伸ばすと水音が聞こえ本当に水の上に浮いている感覚だった
『 !』
(?)
『 ! !!』
ふと誰かに呼ばれたような気がした
(・・・気のせい?)
呼ばれた感じはするけれど、はっきりとは聞こえない
(・・・やっぱり気のせい、かな・・・? !?)
そう思っていると急に目の前がぶれ始め景色が変わった
「法や評議会がお前を許してもオレはお前を許さねえ」
「僕等は騎士だ。その剣で市民を護る騎士だ!」
「胸、貸してやるから。泣きたいだけ泣け」
(これって、過去の記憶・・・?)
見えたものは私の過去の記憶だった
「今はまだ大丈夫のようだが、自分の身を案じるならその方が良い」
そしてそれはバラバラに違う人達との過去の記憶が見えては次の記憶へと移る
「・・・・」
見えてくる記憶を見てその時の事を思い出していると、
「・・君には感謝するよ、言霊使いの姫君」
「・・・えっ・・・っ!?」
『!?』
次に見えたものはザウデの頂上で刺された時の記憶だった
100.暗き記憶の中に
「っ!!?」
その時の痛みが身体に走った感じがして私は勢い良く身体を起こした
「・・・はあ、はぁ・・・ゆ、め・・・?」
荒い息を吐きながらアレクセイに刺された腹部へと手を伸ばす
「・・・どうもなってない? それに此処、何処?」
腹部へと手を伸ばしてはみたが刺された痕がないように感じた
更に辺りが暗くて何も見えない上に、自分が今何処にいるのかも解らない
今解っている事は真っ暗な場所、そして一面水しかない
その水の中に私は座っていた
「・・・座ってても仕方ない、よね」
誰に問う訳でもなくそう呟いて立ち上がった
「此処が何処なのか解らないけど、・・とにかく行ける所まで行ってみよう」
ずっと先まで見える暗闇の中を私は歩き出した
*
「ぐずっ、ひっく・・・」
「いい加減泣き止めよ」
「だって、だってぇ・・・」
場所は変わって此処は言霊使いの故郷、リアが瀕死でかなり危ない状態だと言う連絡をアスラとフキから受けた神将達、そしてリアの両親とイサキは動揺を隠しきれなかった
が、直ぐにリアの両親が神将、式神達、そしてイサキに指示を出しリアを抱えて戻って来たセイ達に部屋まで運んで貰い、回復役のハクスイ、ミズハ、カムイが急いで手当を始めたのだった
それから数日経った今でもリアの治療は続いていた
別室でリアの回復を待っている者は他にもいるが神将達が使用しているこの部屋ではユイカとタイリンがずっと泣きっぱなしで、そんな二人を見てゲツレイは小さく溜息を吐いていた
「リアが心配なのは解るけど、少しは落ち着きなさい」
「お前等がそんなんじゃリアだって心配するぞ」
「解ってる、解ってるけど! うわぁぁん!!」
センキとケンクも二人を宥めようとするが、二人はまた泣き出してしまう
「・・頭で理解出来ていても、感情の方が強くなってしまいますからね」
そんな二人を見てナセアが苦笑していると襖の開く音が聞こえリンコウはそちらに視線を向けた
「イサキ、どうだリアの様子は」
「・・・・」
「そうか」
唯一リアの部屋に入る事を許されているのはこの故郷でリアの護衛役であり親友であるイサキだけだった
リンコウの問いにイサキは小さく首を横に振った
それだけでまだリアが回復していないと言う事が解ってしまう
「セイ達はどうしてるの?」
ユイカとタイリンの様子を横目で見ていたイサキにセンキが聞くと少し先にある部屋を見つめた
そこはセイの部屋だった
セイはリアをハクスイ達に預けた後、フキとアスラと共に両親の元へ行き外で遭った事を告げた
「・・・一番辛かったのは、私達じゃなくて、セイやアスラ、フキだからね」
「・・・・」
アレクセイがエステルの満月の子の力を使い世界のエアルを乱した事により言霊使いの故郷と外界を繋ぐ扉が開かなくなってしまい、リアを助けに行く事もセイ達の加勢に行く事も出来なかった
セイ達もエアルの乱れ、満月の子の力、そしてあのザウデの巨大な魔刻の力をまともに受けてしまいどうする事も出来なかった
だから未だに部屋や修行部屋、そして一人になれる場所に行っていたりしていた
イサキはそのまま空へ視線を移した
(けど、もっとツライ思いをしたのは他の誰でもない、ユーリとフレンよね)
目の前で自分達が一番大事に想っている存在であり、大切な人であるリアが刺されてしまったのだから
イサキの思った事は報告を終えたセイ、アスラ、フキも同じ事を思いそう口にしたのだった
が、ユーリもザウデの魔刻が落ちた後行方知れずになっていた
リアを連れてザウデを離れたセイ達を見送ったフレンはリアが必死にユーリを、と言った事に応えこの場にいないユーリをエステル達や騎士団と共に探した
だが見つからなかった
が、皆ユーリやリアの無事を信じ、自分達の出来る事をしようと各地に散らばったのだった
その思いはセイ達もそしてユーリの事を知っているイサキも同じだった
「リアぁ・・・っ!」
ふとそう声が聞こえ視線を戻すとタイリンがリアの名前をぽつりと呼びユイカと共にまた泣き出してしまった
「・・・セイ達の様子見て来る」
「私達もそろそろ行くか」
「そうですね。ケンク、センキ、すみませんがお願いしますね」
「ええ」「了解」
イサキの言葉を聞き、リンコウとナセアも用事を思い出しセンキとケンクにタイリンとユイカの事を任せリアの両親の部屋へと向かって行き、イサキもセイの様子を見に移動した
*
「行けども暗闇しか見えないわね・・・」
あれからどれくらい歩いたのだろう
見えるのは真っ暗な場所だけ、そして聞こえる音は足下にある水の音と何処からか聞こえる水の落ちる音だけだった
「・・・本当に此処何処なんだろう?」
小さく息を吐いて遠くを見つめた
こうやって立ち止まると過去の記憶が色々と見えてくる
初めて言霊使いの故郷の外に出た時、初めてユーリとフレンと出会った時、みんなと出会って世界中を旅した事・・・
「本当に、色々と・・・、?」
そう思っているとまた景色が変わった
(今度はいつの記憶だろう・・・)
そのまま目を閉じ、その記憶を見てみる
小高い丘のような場所、そこには心地良い風が吹いている
そしてそこに数人の人がいるけど何を話しているのかは解らない
だけど直ぐに景色は代わり今度は見覚えのある場所に変わった
(此処ってザウデ!? でも周りにいる人達は誰・・?)
その人物達が向かった場所はあのザウデ不落宮だった
けどその人物達は私が見知っている人達でもユーリ達でもない、知らない人達だった
(けど、あの人達が着てる服って・・・言霊使いの衣装?)
ほんの数人ではあるが、彼等が着ている服が私達言霊使いが着ている衣装を身に纏っていた
(と言う事はあの人達は言霊使い? でも今と違う気が・・・)
普段私や兄さんが故郷などで着ている着物と何処か違う気がした
そう思っていると彼等はザウデの最深部まで進み、あの巨大な魔刻の所まで向かった
そして頂上に着き魔刻の近くに行くと見た事もない始祖の隷長がいた
「本当に宜しいのですね」
「ええ。それが私達の勤めでもあると思うのです」
「命を代用してまで、か」
「これが私達満月の子が後の世を生きる者達に出来る事だと思うのです」
(ザウデを動かしていたのは満月の子の命を代用したもの!?)
その言葉に驚いていると今度は言霊使いと思われる人達が話し出した
「私達も、そして彼等始祖の隷長も同じです。だから私達は“始祖の隷長側の鍵”になります」
(! 始祖の隷長側の鍵!?)
その言葉を聞きフェローやデュークに言われた事、そしてアレクセイが言っていた事が今やっと解った
(だからフェローやデュークは気を付けろって・・・?)
そう思っていると急に視線を感じ前を見ると、言霊使いの一人の女性が私を見てニコリと笑った
(あの人、私に気付いてる!?)
そして彼等は意志を確認し終えると身を翻して魔刻の周りに向かって行った
「待って!」
私に微笑んだ女性も身を翻して他の人達と同じように歩いて行こうとしているのを見て私は急いで声を掛けその女性の後に続こうとした
が、
「それ以上行ってはダメ!」
「え!?」
そう言われた途端、誰かに腕を掴まれた
続く
あとがき
新章一発目からめっっっっちゃ謎な始まり方です!!ww
でもってユーリ達出てないじゃん!?
うん、まあしょうがないよね
だって今リアちゃんもユーリもかなり危ない状態のはずだからι
だからタイリンとユイカが大泣きしてるんだよね
そして最後に出て来た人は・・・?
次回で色々と明らかになりますww
おーし、書くぞ~!
2011.06.05
その音が聞こえなくなると今度は頬や身体に冷たいものが当たった
「・・・っ・・・」
それは波打つように水は私の方に寄ってくる
(・・・不思議、なんだか落ち着く・・・)
だけどそれは心地良い感じがしてあまり冷たいとは感じなった
(まるで水の上に浮いているみたい)
眼を閉じたままゆっくりと両手を伸ばすと水音が聞こえ本当に水の上に浮いている感覚だった
『 !』
(?)
『 ! !!』
ふと誰かに呼ばれたような気がした
(・・・気のせい?)
呼ばれた感じはするけれど、はっきりとは聞こえない
(・・・やっぱり気のせい、かな・・・? !?)
そう思っていると急に目の前がぶれ始め景色が変わった
「法や評議会がお前を許してもオレはお前を許さねえ」
「僕等は騎士だ。その剣で市民を護る騎士だ!」
「胸、貸してやるから。泣きたいだけ泣け」
(これって、過去の記憶・・・?)
見えたものは私の過去の記憶だった
「今はまだ大丈夫のようだが、自分の身を案じるならその方が良い」
そしてそれはバラバラに違う人達との過去の記憶が見えては次の記憶へと移る
「・・・・」
見えてくる記憶を見てその時の事を思い出していると、
「・・君には感謝するよ、言霊使いの姫君」
「・・・えっ・・・っ!?」
『!?』
次に見えたものはザウデの頂上で刺された時の記憶だった
100.暗き記憶の中に
「っ!!?」
その時の痛みが身体に走った感じがして私は勢い良く身体を起こした
「・・・はあ、はぁ・・・ゆ、め・・・?」
荒い息を吐きながらアレクセイに刺された腹部へと手を伸ばす
「・・・どうもなってない? それに此処、何処?」
腹部へと手を伸ばしてはみたが刺された痕がないように感じた
更に辺りが暗くて何も見えない上に、自分が今何処にいるのかも解らない
今解っている事は真っ暗な場所、そして一面水しかない
その水の中に私は座っていた
「・・・座ってても仕方ない、よね」
誰に問う訳でもなくそう呟いて立ち上がった
「此処が何処なのか解らないけど、・・とにかく行ける所まで行ってみよう」
ずっと先まで見える暗闇の中を私は歩き出した
*
「ぐずっ、ひっく・・・」
「いい加減泣き止めよ」
「だって、だってぇ・・・」
場所は変わって此処は言霊使いの故郷、リアが瀕死でかなり危ない状態だと言う連絡をアスラとフキから受けた神将達、そしてリアの両親とイサキは動揺を隠しきれなかった
が、直ぐにリアの両親が神将、式神達、そしてイサキに指示を出しリアを抱えて戻って来たセイ達に部屋まで運んで貰い、回復役のハクスイ、ミズハ、カムイが急いで手当を始めたのだった
それから数日経った今でもリアの治療は続いていた
別室でリアの回復を待っている者は他にもいるが神将達が使用しているこの部屋ではユイカとタイリンがずっと泣きっぱなしで、そんな二人を見てゲツレイは小さく溜息を吐いていた
「リアが心配なのは解るけど、少しは落ち着きなさい」
「お前等がそんなんじゃリアだって心配するぞ」
「解ってる、解ってるけど! うわぁぁん!!」
センキとケンクも二人を宥めようとするが、二人はまた泣き出してしまう
「・・頭で理解出来ていても、感情の方が強くなってしまいますからね」
そんな二人を見てナセアが苦笑していると襖の開く音が聞こえリンコウはそちらに視線を向けた
「イサキ、どうだリアの様子は」
「・・・・」
「そうか」
唯一リアの部屋に入る事を許されているのはこの故郷でリアの護衛役であり親友であるイサキだけだった
リンコウの問いにイサキは小さく首を横に振った
それだけでまだリアが回復していないと言う事が解ってしまう
「セイ達はどうしてるの?」
ユイカとタイリンの様子を横目で見ていたイサキにセンキが聞くと少し先にある部屋を見つめた
そこはセイの部屋だった
セイはリアをハクスイ達に預けた後、フキとアスラと共に両親の元へ行き外で遭った事を告げた
「・・・一番辛かったのは、私達じゃなくて、セイやアスラ、フキだからね」
「・・・・」
アレクセイがエステルの満月の子の力を使い世界のエアルを乱した事により言霊使いの故郷と外界を繋ぐ扉が開かなくなってしまい、リアを助けに行く事もセイ達の加勢に行く事も出来なかった
セイ達もエアルの乱れ、満月の子の力、そしてあのザウデの巨大な魔刻の力をまともに受けてしまいどうする事も出来なかった
だから未だに部屋や修行部屋、そして一人になれる場所に行っていたりしていた
イサキはそのまま空へ視線を移した
(けど、もっとツライ思いをしたのは他の誰でもない、ユーリとフレンよね)
目の前で自分達が一番大事に想っている存在であり、大切な人であるリアが刺されてしまったのだから
イサキの思った事は報告を終えたセイ、アスラ、フキも同じ事を思いそう口にしたのだった
が、ユーリもザウデの魔刻が落ちた後行方知れずになっていた
リアを連れてザウデを離れたセイ達を見送ったフレンはリアが必死にユーリを、と言った事に応えこの場にいないユーリをエステル達や騎士団と共に探した
だが見つからなかった
が、皆ユーリやリアの無事を信じ、自分達の出来る事をしようと各地に散らばったのだった
その思いはセイ達もそしてユーリの事を知っているイサキも同じだった
「リアぁ・・・っ!」
ふとそう声が聞こえ視線を戻すとタイリンがリアの名前をぽつりと呼びユイカと共にまた泣き出してしまった
「・・・セイ達の様子見て来る」
「私達もそろそろ行くか」
「そうですね。ケンク、センキ、すみませんがお願いしますね」
「ええ」「了解」
イサキの言葉を聞き、リンコウとナセアも用事を思い出しセンキとケンクにタイリンとユイカの事を任せリアの両親の部屋へと向かって行き、イサキもセイの様子を見に移動した
*
「行けども暗闇しか見えないわね・・・」
あれからどれくらい歩いたのだろう
見えるのは真っ暗な場所だけ、そして聞こえる音は足下にある水の音と何処からか聞こえる水の落ちる音だけだった
「・・・本当に此処何処なんだろう?」
小さく息を吐いて遠くを見つめた
こうやって立ち止まると過去の記憶が色々と見えてくる
初めて言霊使いの故郷の外に出た時、初めてユーリとフレンと出会った時、みんなと出会って世界中を旅した事・・・
「本当に、色々と・・・、?」
そう思っているとまた景色が変わった
(今度はいつの記憶だろう・・・)
そのまま目を閉じ、その記憶を見てみる
小高い丘のような場所、そこには心地良い風が吹いている
そしてそこに数人の人がいるけど何を話しているのかは解らない
だけど直ぐに景色は代わり今度は見覚えのある場所に変わった
(此処ってザウデ!? でも周りにいる人達は誰・・?)
その人物達が向かった場所はあのザウデ不落宮だった
けどその人物達は私が見知っている人達でもユーリ達でもない、知らない人達だった
(けど、あの人達が着てる服って・・・言霊使いの衣装?)
ほんの数人ではあるが、彼等が着ている服が私達言霊使いが着ている衣装を身に纏っていた
(と言う事はあの人達は言霊使い? でも今と違う気が・・・)
普段私や兄さんが故郷などで着ている着物と何処か違う気がした
そう思っていると彼等はザウデの最深部まで進み、あの巨大な魔刻の所まで向かった
そして頂上に着き魔刻の近くに行くと見た事もない始祖の隷長がいた
「本当に宜しいのですね」
「ええ。それが私達の勤めでもあると思うのです」
「命を代用してまで、か」
「これが私達満月の子が後の世を生きる者達に出来る事だと思うのです」
(ザウデを動かしていたのは満月の子の命を代用したもの!?)
その言葉に驚いていると今度は言霊使いと思われる人達が話し出した
「私達も、そして彼等始祖の隷長も同じです。だから私達は“始祖の隷長側の鍵”になります」
(! 始祖の隷長側の鍵!?)
その言葉を聞きフェローやデュークに言われた事、そしてアレクセイが言っていた事が今やっと解った
(だからフェローやデュークは気を付けろって・・・?)
そう思っていると急に視線を感じ前を見ると、言霊使いの一人の女性が私を見てニコリと笑った
(あの人、私に気付いてる!?)
そして彼等は意志を確認し終えると身を翻して魔刻の周りに向かって行った
「待って!」
私に微笑んだ女性も身を翻して他の人達と同じように歩いて行こうとしているのを見て私は急いで声を掛けその女性の後に続こうとした
が、
「それ以上行ってはダメ!」
「え!?」
そう言われた途端、誰かに腕を掴まれた
続く
あとがき
新章一発目からめっっっっちゃ謎な始まり方です!!ww
でもってユーリ達出てないじゃん!?
うん、まあしょうがないよね
だって今リアちゃんもユーリもかなり危ない状態のはずだからι
だからタイリンとユイカが大泣きしてるんだよね
そして最後に出て来た人は・・・?
次回で色々と明らかになりますww
おーし、書くぞ~!
2011.06.05