サイト10周年記念小説
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「え? 息抜きに、ですか・・・?」
「はい」
リアの質問にヨーデルはニコリとして答えた
Moon Princess Vacation
その日、リアはザーフィアス城の謁見の間に来ていた
数日前、いつも通りフレンから手紙が届いたのだが、『急で申し訳ないけど、数日後にザーフィアス城に来て欲しい』と手紙に書かれていて、ザーフィアス城の前で待ち合わせフレンと城の中へ入ったのだった
「本当に急で申し訳ないね」
「ううん。丁度仕事も落ち着いて故郷に戻ってたから。でも、用事って?」
普段なら下町や露店街のカフェなどで会ったりしているのだが、今回は何故かザーフィアス城だった
「それは後で話すよ」
ニコリといつもの笑みを見せて言うフレンを見てリアもそれ以上は追求するまいと思いながら隣を歩き、そしてある場所に着いた
「此処だよ」
「え、此処って、謁見の間?」
そう、二人が今居るのは謁見の間の扉の前だった
この先にいるのは現皇帝であるヨーデルと皇帝補佐のエステルのはず
そしてふとある事が浮かぶもフレンに声を掛けられ扉を開けて貰い謁見の間へ入った
「ヨーデル様、リアをお連れしました」
「お久し振りです、リアさん」
「ヨーデル様、お久し振りです」
が、そこにいたのはヨーデルだけだった
「・・・ヨーデル様、お一人、ですか?」
普段なら護衛の騎士が謁見の間にいるはずなのだが、何故かヨーデル一人だけだった
「人払いをしていますので、この場にいるのは私達だけです」
つまり、今回リアを呼び出したのはヨーデルと言う事らしい
人払いをしている事を聞き、リアはふと思っていた事を聞いてみた
「・・・・あの、もしかして、またユーリが何かしましたか・・・?」
その言葉を聞き、フレンとヨーデルは一瞬キョトンとしたがフレンは直ぐに声を出して笑い、ヨーデルも何処か笑っていた
「え? 何で笑うの?」
「ごめん。つい、ね」
「・・・ユーリの事じゃないの?」
「いいえ、違いますよ。むしろ彼等凛々の明星にはいつも感謝しています」
あの旅の後、帝国や騎士、そしてギルドとの仲は以前と比べるとかなり良くなっていた
それはあの旅で帝国とギルドが力を合わせた事も大きいが、何よりユーリ達のギルド、凛々の明星の働きも大きい
リアもフレンもあの旅で凛々の明星の一員として、世界の命運を掛けた戦いをやり、ギルドの仕事も手伝っていた
そして戦いが終わった後も、ヨーデルやフレンを始めとした帝都の代表と云える人物達から凛々の明星に仕事の依頼も着ていた
が、その反面、騎士団や各地で揉め事を起こしている、と言うのも事実で、カロルやフレンからの手紙にもそう言った内容が書かれていたのでリアもついそう聞いてしまったのだった
「えっと、それじゃあ今日私が呼ばれたのは一体・・?」
「実はエステリーゼの事でリアさんにお願いしたい事がありまして」
「エステル、ですか?」
少しだけ意外な人物の名前が出てきた事にリアは驚くも、確かに今この場にエステルはいなかった
そうして、最初の台詞へと繋がるのだった
「エステリーゼが私の補佐をやりながら彼女の夢である絵本作家の仕事をしているのはご存じですよね」
「はい」
「僕達はその事を知っているからエステリーゼ様がたまにハルルに戻らず執務室で両方の事をやっているのは知っている。けど、知らない騎士達はエステリーゼ様が公務で缶詰になっていると心配しているんだ」
どうやら此処何日かずっと執務室に籠りきりになって執務と絵本の内容を考えているようだった
「私達も勿論彼女の夢を応援していますが、たまには息抜きをして欲しいのです」
「君達がたまに女子旅をしているのは知っている。だけど、それ以外でも息抜きが出来ないかと思ってね」
あの旅の後、時々だがあの旅の女子達、つまりリア、エステル、リタ、ジュディス、パティの女子達は集まって世界各地を旅している
ユーリ達には言っていないが、フレンやヨーデルはどうやらエステルからその話を聞いていたようで女子旅の事を知っていた
「確かに私達も毎回全員揃う訳じゃないし、全員揃ったのも1回か2回くらいだし・・・」
女子旅は集まれる人だけ集まって女子だけで旅をすると言うもので強制ではないので、リアも毎回参加している訳ではなかった
だからそれとはまた別に息抜き出来ないかと思っていた時に丁度リアが仕事が落ちたと手紙に書かれていたので息抜きを任せられないかと思ったそうだ
「リアなら色々な所を旅しているし、エステリーゼ様の好きな物も知っているから適任だと思ってね」
「私達もリアさんなら安心してエステリーゼを預ける事が出来ますから」
二人にそう言われリアも納得し、笑顔で答えた
「そう言う事でしたら、私もお引き受けします」
そして謁見の間を後にしたリアは、エステルの部屋へと向かった
トントン
「はい」
「失礼します」
エステルの部屋の前に着てドアをノックし、そう言って部屋に入りエステルがいる場所を見ると机の上に沢山の資料と書類がある中、書類に目を通していた
「ごめんなさい、直ぐに終わりますから少し待っていてもらえます?」
「ええ、それが終わるまで待ってるからゆっくりで良いわよ」
「ありがとうございま・・・え!?」
エステルは書類を見ながらそう言うとリアはニコリとして言い、エステルは安心しお礼を言ったが聞き覚えのある声が聞こえ直ぐに驚いて顔を上げた
「リア!?」
「久し振りね、エステル」
「お久し振りです。どうしたんです、急に? まだ女子旅の時期じゃないですよね?」
「実はヨーデル様とフレンから頼まれ事をされてね」
「頼まれ事、ですか?」
エステルは席を立ち、リアの前に移動しリアが此処に来た理由を尋ね、数分前に二人から頼まれたエステルの息抜きに付き合って欲しい、と言う事を話した
「・・・そうだったんですね。すみません、リアにまで気を使わせてしまって・・・」
「気にしないで。それに私もエステルと出掛けるの久し振りだから嬉しいし」
「リア・・・ありがとう御座います。あ、でも、これだけ終わらせて良いです?」
そう言って見たのは先程まで目を通していた書類だった
そんなエステルを見て真面目な所がエステルらしいと思ってリアは微笑んだ
「ええ。さっきも言ったけど、ゆっくりで良いからね」
「はい。じゃあ少しだけ待っていて下さい」
そう言ってエステルは席に戻り書類に目を通し、数分後、二人は城を後にした
「リアと出掛けるの、本当に久し振りですね」
「ええ。二人だけでって言うのは旅の時に買い出しに行った時以来かもね」
「そう言えば息抜きって何処に行くんです?」
「ちょっと遠出になるんだけど、今ある場所が新しい事を始めたって聞いたからそこに行ってみない?」
そしてリアとエステルはある場所へと向かった
「着いたよ」
「此処って・・、ナム孤島」
リア達がやって来た場所はあの旅の時にも何度か訪れた事があるナム孤島だった
「此処だったら他の場所ともちょっと違うし息抜きにも良いと思うし、エステルの創作意欲も沸くかなって思って」
「リア・・・ありがとう御座います!」
自分の事を考えて此処に連れて着てくれた事にエステルは感謝し笑顔でお礼を言うとリアもニコリと微笑んだ
「お姉さん達、良かったらこれを着て回ってみない?」
「え?」
二人が中に入ると近くに居たうしにんが二人に声を掛けた
「これは制服です?」
「そうそう。此処学校だから制服作ってみたんだー」
「あ、じゃあ新しい事を始めたってこの事だったのね」
リアもナム孤島で何か新しい事を始めたと言う事を聞いてはいたがそれが制服だと言う事は知らなかったようだ
「これ、着てみても良いんです?」
「うん、良いよー」
「じゃあチップを・・・」
「ああ、チップはいらないよー」
「え?」
「まだ始めたばっかりだから今はサービスだよ」
「と言う事はタダで着て良いって事です?」
「うん。サービスサービス~♪」
「じゃあ遠慮無く着させてもらおうか」
「はい」
「好きなの選んで良いよー。あ、更衣室は校舎の中だから」
うしにんはご機嫌に少し歌のようにそう言ってリア達は自分のサイズに合った制服を持って更衣室へと向かった
「わあ! リア、とても素敵です!」
「ありがとう、エステルも凄く似合ってるし可愛いよ」
お互いに制服に着替えた後、感想を述べていた
「わたし、こういうの憧れていたので着られて嬉しいです!」
「なら良かった。それじゃあエステルが行きたい所から回ろうか」
「はい!」
二人はニコリと微笑んだ後、出店を見たり劇を見たりしていた
そして今は飲み物を買って休憩スペースで休憩をしていて、先程寄っていた店の話題になった
「さっき買ったアクセサリーも色々と種類があってどれを買うか随分迷ってたしね」
「はい。どれも素敵で・・・でもハルルの花をイメージしたアクセサリーが素敵だったのでこれにしたんです」
先程まで見ていたアクセサリーショップでは各街をイメージしたアクセサリーが売られていてどれも魅力で二人はだいぶそのアクセサリーを見ていたのだった
「そういえばもう1個買ってなかった?」
「はい。今度、アスピオのイメージのアクセサリーをリタにプレゼントしようと思って」
「エステルからのプレゼントだったらリタ喜ぶわね」
渡した時の反応が浮かんだのか、リアとエステルは顔を見合わせて笑った
「そういえば、」
その後もお喋りをしていたのが、ふとエステルが何かを思いリアを見た
「最近、ユーリとはどうなんです?」
「え!?///」
エステルの言葉にリアは驚いてエステルを見るといつも以上に目をキラキラとさせていた
「ど、どう・・って、いつも通りよ?」
「・・・もしかして、会えてないんです?」
「ううん、会ってるよ。けど、そんなに何か変わった訳じゃないよ?」
「そうなんです? でもリア、少し雰囲気や表情が変わっていますよ」
「そう・・?」
それは以前からみんなに会った時にも言われた事でもあり、故郷でも何度か言われた事があったがリア自身はそれをあまり自覚していなかった
「それだけリアが幸せと感じてる証拠ですよ」
「///」
ニコリと微笑んで言われリアは頬を染め恥ずかしそうにしていたが、それを隠すように飲み物を飲んだ
「うふふ、リアもユーリも幸せそうで本当に良かったです」
「・・・エステルは、どう、なの?」
「え?」
「・・その、エステルは・・そう言った話ってないの?」
「・・え?/// わ、わたし、です?///」
リアの意外な言葉に今度はエステルが驚いてしまう
「わ、わたしは、その、特には・・・」
「エステルもヨーデル様もその辺りは自由には出来ないみたいね・・・」
「はい・・・」
皇帝にはならなかったとはいえ、皇族なのだからやはりリア達のように好きには出来ないようだった
「でも、憧れはありますよ。わたしもいつかリアやユーリみたいになれたらな、って」
「そこで私達なの?///」
「ユーリもリアもわたし達から見ても羨ましいくらい幸せそうですから」
「///」
改めてそう言われまたリアは頬を赤く染めてしまうも、その気持ちが嬉しく
「エステルも、いつかそうなれるように祈ってるね」
「はい!」
笑顔で言い、エステルも嬉しそうに笑顔で返事を返した
「それじゃあもう少し見て回る?」
「はい! あ、あれなんでしょう?」
言うとエステルは立ち上がって気になる場所へ目を向け二人はその場所へと向かって行った
数時間後、
「リア、今日は連れて着てくれて本当にありがとう御座います」
「うん、わたしもエステルと一緒に来られて楽しかったよ」
あれから数時間後、リアとエステルはナム孤島を離れ、今は定期便の船に乗っていた
「本当に楽しかったです。こんなに遊んだのは久し振りでした!」
「私も。今度は女子旅で此処に来てみる?」
「それ良いですね! あ、じゃあその時までに、今日思い付いたお話も完成させておきますね」
「もうお話思い付いたの?」
「はい! 今書いているものも続きが書けそうですから、それが終わったら書きます」
「そっか。今日、本当にいい息抜きになったみたいね」
「はい!」
此処に来る時よりすっきりとした表情を浮かべとても嬉しそうに、楽しそうに話すエステルを見てリアもニコリと微笑んだ
「リア」
「ん?」
「また、こうやって息抜きに付き合って貰っても良いです?」
何処か少しだけ遠慮がちに言うエステルを見てリアは直ぐに微笑んで答えた
「勿論よ。また一緒に出掛けようね」
「はい! 約束ですよ」
「ええ、約束」
そう言って二人は指切りをし、楽しそうに微笑み、その後も城に戻るまでずっとお喋りをしていて、二人の姿は本当に仲の良い姉妹のような、友達のようにも見えていたのだった
end.
あとがき
と事でサイト10周年記念小説、エステル編何だったでしょうか?
エステルも内容は息抜きで!って直ぐに思い付いたんですが・・・なっっっっっっかなか書けなくて・・・ホントにセイ兄ちゃんに続き意外と難産だったwι
最初はフレンやヨーデル様を出す予定ではなかったけど、この二人から頼まれて息抜きに行った方が良いかなーって思ってこうしました
執務室に缶詰になっている・・の辺りと女子旅って言うのは、リマスターのアニバーサリーエディションの特典スキットの内容を持って来ましたw
リアちゃんとエステルとのやり取りは自分の中でほんとに仲の良い姉妹のような友達って感じになっているのでED後の話しでもそう言った感じに出来たらなって思って、姉妹な所、そして友達な所って感じに分けて書いてみました
ED後だし、何処かでちょっと恋バナ入れたいな~って思ってちょこっと入れてみましたw
このメンバーの中じゃそう言った話はエステルが一番しやすいかなって思ったしw
で、本編でもエステルも驚いてたがリアちゃんもちょこっとだけ聞き返すと言う!?
そう言った変化も感じられた話しになったかなっと思ってます
タイトルも此方もなかなか決まらなかったけど、二人の共通点が月と姫だから、このタイトルになりました(リア:例えが月で、言霊使いの姫 エステル:満月の子でお姫様 だからw)
えー、さて、エステル編は以上となりますが、まだまだ残りのパーティメンバーとの話が残っています
まだ読んでないキャラ達がいたら其方も是非とも読んで頂けたらと思います!
改めて、サイト10周年、本当に有り難う御座います!!
これからも地道にやっていきますので、今後とも宜しくお願いします!
それからよければ・サイト10周年記念小説アンケートのアンケートにもご協力をお願いします。
Moon Princess Vacation:月の姫達の休暇
10周年:2019.07.18
完成:2019.05.29
「はい」
リアの質問にヨーデルはニコリとして答えた
Moon Princess Vacation
その日、リアはザーフィアス城の謁見の間に来ていた
数日前、いつも通りフレンから手紙が届いたのだが、『急で申し訳ないけど、数日後にザーフィアス城に来て欲しい』と手紙に書かれていて、ザーフィアス城の前で待ち合わせフレンと城の中へ入ったのだった
「本当に急で申し訳ないね」
「ううん。丁度仕事も落ち着いて故郷に戻ってたから。でも、用事って?」
普段なら下町や露店街のカフェなどで会ったりしているのだが、今回は何故かザーフィアス城だった
「それは後で話すよ」
ニコリといつもの笑みを見せて言うフレンを見てリアもそれ以上は追求するまいと思いながら隣を歩き、そしてある場所に着いた
「此処だよ」
「え、此処って、謁見の間?」
そう、二人が今居るのは謁見の間の扉の前だった
この先にいるのは現皇帝であるヨーデルと皇帝補佐のエステルのはず
そしてふとある事が浮かぶもフレンに声を掛けられ扉を開けて貰い謁見の間へ入った
「ヨーデル様、リアをお連れしました」
「お久し振りです、リアさん」
「ヨーデル様、お久し振りです」
が、そこにいたのはヨーデルだけだった
「・・・ヨーデル様、お一人、ですか?」
普段なら護衛の騎士が謁見の間にいるはずなのだが、何故かヨーデル一人だけだった
「人払いをしていますので、この場にいるのは私達だけです」
つまり、今回リアを呼び出したのはヨーデルと言う事らしい
人払いをしている事を聞き、リアはふと思っていた事を聞いてみた
「・・・・あの、もしかして、またユーリが何かしましたか・・・?」
その言葉を聞き、フレンとヨーデルは一瞬キョトンとしたがフレンは直ぐに声を出して笑い、ヨーデルも何処か笑っていた
「え? 何で笑うの?」
「ごめん。つい、ね」
「・・・ユーリの事じゃないの?」
「いいえ、違いますよ。むしろ彼等凛々の明星にはいつも感謝しています」
あの旅の後、帝国や騎士、そしてギルドとの仲は以前と比べるとかなり良くなっていた
それはあの旅で帝国とギルドが力を合わせた事も大きいが、何よりユーリ達のギルド、凛々の明星の働きも大きい
リアもフレンもあの旅で凛々の明星の一員として、世界の命運を掛けた戦いをやり、ギルドの仕事も手伝っていた
そして戦いが終わった後も、ヨーデルやフレンを始めとした帝都の代表と云える人物達から凛々の明星に仕事の依頼も着ていた
が、その反面、騎士団や各地で揉め事を起こしている、と言うのも事実で、カロルやフレンからの手紙にもそう言った内容が書かれていたのでリアもついそう聞いてしまったのだった
「えっと、それじゃあ今日私が呼ばれたのは一体・・?」
「実はエステリーゼの事でリアさんにお願いしたい事がありまして」
「エステル、ですか?」
少しだけ意外な人物の名前が出てきた事にリアは驚くも、確かに今この場にエステルはいなかった
そうして、最初の台詞へと繋がるのだった
「エステリーゼが私の補佐をやりながら彼女の夢である絵本作家の仕事をしているのはご存じですよね」
「はい」
「僕達はその事を知っているからエステリーゼ様がたまにハルルに戻らず執務室で両方の事をやっているのは知っている。けど、知らない騎士達はエステリーゼ様が公務で缶詰になっていると心配しているんだ」
どうやら此処何日かずっと執務室に籠りきりになって執務と絵本の内容を考えているようだった
「私達も勿論彼女の夢を応援していますが、たまには息抜きをして欲しいのです」
「君達がたまに女子旅をしているのは知っている。だけど、それ以外でも息抜きが出来ないかと思ってね」
あの旅の後、時々だがあの旅の女子達、つまりリア、エステル、リタ、ジュディス、パティの女子達は集まって世界各地を旅している
ユーリ達には言っていないが、フレンやヨーデルはどうやらエステルからその話を聞いていたようで女子旅の事を知っていた
「確かに私達も毎回全員揃う訳じゃないし、全員揃ったのも1回か2回くらいだし・・・」
女子旅は集まれる人だけ集まって女子だけで旅をすると言うもので強制ではないので、リアも毎回参加している訳ではなかった
だからそれとはまた別に息抜き出来ないかと思っていた時に丁度リアが仕事が落ちたと手紙に書かれていたので息抜きを任せられないかと思ったそうだ
「リアなら色々な所を旅しているし、エステリーゼ様の好きな物も知っているから適任だと思ってね」
「私達もリアさんなら安心してエステリーゼを預ける事が出来ますから」
二人にそう言われリアも納得し、笑顔で答えた
「そう言う事でしたら、私もお引き受けします」
そして謁見の間を後にしたリアは、エステルの部屋へと向かった
トントン
「はい」
「失礼します」
エステルの部屋の前に着てドアをノックし、そう言って部屋に入りエステルがいる場所を見ると机の上に沢山の資料と書類がある中、書類に目を通していた
「ごめんなさい、直ぐに終わりますから少し待っていてもらえます?」
「ええ、それが終わるまで待ってるからゆっくりで良いわよ」
「ありがとうございま・・・え!?」
エステルは書類を見ながらそう言うとリアはニコリとして言い、エステルは安心しお礼を言ったが聞き覚えのある声が聞こえ直ぐに驚いて顔を上げた
「リア!?」
「久し振りね、エステル」
「お久し振りです。どうしたんです、急に? まだ女子旅の時期じゃないですよね?」
「実はヨーデル様とフレンから頼まれ事をされてね」
「頼まれ事、ですか?」
エステルは席を立ち、リアの前に移動しリアが此処に来た理由を尋ね、数分前に二人から頼まれたエステルの息抜きに付き合って欲しい、と言う事を話した
「・・・そうだったんですね。すみません、リアにまで気を使わせてしまって・・・」
「気にしないで。それに私もエステルと出掛けるの久し振りだから嬉しいし」
「リア・・・ありがとう御座います。あ、でも、これだけ終わらせて良いです?」
そう言って見たのは先程まで目を通していた書類だった
そんなエステルを見て真面目な所がエステルらしいと思ってリアは微笑んだ
「ええ。さっきも言ったけど、ゆっくりで良いからね」
「はい。じゃあ少しだけ待っていて下さい」
そう言ってエステルは席に戻り書類に目を通し、数分後、二人は城を後にした
「リアと出掛けるの、本当に久し振りですね」
「ええ。二人だけでって言うのは旅の時に買い出しに行った時以来かもね」
「そう言えば息抜きって何処に行くんです?」
「ちょっと遠出になるんだけど、今ある場所が新しい事を始めたって聞いたからそこに行ってみない?」
そしてリアとエステルはある場所へと向かった
「着いたよ」
「此処って・・、ナム孤島」
リア達がやって来た場所はあの旅の時にも何度か訪れた事があるナム孤島だった
「此処だったら他の場所ともちょっと違うし息抜きにも良いと思うし、エステルの創作意欲も沸くかなって思って」
「リア・・・ありがとう御座います!」
自分の事を考えて此処に連れて着てくれた事にエステルは感謝し笑顔でお礼を言うとリアもニコリと微笑んだ
「お姉さん達、良かったらこれを着て回ってみない?」
「え?」
二人が中に入ると近くに居たうしにんが二人に声を掛けた
「これは制服です?」
「そうそう。此処学校だから制服作ってみたんだー」
「あ、じゃあ新しい事を始めたってこの事だったのね」
リアもナム孤島で何か新しい事を始めたと言う事を聞いてはいたがそれが制服だと言う事は知らなかったようだ
「これ、着てみても良いんです?」
「うん、良いよー」
「じゃあチップを・・・」
「ああ、チップはいらないよー」
「え?」
「まだ始めたばっかりだから今はサービスだよ」
「と言う事はタダで着て良いって事です?」
「うん。サービスサービス~♪」
「じゃあ遠慮無く着させてもらおうか」
「はい」
「好きなの選んで良いよー。あ、更衣室は校舎の中だから」
うしにんはご機嫌に少し歌のようにそう言ってリア達は自分のサイズに合った制服を持って更衣室へと向かった
「わあ! リア、とても素敵です!」
「ありがとう、エステルも凄く似合ってるし可愛いよ」
お互いに制服に着替えた後、感想を述べていた
「わたし、こういうの憧れていたので着られて嬉しいです!」
「なら良かった。それじゃあエステルが行きたい所から回ろうか」
「はい!」
二人はニコリと微笑んだ後、出店を見たり劇を見たりしていた
そして今は飲み物を買って休憩スペースで休憩をしていて、先程寄っていた店の話題になった
「さっき買ったアクセサリーも色々と種類があってどれを買うか随分迷ってたしね」
「はい。どれも素敵で・・・でもハルルの花をイメージしたアクセサリーが素敵だったのでこれにしたんです」
先程まで見ていたアクセサリーショップでは各街をイメージしたアクセサリーが売られていてどれも魅力で二人はだいぶそのアクセサリーを見ていたのだった
「そういえばもう1個買ってなかった?」
「はい。今度、アスピオのイメージのアクセサリーをリタにプレゼントしようと思って」
「エステルからのプレゼントだったらリタ喜ぶわね」
渡した時の反応が浮かんだのか、リアとエステルは顔を見合わせて笑った
「そういえば、」
その後もお喋りをしていたのが、ふとエステルが何かを思いリアを見た
「最近、ユーリとはどうなんです?」
「え!?///」
エステルの言葉にリアは驚いてエステルを見るといつも以上に目をキラキラとさせていた
「ど、どう・・って、いつも通りよ?」
「・・・もしかして、会えてないんです?」
「ううん、会ってるよ。けど、そんなに何か変わった訳じゃないよ?」
「そうなんです? でもリア、少し雰囲気や表情が変わっていますよ」
「そう・・?」
それは以前からみんなに会った時にも言われた事でもあり、故郷でも何度か言われた事があったがリア自身はそれをあまり自覚していなかった
「それだけリアが幸せと感じてる証拠ですよ」
「///」
ニコリと微笑んで言われリアは頬を染め恥ずかしそうにしていたが、それを隠すように飲み物を飲んだ
「うふふ、リアもユーリも幸せそうで本当に良かったです」
「・・・エステルは、どう、なの?」
「え?」
「・・その、エステルは・・そう言った話ってないの?」
「・・え?/// わ、わたし、です?///」
リアの意外な言葉に今度はエステルが驚いてしまう
「わ、わたしは、その、特には・・・」
「エステルもヨーデル様もその辺りは自由には出来ないみたいね・・・」
「はい・・・」
皇帝にはならなかったとはいえ、皇族なのだからやはりリア達のように好きには出来ないようだった
「でも、憧れはありますよ。わたしもいつかリアやユーリみたいになれたらな、って」
「そこで私達なの?///」
「ユーリもリアもわたし達から見ても羨ましいくらい幸せそうですから」
「///」
改めてそう言われまたリアは頬を赤く染めてしまうも、その気持ちが嬉しく
「エステルも、いつかそうなれるように祈ってるね」
「はい!」
笑顔で言い、エステルも嬉しそうに笑顔で返事を返した
「それじゃあもう少し見て回る?」
「はい! あ、あれなんでしょう?」
言うとエステルは立ち上がって気になる場所へ目を向け二人はその場所へと向かって行った
数時間後、
「リア、今日は連れて着てくれて本当にありがとう御座います」
「うん、わたしもエステルと一緒に来られて楽しかったよ」
あれから数時間後、リアとエステルはナム孤島を離れ、今は定期便の船に乗っていた
「本当に楽しかったです。こんなに遊んだのは久し振りでした!」
「私も。今度は女子旅で此処に来てみる?」
「それ良いですね! あ、じゃあその時までに、今日思い付いたお話も完成させておきますね」
「もうお話思い付いたの?」
「はい! 今書いているものも続きが書けそうですから、それが終わったら書きます」
「そっか。今日、本当にいい息抜きになったみたいね」
「はい!」
此処に来る時よりすっきりとした表情を浮かべとても嬉しそうに、楽しそうに話すエステルを見てリアもニコリと微笑んだ
「リア」
「ん?」
「また、こうやって息抜きに付き合って貰っても良いです?」
何処か少しだけ遠慮がちに言うエステルを見てリアは直ぐに微笑んで答えた
「勿論よ。また一緒に出掛けようね」
「はい! 約束ですよ」
「ええ、約束」
そう言って二人は指切りをし、楽しそうに微笑み、その後も城に戻るまでずっとお喋りをしていて、二人の姿は本当に仲の良い姉妹のような、友達のようにも見えていたのだった
end.
あとがき
と事でサイト10周年記念小説、エステル編何だったでしょうか?
エステルも内容は息抜きで!って直ぐに思い付いたんですが・・・なっっっっっっかなか書けなくて・・・ホントにセイ兄ちゃんに続き意外と難産だったwι
最初はフレンやヨーデル様を出す予定ではなかったけど、この二人から頼まれて息抜きに行った方が良いかなーって思ってこうしました
執務室に缶詰になっている・・の辺りと女子旅って言うのは、リマスターのアニバーサリーエディションの特典スキットの内容を持って来ましたw
リアちゃんとエステルとのやり取りは自分の中でほんとに仲の良い姉妹のような友達って感じになっているのでED後の話しでもそう言った感じに出来たらなって思って、姉妹な所、そして友達な所って感じに分けて書いてみました
ED後だし、何処かでちょっと恋バナ入れたいな~って思ってちょこっと入れてみましたw
このメンバーの中じゃそう言った話はエステルが一番しやすいかなって思ったしw
で、本編でもエステルも驚いてたがリアちゃんもちょこっとだけ聞き返すと言う!?
そう言った変化も感じられた話しになったかなっと思ってます
タイトルも此方もなかなか決まらなかったけど、二人の共通点が月と姫だから、このタイトルになりました(リア:例えが月で、言霊使いの姫 エステル:満月の子でお姫様 だからw)
えー、さて、エステル編は以上となりますが、まだまだ残りのパーティメンバーとの話が残っています
まだ読んでないキャラ達がいたら其方も是非とも読んで頂けたらと思います!
改めて、サイト10周年、本当に有り難う御座います!!
これからも地道にやっていきますので、今後とも宜しくお願いします!
それからよければ・サイト10周年記念小説アンケートのアンケートにもご協力をお願いします。
Moon Princess Vacation:月の姫達の休暇
10周年:2019.07.18
完成:2019.05.29