サイト10周年記念小説
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「はあ・・・」
リアとユーリが同居する事になり、あれから5日が経った
リアは昼食を済ませ一度部屋に戻ってきていた
「・・・随分と重い溜め息だな」
ふとそう声が聞こえ振り返るとそこにはアスラとフキがいた
「アスラ、フキ、もしかして様子を見に来てくれたの?」
「うん、今日で5日目だからね。どう?」
「どう・・って・・・」
「・・・まだ慣れてないって感じだな」
「ぅ・・・」
リアの反応も予想通りだったのか、アスラとフキは顔を見合わせて小さく笑った
「なら、ちょっと外に出てみたらどうだ?」
「外ね・・・」
「あんまり気乗りしない?」
「・・・外ならもう、出たよ」
「何か遭ったか?」
リアの反応を見てフキはそう感じ尋ねるとリアは少しだけ重くなった口を開けて答えた
「・・・実はね、一昨日ユーリと買い出しに行こうと思って外に出たの。そうしたら・・・」
「あれ? ユーリとリアじゃない!」
その日、二人は買い出しに出ようと思って外に出たら丁度同じ年くらいの下町の住人と会った
「よお」
「どうしたの、此処ってリアが昔住んでた所でしょ?」
「うん、ちょっと用事あって・・・」
「なーんだ、そうだったんだ」
「なんでそんなに残念そうなの?ι」
「だって、二人で出て来たからもしかして遂に結婚でもしたのなか~って」
「けっ! けっこっ・・・!////」
その言葉にはリアだけでなくユーリも驚いてしまっていた
「してないしてない!! してないからっ!!///」
リアは顔をいつも以上に赤くして否定した
「えーそうなの?」
「まあな。んじゃオレ達そろそろ仕事に戻るからまたな。ほら、リア行くぞ」
「え、あ、うん・・・」
ユーリは小さく笑ってそう言ってリアに声を掛けリアは頷いてユーリと一緒に歩いて行った
「あー成る程ねえ・・・」
そこまで聞き終わりリアが外に出たくない、と言う事が解ったアスラとフキだった
その後は一旦帝都の外に出たので今ユーリとリアがこの家に居ると言う事は下町の人達にも知られていなかった
「それにね、・・・その、・・・やっぱり、あの時言われた事もあって余計あの事も考えちゃって・・・」
「「・・・・」」
それはきっとリアの両親から言われたあの言葉なのだろうと、アスラもフキも思っていた
「なら特別な場所に行ってみたら?」
「特別な場所?」
ふとアスラは何かを思ってそう言うとリアは疑問符を出した
「昔良く行ってたあの公園とかさ。あそこ今でも落ち着ける場所だし他の人も知らない場所でしょ」
「うん・・・。・・・・特別、か・・・。・・・あ」
「どうした?」
アスラの言葉でリアは何か深く考えた後、顔を上げて二人を見た
「ねえ、アスラ、フキ、ハガスミに連絡って取れる?」
「ハガスミに?」
「うん、ちょっとお願いしたい事があって」
そう言ったリアは何かを決心した目をしていた
未来への想い(後編)
それから二日後、
「ユーリ、着いたよ」
「久々だな、此処に来るの」
「ユーリとフレンが私を迎えに来てくれた時以来だもんね」
二人が今着ている場所、そこはリアとセイの生まれ育った場所、言霊使いの故郷だった
「しっかし良く故郷に入る事許してくれたな」
「私がハガスミにお願いしたから」
そうあの時リアがハガスミにお願いがあると言った事は、数日後にユーリと一緒に言霊使いの故郷に行きたい、と言ったからだった
リアが思っている事を話すとハガスミも了承してくれ、今日来る事が出来たのだった
「それに、ハガスミもユーリの事気に入ってるみたいだったし」
「あん時しか会ってねえんだけどな」
あの戦いの時、ハガスミもユーリと会っていたし、ユーリの覚悟なども含め他の人間とはまた違ったものを持っているのをハガスミも気に入ったようだった
「でも言霊使い以外で、しかも外の人が気に入られるってなかなかない事だよ?」
「そうなのか?」
「うん。あの時も兄さん達が言ってたけど、私達もハガスミに会ったのはあの時が初めてだったし」
そう言われ、あの時の事を思い出すと確かにセイ達がそんな事を言っていたと思い出していた
「んで、これからどうするんだ?」
此処に来る前に言霊使いの故郷に行くとはリアには聞かされていたがそれ以外はまだ何も聞いていなかった
「前に故郷に来た時って殆ど故郷を見て回れなかったでしょ。だから、行ける範囲の所でユーリに故郷を見て欲しくて」
そう言ったリアの笑顔はこの数日見た中で一番の笑顔だった
「そっか。んじゃ案内頼めるか」
「うん。じゃあまずは町の方に行ってみる? 帝都とはまた違った感じだと思うし」
「ああ。此処から近いのか?」
「うん、少し歩くけどそんなに遠くないよ。それにおしるこの美味しいお店もあるんだよ」
「お、なら、そこは確実に行かねえとな」
「ふふ、そう言うと思った。じゃあ休憩する時に寄ってみよう」
そう話しながらリアとユーリは町へと向けて歩いて行った
「着いたよ。此処が町の市場よ」
そう言われ前を見ると、帝都や他の街とも違う街並みの店が沢山並んでいた
「前に着た時も思ったが、ホントに街並みも違うもんなんだな」
「売ってるものも少し違う物とかも沢山あるよ」
「へえ。ならリアも帝都に来た時驚いたんじゃないか」
「うん、珍しいものばかりで兄さんとアスラに色々と教えてもらいながら見てたよ」
その当時の事を思い出しリアは懐かしそうに微笑んでいた
「じゃあ・・」
「まあ、姫様!」
「・・姫様?」
リアがユーリに話掛けようとしていると一人の女性が気が付きリアの事をそう呼んだ
「本当だ。姫様じゃないですか」
それをきっかけに周りに居た人達がリアとユーリの周りに集まりあっと言う間に二人は埋め尽くされた
「姫様、いつお戻りになられたんですか?」
「ついさっきよ」
「・・そういや、こっちではそう呼ばれてるんだったな」
「うん」
ユーリは周りの人達の声を聞き、そう言うとリアは小さく笑った
「姫様、こちらの男性は?」
「あ、えっと、」
「もしかして彼氏さんですか!」
一人の女性の声にざわめきが沸くがリアはユーリを見るとユーリもリアの視線に気付きお互いに小さく笑って答えた
「ええ。だから今故郷を一緒に見て回ってるの」
ニコリと微笑んで言うと集まっている人達は更に歓喜した
「なんと! ついに!」
「これはおめでたい!」
「貴方、姫様の事を大事にしてね!」
「じゃないと、俺達が黙っちゃないぜ」
街の人達の言葉を聞き、ユーリは以前も何処かで似たような事を言われたなと思いつつしっかりと答えた
「ああ。そりゃ勿論な」
はっきりと答えたユーリを見てリアは一瞬驚いて目を瞠ったが直ぐに嬉しさを感じ微笑んだのだった
そして、
「ユーリ、こっちこっち」
「だいぶ登ったな」
「うん。でも、ほら」
あれから暫くリアとユーリは町の市場を見て回り、休憩をした後、ユーリの気になった場所を回った後、リアのお気に入りであるこの裏山に二人で来ていた
そしてリアが指差した方を見れば先程までいた言霊使いの故郷が見渡せた
「この場所、故郷全体を見渡せるから私と兄さんのお気に入りなの」
「確かに良い眺めだな、此処」
「この辺りってうちの所有地だから私達以外知らない場所なのよね」
「・・・今さり気なく所有地って言ったよな?」
その言葉を聞き、リアもセイも凄い所の生まれだったんだよな、と改めて思うユーリだった
「けど、こんな良い景色を独り占めってのも特だよな」
「うん。だから、いつかユーリやみんなにも見て欲しいな、って思ってたんだ」
「・・・そっか」
嬉しそうに微笑むリアを見てユーリも優しく微笑んだ
「にしても、リアが言ってたあの店のおしるこはホントに美味かったな」
「うん。あのお店、他にも甘い物が沢山あっていつもどれにするか迷っちゃうんだ」
「けど、一番のオススメはあのおしるこだろ?」
「うん。甘さの調整もしてくれるから兄さんもたまに一緒に食べるんだよ」
「セイがリアが作ったもん以外で甘いもん食ってるとこなんて、あんま想像出来ないけどな」
「ふふ、確かにそうかもね」
その言葉にリアも笑い、二人して景色を眺めだした
「なあ、リア」
「ん?」
暫くするとユーリはリアにある疑問を振った
「同居の事もだが、此処に来た本当の理由、聞いても良いか?」
ユーリはずっと気になっていた事を聞くと、リアはまた目を瞠ったが直ぐに参ったな、と言う顔をした
「・・・やっぱり、ユーリには何でもお見通しなんだね」
「そりゃ急に同居とか普段なら絶対に入れない言霊使いの故郷に来たら何かあるって思うだろ」
「・・・・あのね、」
リアは少し考えた後、ユーリを見て話し出した
「同居の話をされた時に、お父さんとお母さんからユーリとの今後・・・将来について、どうするか、って言われたの」
実際にはあの場の空気でリアも察したのだが、今までの事や同居する事の意味を考えたらそう言う事になる、と言う事はリアも理解していた
「兄さんにも言われたけど、私達って進展してるようでしてないでしょ。・・勿論、それは私もユーリも仕事があるし離れてる事が多いから仕方ないってみんな解ってるの。だけど、ずっとこのままって訳にも行かないだろうって事でお父さん達から暫く同居してみたらって言われたの」
ユーリは言葉を挟まずじっとリアの言葉を聞いていた
「それでずっと色々と考えてて、それで思ったの」
そこでリアは一度言葉を切り、一度故郷の景色を見た
「ユーリとの事を考えた時に、ちゃんと私の生まれ育ったこの場所を知って欲しかった。下町も、故郷も、私にとって大切な場所だから」
「そっか。リアも同じだったんだな」
「え?」
リアの想いを聞くとユーリは優しく微笑んでそう言うとリアは驚いた顔をした
「オレもあん時話を聞いた後、セイがオレの部屋に来てそん時にセイに言われてな・・・」
どうやらあの日、話が終わった後セイはユーリの部屋を尋ねて今回の本当の意味をユーリに伝えていたそうだ
だがリアには言わないようセイから言われていたし、ユーリもその方が良いだろうと思い黙っていた
「けど、オレもリアと同じで色々と考えてたんだぜ。それにさっき町の連中に囲まれて姫様って呼ばれてるのを見て改めて思ったんだよ。・・罪人の隣に誰にでも愛されてる姫様を置くのはなって」
「!」
久し振りに聞いたその言葉にリアは驚いて不安そうな顔をしてユーリを見た
「そんな事ない! あの時も言ったけど、私はユーリの傍にいるって。それに、罪人だって言うなら、私も同罪だよ? ずっと黙って見てたんだから・・・」
リアは少しだけ泣きそうな顔をしてユーリに抱きつきユーリも安心させるようにリアを抱きしめた
「それに、お父さんもお母さんも神将達 も勿論その事も知ってるよ。知ってるうえで、この事提案してくれたし、ユーリなら安心って言ってくれたんだよ? だから、ユーリもその事は気にしないで・・・」
「・・・ああ。そうだな。リアのお袋さんと親父さんならそう言うだろうな」
ユーリも子供の頃に面倒を見て貰った事があるからどう言う人物なのかも知っているし、二人ならそう言うだろう、と想像が出来た
「・・・けど、さっき町の連中に言った事は嘘じゃないぜ」
「え?」
ユーリの言葉にリアはまた顔を上げてユーリを見た
「オレだってリアの事が好きだからいつかは、まあ、その・・先の事考えてない訳じゃないからな」
「・・・ユーリ・・・」
いつも以上に照れたような顔をして言うユーリを見てリアは驚きと嬉しさが入り混じっていた
「だから、オレ達も・・・これから少しずつゆっくり考えてみようぜ」
「っ・・・ユーリっ・・! うん!」
「だから、泣くなって」
「だってっ、・・・嬉しくて・・・・っ」
ユーリは嬉し泣きをしているリアを見てリアの涙を手で拭ってあげた
「・・ありがとう」
そう言ってリアは微笑み、
「「・・・・・」」
自然と見つめ合う状態になった
そうして、
「・・・んっ」
自然とお互いの距離が縮まり、二人の唇が重なった
「・・・リア、愛してる。これからもずっとな」
「・・・うん。ユーリ、私も、ユーリの事が大好きでずっとずっと愛してるよ」
お互いに最高の笑顔を見せて想いを伝え合いまた口付けを交わし、互いの存在と想いを受け止めるように強く抱きしめあった
「・・・名残惜しいが、そろそろ帰るか」
「うん。まだ一緒にいられる時間はたっくさんあるからね」
「ああ。んじゃ、・・オレ達の家に帰りますか、お姫様?」
「・・・ふふ、はい、喜んで」
そう言って二人はまた微笑み、ユーリはそう言って手を出しリアは一瞬驚きもしたが、その言葉に可笑しさと喜びを感じながらユーリの手に自分の手を載せ、そしてまた二人で微笑み、手を繋いで歩き出した
その二人の顔は今まで以上に幸せそうで、寄り添って歩いて行ったのだった
end.
あとがき
と事でサイト10周年記念小説、ユーリ編、やっと、やあああああっっっっと完成したよ!!
えー改めまして、ユーリ編如何だったでしょうか?
やっぱりユーリは一番書いてるからユーリは一番最後に~って思ってたんですけど、やー毎度の事ながら長い!!!www
ユーリは今まで色んなパターンを書いてきたから今回どうしようかすっっっっごく悩みました
で、どうしようかって思ってたら昔書きかけだったこの同居話を見つけて付け足しで色々と書いていったんです
でも書いてる途中でリアちゃんの「ユーリとの事を考えた時に、ちゃんと私の生まれ育ったこの場所を知って欲しかった」って言葉が浮かんで、ユーリと故郷を見て回る話しも書きたいなって思って途中で路線変更したんですが、それでもなんかしっくりと来なくて、同居と故郷を見て回る話を一緒にしようと思って書き出しても繋がりが悪く書いては消して繋ぎ直して~ってやってたらこうなって長くなったんですよwwι
あ、でも、セイ兄ちゃんやエステルの時ほど難産はしてないですよ!w
えーっと、では此処から少し本編を前後編含めて振り返ろうw
あ、先に言っておきます、此処も長いですよww(今年のテイフェス2日目のOPトークの時みたいな言い方だなww)
まずは初登場のリアちゃんとセイ兄ちゃんの両親である父、ヨイチと母、ミルレ
読んで貰ったら解る通り少しクール系な感じのお父さんと明るい感じのお母さんです
きっとセイ兄ちゃんはお父さん似、リアちゃんはお母さん似な性格なんでしょうねw
両親やセイ兄ちゃん、周りにいた神将達の会話も書いてて楽しかったですw
こういう話なので、神将の年少組達は参加してませんでしたw(居たらリアちゃん大好きっ娘のあの二人が騒ぎだすだろうしねww)
そして、同居する事になった例の家、これは長編の『下町の歌姫、結婚騒動(前編)(TOV)下町の歌姫、結婚騒動(後編)(TOV)』や『Encounter of light and a dark, the sun and the moon ~光と影、太陽と月の邂逅~(前編)(TOV)、~光と影、太陽と月の邂逅~(後編)(TOV)』の時に出てきたあの家の事ですね
この家は本編でも書きましたが、あの宿屋からはだいぶ離れた所にあるので邪魔されないって意味でも使えるなって思ってこの場所にしました
けど下町の人に見られて大変な事になってましたけどねι
それから故郷の方へ来てからまた街の人達に囲まれて色々と遭ったようですけど、これでようやくお互い気持ちの整理が出来たのか自分達の気持ちを打ち明けてようやく本当に幸せになれたって感じでしたね!(o´ω`o)(今までも幸せだったけどそれ以上にって意味だよw)
それに、ユーリとリアちゃんが言う罪人や同罪だよ?って辺りもちゃんとこの話で使いたかったので使えて満足しています
ユーリはその覚悟を持っているからこそずっとあの悩みを持ち続けていたので、うちのサイトではその先にはなかなか進まない方向にしていたんですよね
けどそこもちゃんとお互いに言えたから、これから少しずつ更に進展していくだろうね
あ、それと、リアちゃんがちゃんと「愛してる」って言えてるのは、同じく長編の「I want to hear the words from your mouth -その言葉を、お前の口から聞きたい-(TOV)」の後の話だからです
後、ユーリのテレたような顔、これはリマスターのアニバーサリーエディションの特典スキットでもテレ顔があったのでせっかくだし此処でも使ってみようって思って使って見ました(あの顔結構好きなのさw)
・・えーまだまだ、あとがき書いていたいがこれ以上書くとほんとに長くなっちゃうので、この辺りで終わりします(^_^;)w
さて、ユーリ編は以上となりますが、まだまだ残りのパーティメンバーとの話が残っています
まだ読んでないキャラ達がいたら其方も是非とも読んで頂けたらと思います!
改めて、サイト10周年、本当に有り難う御座います!!
これからも地道にやっていきますので、今後とも宜しくお願いします!
それからよければ・サイト10周年記念小説アンケートのアンケートにもご協力をお願いします。
10周年:2019.07.18
完成:2019.06.29
リアとユーリが同居する事になり、あれから5日が経った
リアは昼食を済ませ一度部屋に戻ってきていた
「・・・随分と重い溜め息だな」
ふとそう声が聞こえ振り返るとそこにはアスラとフキがいた
「アスラ、フキ、もしかして様子を見に来てくれたの?」
「うん、今日で5日目だからね。どう?」
「どう・・って・・・」
「・・・まだ慣れてないって感じだな」
「ぅ・・・」
リアの反応も予想通りだったのか、アスラとフキは顔を見合わせて小さく笑った
「なら、ちょっと外に出てみたらどうだ?」
「外ね・・・」
「あんまり気乗りしない?」
「・・・外ならもう、出たよ」
「何か遭ったか?」
リアの反応を見てフキはそう感じ尋ねるとリアは少しだけ重くなった口を開けて答えた
「・・・実はね、一昨日ユーリと買い出しに行こうと思って外に出たの。そうしたら・・・」
「あれ? ユーリとリアじゃない!」
その日、二人は買い出しに出ようと思って外に出たら丁度同じ年くらいの下町の住人と会った
「よお」
「どうしたの、此処ってリアが昔住んでた所でしょ?」
「うん、ちょっと用事あって・・・」
「なーんだ、そうだったんだ」
「なんでそんなに残念そうなの?ι」
「だって、二人で出て来たからもしかして遂に結婚でもしたのなか~って」
「けっ! けっこっ・・・!////」
その言葉にはリアだけでなくユーリも驚いてしまっていた
「してないしてない!! してないからっ!!///」
リアは顔をいつも以上に赤くして否定した
「えーそうなの?」
「まあな。んじゃオレ達そろそろ仕事に戻るからまたな。ほら、リア行くぞ」
「え、あ、うん・・・」
ユーリは小さく笑ってそう言ってリアに声を掛けリアは頷いてユーリと一緒に歩いて行った
「あー成る程ねえ・・・」
そこまで聞き終わりリアが外に出たくない、と言う事が解ったアスラとフキだった
その後は一旦帝都の外に出たので今ユーリとリアがこの家に居ると言う事は下町の人達にも知られていなかった
「それにね、・・・その、・・・やっぱり、あの時言われた事もあって余計あの事も考えちゃって・・・」
「「・・・・」」
それはきっとリアの両親から言われたあの言葉なのだろうと、アスラもフキも思っていた
「なら特別な場所に行ってみたら?」
「特別な場所?」
ふとアスラは何かを思ってそう言うとリアは疑問符を出した
「昔良く行ってたあの公園とかさ。あそこ今でも落ち着ける場所だし他の人も知らない場所でしょ」
「うん・・・。・・・・特別、か・・・。・・・あ」
「どうした?」
アスラの言葉でリアは何か深く考えた後、顔を上げて二人を見た
「ねえ、アスラ、フキ、ハガスミに連絡って取れる?」
「ハガスミに?」
「うん、ちょっとお願いしたい事があって」
そう言ったリアは何かを決心した目をしていた
未来への想い(後編)
それから二日後、
「ユーリ、着いたよ」
「久々だな、此処に来るの」
「ユーリとフレンが私を迎えに来てくれた時以来だもんね」
二人が今着ている場所、そこはリアとセイの生まれ育った場所、言霊使いの故郷だった
「しっかし良く故郷に入る事許してくれたな」
「私がハガスミにお願いしたから」
そうあの時リアがハガスミにお願いがあると言った事は、数日後にユーリと一緒に言霊使いの故郷に行きたい、と言ったからだった
リアが思っている事を話すとハガスミも了承してくれ、今日来る事が出来たのだった
「それに、ハガスミもユーリの事気に入ってるみたいだったし」
「あん時しか会ってねえんだけどな」
あの戦いの時、ハガスミもユーリと会っていたし、ユーリの覚悟なども含め他の人間とはまた違ったものを持っているのをハガスミも気に入ったようだった
「でも言霊使い以外で、しかも外の人が気に入られるってなかなかない事だよ?」
「そうなのか?」
「うん。あの時も兄さん達が言ってたけど、私達もハガスミに会ったのはあの時が初めてだったし」
そう言われ、あの時の事を思い出すと確かにセイ達がそんな事を言っていたと思い出していた
「んで、これからどうするんだ?」
此処に来る前に言霊使いの故郷に行くとはリアには聞かされていたがそれ以外はまだ何も聞いていなかった
「前に故郷に来た時って殆ど故郷を見て回れなかったでしょ。だから、行ける範囲の所でユーリに故郷を見て欲しくて」
そう言ったリアの笑顔はこの数日見た中で一番の笑顔だった
「そっか。んじゃ案内頼めるか」
「うん。じゃあまずは町の方に行ってみる? 帝都とはまた違った感じだと思うし」
「ああ。此処から近いのか?」
「うん、少し歩くけどそんなに遠くないよ。それにおしるこの美味しいお店もあるんだよ」
「お、なら、そこは確実に行かねえとな」
「ふふ、そう言うと思った。じゃあ休憩する時に寄ってみよう」
そう話しながらリアとユーリは町へと向けて歩いて行った
「着いたよ。此処が町の市場よ」
そう言われ前を見ると、帝都や他の街とも違う街並みの店が沢山並んでいた
「前に着た時も思ったが、ホントに街並みも違うもんなんだな」
「売ってるものも少し違う物とかも沢山あるよ」
「へえ。ならリアも帝都に来た時驚いたんじゃないか」
「うん、珍しいものばかりで兄さんとアスラに色々と教えてもらいながら見てたよ」
その当時の事を思い出しリアは懐かしそうに微笑んでいた
「じゃあ・・」
「まあ、姫様!」
「・・姫様?」
リアがユーリに話掛けようとしていると一人の女性が気が付きリアの事をそう呼んだ
「本当だ。姫様じゃないですか」
それをきっかけに周りに居た人達がリアとユーリの周りに集まりあっと言う間に二人は埋め尽くされた
「姫様、いつお戻りになられたんですか?」
「ついさっきよ」
「・・そういや、こっちではそう呼ばれてるんだったな」
「うん」
ユーリは周りの人達の声を聞き、そう言うとリアは小さく笑った
「姫様、こちらの男性は?」
「あ、えっと、」
「もしかして彼氏さんですか!」
一人の女性の声にざわめきが沸くがリアはユーリを見るとユーリもリアの視線に気付きお互いに小さく笑って答えた
「ええ。だから今故郷を一緒に見て回ってるの」
ニコリと微笑んで言うと集まっている人達は更に歓喜した
「なんと! ついに!」
「これはおめでたい!」
「貴方、姫様の事を大事にしてね!」
「じゃないと、俺達が黙っちゃないぜ」
街の人達の言葉を聞き、ユーリは以前も何処かで似たような事を言われたなと思いつつしっかりと答えた
「ああ。そりゃ勿論な」
はっきりと答えたユーリを見てリアは一瞬驚いて目を瞠ったが直ぐに嬉しさを感じ微笑んだのだった
そして、
「ユーリ、こっちこっち」
「だいぶ登ったな」
「うん。でも、ほら」
あれから暫くリアとユーリは町の市場を見て回り、休憩をした後、ユーリの気になった場所を回った後、リアのお気に入りであるこの裏山に二人で来ていた
そしてリアが指差した方を見れば先程までいた言霊使いの故郷が見渡せた
「この場所、故郷全体を見渡せるから私と兄さんのお気に入りなの」
「確かに良い眺めだな、此処」
「この辺りってうちの所有地だから私達以外知らない場所なのよね」
「・・・今さり気なく所有地って言ったよな?」
その言葉を聞き、リアもセイも凄い所の生まれだったんだよな、と改めて思うユーリだった
「けど、こんな良い景色を独り占めってのも特だよな」
「うん。だから、いつかユーリやみんなにも見て欲しいな、って思ってたんだ」
「・・・そっか」
嬉しそうに微笑むリアを見てユーリも優しく微笑んだ
「にしても、リアが言ってたあの店のおしるこはホントに美味かったな」
「うん。あのお店、他にも甘い物が沢山あっていつもどれにするか迷っちゃうんだ」
「けど、一番のオススメはあのおしるこだろ?」
「うん。甘さの調整もしてくれるから兄さんもたまに一緒に食べるんだよ」
「セイがリアが作ったもん以外で甘いもん食ってるとこなんて、あんま想像出来ないけどな」
「ふふ、確かにそうかもね」
その言葉にリアも笑い、二人して景色を眺めだした
「なあ、リア」
「ん?」
暫くするとユーリはリアにある疑問を振った
「同居の事もだが、此処に来た本当の理由、聞いても良いか?」
ユーリはずっと気になっていた事を聞くと、リアはまた目を瞠ったが直ぐに参ったな、と言う顔をした
「・・・やっぱり、ユーリには何でもお見通しなんだね」
「そりゃ急に同居とか普段なら絶対に入れない言霊使いの故郷に来たら何かあるって思うだろ」
「・・・・あのね、」
リアは少し考えた後、ユーリを見て話し出した
「同居の話をされた時に、お父さんとお母さんからユーリとの今後・・・将来について、どうするか、って言われたの」
実際にはあの場の空気でリアも察したのだが、今までの事や同居する事の意味を考えたらそう言う事になる、と言う事はリアも理解していた
「兄さんにも言われたけど、私達って進展してるようでしてないでしょ。・・勿論、それは私もユーリも仕事があるし離れてる事が多いから仕方ないってみんな解ってるの。だけど、ずっとこのままって訳にも行かないだろうって事でお父さん達から暫く同居してみたらって言われたの」
ユーリは言葉を挟まずじっとリアの言葉を聞いていた
「それでずっと色々と考えてて、それで思ったの」
そこでリアは一度言葉を切り、一度故郷の景色を見た
「ユーリとの事を考えた時に、ちゃんと私の生まれ育ったこの場所を知って欲しかった。下町も、故郷も、私にとって大切な場所だから」
「そっか。リアも同じだったんだな」
「え?」
リアの想いを聞くとユーリは優しく微笑んでそう言うとリアは驚いた顔をした
「オレもあん時話を聞いた後、セイがオレの部屋に来てそん時にセイに言われてな・・・」
どうやらあの日、話が終わった後セイはユーリの部屋を尋ねて今回の本当の意味をユーリに伝えていたそうだ
だがリアには言わないようセイから言われていたし、ユーリもその方が良いだろうと思い黙っていた
「けど、オレもリアと同じで色々と考えてたんだぜ。それにさっき町の連中に囲まれて姫様って呼ばれてるのを見て改めて思ったんだよ。・・罪人の隣に誰にでも愛されてる姫様を置くのはなって」
「!」
久し振りに聞いたその言葉にリアは驚いて不安そうな顔をしてユーリを見た
「そんな事ない! あの時も言ったけど、私はユーリの傍にいるって。それに、罪人だって言うなら、私も同罪だよ? ずっと黙って見てたんだから・・・」
リアは少しだけ泣きそうな顔をしてユーリに抱きつきユーリも安心させるようにリアを抱きしめた
「それに、お父さんもお母さんも
「・・・ああ。そうだな。リアのお袋さんと親父さんならそう言うだろうな」
ユーリも子供の頃に面倒を見て貰った事があるからどう言う人物なのかも知っているし、二人ならそう言うだろう、と想像が出来た
「・・・けど、さっき町の連中に言った事は嘘じゃないぜ」
「え?」
ユーリの言葉にリアはまた顔を上げてユーリを見た
「オレだってリアの事が好きだからいつかは、まあ、その・・先の事考えてない訳じゃないからな」
「・・・ユーリ・・・」
いつも以上に照れたような顔をして言うユーリを見てリアは驚きと嬉しさが入り混じっていた
「だから、オレ達も・・・これから少しずつゆっくり考えてみようぜ」
「っ・・・ユーリっ・・! うん!」
「だから、泣くなって」
「だってっ、・・・嬉しくて・・・・っ」
ユーリは嬉し泣きをしているリアを見てリアの涙を手で拭ってあげた
「・・ありがとう」
そう言ってリアは微笑み、
「「・・・・・」」
自然と見つめ合う状態になった
そうして、
「・・・んっ」
自然とお互いの距離が縮まり、二人の唇が重なった
「・・・リア、愛してる。これからもずっとな」
「・・・うん。ユーリ、私も、ユーリの事が大好きでずっとずっと愛してるよ」
お互いに最高の笑顔を見せて想いを伝え合いまた口付けを交わし、互いの存在と想いを受け止めるように強く抱きしめあった
「・・・名残惜しいが、そろそろ帰るか」
「うん。まだ一緒にいられる時間はたっくさんあるからね」
「ああ。んじゃ、・・オレ達の家に帰りますか、お姫様?」
「・・・ふふ、はい、喜んで」
そう言って二人はまた微笑み、ユーリはそう言って手を出しリアは一瞬驚きもしたが、その言葉に可笑しさと喜びを感じながらユーリの手に自分の手を載せ、そしてまた二人で微笑み、手を繋いで歩き出した
その二人の顔は今まで以上に幸せそうで、寄り添って歩いて行ったのだった
end.
あとがき
と事でサイト10周年記念小説、ユーリ編、やっと、やあああああっっっっと完成したよ!!
えー改めまして、ユーリ編如何だったでしょうか?
やっぱりユーリは一番書いてるからユーリは一番最後に~って思ってたんですけど、やー毎度の事ながら長い!!!www
ユーリは今まで色んなパターンを書いてきたから今回どうしようかすっっっっごく悩みました
で、どうしようかって思ってたら昔書きかけだったこの同居話を見つけて付け足しで色々と書いていったんです
でも書いてる途中でリアちゃんの「ユーリとの事を考えた時に、ちゃんと私の生まれ育ったこの場所を知って欲しかった」って言葉が浮かんで、ユーリと故郷を見て回る話しも書きたいなって思って途中で路線変更したんですが、それでもなんかしっくりと来なくて、同居と故郷を見て回る話を一緒にしようと思って書き出しても繋がりが悪く書いては消して繋ぎ直して~ってやってたらこうなって長くなったんですよwwι
あ、でも、セイ兄ちゃんやエステルの時ほど難産はしてないですよ!w
えーっと、では此処から少し本編を前後編含めて振り返ろうw
あ、先に言っておきます、此処も長いですよww(今年のテイフェス2日目のOPトークの時みたいな言い方だなww)
まずは初登場のリアちゃんとセイ兄ちゃんの両親である父、ヨイチと母、ミルレ
読んで貰ったら解る通り少しクール系な感じのお父さんと明るい感じのお母さんです
きっとセイ兄ちゃんはお父さん似、リアちゃんはお母さん似な性格なんでしょうねw
両親やセイ兄ちゃん、周りにいた神将達の会話も書いてて楽しかったですw
こういう話なので、神将の年少組達は参加してませんでしたw(居たらリアちゃん大好きっ娘のあの二人が騒ぎだすだろうしねww)
そして、同居する事になった例の家、これは長編の『下町の歌姫、結婚騒動(前編)(TOV)下町の歌姫、結婚騒動(後編)(TOV)』や『Encounter of light and a dark, the sun and the moon ~光と影、太陽と月の邂逅~(前編)(TOV)、~光と影、太陽と月の邂逅~(後編)(TOV)』の時に出てきたあの家の事ですね
この家は本編でも書きましたが、あの宿屋からはだいぶ離れた所にあるので邪魔されないって意味でも使えるなって思ってこの場所にしました
けど下町の人に見られて大変な事になってましたけどねι
それから故郷の方へ来てからまた街の人達に囲まれて色々と遭ったようですけど、これでようやくお互い気持ちの整理が出来たのか自分達の気持ちを打ち明けてようやく本当に幸せになれたって感じでしたね!(o´ω`o)(今までも幸せだったけどそれ以上にって意味だよw)
それに、ユーリとリアちゃんが言う罪人や同罪だよ?って辺りもちゃんとこの話で使いたかったので使えて満足しています
ユーリはその覚悟を持っているからこそずっとあの悩みを持ち続けていたので、うちのサイトではその先にはなかなか進まない方向にしていたんですよね
けどそこもちゃんとお互いに言えたから、これから少しずつ更に進展していくだろうね
あ、それと、リアちゃんがちゃんと「愛してる」って言えてるのは、同じく長編の「I want to hear the words from your mouth -その言葉を、お前の口から聞きたい-(TOV)」の後の話だからです
後、ユーリのテレたような顔、これはリマスターのアニバーサリーエディションの特典スキットでもテレ顔があったのでせっかくだし此処でも使ってみようって思って使って見ました(あの顔結構好きなのさw)
・・えーまだまだ、あとがき書いていたいがこれ以上書くとほんとに長くなっちゃうので、この辺りで終わりします(^_^;)w
さて、ユーリ編は以上となりますが、まだまだ残りのパーティメンバーとの話が残っています
まだ読んでないキャラ達がいたら其方も是非とも読んで頂けたらと思います!
改めて、サイト10周年、本当に有り難う御座います!!
これからも地道にやっていきますので、今後とも宜しくお願いします!
それからよければ・サイト10周年記念小説アンケートのアンケートにもご協力をお願いします。
10周年:2019.07.18
完成:2019.06.29
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