戦国無双(トリップ夢)

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「~~♪」

此処ので生活ももう慣れ、今は部屋で一人本を読んでいた

みんな今日はやる事があるから来るのは遅くなると言っていたので、久し振りの一人の時間もあってか少しだけ気分が晴れやかになり鼻歌を歌いながら本を読んでいた


ドタドタドタドタ・・・・


と、突然誰かが廊下を走る音が聞こえ出した


(正則さんかな? それにしてもちょっとだけ違う感じが・・・?)


そう思っていると勢いよく障子が開き部屋に一人の少女が飛び込んできた

「はわわ、すまぬ。少しだけ匿って欲しいのじゃ!」

「え?」

言うと女の子は障子を閉め私の後ろに隠れ、その直後また誰かが何かを叫びながら廊下を走っていく音が聞こえた




05.歌姫と姫様騒動




「・・・行ったみたいね」

「はう・・・助かったのじゃ」

暫く慌ただしかったがその音と声が聞こえなくなり静けさを取り戻し後ろに隠れている女の子に声を掛けると安堵の息を吐いて胸を撫で下ろしていた

どうやらさっきの人達から逃げていたようだ

「そちのお陰で助かったのじゃ。ありがとうなのじゃ」

「いいえ」

そう言って女の子を見るとこの時代には珍しい南蛮の洋服を着ていて、まるで人形のような感じでとても可愛らしい子だった

「そち、名はなんと申す」

璃唖です。気軽にリアって呼んで下さい」

リアじゃな。ならわらわにも気軽に話して欲しいのじゃ」

お互いに敬語なし、と言う事になり私も普段通り話す事にした

「それでどうして追い掛けられていたの?」

「父上と一緒に来たのじゃが話しが長くなるから待つように言われたのじゃが、待つのはつまらぬゆえ出て来たのじゃ」

確かに現代と比べると待っている間にする事と言えば限られている

現に私も殆どする事がなく、読み書きをしているか少し散歩をしているかのどっちかだ

リアはずっと此処に住んでおるのか?」

「ううん、私もちょっと前に此処に来てお世話になってるの」

「ほむ? そうなのか」

それから少しだけ自分の事を話した

と言っても別の世界から来た事は秀吉さん達以外には言わないと決めているし、絶対に話さない事と言われているので此処での設定であるねねさんの遠縁で訳あって此処で暮らす事になった事を話した

「おお、ならそちが父上が会わせたいと言うておった者か」

「私に?」

「うむ。父上の話しが終わった後に会うと言うておったが先にリアに会えて嬉しいのじゃ」

特にそう言った話しを聞いていなかったので驚きもしたけど本当に嬉しそうにしている彼女を見て私も微笑んでいた

「ならリアはまだ城の中も外もあまり知らぬのじゃな」

「ええ。城内でも限られた所しか行けないから」

「そうなのか? ならこれからわらわと一緒に出掛けるのじゃ」

「え? 出掛けるって何処に?って、え? え! ちょ、ちょっと待って!」

私の話を聞き何かを思い付いた顔をしてぽんと手を叩きそう言うと私の手を取ってそのまま障子を勢い良く開け彼女に引っ張られる形になりながら廊下を走り出した

そして、

「うわあ・・・」

今私達は城下町の入り口にいた

途中で彼女を追っていた人達に会うのでは? と思っていたがその心配もなく、そして他の兵士達の目も無事にかいくぐり城を抜けて此処まで来たのだった

「どうじゃ、外は?」

「うん。思ってたより賑やかで活気があるね」

街並みは歴史の授業や博物館、時代劇などでも見た事があったけど実際に目の当たりにするとやっぱり目を惹かれるものがあった

「じゃろう! わらわも初めて外に出た時そう思ったのじゃ」

当時の事を思い出したのか私の反応を見てうむうむと頷いていた

が、此処で肝心な事を思い出す

「あ、でも、私、お金持ってないよ」

「ほむ? わらわもじゃぞ?」

そう言われ彼女を見て少しだけ考えてしまった

身なりや言葉遣いからしてかなり地位のある所の生まれだろうとは思ってはいたけど、まさか二人してお金を持たないまま来てしまうとは・・・

「お金がないんじゃ何も出来ないよね」

「そうじゃな」

いくら現代のお金を持っているとは言えこの世界では通用しない

「でもせっかく来たんだし、今日は見るだけにしよう?」

「ほむ、そうじゃな」

しょぼんとしてしまった彼女を見て優しく微笑んで言うと元気が出たようで嬉しそうに笑った

「では早速行くのじゃ」

「ええ」

そう言って私達は歩き出した


その頃、

「少し遅くなったな」

執務を終え清正はリアがいる部屋へと向かっていた

「あいつ待ってるだろうな」

多少警戒心は解けたものの、まだこの世界で慣れない事もあり面倒を見ると言う事でリアの部屋へと向かっていた

が、何故か障子が開け放たれていた

誰か来ているのかとも思ったが話し声も聞こえない

不思議に思い部屋を見るとリアの姿はなかった

「あいつ、何処行ったんだ?」

清正がそう思っていると別の所で姫様がいなくなった!? と騒いでいる声が聞こえ始めた





「はわあ、可愛いのじゃあ」

「うん。こっちも綺麗」

あれから私達は色々なお店を見て回った

ずっと城の中にいたのもあったし、知らない世界で慣れない事も多く、こうやって女の子同士で一緒にはしゃいだりする事がなかったからなんだか一気にストレスが解放された気分になっていた

実際に買えないのは残念ではあるけど、こうやって一緒に見て回るだけでも凄く楽しかった

~~~♪

そう思っていると何処からか笛の音色が聞こえた

「ほむ、なんじゃ?」

「あっちからみたいね」

笛の音色を聞き、聞こえた方に向かって行くと太鼓や三味線などさまざまな音が聞こえ出す

通りを抜けると人だかりが出来ていて、さまざまな音色がその人だかりの中から聞こえてきていて私達もその人だかりの中に入り中心に目を移す

そこにはさまざまな楽器で音色を奏でている人達がいた

「良い音色なのじゃ」

「ええ」

此処にいる人達も皆同じ事を思っているのか自然と目を閉じて音色に聞き入っていて私も目を閉じて音色を聞いていたが、なんだか聞いた事があるようなメロディで自然と小さくそのメロディを口ずさんでいた

「おや、お嬢さん。この曲を知ってるんですか?」

「え?」

演奏をしていた一人が私のメロディに気付いたのかそう声を掛けられた

「いえ・・・。だた聞き入っていたら自然と口ずさんでいたと言うか・・・」

「でも直ぐに出来るなんて凄いわ」

「ね、せっかくだから貴女もこっちに来て一緒に歌ってよ」

「ええ!?」

「わらわも聞きたいのじゃ!」

「貴女まで・・・」

いきなりの申し出に驚いていると隣にいた彼女もそう言った

「でも私、詩知りませんよ?」

「大丈夫だよ。俺達も曲しか知らないんだから」

「さっきみたいに合わせてくれれば良いから、ね」

そう言われなんだか断れない雰囲気になり一緒に歌う事になった


「~~~♪」

~~~♪


賑やかなこの城下町の一角で奏でられる音色と歌声、それにつられてなのか段々と人が集まっていた

演奏が終わり、無事に歌い終えた事に安堵の息を吐いていると大きな拍手と声援が聞こえ、驚いて目を開けると最初に見た時よりも人が増えていた

集まっている人達や彼女の顔を見るとみんな笑顔でやって良かったなと思い自然と微笑んでいた

「今日はあんたのお陰で良い演奏が出来たよ」

あれから暫くして集まっていた人達がいなくなり、演奏していた人達にお礼を言われた

「私も楽しかったです。有り難う御座いました」

「あ、お嬢さん」

「はい?」

そう言って私達も立ち去ろうとしていると笛を奏でていた男性が私を呼び止め小さめの風呂敷を私に手渡した

「あの、これは?」

「報酬だよ」

「え! 報酬って?」

「これだけ沢山貰えたのはあんたのお陰さ」

「一緒に稼いでくれたんだから貰って頂戴」

「でも・・・」

どうしてと思っているとそう言われたが音からして結構入っているもの解り渋っていると一緒に演奏していた人達が嬉しそうに微笑んで言う

「貴女の歌声、とても素敵だったわ」

「こんなに楽しく演奏出来たのもあんたがいてくれたお陰だよ」

「だからこれは俺達のお礼も含まれてるのさ」

リア、受け取ると良いぞ」

彼等に続き彼女も微笑んでそう言い、

「あの、今日は本当に有り難う御座いました。私も楽しかったです!」

満面の笑みを向けてお礼を言うと私達はそこから離れて行った


リア、わらわは感動したのじゃ!」

そして今は小さな甘味屋にいた

団子とお茶を頼み店の外の椅子に座っていると先程の事を彼女が話し出した

リアは歌が上手なのじゃな」

「そんな事ないよ。でも褒めてくれて有り難う」

もう何度目か解らない褒めと有り難う

だけど私はまだ言っていない事があり彼女を見て言う

「それとね、貴女にも有り難うって言わせて」

「ほむ?」

「こうやって女の子同士で気軽に話したり何処かに出掛けたりって言う事、暫くなかったから凄く嬉しかったし楽しかったの」

今こうやって団子を食べているのもあの時彼女が背中を押してくれたから出来ている事だ

「だから有り難う」

それも含め満面の笑みを浮かべてお礼を言うと彼女は一瞬驚いた顔をしたけど、直ぐに微笑んで返事を返してくれた

「わらわも楽しかったのじゃ。それにダチとして当然の事をしたまでじゃ」

「・・・ダチ・・?」

「そうじゃ、わらわとリアはもうダチなのじゃ!」

嬉しそうに言う彼女を見て私も嬉しくなってうん!と返事を返すとお互いに笑い合った

「ようやく見つけましたよ」

そう声が聞こえると一人の女性がこちらに走ってきていた


そして、

「貴様は子供か」

「・・・すいません」

「無事だったから良かったが、心配を掛けるな」

「・・・はい」

「娘が貴女を勝手に連れ出しご迷惑をおかけしてしまって本当に申し訳ありません」

「い、いえ。迷惑だなんて。お気になさらないで下さい」

甘味屋で私達を見つけたのは彼女の侍女だった

侍女に連れられて城に戻ると彼女の父、明智 光秀さんが心配そうな顔をして駆け付け、その後ろに不機嫌全開の三成さんと清正さんがいた

少しだけ離れた場所で説教をされていると光秀さんが申し訳ない顔をして謝って来たので慌てて返事を返した

「それに彼女のお陰で今日一日凄く楽しかったですから」

「そのお陰でこっちは大変だったがな」

「そち達!」

微笑んで言う私とは別に大きな溜息に似たようなものを吐きながら三成さんがそう言って私を睨み少しだけ言葉に詰まっているとガラシャが私の前に着て三成さんと清正さんを少しだけ睨み付ける

「わらわの大事なダチを傷つけるのは許さないのじゃ!」

その言葉に私だけじゃなく三成さん、清正さん、そして光秀さんも驚いていた

その隙にガラシャはくるりと向きを変え私の方を見た

リア、握り拳を出すのじゃ」

「え?」

「早うせい」

「こ、こう?」

言う通りに握り拳を作って出すと自分も同じように握り拳を向けコツンと当てた

「知らぬのか? これがダチの挨拶なのじゃ!」

キョトンとしていた私にそう言うとニッコリと笑い少しだけ距離を縮める

「また、遊びに来ても良いかの?」

「ええ。今度はお茶菓子も用意して待ってるね」

「約束じゃぞ!」

言うとガラシャは手を振りながら侍女と一緒に歩いて行き、私も微笑んで手を振り替えした

「では、私もこれで失礼します」

「はい。あの今日は改めて有り難う御座いました」

「いえ。あの子も貴女と仲良くなれたようで良かったです」

光秀さんは少し嬉しそうな顔をしてお礼を言って立ち去り、私達も城内へと戻り始めた



続く



あとがき


ほい! 我が嫁ことガラシャたん登場の回でした~!!

や~なんか思ってたより長く書けた! 一番長く書いちゃったよww

女の子キャラを出すなら絶対にこの子が最初!って決めてたので頑張って書きました!

ゲーム本編でもガラシャたんは名前呼ばれないので呼ばない形にはしたけど心情では解りやすいように呼ばせましたww

初めての城下町、そして人々とこの時代での同姓の友達

お互いに良い経験が出来て良かったね! 光秀パパも二人が友達になれた事に喜んでたしね!

まあ、最後は見事に説教だったけどww

そして最後の握り拳の所はクロセカやった人なら解るネタでしたw 此処好きなので使ってましたw

二人は友達ダチであり姉妹、みたいな感じが伝わってれば嬉しいです(*^_^*)

さて、お次はこの後をちょろっと書いてからそろそろあの人を登場させようかなww




2013.02.10
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