救出編
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「はあっ!!」
「せえいっ!!」
ザウデの中央と思われる所にやって来ると、私達を待ち受けていたのは海凶の爪の首領のイエガーだった
イエガーは私達の姿を見ると武器を構え、敵としてこの場で私達を待っていた
ユーリの掛け声と共に私達も武器を構え、一斉に駆け出し戦闘態勢に入った
96.The trouble ahead
「ヴァイオレントペイン!」
「エンジェルリング!」
イエガーと戦いだして数分、数としてはこちらの方が上だけどイエガーは私達と同等のように戦っている
「流石は海凶の爪の首領ってか」
「油断したらこっちがやられるのじゃ」
兄さんとパティの言葉に小さく頷き、エステルの補助魔法が掛かったのを確認し隙を見つけてイエガーに攻撃を仕掛けた
「はあっ!」
「っ、流石言霊使いのプリンセスですね」
「! 貴方もその事を知ってるのね」
イエガーの言葉に驚いて剣を引きそうになったが直ぐに立て直しお互いに武器を弾き、距離を取った
「・・・(これ以上は言わないつもりね)」
距離を取る時にイエガーは口角を上げて笑った
それだけで彼がこれ以上何も言わないと言うのが解った
どうしてアレクセイやイエガーが私が言霊使いの姫だと言う事を知っているのかは解らない
でもヘラクレスやザーフィアス城で捕らえられていた時、アレクセイは何かの計画に私を使うつもりだった
それがまだ何かは解らないけれど・・・
「・・・今は戦いに集中しなきゃ」
この先に行く為にはイエガーを倒さなきゃいけない
彼にも色々と聞きたい事はあるけれど、その為にもこの戦いを終わらせなきゃ
そう思い気を引き締めた時だった
「!?」
急にイエガーから眩い光が発せられその光が消えた途端、イエガーの心臓部分に魔導器が埋め込まれていた
「なっ・・・!?」
「レイヴンと同じ・・・!?」
「え・・・?」
「レイヴンもあいつと同じで心臓に魔導器を埋め込まれてるんだよ」
「自前は人魔戦争の時に無くしたらしい・・・」
アスラと兄さんの言葉を聞き驚いてアスラを見ると兄さんが説明してくれた
「・・・じゃあ、イエガーも・・?」
「そこまでは解らない。けど・・・」
「奴もどっかで埋め込まれたって考えた方が良いだろうな」
「・・・・」
そう思うとイエガーがアレクセイに従っていたのも納得がいく
けど、何処か違和感があった
ユーリ達が言うにはイエガーはエステルや私を助ける時に何度か手助けをしてくれたらしい
けど今彼は私達の敵として戦っている
「リア!!」
「! っ!!」
考えながら戦っているとイエガーの攻撃がみんなに直撃し、その隙に私の方に向かって来るのが見えたエステルが声を掛け、急いで剣で防いだ
「ガードされましたか」
「・・・貴方に聞きたい事があるの」
「?」
「 」
「・・・・・」
みんなに聞こえないように小声で言うとイエガーは少しだけ眉を寄せ、私の言葉を聞くと表情を曇らせた
「・・・(やっぱり・・・)」
イエガーの表情見て、ある考えが当たったのだと納得いった
それでもまだ気になっている事がある
それを聞こうとした時だった
「言霊使いのプリンセス、ユーは早く此処からエスケイプするでーす」
「え?」
言うとお互いにまた武器を弾き距離を取った
「貰ったぁ!」「そこだっ!」
「ぐっ!」
イエガーが着地し体制を立て直そうとした所をユーリとフレンが一撃を与えイエガーは膝を突きそのまま床に倒れた
「ナ・・・ナイスファイト・・・」
「柄じゃねえんだけど、ドンの仇取らせてもらうわ」
イエガーが倒れたのを見るとレイヴンは数歩前に出て武器を構えてイエガーに向けた
「油断しちゃダメ。まだ何か隠してるかもしれないわ」
「ノンノン。もう何もありません。最後・・そう、最後です」
「・・・・」
「その胸・・・貴方もアレクセイに?」
「さあ・・・どうでしょう、ネヴァマインド」
「どうして? 何故一人で戦ったんです? 仲間も、何も用意もなしに・・・」
「・・・ふ」
リタの隣にいたエステルがイエガーに駆け寄りそう問うとイエガーは小さく笑った
そして、
「・・・グッバイ」
爽やかにそう告げた
「待って! さっきのどう言う意味!」「待て、アレクセイは何処にいる!? 奴は何をしようとしている!?」
私とフレンは急いでイエガーに駆け寄りお互いに聞きたかった事を聞いた
だがイエガーは満足そうに笑い眼を閉じ心臓に埋め込まれている魔導器の光が消えた
「・・・・」
光が消え、更にシンと静まり返った
「・・・・なんでえ」
武器を構えていたレイヴンの辛そうな悔しそうな声が聞こえゆっくりと視線を向けると、武器をゆっくりと降ろした
「海凶の爪・・・哀れな末路じゃ・・・」
「あ・・・」
ぽつりと聞こえたカロルの声に反応し後ろを振り向くと、ゴーシュとドロワットがいた
私達の視線に気付くと二人は踵を返して走って行ってしまった
「二人とも、泣いてた・・・」
フレンの言う通り、ゴーシュとドロワットは涙を流して走って行った
「何よ・・・何だって言うのよ」
「・・・・」
イエガーを倒し、ゴーシュとドロワットが泣いてこの場を立ち去って行ったのを見送り、事情が掴めていないリタ達は何とも言えない思いを抱いて、リタはそう呟いた
「・・・イエガーの命令だったから、よ」
「え?」
ぽつりと呟いた言葉に一斉に私に視線が集まった
「イエガーの命令だったから、あの子達も海凶の爪の仲間も此処にはいなかったのよ」
「・・・あの子達も仲間も巻き込まない為に一人で戦ったのね」
ジュディスの言葉に私は頷いた
イエガーがアレクセイの命令に従っていた本当の理由は今となってはもう分らない
けど、あの子達や仲間を巻き込みたくないと言うのはイエガーと話しをしてイエガーの表情を見て本当の事だったのだと解った
「ヒドイ人・・・だったけど」
「本当はいい奴、だったのかもしれんの」
「「・・・・」」
エステルとパティの言葉にレイヴンとカロルは複雑な表情を浮かべていた
確かにドンを自害させる原因になったのはイエガーがハリーに偽情報を流したからだった
だからレイヴンはドンに託された事をしようとし、ドンに憧れていたカロルもイエガーを許せない気持ちがあった
それでも今は此処に居る誰よりも複雑な思いを抱いているのだろう
「・・・いつまでも此処にいても埒が飽かねえ」
「ああ。そろそろ行くぞ」
誰もこの何とも言えない空気から抜け出せない状態でいると、気持ちを切り替えるように息を吸いユーリと兄さんはそう言った
その言葉で私達はやっと立ち上がりこの先にある大きな扉を見つめた
「そうだな。此処でじっとしていても仕方がないな」
「アレクセイはこの先にいるんだろうしね」
「ワン」
「行きましょう」
「ええ」
「・・・・・」
ユーリ達の言葉でみんな目の前の扉の方へと向かって行く
私はもう一度イエガーへと視線を向ける
結局肝心のあの言葉の意味を聞く事が出来なかった
『ユーは早く此処からエスケイプするでーす』
(・・・早く此処から逃げろ・・・。それって・・・!?)
イエガーの言葉がまた頭を過ぎった途端、また頭に警鐘が響きその直後身体に痛みが走った
続く
あとがき
やっとイエガー戦終わった・・・
けど此処も切ないよね
イエガーはいい人だけど悲しい過去背負ってるからアレクセイに従ってたんだろうね・・・
何とか此処は終わったけど、意味深な言葉を残されましたね
そしてまたしてもリアちゃんに異変が??
あとちょっとで救出編も終わると思いますww
良し、じゃあ次書くぞ~!
The trouble ahead:障害の先へ
2011.05.18
「せえいっ!!」
ザウデの中央と思われる所にやって来ると、私達を待ち受けていたのは海凶の爪の首領のイエガーだった
イエガーは私達の姿を見ると武器を構え、敵としてこの場で私達を待っていた
ユーリの掛け声と共に私達も武器を構え、一斉に駆け出し戦闘態勢に入った
96.The trouble ahead
「ヴァイオレントペイン!」
「エンジェルリング!」
イエガーと戦いだして数分、数としてはこちらの方が上だけどイエガーは私達と同等のように戦っている
「流石は海凶の爪の首領ってか」
「油断したらこっちがやられるのじゃ」
兄さんとパティの言葉に小さく頷き、エステルの補助魔法が掛かったのを確認し隙を見つけてイエガーに攻撃を仕掛けた
「はあっ!」
「っ、流石言霊使いのプリンセスですね」
「! 貴方もその事を知ってるのね」
イエガーの言葉に驚いて剣を引きそうになったが直ぐに立て直しお互いに武器を弾き、距離を取った
「・・・(これ以上は言わないつもりね)」
距離を取る時にイエガーは口角を上げて笑った
それだけで彼がこれ以上何も言わないと言うのが解った
どうしてアレクセイやイエガーが私が言霊使いの姫だと言う事を知っているのかは解らない
でもヘラクレスやザーフィアス城で捕らえられていた時、アレクセイは何かの計画に私を使うつもりだった
それがまだ何かは解らないけれど・・・
「・・・今は戦いに集中しなきゃ」
この先に行く為にはイエガーを倒さなきゃいけない
彼にも色々と聞きたい事はあるけれど、その為にもこの戦いを終わらせなきゃ
そう思い気を引き締めた時だった
「!?」
急にイエガーから眩い光が発せられその光が消えた途端、イエガーの心臓部分に魔導器が埋め込まれていた
「なっ・・・!?」
「レイヴンと同じ・・・!?」
「え・・・?」
「レイヴンもあいつと同じで心臓に魔導器を埋め込まれてるんだよ」
「自前は人魔戦争の時に無くしたらしい・・・」
アスラと兄さんの言葉を聞き驚いてアスラを見ると兄さんが説明してくれた
「・・・じゃあ、イエガーも・・?」
「そこまでは解らない。けど・・・」
「奴もどっかで埋め込まれたって考えた方が良いだろうな」
「・・・・」
そう思うとイエガーがアレクセイに従っていたのも納得がいく
けど、何処か違和感があった
ユーリ達が言うにはイエガーはエステルや私を助ける時に何度か手助けをしてくれたらしい
けど今彼は私達の敵として戦っている
「リア!!」
「! っ!!」
考えながら戦っているとイエガーの攻撃がみんなに直撃し、その隙に私の方に向かって来るのが見えたエステルが声を掛け、急いで剣で防いだ
「ガードされましたか」
「・・・貴方に聞きたい事があるの」
「?」
「 」
「・・・・・」
みんなに聞こえないように小声で言うとイエガーは少しだけ眉を寄せ、私の言葉を聞くと表情を曇らせた
「・・・(やっぱり・・・)」
イエガーの表情見て、ある考えが当たったのだと納得いった
それでもまだ気になっている事がある
それを聞こうとした時だった
「言霊使いのプリンセス、ユーは早く此処からエスケイプするでーす」
「え?」
言うとお互いにまた武器を弾き距離を取った
「貰ったぁ!」「そこだっ!」
「ぐっ!」
イエガーが着地し体制を立て直そうとした所をユーリとフレンが一撃を与えイエガーは膝を突きそのまま床に倒れた
「ナ・・・ナイスファイト・・・」
「柄じゃねえんだけど、ドンの仇取らせてもらうわ」
イエガーが倒れたのを見るとレイヴンは数歩前に出て武器を構えてイエガーに向けた
「油断しちゃダメ。まだ何か隠してるかもしれないわ」
「ノンノン。もう何もありません。最後・・そう、最後です」
「・・・・」
「その胸・・・貴方もアレクセイに?」
「さあ・・・どうでしょう、ネヴァマインド」
「どうして? 何故一人で戦ったんです? 仲間も、何も用意もなしに・・・」
「・・・ふ」
リタの隣にいたエステルがイエガーに駆け寄りそう問うとイエガーは小さく笑った
そして、
「・・・グッバイ」
爽やかにそう告げた
「待って! さっきのどう言う意味!」「待て、アレクセイは何処にいる!? 奴は何をしようとしている!?」
私とフレンは急いでイエガーに駆け寄りお互いに聞きたかった事を聞いた
だがイエガーは満足そうに笑い眼を閉じ心臓に埋め込まれている魔導器の光が消えた
「・・・・」
光が消え、更にシンと静まり返った
「・・・・なんでえ」
武器を構えていたレイヴンの辛そうな悔しそうな声が聞こえゆっくりと視線を向けると、武器をゆっくりと降ろした
「海凶の爪・・・哀れな末路じゃ・・・」
「あ・・・」
ぽつりと聞こえたカロルの声に反応し後ろを振り向くと、ゴーシュとドロワットがいた
私達の視線に気付くと二人は踵を返して走って行ってしまった
「二人とも、泣いてた・・・」
フレンの言う通り、ゴーシュとドロワットは涙を流して走って行った
「何よ・・・何だって言うのよ」
「・・・・」
イエガーを倒し、ゴーシュとドロワットが泣いてこの場を立ち去って行ったのを見送り、事情が掴めていないリタ達は何とも言えない思いを抱いて、リタはそう呟いた
「・・・イエガーの命令だったから、よ」
「え?」
ぽつりと呟いた言葉に一斉に私に視線が集まった
「イエガーの命令だったから、あの子達も海凶の爪の仲間も此処にはいなかったのよ」
「・・・あの子達も仲間も巻き込まない為に一人で戦ったのね」
ジュディスの言葉に私は頷いた
イエガーがアレクセイの命令に従っていた本当の理由は今となってはもう分らない
けど、あの子達や仲間を巻き込みたくないと言うのはイエガーと話しをしてイエガーの表情を見て本当の事だったのだと解った
「ヒドイ人・・・だったけど」
「本当はいい奴、だったのかもしれんの」
「「・・・・」」
エステルとパティの言葉にレイヴンとカロルは複雑な表情を浮かべていた
確かにドンを自害させる原因になったのはイエガーがハリーに偽情報を流したからだった
だからレイヴンはドンに託された事をしようとし、ドンに憧れていたカロルもイエガーを許せない気持ちがあった
それでも今は此処に居る誰よりも複雑な思いを抱いているのだろう
「・・・いつまでも此処にいても埒が飽かねえ」
「ああ。そろそろ行くぞ」
誰もこの何とも言えない空気から抜け出せない状態でいると、気持ちを切り替えるように息を吸いユーリと兄さんはそう言った
その言葉で私達はやっと立ち上がりこの先にある大きな扉を見つめた
「そうだな。此処でじっとしていても仕方がないな」
「アレクセイはこの先にいるんだろうしね」
「ワン」
「行きましょう」
「ええ」
「・・・・・」
ユーリ達の言葉でみんな目の前の扉の方へと向かって行く
私はもう一度イエガーへと視線を向ける
結局肝心のあの言葉の意味を聞く事が出来なかった
『ユーは早く此処からエスケイプするでーす』
(・・・早く此処から逃げろ・・・。それって・・・!?)
イエガーの言葉がまた頭を過ぎった途端、また頭に警鐘が響きその直後身体に痛みが走った
続く
あとがき
やっとイエガー戦終わった・・・
けど此処も切ないよね
イエガーはいい人だけど悲しい過去背負ってるからアレクセイに従ってたんだろうね・・・
何とか此処は終わったけど、意味深な言葉を残されましたね
そしてまたしてもリアちゃんに異変が??
あとちょっとで救出編も終わると思いますww
良し、じゃあ次書くぞ~!
The trouble ahead:障害の先へ
2011.05.18