サイト10周年記念小説
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「うーん、此処にもいないね・・・」
「ワフ・・・」
「そうね。じゃあ次はあの場所に行ってみようか」
「ワン!」
そう言ってリアはラピードと共に歩き出した
In search of important person
今、リアはラピードと一緒に旅をしていた
何故ラピードとだけなのか、それは5日前の事だった
「下町に帰って来るのも久し振りだなあ」
リアは故郷での仕事を終わらせ、久し振りに下町に戻って来ていた
「ユーリも戻って来るって言ってたから会えると良いな」
ユーリも凛々の明星の仕事で帝都やダングレストを離れている事が多いから下町に戻って来るのはリアと会う時か仕事も用事も無い時くらいだった
通り慣れた道を通り、下町の人達と挨拶を交わしながらリアは借りている宿屋の二階の部屋に荷物を置いて隣の部屋の前に向かう
「ユーリ、いる?」
ノックをして確認をするも返事はない
「・・・まだ戻って来てないのかな?」
「ワン!」
「? ラピード!」
聞き覚えのある鳴き声が聞こえ振り返るとラピードがいた
「久し振りね、ラピード」
「ワン!」
「あの子達、元気にしてる?」
「ワンワン!」
あの子達、それはラピードの子供の事だった
「また大きくなってるだろうから、後で会いに行っても良い?」
「ワン!」
ラピードは勿論だと言うように返事を返してくれた
「それで、ユーリはまだ戻って来てないの?」
リアはラピードの返事を聞きニコリとして微笑んだ後、ユーリの事を聞いた
「ワン、ワフゥンワン」
「そっか・・・」
どうやらまだギルドの仕事で戻って来ていないようだった
「戻って来るって手紙には書いてたから少し待ってみようか」
「ワン」
直ぐに会えない事に少し残念そうにするリアだったが、気持ちを切り替え、そのままラピードと一緒にラピードの子供達がいる所へと向かった
そして二日が経ったがまだユーリは戻って来ていなかった
「・・・流石にちょっと遅いよね・・」
「ワフ・・・」
ラピードも同じ事を思っていたようで、ある事を提案した
「ワンワン」
「え? 捜しに?」
「ワン」
「そうね。それじゃあまず帝都を捜してみようか」
「ワン」
「じゃあまずはフレンの所に行ってみようか」
「ワン!」
そう言ってリアは立ち上がってラピードと一緒にザーフィアス城へと向かい出した
「・・・来てみたけど、フレン忙しいから会えるかな?」
「ワン」
「あ、リア、ラピード!」
「え?」
城の前に着きリアがそう思っているとラピードは何かに気付き、その直後聞き覚えのある声で自分達の名前を呼ばれ振り返るとそこにはエステルがいた
「エステル! 久し振りね」
「はい。リアもラピードもお久し振りです!」
エステルは嬉しそうな顔をして階段を駆け上がりリアとラピードの所へやってきた
「どうしたんです、こんな所へ? あ、もしかしてフレンに用事でも?」
「ええ。ちょっと聞きたい事があって・・・エステルはハルルからこっちに戻って来た所?」
「はい」
後ろに数人の護衛がいるのを見てハルルから帝都に戻ってきた所なのだと思い、その後にある事を尋ねた
「あ、なら、此処に来る途中でユーリ見掛けなかった?」
「ユーリです? いえ、会ってません」
「そっか」
「・・・もしかして、ユーリと会えてないんです?」
エステルの返事を聞き少しだけ残念な顔をしたリアを見てエステルはそう思ってリアに聞くとリアは小さく頷いた
「ええ。だからフレンに聞いてみようと思って此処に来てみたの。でもフレン、今忙しいよね?」
「大丈夫です。リアが尋ねて来たと伝えればフレン時間をくれますよ」
「そう言う・・ものなの?ι」
「はい!」
自信満々に答えたエステルを見て、それは本当なのだろうと言う事と、エステルが声を掛ければ時間をくれるだろうと思い、エステルと一緒にフレンの所に向かった
「リア、ラピード、久し振りだね」
「ワン」
「久し振り、フレン。ごめんね、急に来ちゃって」
「いや。構わないよ」
嬉しそうな顔をして話をしているリアとフレンとラピードを見てエステルは自然と微笑んでいた
「エステリーゼ様、どうかなさいましたか?」
「いえ、リアもフレンも楽しそうだな、と思って」
そう言われ、旅をしていた時にも仲間達からも同じような事を言われたな、とリアとフレンは思っていた
「ワフ」
「ああ、そうね。フレン、最近ユーリと会った?」
ラピードに促されリアは本題を思い出しフレンに尋ねるとフレンは何かを思い出したような顔をした
「ああ、少し前に凛々の明星にオルニオンに物資の運搬の護衛を頼んだ時にね」
「それって何日か経ってたりする?」
「そうだね。けど、カロルがオルニオンでやる事があるから少し滞在すると言っていたよ」
「そっか」
「良かったですね、リア!」
「え? 何がだい?」
嬉しそうに言うエステルと安堵した顔をしたリアを見て一人だけ事情が分かっていないフレンは疑問符を出し、リアとエステルは事情を話した
「・・・まったく、リアを放っておいて」
「いつのもほっとけない病が出てるんじゃないかって思ってるから大丈夫よ」
「ふふっ、凛々の明星はそうですよね」
フレンは事情を聞くと呆れたように言い、リアも思い当たる事を言うとエステルも同意してくれた
「ありがとう、フレン、エステル。じゃあ私、オルニオンに行ってみるね」
「はい」
「気を付けるんだよ」
「うん。じゃあラピード、行こうか」
「ワン」
そうしてリアは一度自分の部屋に戻って来て荷物をまとめて部屋を出て鍵を掛け階段を降りていた
「じゃあオルニオンに・・」
「ワン」
「え? ラピード?」
階段を降りた先にラピードが居てリアは疑問を持ちながらラピードの所へ行く
「どうしたの?」
「ワフゥンワン!」
「え、ラピードも一緒にユーリを捜してくれるの?」
「ワン!」
「でも、時間掛かっちゃうかもしれないけど、平気?」
家族が下町にいるから何日も下町を離れる事になるし、オルニオンで確実にユーリと会えるかもわからないからと思い尋ねるとラピードは平気だ、と言ってくれた
「ワフゥン、ワンワン!」
「・・・ふふ。そうね、相棒を探すのも相棒のお仕事だもんね」
「ワン!」
「じゃあ、改めて、オルニオンに行ってみようか」
「ワン」
そうしてリアはラピードと一緒にオルニオンに向かい、カロル達が滞在している所へ尋ねて行ったがユーリは既に次の仕事に向かい、ジュディスも個人で引き受けている仕事に向かったようでオルニオンにはカロルだけが残っていた
それから人伝に聞いては移動し、を繰り返し早三日が経っていた
ユーリがふらっと何処かに行ったり、神出鬼没なのは知っているし、仲間達からも色んな所でユーリを見掛けたと言う声も沢山上がっているし、実際にリアも耳にしているので、思い当たる場所や見掛けたと言う場所に行ってみるが未だにユーリを見つけていない
「ごめんね、ラピード。長く付き合わせちゃって」
「ワフゥンワン」
思った以上に時間と日にちが経ってしまっているのでラピードにそう言うも、ラピードも相棒が戻っていない事を気にしているのかずっとリアに付き合ってくれていた
「此処にもいなかったし、あそこはまだ行ってないけど、見たって声は上がってないけど・・・」
「ワン」
「ラピード? どうしたの?」
地図を見ながら何処に行こうかと思っていると、ラピードが何かに気付き一声鳴くとリアはラピードを見る
「何をしている」
「え・・?」
ふとその声に聞き覚えがあり、リアは驚いて声が聞こえた方に顔を向けると、
「デューク!」
そこにいたのはデュークだった
「・・・お前達二人だけか?」
「ワン」
「そうか・・・」
デュークはリアとラピードしかいない事に疑問を持ち尋ねるとラピードがそうだと言う様に鳴くとデュークも納得した
「デューク、久し振りね」
「ああ」
「シエラさんは一緒じゃないの?」
「シエラならお前達の故郷に戻っている。直ぐに戻ると言っていたがな」
「そっか」
「何故お前がそんなに嬉しそうな顔をする?」
安堵したような嬉しそうな顔をしたリアに疑問を持つもリアはいつのも笑みを向けて答えた
「嬉しいからよ。デュークもシエラさんも一緒にいて幸せそうだから」
「・・・・」
デュークは何も言わなかったがそれでも二人があれ以来一緒なのだと確認出来てリアは微笑んでいたのだった
「あ、ねえ、デューク、ユーリ見てない?」
「あの者がどうかしたのか?」
「ちょっと前から戻ってなくて。それで今ラピードと一緒に捜してる所なの」
「ワン」
リアはユーリを探している事を伝えるとデュークはそうか、と言って視線を外して歩き出した
「あ、デューク」
「着いてこい」
そう言われリアは一度ラピードと顔を見合わせデュークの後に続いて行った
デュークと共に来た場所はアスピオの近くだった
リアはその場所に見覚えがあり辺りを見渡しながらデュークの後に続いて行く
そうして瓦礫の山を登り終えた所でデュークは立ち止まった
「・・・?」
リアはデュークの後ろから隣に移動し辺りを見渡すがユーリらしき人物も見当たらない
「・・・ワフ」
「え? あ、ラピード!」
すると、ラピードは何かに気付き駆け出した
「・・・行け」
「え、でも・・・」
「私が出来るのは此処までだ。後はお前達次第だ」
「あ、デューク」
そう言って踵を返して歩きだそうとしていたデュークを呼び止め、
「ありがとう。此処まで連れて着てくれて。またね」
リアはお礼を言ってニコリと微笑んだ後、ラピードの後を追い掛け、デュークはそんなリアをちらりと見た後、また歩き出した
リアはラピードの後を追い掛け、ひたすら走った
先程居た場所からだいぶ離れた所へ来るとラピードは立ち止まりリアも一度立ち止まった
「はあ、はあ・・・ラピード、どうしたの・・?」
「ワフ・・・」
「え? ・・・あっ」
その先を見ると、長い黒髪を風に靡かせ瓦礫の更に先を見ている人物、リアとラピードがずっと探していたユーリがそこにいた
そして、
「ユーリ!」「ワンワン!」
「? リア! ラピード!」
リアとラピードはそのままユーリの所へと走って行き、ユーリはリアとラピードの声を聞き振り返り二人が此処に居る事に驚いていた
「はあ、はあ・・はぁ・・・ユーリ、・・もう、捜したんだから・・・」
「ワンワン!」
リアは息を整えながら言うとラピードもそうだと同意してユーリを見た
「悪ぃ悪ぃ。つか、良く此処が解ったな」
「デュークが教えてくれたの」
「デュークが?」
「ユーリを見つけてくれたのはラピードだけどね」
「ワン」
そう言ってリアは掻い摘まんで今までの事を話した
「マジで捜させちまったみたいだな」
「そうだよ・・・全然見つからなかったんだから」
「・・・悪ぃ」
言うとユーリはリアを抱きしめリアもユーリの背中に腕を回しギュッと抱きついた
「ラピードもサンキュな」
「ワン! ワフゥンワン、ワン!」
「・・・ははっ。だな」
「?」
ユーリに抱きついていたからラピードがなんと言ったのか解らなかったが、ユーリもリアを此処まで連れて着てくれた事、そして護衛をしてくれた事に感謝していた
「さてと、んじゃそろそろ下町に戻るか」
「うん・・・でも、良いの?」
「ん? 何がだ?」
「だって、此処に着てたって事は・・・」
「心配ねえよ。ほら、さっさと戻るぞ」
「ワン!」
言うとユーリはリアの肩を抱いたまま歩き出しその隣にラピードが並び、リアはユーリとラピードを見て、やっといつもの立ち位置に戻ったと実感し幸せそうに微笑み、それを見てラピードも満足そうにしながら二人の隣を歩いて帝都へと向かって歩いていたのだった
end.
あとがき
と事でサイト10周年記念小説、ラピード編何だったでしょうか?
エステル編書き上げてからまただいぶ日にちが空いてしまったが・・・ι
えーっと、ラピードの話は記念小説を考えた時に直ぐに内容は思い付いていました
けど、ユーリ以外のメンバーを書き終えてからみんなと話してユーリを捜す・・・って最初のプロットではなっていたんですが、・・・テイフェス後で、しかも、2日目のシークレットがデュークだったので、出す予定ではなかったデュークを出したのでパーティメンバーはエステルとフレンのみの登場となってしまった(^^;)w
けど、個人的にラピードと二人だけで出掛けたりって本編でもそんなに書いた事がなかったし、プラスにデュークも一緒に書けたし、結構良い仕事して貰ったのでw、書けて良かったなって思ってますw
因みに、ユーリが最後に居た場所は・・・予想出来てると思いますが、ゲーム本編のEDのラストでデュークが居たあの場所の辺りですね
EDの映像を見てもユーリは一人で何処かに行ったりしているし、公式でも神出鬼没って書いてたから自分達が守った場所を改めて見ていた、って感じで最後はこの場所で再会って感じに仕上げてみました
それと、ラピードが最後ユーリになんて言ったか、と言うのは皆さんの想像にお任せします(意味合い的にはタイトル通りって感じだけどねw)
デュークがユーリの居場所を知っていたのは・・・まあ彼も神出鬼没だし、本編でも何処まで知ってんだよwwってツッコむ程謎が多い人だったので、何故か知っていた、って形でww←
さて、ラピード編は以上となりますが、まだまだ残りのパーティメンバーとの話が残っています
まだ読んでないキャラ達がいたら其方も是非とも読んで頂けたらと思います!
改めて、サイト10周年、本当に有り難う御座います!!
これからも地道にやっていきますので、今後とも宜しくお願いします!
それからよければ・サイト10周年記念小説アンケートのアンケートにもご協力をお願いします。
In search of important person:大切な人を捜して
10周年:2019.07.18
完成:2019.06.17
「ワフ・・・」
「そうね。じゃあ次はあの場所に行ってみようか」
「ワン!」
そう言ってリアはラピードと共に歩き出した
In search of important person
今、リアはラピードと一緒に旅をしていた
何故ラピードとだけなのか、それは5日前の事だった
「下町に帰って来るのも久し振りだなあ」
リアは故郷での仕事を終わらせ、久し振りに下町に戻って来ていた
「ユーリも戻って来るって言ってたから会えると良いな」
ユーリも凛々の明星の仕事で帝都やダングレストを離れている事が多いから下町に戻って来るのはリアと会う時か仕事も用事も無い時くらいだった
通り慣れた道を通り、下町の人達と挨拶を交わしながらリアは借りている宿屋の二階の部屋に荷物を置いて隣の部屋の前に向かう
「ユーリ、いる?」
ノックをして確認をするも返事はない
「・・・まだ戻って来てないのかな?」
「ワン!」
「? ラピード!」
聞き覚えのある鳴き声が聞こえ振り返るとラピードがいた
「久し振りね、ラピード」
「ワン!」
「あの子達、元気にしてる?」
「ワンワン!」
あの子達、それはラピードの子供の事だった
「また大きくなってるだろうから、後で会いに行っても良い?」
「ワン!」
ラピードは勿論だと言うように返事を返してくれた
「それで、ユーリはまだ戻って来てないの?」
リアはラピードの返事を聞きニコリとして微笑んだ後、ユーリの事を聞いた
「ワン、ワフゥンワン」
「そっか・・・」
どうやらまだギルドの仕事で戻って来ていないようだった
「戻って来るって手紙には書いてたから少し待ってみようか」
「ワン」
直ぐに会えない事に少し残念そうにするリアだったが、気持ちを切り替え、そのままラピードと一緒にラピードの子供達がいる所へと向かった
そして二日が経ったがまだユーリは戻って来ていなかった
「・・・流石にちょっと遅いよね・・」
「ワフ・・・」
ラピードも同じ事を思っていたようで、ある事を提案した
「ワンワン」
「え? 捜しに?」
「ワン」
「そうね。それじゃあまず帝都を捜してみようか」
「ワン」
「じゃあまずはフレンの所に行ってみようか」
「ワン!」
そう言ってリアは立ち上がってラピードと一緒にザーフィアス城へと向かい出した
「・・・来てみたけど、フレン忙しいから会えるかな?」
「ワン」
「あ、リア、ラピード!」
「え?」
城の前に着きリアがそう思っているとラピードは何かに気付き、その直後聞き覚えのある声で自分達の名前を呼ばれ振り返るとそこにはエステルがいた
「エステル! 久し振りね」
「はい。リアもラピードもお久し振りです!」
エステルは嬉しそうな顔をして階段を駆け上がりリアとラピードの所へやってきた
「どうしたんです、こんな所へ? あ、もしかしてフレンに用事でも?」
「ええ。ちょっと聞きたい事があって・・・エステルはハルルからこっちに戻って来た所?」
「はい」
後ろに数人の護衛がいるのを見てハルルから帝都に戻ってきた所なのだと思い、その後にある事を尋ねた
「あ、なら、此処に来る途中でユーリ見掛けなかった?」
「ユーリです? いえ、会ってません」
「そっか」
「・・・もしかして、ユーリと会えてないんです?」
エステルの返事を聞き少しだけ残念な顔をしたリアを見てエステルはそう思ってリアに聞くとリアは小さく頷いた
「ええ。だからフレンに聞いてみようと思って此処に来てみたの。でもフレン、今忙しいよね?」
「大丈夫です。リアが尋ねて来たと伝えればフレン時間をくれますよ」
「そう言う・・ものなの?ι」
「はい!」
自信満々に答えたエステルを見て、それは本当なのだろうと言う事と、エステルが声を掛ければ時間をくれるだろうと思い、エステルと一緒にフレンの所に向かった
「リア、ラピード、久し振りだね」
「ワン」
「久し振り、フレン。ごめんね、急に来ちゃって」
「いや。構わないよ」
嬉しそうな顔をして話をしているリアとフレンとラピードを見てエステルは自然と微笑んでいた
「エステリーゼ様、どうかなさいましたか?」
「いえ、リアもフレンも楽しそうだな、と思って」
そう言われ、旅をしていた時にも仲間達からも同じような事を言われたな、とリアとフレンは思っていた
「ワフ」
「ああ、そうね。フレン、最近ユーリと会った?」
ラピードに促されリアは本題を思い出しフレンに尋ねるとフレンは何かを思い出したような顔をした
「ああ、少し前に凛々の明星にオルニオンに物資の運搬の護衛を頼んだ時にね」
「それって何日か経ってたりする?」
「そうだね。けど、カロルがオルニオンでやる事があるから少し滞在すると言っていたよ」
「そっか」
「良かったですね、リア!」
「え? 何がだい?」
嬉しそうに言うエステルと安堵した顔をしたリアを見て一人だけ事情が分かっていないフレンは疑問符を出し、リアとエステルは事情を話した
「・・・まったく、リアを放っておいて」
「いつのもほっとけない病が出てるんじゃないかって思ってるから大丈夫よ」
「ふふっ、凛々の明星はそうですよね」
フレンは事情を聞くと呆れたように言い、リアも思い当たる事を言うとエステルも同意してくれた
「ありがとう、フレン、エステル。じゃあ私、オルニオンに行ってみるね」
「はい」
「気を付けるんだよ」
「うん。じゃあラピード、行こうか」
「ワン」
そうしてリアは一度自分の部屋に戻って来て荷物をまとめて部屋を出て鍵を掛け階段を降りていた
「じゃあオルニオンに・・」
「ワン」
「え? ラピード?」
階段を降りた先にラピードが居てリアは疑問を持ちながらラピードの所へ行く
「どうしたの?」
「ワフゥンワン!」
「え、ラピードも一緒にユーリを捜してくれるの?」
「ワン!」
「でも、時間掛かっちゃうかもしれないけど、平気?」
家族が下町にいるから何日も下町を離れる事になるし、オルニオンで確実にユーリと会えるかもわからないからと思い尋ねるとラピードは平気だ、と言ってくれた
「ワフゥン、ワンワン!」
「・・・ふふ。そうね、相棒を探すのも相棒のお仕事だもんね」
「ワン!」
「じゃあ、改めて、オルニオンに行ってみようか」
「ワン」
そうしてリアはラピードと一緒にオルニオンに向かい、カロル達が滞在している所へ尋ねて行ったがユーリは既に次の仕事に向かい、ジュディスも個人で引き受けている仕事に向かったようでオルニオンにはカロルだけが残っていた
それから人伝に聞いては移動し、を繰り返し早三日が経っていた
ユーリがふらっと何処かに行ったり、神出鬼没なのは知っているし、仲間達からも色んな所でユーリを見掛けたと言う声も沢山上がっているし、実際にリアも耳にしているので、思い当たる場所や見掛けたと言う場所に行ってみるが未だにユーリを見つけていない
「ごめんね、ラピード。長く付き合わせちゃって」
「ワフゥンワン」
思った以上に時間と日にちが経ってしまっているのでラピードにそう言うも、ラピードも相棒が戻っていない事を気にしているのかずっとリアに付き合ってくれていた
「此処にもいなかったし、あそこはまだ行ってないけど、見たって声は上がってないけど・・・」
「ワン」
「ラピード? どうしたの?」
地図を見ながら何処に行こうかと思っていると、ラピードが何かに気付き一声鳴くとリアはラピードを見る
「何をしている」
「え・・?」
ふとその声に聞き覚えがあり、リアは驚いて声が聞こえた方に顔を向けると、
「デューク!」
そこにいたのはデュークだった
「・・・お前達二人だけか?」
「ワン」
「そうか・・・」
デュークはリアとラピードしかいない事に疑問を持ち尋ねるとラピードがそうだと言う様に鳴くとデュークも納得した
「デューク、久し振りね」
「ああ」
「シエラさんは一緒じゃないの?」
「シエラならお前達の故郷に戻っている。直ぐに戻ると言っていたがな」
「そっか」
「何故お前がそんなに嬉しそうな顔をする?」
安堵したような嬉しそうな顔をしたリアに疑問を持つもリアはいつのも笑みを向けて答えた
「嬉しいからよ。デュークもシエラさんも一緒にいて幸せそうだから」
「・・・・」
デュークは何も言わなかったがそれでも二人があれ以来一緒なのだと確認出来てリアは微笑んでいたのだった
「あ、ねえ、デューク、ユーリ見てない?」
「あの者がどうかしたのか?」
「ちょっと前から戻ってなくて。それで今ラピードと一緒に捜してる所なの」
「ワン」
リアはユーリを探している事を伝えるとデュークはそうか、と言って視線を外して歩き出した
「あ、デューク」
「着いてこい」
そう言われリアは一度ラピードと顔を見合わせデュークの後に続いて行った
デュークと共に来た場所はアスピオの近くだった
リアはその場所に見覚えがあり辺りを見渡しながらデュークの後に続いて行く
そうして瓦礫の山を登り終えた所でデュークは立ち止まった
「・・・?」
リアはデュークの後ろから隣に移動し辺りを見渡すがユーリらしき人物も見当たらない
「・・・ワフ」
「え? あ、ラピード!」
すると、ラピードは何かに気付き駆け出した
「・・・行け」
「え、でも・・・」
「私が出来るのは此処までだ。後はお前達次第だ」
「あ、デューク」
そう言って踵を返して歩きだそうとしていたデュークを呼び止め、
「ありがとう。此処まで連れて着てくれて。またね」
リアはお礼を言ってニコリと微笑んだ後、ラピードの後を追い掛け、デュークはそんなリアをちらりと見た後、また歩き出した
リアはラピードの後を追い掛け、ひたすら走った
先程居た場所からだいぶ離れた所へ来るとラピードは立ち止まりリアも一度立ち止まった
「はあ、はあ・・・ラピード、どうしたの・・?」
「ワフ・・・」
「え? ・・・あっ」
その先を見ると、長い黒髪を風に靡かせ瓦礫の更に先を見ている人物、リアとラピードがずっと探していたユーリがそこにいた
そして、
「ユーリ!」「ワンワン!」
「? リア! ラピード!」
リアとラピードはそのままユーリの所へと走って行き、ユーリはリアとラピードの声を聞き振り返り二人が此処に居る事に驚いていた
「はあ、はあ・・はぁ・・・ユーリ、・・もう、捜したんだから・・・」
「ワンワン!」
リアは息を整えながら言うとラピードもそうだと同意してユーリを見た
「悪ぃ悪ぃ。つか、良く此処が解ったな」
「デュークが教えてくれたの」
「デュークが?」
「ユーリを見つけてくれたのはラピードだけどね」
「ワン」
そう言ってリアは掻い摘まんで今までの事を話した
「マジで捜させちまったみたいだな」
「そうだよ・・・全然見つからなかったんだから」
「・・・悪ぃ」
言うとユーリはリアを抱きしめリアもユーリの背中に腕を回しギュッと抱きついた
「ラピードもサンキュな」
「ワン! ワフゥンワン、ワン!」
「・・・ははっ。だな」
「?」
ユーリに抱きついていたからラピードがなんと言ったのか解らなかったが、ユーリもリアを此処まで連れて着てくれた事、そして護衛をしてくれた事に感謝していた
「さてと、んじゃそろそろ下町に戻るか」
「うん・・・でも、良いの?」
「ん? 何がだ?」
「だって、此処に着てたって事は・・・」
「心配ねえよ。ほら、さっさと戻るぞ」
「ワン!」
言うとユーリはリアの肩を抱いたまま歩き出しその隣にラピードが並び、リアはユーリとラピードを見て、やっといつもの立ち位置に戻ったと実感し幸せそうに微笑み、それを見てラピードも満足そうにしながら二人の隣を歩いて帝都へと向かって歩いていたのだった
end.
あとがき
と事でサイト10周年記念小説、ラピード編何だったでしょうか?
エステル編書き上げてからまただいぶ日にちが空いてしまったが・・・ι
えーっと、ラピードの話は記念小説を考えた時に直ぐに内容は思い付いていました
けど、ユーリ以外のメンバーを書き終えてからみんなと話してユーリを捜す・・・って最初のプロットではなっていたんですが、・・・テイフェス後で、しかも、2日目のシークレットがデュークだったので、出す予定ではなかったデュークを出したのでパーティメンバーはエステルとフレンのみの登場となってしまった(^^;)w
けど、個人的にラピードと二人だけで出掛けたりって本編でもそんなに書いた事がなかったし、プラスにデュークも一緒に書けたし、結構良い仕事して貰ったのでw、書けて良かったなって思ってますw
因みに、ユーリが最後に居た場所は・・・予想出来てると思いますが、ゲーム本編のEDのラストでデュークが居たあの場所の辺りですね
EDの映像を見てもユーリは一人で何処かに行ったりしているし、公式でも神出鬼没って書いてたから自分達が守った場所を改めて見ていた、って感じで最後はこの場所で再会って感じに仕上げてみました
それと、ラピードが最後ユーリになんて言ったか、と言うのは皆さんの想像にお任せします(意味合い的にはタイトル通りって感じだけどねw)
デュークがユーリの居場所を知っていたのは・・・まあ彼も神出鬼没だし、本編でも何処まで知ってんだよwwってツッコむ程謎が多い人だったので、何故か知っていた、って形でww←
さて、ラピード編は以上となりますが、まだまだ残りのパーティメンバーとの話が残っています
まだ読んでないキャラ達がいたら其方も是非とも読んで頂けたらと思います!
改めて、サイト10周年、本当に有り難う御座います!!
これからも地道にやっていきますので、今後とも宜しくお願いします!
それからよければ・サイト10周年記念小説アンケートのアンケートにもご協力をお願いします。
In search of important person:大切な人を捜して
10周年:2019.07.18
完成:2019.06.17