戦国無双(トリップ夢)
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「それじゃあいってきます」
「うん、楽しんでおいで!」
「はい」
ねねさんに返事を返し向きを変えて前を歩く小姓の後ろに続くように歩き出した
此処は近江の国、北近江にある小谷城
何故私が此処にいるか、それは数週間前、お市さんはこの近江の北近江にある小谷城の当主、浅井長政の元に嫁いだ
それから暫く日が空いてからお市さんから文が届き、是非訪れて欲しい。また話しをしたり歌を聴かせて欲しい。と書かれていてねねさんと相談して日程を決め返事を書き、今日小谷城を訪れたのだった
まだ外に不慣れな所もあるし、此処までの護衛も必要だろうと思いねねさんが城の前まで送ってくれ、今は女官の後ろに着いて城の中を案内されていた
11.浅井家の人々
「お市様、お客様をお連れ致しました」
「通して下さい」
襖の向こうからお市さんの声が聞こえ返事が返ってくるとスッと襖が開き私は此処まで案内してくれた女官の人にお礼を言って部屋の中に入った
「リア、良く来て下さいました!」
「お久しぶりです、お市さん」
私の姿を確認したと同時にお市さんはいつもの優しい笑みを向けて駆け寄って来て私も安堵して微笑み返した
「さ、こちらへどうぞ。皆にも貴女の事を紹介したいのです」
お市さんは嬉しそうな顔をして私の手を引き奥にいる人物達の元へ案内した
「長政様、高虎、吉継、紹介しますね。私の友の璃唖です」
「初めまして、璃唖と言います」
「おお、そなたが璃唖か。そなたの事は市や兄上達から聞いている」
礼儀正しく会釈をして目の前にいる男性に挨拶した
「某は浅井 長政。そしてこちらの二人が藤堂高虎と大谷吉継だ」
長政さんが挨拶をし終わると向かって左側にいる二人の紹介もしてくれた
首に長い手ぬぐいを巻いている黒髪の男性が藤堂 高虎さん、そして全身を覆うような服を着て頭巾を被り口元が隠れるように布を覆っている男性が大谷 吉継さんだ
二人は紹介が終わると同時に同じように会釈をし、私も会釈をした
「あ、これ、ねねさん特製のお饅頭です。皆さんで召し上がって下さい」
「おお、すまない」
「ありがとうございます。ねねのお饅頭は美味しいんですよ」
持っていた包みを長政さんとお市さんの前に出すと二人からお礼を言われ、お市さんは食べた事があるようで嬉しそうにお饅頭の入った包みを手にし、お市さんに同意するように返事を返すと
「・・・饅頭・・・」
とかすかにだが声が聞こえたような気がして疑問符を出して高虎さんと吉継さんの方を見るが二人とも先程と変わらずで気のせいかな?と思っているとお市さんは早速お茶の準備をしてきますねと言ってお饅頭を持って席を外した
「璃唖はいつ頃からねね殿の元へ来たのだ?」
「そうですね・・・二ヶ月くらい前になります」
お市さんが戻って来る間は雑談をしていたが、ふと長政さんにそう言われ、もう二ヶ月も経ったのかと思った
この世界に来てからもう二ヶ月が経ち、その間に色々な事が遭ったし、色々な人とも出会った
まだ自分がこの世界で為べき事が定まっていないけど、今はもっと色々な人達と出会ってそれからどうするか決めようと思っていた
「長政様、お話中申し訳御座いません」
「どうした?」
部屋を訪れた男性の元へ向かい少し話しをしていると丁度お市さんも戻って来たがその話しを聞くと二人とも顔を見合わせ私達の方を見た
「すまない、少しだけ席を外す」
「直ぐに戻りますので、先にお饅頭を食べていて下さい」
そう言ってお市さんはお茶とお饅頭の載ったお盆を私達の前に置いて男性と共に部屋を後にし、私と高虎さんと吉継さんだけになってしまった
「お茶、煎れましょうか?」
「いえ、俺がやりましょう」
お茶でも煎れようかと思って尋ねると吉継さんがそう言い高虎さんと共に席を立った
「お市様の客人にそのような事はさせられませんので」
高虎さんはそう言って私の前にお饅頭を出してくれて次に吉継さんがお茶を出してくれた
「ありがとうございます。ねねさんのお饅頭本当に美味しいので是非どうぞ」
二人が座ったのを確認してニコリとして言うと一瞬だが二人の動きが止まったような気がしたが直ぐにお饅頭に目を向けたが高虎さんはじっとお饅頭を見ていた
「・・・あの、どうかしましたか?」
「あ、いえ」
「もしかして甘い物、苦手でしたか?」
「いえ、そのような事は! いただきます」
そう言うと高虎さんはお饅頭を一口食べ美味いと言い、そんな高虎さんを見て私も微笑み吉継さんも小さく笑いお饅頭を食べ始めた
それから少しして長政さんとお市さんも戻って来て五人で話しをしながらお饅頭を食べ楽しい時間が続いた
「ご馳走様でした」
「やはりねねのお饅頭は美味しかったですね」
「はい。とても美味しかったです」
「高虎も気に入っていたようだしな」
「吉継・・余計な事を言うな」
「ふふっ」
「今度ねね殿に何か礼をせねばな」
皆さんに気に入ってもらえて良かったな思っているとそういえば、と言って長政さんが私を見た
「市から聞いたのだが、璃唖はかなり歌が上手いそうだな」
「え、」
そう言われ、お市さんと初めて会った時に歌の事を褒められあの後の宴の時もずっと話しをして今までも文のやり取りもしていて歌の事を話したと書いてあったのを思い出した
「そうなんです。リアはとても歌が上手くて歌姫と言って良いほどなんですよ」
「歌姫、ですか?」
「ほお・・・」
お市さんの言葉を聞くと高虎さんと吉継さんも興味が沸いたのか私を見る
「是非璃唖の歌を某達にも聴かせてくれないか?」
期待の眼差しを全員から向けられ私はわかりました、と言って立ち上がった
「私の住んでいた所で使われていた言葉もあるので、分からない言葉があったらすみません・・・・~~~~♪」
少しだけ知らない言葉が出てくるかもしれない、と思って一言そう言って息を吸って歌いだした
歌い出した途端、さっきまので空気や雰囲気が一気に変わり、歌を聴いた長政さんと高虎さんと吉継さんが驚いていた
それを横目で見たお市さんは小さく笑い、歌に聴き入っていた
「~~♪・・・ふう」
歌い終わると拍手が聞こえ見ると皆満足げに微笑んで拍手していた
「リア、素敵でした」
「ああ、本当に見事な歌声だったぞ」
「お市様や長政様がお褒めになるのもわかります」
「歌姫と言うのも納得ですね」
「ありがとうございます」
歌姫と言う所は未だに慣れなくて苦笑な感じではあったがそれでも素直にこうやって喜んでくれた事が嬉しくて私も微笑んでいた
*
「リア、また遊びに来て下さいね」
「はい。今日は楽しかったです」
あれから暫くして時間は過ぎ帰る時刻になっていた
そして今はお市さんと長政さんが城門まで見送りに来てくれた
「本当はもっと話していたいけど、遅くなってしまうとねねが心配しますからね」
「そうだな。今日は楽しかった、またいつでも来てくれ」
「はい、私も楽しかったです。今日はありがとう御座いました」
「では高虎、吉継、リアを頼みましたよ」
「「はっ」」
帰りは高虎さんと吉継さんが送ってくれる事になっているので二人は先に厩に行って馬を連れて着て戻って来た
そしてお市さんと長政さんに一礼して私も一礼すると二人は城の中に入って行った
「ではそろそろ行きましょうか」
「はい」
が、馬を見てある事を思い出し立ち止まってしまった
「どうかしましたか?」
「あ、いえ・・その・・」
「馬に乗れないのでしょうか?」
「・・・はい」
今更だったかもしれないが、馬に乗るのはこれが初めてだった
「その、私が住んでいた所は殆ど歩きが多かったので・・・」
実際には歩きもあるがこの時代では存在しない電車や車などで移動していたのが多いし、ねねさんの遠縁の設定もあり小さな島国育ちという事になっているのでこの説明は間違っていない・・
「なら吉継に乗せてもらうと良いでしょう。その方が振り落とされずに済むだろう」
「そうだな。少し失礼します」
「え? きゃっ!?///」
吉継さんがそう言った途端急に体が軽くなりそのまま馬の背に乗せられた
そして私の後ろに吉継さんが乗り完全に距離が近くなった
「前の方が落馬せずに済みますので」
「え、あ、は、はい///」
この距離感、更に先程軽々と抱えられた事も含め恥ずかしさが増してきた
馬に乗った事を確認すると馬を歩かせ始める
未だにこの距離感に慣れず少しだけ心臓が脈打っている上に多分まだ少し顔が赤いかもしれない・・・
「乗りづらくはないですか?」
「あ、はい、大丈夫です」
そう言われやっと顔を上げると直ぐ近くに吉継さんの綺麗な顔が目に入る
最初に会った時にも綺麗な顔だなと思ったけど近くで見るともっと綺麗だな・・と思っていると吉継さんと目が合い一瞬ドキっとしてしまい視線を外そうとしたけど、此処で変に視線を逸らすのも失礼だと思い何とか平常心を保ちずっと思っていた事を口にした
「あの、」
「なんでしょうか?」
「お二人にお願いがあるんですけど、良いですか?」
「? はい」
二人の視線が集まった事を確認し、ずっと言うタイミングを逃していたから言うなら今だろうと思いある事を言う
「私の事は気軽にリアって呼んで下さい。それと敬語もなしでお願いします」
「え?」
私の言葉に高虎さんも吉継さんも歩かせていた馬の歩みを止めた
「ですが・・、」
立場上、そしてお市さんの友と言う事もあり直ぐに受け入れないと言う事も分かってはいたが、普段三成さんや清正さんや正則さんや半兵衛さんと話している時など敬語ではないのでやっぱり慣れない感じがしていた
「私も高虎さんと吉継さんとも親しくなりたいですし気軽に話してくれた方が嬉しいです」
実際に皆さんより年下だしって言うのもあるんだけどね
「解った、では敬語なしでいかせてもらう」
「吉継」
直ぐに敬語なしで、と言う事を受け入れた吉継さんを見て高虎さんは声を上げた
「お前も敬語なしの方が楽ではないのか?」
「それは、そうだが・・・」
「なら、リアの言う通り敬語なしで話した方が良い。そう言う流れだろう」
「・・・・・本当に敬語なしで、良いんだな?」
「はい」
「・・・分かった。ならそうさせてもらう」
私と吉継さんの言葉を聞き再度確認するとようやく高虎さんも踏ん切りが付いたようで敬語なしで話してくれるようになった
それからの帰り道は敬語なしで話しをしながら途中で休憩も取りつつ進んで行きもうすぐ見慣れたお城に着く時だった
「それにしても、リアの歌声は見事だったな」
「ああ。お市様から話しは聞いていたが想像以上だったな」
それはあの時皆さんの顔を見た時にも思ったが改めて言われると少しだけ照れてしまう
「照れているのか?」
「・・その、あんまり褒め慣れてないと言うか・・・」
「可愛いところもあるんだな」
「か、かわ!!////」
可愛いと言う言葉に驚いて思わず声が裏返ってしまい、更に顔が赤くなったのが自分でも解った
私の反応を見ると高虎さんも吉継さんもクツクツと笑った
「あんた本当に面白いな。見ていて飽きない」
「・・・///」
何か言おうとするも顔が赤いのと何を言って良いのか解らずとりあえず顔を見られないように少しだけ顔を俯けた
「高虎、その位にしてやれ」
それを見かねてか吉継さんがそう言ってくれて少しホッとしていると城門の前に差し掛かっていた
「あ、此処で大丈夫です」
私の言葉を聞くと二人は馬の歩みを止め、吉継さんは馬から下りて乗せて貰った時と同じように軽々と私を抱え馬から下ろしてくれた
「有り難う御座います」
「いや」
「じゃあな、歌姫のリア」
「う、歌姫はもう良いですから!///」
「ではな」
「はい、送って下さって本当に有り難う御座いました! お市さんと長政さんにもよろしく伝えて下さい」
私の言葉を聞くと高虎さんと吉継さんは馬を歩かせ出し、二人の姿が見えなくなると私は今日一日の事を思い出して小さく笑った
(本当に今日一日凄く楽しかったな。お市さんも長政さんも幸せそうだったし、高虎さんと吉継さんとも仲良くなれたし)
「また、会えたら良いな」
そう呟いて小さく笑ったまま踵を返し城門を潜り無事に帰路に着いたのでした
続く
あとがき
と言う訳で! やっと浅井家の皆様の登場でした!!!!
そしてまたまた仕上げるまでかなーーーーーーり時間と日にちが空いてしまった(ノД`)し、書く間にまたまたクロ3が発売されたしねww(絶賛プレイ中!w)
まあそれはさておきw、前回の流れで浅井家の方々とは絡ませておきたいな~って思いそして4からの新キャラである吉継さんにも勿論登場してもらいました!
今後色々と彼等とも関わってくるから今回一番最初に登場してもらったんですけど、多少遊んじゃったなw
浅井家もほのぼのとしてるから書きやすかったなw
最後の方、高虎と吉継さんと関わらせたのは今後も色々と絡むからねww
てか吉継さん出たから早く西軍ナイトメアもとい西軍トリオ揃ってるとこ書きたいですww(まだ随分と先ですよ、それに俺まだ出てないんですけどねぇって左近さんが言ってそうww)
さて、次はどう行こうかな~(ノープランかよww)
えー次回もお楽し・・・あ、その前に!!
戦国無双 アニメ化&戦国無双4-Ⅱ発売決定おめでとう!!!!(≧∀≦)ノ
見るの&発売が待ち遠しい!!ww
では、また次回!!w
2014.12.27
「うん、楽しんでおいで!」
「はい」
ねねさんに返事を返し向きを変えて前を歩く小姓の後ろに続くように歩き出した
此処は近江の国、北近江にある小谷城
何故私が此処にいるか、それは数週間前、お市さんはこの近江の北近江にある小谷城の当主、浅井長政の元に嫁いだ
それから暫く日が空いてからお市さんから文が届き、是非訪れて欲しい。また話しをしたり歌を聴かせて欲しい。と書かれていてねねさんと相談して日程を決め返事を書き、今日小谷城を訪れたのだった
まだ外に不慣れな所もあるし、此処までの護衛も必要だろうと思いねねさんが城の前まで送ってくれ、今は女官の後ろに着いて城の中を案内されていた
11.浅井家の人々
「お市様、お客様をお連れ致しました」
「通して下さい」
襖の向こうからお市さんの声が聞こえ返事が返ってくるとスッと襖が開き私は此処まで案内してくれた女官の人にお礼を言って部屋の中に入った
「リア、良く来て下さいました!」
「お久しぶりです、お市さん」
私の姿を確認したと同時にお市さんはいつもの優しい笑みを向けて駆け寄って来て私も安堵して微笑み返した
「さ、こちらへどうぞ。皆にも貴女の事を紹介したいのです」
お市さんは嬉しそうな顔をして私の手を引き奥にいる人物達の元へ案内した
「長政様、高虎、吉継、紹介しますね。私の友の璃唖です」
「初めまして、璃唖と言います」
「おお、そなたが璃唖か。そなたの事は市や兄上達から聞いている」
礼儀正しく会釈をして目の前にいる男性に挨拶した
「某は浅井 長政。そしてこちらの二人が藤堂高虎と大谷吉継だ」
長政さんが挨拶をし終わると向かって左側にいる二人の紹介もしてくれた
首に長い手ぬぐいを巻いている黒髪の男性が藤堂 高虎さん、そして全身を覆うような服を着て頭巾を被り口元が隠れるように布を覆っている男性が大谷 吉継さんだ
二人は紹介が終わると同時に同じように会釈をし、私も会釈をした
「あ、これ、ねねさん特製のお饅頭です。皆さんで召し上がって下さい」
「おお、すまない」
「ありがとうございます。ねねのお饅頭は美味しいんですよ」
持っていた包みを長政さんとお市さんの前に出すと二人からお礼を言われ、お市さんは食べた事があるようで嬉しそうにお饅頭の入った包みを手にし、お市さんに同意するように返事を返すと
「・・・饅頭・・・」
とかすかにだが声が聞こえたような気がして疑問符を出して高虎さんと吉継さんの方を見るが二人とも先程と変わらずで気のせいかな?と思っているとお市さんは早速お茶の準備をしてきますねと言ってお饅頭を持って席を外した
「璃唖はいつ頃からねね殿の元へ来たのだ?」
「そうですね・・・二ヶ月くらい前になります」
お市さんが戻って来る間は雑談をしていたが、ふと長政さんにそう言われ、もう二ヶ月も経ったのかと思った
この世界に来てからもう二ヶ月が経ち、その間に色々な事が遭ったし、色々な人とも出会った
まだ自分がこの世界で為べき事が定まっていないけど、今はもっと色々な人達と出会ってそれからどうするか決めようと思っていた
「長政様、お話中申し訳御座いません」
「どうした?」
部屋を訪れた男性の元へ向かい少し話しをしていると丁度お市さんも戻って来たがその話しを聞くと二人とも顔を見合わせ私達の方を見た
「すまない、少しだけ席を外す」
「直ぐに戻りますので、先にお饅頭を食べていて下さい」
そう言ってお市さんはお茶とお饅頭の載ったお盆を私達の前に置いて男性と共に部屋を後にし、私と高虎さんと吉継さんだけになってしまった
「お茶、煎れましょうか?」
「いえ、俺がやりましょう」
お茶でも煎れようかと思って尋ねると吉継さんがそう言い高虎さんと共に席を立った
「お市様の客人にそのような事はさせられませんので」
高虎さんはそう言って私の前にお饅頭を出してくれて次に吉継さんがお茶を出してくれた
「ありがとうございます。ねねさんのお饅頭本当に美味しいので是非どうぞ」
二人が座ったのを確認してニコリとして言うと一瞬だが二人の動きが止まったような気がしたが直ぐにお饅頭に目を向けたが高虎さんはじっとお饅頭を見ていた
「・・・あの、どうかしましたか?」
「あ、いえ」
「もしかして甘い物、苦手でしたか?」
「いえ、そのような事は! いただきます」
そう言うと高虎さんはお饅頭を一口食べ美味いと言い、そんな高虎さんを見て私も微笑み吉継さんも小さく笑いお饅頭を食べ始めた
それから少しして長政さんとお市さんも戻って来て五人で話しをしながらお饅頭を食べ楽しい時間が続いた
「ご馳走様でした」
「やはりねねのお饅頭は美味しかったですね」
「はい。とても美味しかったです」
「高虎も気に入っていたようだしな」
「吉継・・余計な事を言うな」
「ふふっ」
「今度ねね殿に何か礼をせねばな」
皆さんに気に入ってもらえて良かったな思っているとそういえば、と言って長政さんが私を見た
「市から聞いたのだが、璃唖はかなり歌が上手いそうだな」
「え、」
そう言われ、お市さんと初めて会った時に歌の事を褒められあの後の宴の時もずっと話しをして今までも文のやり取りもしていて歌の事を話したと書いてあったのを思い出した
「そうなんです。リアはとても歌が上手くて歌姫と言って良いほどなんですよ」
「歌姫、ですか?」
「ほお・・・」
お市さんの言葉を聞くと高虎さんと吉継さんも興味が沸いたのか私を見る
「是非璃唖の歌を某達にも聴かせてくれないか?」
期待の眼差しを全員から向けられ私はわかりました、と言って立ち上がった
「私の住んでいた所で使われていた言葉もあるので、分からない言葉があったらすみません・・・・~~~~♪」
少しだけ知らない言葉が出てくるかもしれない、と思って一言そう言って息を吸って歌いだした
歌い出した途端、さっきまので空気や雰囲気が一気に変わり、歌を聴いた長政さんと高虎さんと吉継さんが驚いていた
それを横目で見たお市さんは小さく笑い、歌に聴き入っていた
「~~♪・・・ふう」
歌い終わると拍手が聞こえ見ると皆満足げに微笑んで拍手していた
「リア、素敵でした」
「ああ、本当に見事な歌声だったぞ」
「お市様や長政様がお褒めになるのもわかります」
「歌姫と言うのも納得ですね」
「ありがとうございます」
歌姫と言う所は未だに慣れなくて苦笑な感じではあったがそれでも素直にこうやって喜んでくれた事が嬉しくて私も微笑んでいた
*
「リア、また遊びに来て下さいね」
「はい。今日は楽しかったです」
あれから暫くして時間は過ぎ帰る時刻になっていた
そして今はお市さんと長政さんが城門まで見送りに来てくれた
「本当はもっと話していたいけど、遅くなってしまうとねねが心配しますからね」
「そうだな。今日は楽しかった、またいつでも来てくれ」
「はい、私も楽しかったです。今日はありがとう御座いました」
「では高虎、吉継、リアを頼みましたよ」
「「はっ」」
帰りは高虎さんと吉継さんが送ってくれる事になっているので二人は先に厩に行って馬を連れて着て戻って来た
そしてお市さんと長政さんに一礼して私も一礼すると二人は城の中に入って行った
「ではそろそろ行きましょうか」
「はい」
が、馬を見てある事を思い出し立ち止まってしまった
「どうかしましたか?」
「あ、いえ・・その・・」
「馬に乗れないのでしょうか?」
「・・・はい」
今更だったかもしれないが、馬に乗るのはこれが初めてだった
「その、私が住んでいた所は殆ど歩きが多かったので・・・」
実際には歩きもあるがこの時代では存在しない電車や車などで移動していたのが多いし、ねねさんの遠縁の設定もあり小さな島国育ちという事になっているのでこの説明は間違っていない・・
「なら吉継に乗せてもらうと良いでしょう。その方が振り落とされずに済むだろう」
「そうだな。少し失礼します」
「え? きゃっ!?///」
吉継さんがそう言った途端急に体が軽くなりそのまま馬の背に乗せられた
そして私の後ろに吉継さんが乗り完全に距離が近くなった
「前の方が落馬せずに済みますので」
「え、あ、は、はい///」
この距離感、更に先程軽々と抱えられた事も含め恥ずかしさが増してきた
馬に乗った事を確認すると馬を歩かせ始める
未だにこの距離感に慣れず少しだけ心臓が脈打っている上に多分まだ少し顔が赤いかもしれない・・・
「乗りづらくはないですか?」
「あ、はい、大丈夫です」
そう言われやっと顔を上げると直ぐ近くに吉継さんの綺麗な顔が目に入る
最初に会った時にも綺麗な顔だなと思ったけど近くで見るともっと綺麗だな・・と思っていると吉継さんと目が合い一瞬ドキっとしてしまい視線を外そうとしたけど、此処で変に視線を逸らすのも失礼だと思い何とか平常心を保ちずっと思っていた事を口にした
「あの、」
「なんでしょうか?」
「お二人にお願いがあるんですけど、良いですか?」
「? はい」
二人の視線が集まった事を確認し、ずっと言うタイミングを逃していたから言うなら今だろうと思いある事を言う
「私の事は気軽にリアって呼んで下さい。それと敬語もなしでお願いします」
「え?」
私の言葉に高虎さんも吉継さんも歩かせていた馬の歩みを止めた
「ですが・・、」
立場上、そしてお市さんの友と言う事もあり直ぐに受け入れないと言う事も分かってはいたが、普段三成さんや清正さんや正則さんや半兵衛さんと話している時など敬語ではないのでやっぱり慣れない感じがしていた
「私も高虎さんと吉継さんとも親しくなりたいですし気軽に話してくれた方が嬉しいです」
実際に皆さんより年下だしって言うのもあるんだけどね
「解った、では敬語なしでいかせてもらう」
「吉継」
直ぐに敬語なしで、と言う事を受け入れた吉継さんを見て高虎さんは声を上げた
「お前も敬語なしの方が楽ではないのか?」
「それは、そうだが・・・」
「なら、リアの言う通り敬語なしで話した方が良い。そう言う流れだろう」
「・・・・・本当に敬語なしで、良いんだな?」
「はい」
「・・・分かった。ならそうさせてもらう」
私と吉継さんの言葉を聞き再度確認するとようやく高虎さんも踏ん切りが付いたようで敬語なしで話してくれるようになった
それからの帰り道は敬語なしで話しをしながら途中で休憩も取りつつ進んで行きもうすぐ見慣れたお城に着く時だった
「それにしても、リアの歌声は見事だったな」
「ああ。お市様から話しは聞いていたが想像以上だったな」
それはあの時皆さんの顔を見た時にも思ったが改めて言われると少しだけ照れてしまう
「照れているのか?」
「・・その、あんまり褒め慣れてないと言うか・・・」
「可愛いところもあるんだな」
「か、かわ!!////」
可愛いと言う言葉に驚いて思わず声が裏返ってしまい、更に顔が赤くなったのが自分でも解った
私の反応を見ると高虎さんも吉継さんもクツクツと笑った
「あんた本当に面白いな。見ていて飽きない」
「・・・///」
何か言おうとするも顔が赤いのと何を言って良いのか解らずとりあえず顔を見られないように少しだけ顔を俯けた
「高虎、その位にしてやれ」
それを見かねてか吉継さんがそう言ってくれて少しホッとしていると城門の前に差し掛かっていた
「あ、此処で大丈夫です」
私の言葉を聞くと二人は馬の歩みを止め、吉継さんは馬から下りて乗せて貰った時と同じように軽々と私を抱え馬から下ろしてくれた
「有り難う御座います」
「いや」
「じゃあな、歌姫のリア」
「う、歌姫はもう良いですから!///」
「ではな」
「はい、送って下さって本当に有り難う御座いました! お市さんと長政さんにもよろしく伝えて下さい」
私の言葉を聞くと高虎さんと吉継さんは馬を歩かせ出し、二人の姿が見えなくなると私は今日一日の事を思い出して小さく笑った
(本当に今日一日凄く楽しかったな。お市さんも長政さんも幸せそうだったし、高虎さんと吉継さんとも仲良くなれたし)
「また、会えたら良いな」
そう呟いて小さく笑ったまま踵を返し城門を潜り無事に帰路に着いたのでした
続く
あとがき
と言う訳で! やっと浅井家の皆様の登場でした!!!!
そしてまたまた仕上げるまでかなーーーーーーり時間と日にちが空いてしまった(ノД`)し、書く間にまたまたクロ3が発売されたしねww(絶賛プレイ中!w)
まあそれはさておきw、前回の流れで浅井家の方々とは絡ませておきたいな~って思いそして4からの新キャラである吉継さんにも勿論登場してもらいました!
今後色々と彼等とも関わってくるから今回一番最初に登場してもらったんですけど、多少遊んじゃったなw
浅井家もほのぼのとしてるから書きやすかったなw
最後の方、高虎と吉継さんと関わらせたのは今後も色々と絡むからねww
てか吉継さん出たから早く西軍ナイトメアもとい西軍トリオ揃ってるとこ書きたいですww(まだ随分と先ですよ、それに俺まだ出てないんですけどねぇって左近さんが言ってそうww)
さて、次はどう行こうかな~(ノープランかよww)
えー次回もお楽し・・・あ、その前に!!
戦国無双 アニメ化&戦国無双4-Ⅱ発売決定おめでとう!!!!(≧∀≦)ノ
見るの&発売が待ち遠しい!!ww
では、また次回!!w
2014.12.27