帝都バレンタイン騒動
夢主名変更
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「この時間なら、まだあそこにいると思うんだけど・・・」
ハイカラヤを後にしたリアは街の中を歩きながら懐中時計で時間とまだ夕空だと言う事を確認すると急いである場所へと向かった
「良かった、間に合ったみたい」
あれからリアは日比谷公園にやってきた
この日比谷公園で夏には毎日のように来るアイスクリンの行商の所に来ていた
普段ならこの時期にアイスクリンを売りに来る事はないのだが今日は特別に売りに来ていた
「こんばんは、おじさん」
「おお、リアちゃん。今日は店の方じゃないのかい?」
「はい、今日はパーティーだったので」
「パーティー? そりゃまた豪華だったんだろう」
「ええ、まあ」
先程までのパーティーの事を思い出して苦笑して言うと店主はそうか、と言って笑った
この店には何度か来た事があり常連と言っても良い程なのでこうやって話をするのは珍しい事ではなかった
「おお、そこにいるのはリアではないか!」
「? 九段さん」
店主と話をしていると聞き慣れた声が聞こえ振り返ると九段がこちらにやって来ていた
「もしかして九段さんも食べに来たんですか?」
「と言う事は、リアもか?」
「はい」
「やっぱりお二人さんはこれ目当てだったかい」
「うむ、まだ残っているか?」
「ああ、ほらよ」
リアと九段の会話を聞き店主は九段の言葉に頷きアイスクリンを出した
「バレンタイン限定、チョコレイトウを使ったアイスクリンだ! 本日限定だから買いに来る客が多くてね」
確かにバレンタインの事が帝都に知れてから各店ではチョコを使った食べ物を限定で売ったり出したりしている店も多かった
勿論リアが働いているミルクホールも例外ではないが、それはこのアイスクリンの店も同じだったようだ
「でも良く残っていましたよね」
今更になってそんな疑問が浮かんだリアだったが店主はアイスクリンを手渡しながら言う
「お二人さんが来ると思ってね。丁度二人分残しておいたのさ」
「そうか、店主かたじけない」
「なに、いいって事よ。いつもご贔屓にして貰ってるしな」
そう言ってリアも九段もお金を払って店から離れ近くの椅子に腰掛けアイスクリンを食べていた
「うむ、これはまた美味いな」
「はい、チョコの味が際立っていて美味しいですよね」
「先程までのパーティーに続き、今日は甘いものが沢山食べられて我は嬉しいぞ」
先程までハイカラヤでバレンタインパーティーをやっていて甘いものやチョコレイトウを食べたが、流石は甘党仲間と言うべきか、リアと九段は今も幸せそうにアイスクリンを食べていた
「九段さん、本当に幸せそうな顔をしていますね」
「普段は千代や梓に言われてあまり甘いものが食べられないからな」
それはあの出来事があった時から変わらないようだったが、それでも今日だけは梓も千代も多めに見てくれているのか九段は思う存分甘いものを堪能していた
「そう言えば、リアにはまだ礼を言っていなかったな」
「お礼、ですか?」
何の事だろう?と思い首を傾げると九段はリアに向き合った
「我等の為に今日梓と千代とマスターと共にバレンタインパーティーを開いてくれただろう。我は凄く楽しかったから一言礼を言いたかったのだ」
「喜んで楽しんで貰えたなら良かったです」
九段の言葉を聞きパーティーをやって良かったな、思いリアは微笑んでいた
「・・・・」
「? 九段さん、どうかしましたか?」
「いや、何もないぞ?」
「? そうですか?」
ふと九段の視線を感じ九段を見ると、九段は少し驚いたような顔をしていたがリアが声を掛けるとそう言いアイスクリンを食べ始め若干疑問系で返事を返されたがそこはあまり気にせずリアもアイスクリンを一口食べた
「そう言えば梓と千代はどうしたのだ?」
「千代ちゃんは進さんと一緒です。きっと今は二人で帝都を回っている頃ですよ。梓ちゃんはあの後行く所があるからと言ってそのまま別れたんです」
「そうか。千代達も互いに会うのは久方振りだったからな。楽しんでいると良いな」
「はい、私もそう思っています」
九段も千代と進さんの事を応援している一人でもあるのでお互いにそう言って笑った
「きっと梓ちゃんもそうだと思うし・・・。だから、私も頑張らなきゃ、だよね・・・」
「? リア、何か言ったか?」
リアは微笑んだ後、少しだけ顔を俯かせぽつりとそう呟いたが、それは九段には聞こえていなかったようだ
それを確認するとリアは一つの包みを取り出した
そして、
「九段さん、これ、受け取って下さい」
「? これは・・・?」
リアから差し出された包みを受け取ると九段は中を開けた
「チョコレイトウ、か・・・?」
「・・・はい。今日は、バレンタインですから・・」
「・・・!」
そう言うとリアは少しだけ照れたような顔をして視線を少しだけ逸らしながら言い、
「・・・解釈は、九段さんの好きなようにしてくれて構いません・・。・・・っ!?」
照れと恥ずかしさを隠すようにそう言った途端、九段に抱きしめられていた
「え、あ、あの、く、九段、・・さん・・?///」
急な事にリアは思考が停止していまい、戸惑いながら九段に尋ねた
「・・・すまぬ。だが、リアの気持ちが嬉しくて気付いたらこうしていた」
「!」
「・・・我も、今心が温かくなって鼓動が早くなっているだろう?」
「・・・はい」
腕の中にいてもお互いの鼓動が早くなっているのが聞こえ、お互い心が温かくなっているのも感じていた
「・・・リア、今日のパーティー、そして今リアから貰ったチョコレイトウ、感謝しているぞ」
「はい。私も色々と嬉しかった事にお礼を言わせて下さい。有り難う御座います」
言うとリアは今まで以上に嬉しそうな顔をして微笑んでいた
我とリアはハイカラヤで出逢い、互いに甘い物が好きで良く色々な話をしていた
だがリアとは一時期だが立場が違っていた事があった
それでも梓や千代、そして有馬や秋兵、村雨にマスター、我とも変わらず接していた
リアの人柄はどんな壁をも隔て皆を優しく明るく照らしている
気付けばその光に我も触れ心地良さを感じていた
新たな行事に思いがけない事が起きたが、それでもこの事をなかった事にはしたくはない
これは我にとって、初めての恋と言うものであって、
とても大切な想いなのだから ―――
帝都バレンタイン騒動(後編) ~戀文綴り(九段編)~
終わり
あとがき
やっと九段さん編完成しました・・・
や~出だしはさくっと書けたんだけど九段さんとの絡みが思ったより書けなくて結構苦戦しましたが無事に完成して良かったですι
二人はやっぱり甘党仲間なので甘い物は継続で!wwって思ってたのでアイスクリンを含めて話を進めていきました
この二人もやっぱり初々しくて微笑ましい感じが良かったのでこんな感じになりました
こちらもやっぱりキャラソンの雰囲気や曲調を聞いてイメージしたのでそれに沿った感じになったけど・・・大丈夫だよね ←だから聞くなってww
ゲーム本編のEDも微笑ましい感じだったのでやっぱりこれを読んで初々しい&微笑ましいって思ってくれたら嬉しいですw
それでは残りの人頑張って書きます!
そしてまだ読んでないメンバーがいたらそちらも読んでくれると嬉しいです
では!
遙かなる時空の中で6 萩尾 九段 キャラクターソング 戀文綴り より
2016.02.12
ハイカラヤを後にしたリアは街の中を歩きながら懐中時計で時間とまだ夕空だと言う事を確認すると急いである場所へと向かった
「良かった、間に合ったみたい」
あれからリアは日比谷公園にやってきた
この日比谷公園で夏には毎日のように来るアイスクリンの行商の所に来ていた
普段ならこの時期にアイスクリンを売りに来る事はないのだが今日は特別に売りに来ていた
「こんばんは、おじさん」
「おお、リアちゃん。今日は店の方じゃないのかい?」
「はい、今日はパーティーだったので」
「パーティー? そりゃまた豪華だったんだろう」
「ええ、まあ」
先程までのパーティーの事を思い出して苦笑して言うと店主はそうか、と言って笑った
この店には何度か来た事があり常連と言っても良い程なのでこうやって話をするのは珍しい事ではなかった
「おお、そこにいるのはリアではないか!」
「? 九段さん」
店主と話をしていると聞き慣れた声が聞こえ振り返ると九段がこちらにやって来ていた
「もしかして九段さんも食べに来たんですか?」
「と言う事は、リアもか?」
「はい」
「やっぱりお二人さんはこれ目当てだったかい」
「うむ、まだ残っているか?」
「ああ、ほらよ」
リアと九段の会話を聞き店主は九段の言葉に頷きアイスクリンを出した
「バレンタイン限定、チョコレイトウを使ったアイスクリンだ! 本日限定だから買いに来る客が多くてね」
確かにバレンタインの事が帝都に知れてから各店ではチョコを使った食べ物を限定で売ったり出したりしている店も多かった
勿論リアが働いているミルクホールも例外ではないが、それはこのアイスクリンの店も同じだったようだ
「でも良く残っていましたよね」
今更になってそんな疑問が浮かんだリアだったが店主はアイスクリンを手渡しながら言う
「お二人さんが来ると思ってね。丁度二人分残しておいたのさ」
「そうか、店主かたじけない」
「なに、いいって事よ。いつもご贔屓にして貰ってるしな」
そう言ってリアも九段もお金を払って店から離れ近くの椅子に腰掛けアイスクリンを食べていた
「うむ、これはまた美味いな」
「はい、チョコの味が際立っていて美味しいですよね」
「先程までのパーティーに続き、今日は甘いものが沢山食べられて我は嬉しいぞ」
先程までハイカラヤでバレンタインパーティーをやっていて甘いものやチョコレイトウを食べたが、流石は甘党仲間と言うべきか、リアと九段は今も幸せそうにアイスクリンを食べていた
「九段さん、本当に幸せそうな顔をしていますね」
「普段は千代や梓に言われてあまり甘いものが食べられないからな」
それはあの出来事があった時から変わらないようだったが、それでも今日だけは梓も千代も多めに見てくれているのか九段は思う存分甘いものを堪能していた
「そう言えば、リアにはまだ礼を言っていなかったな」
「お礼、ですか?」
何の事だろう?と思い首を傾げると九段はリアに向き合った
「我等の為に今日梓と千代とマスターと共にバレンタインパーティーを開いてくれただろう。我は凄く楽しかったから一言礼を言いたかったのだ」
「喜んで楽しんで貰えたなら良かったです」
九段の言葉を聞きパーティーをやって良かったな、思いリアは微笑んでいた
「・・・・」
「? 九段さん、どうかしましたか?」
「いや、何もないぞ?」
「? そうですか?」
ふと九段の視線を感じ九段を見ると、九段は少し驚いたような顔をしていたがリアが声を掛けるとそう言いアイスクリンを食べ始め若干疑問系で返事を返されたがそこはあまり気にせずリアもアイスクリンを一口食べた
「そう言えば梓と千代はどうしたのだ?」
「千代ちゃんは進さんと一緒です。きっと今は二人で帝都を回っている頃ですよ。梓ちゃんはあの後行く所があるからと言ってそのまま別れたんです」
「そうか。千代達も互いに会うのは久方振りだったからな。楽しんでいると良いな」
「はい、私もそう思っています」
九段も千代と進さんの事を応援している一人でもあるのでお互いにそう言って笑った
「きっと梓ちゃんもそうだと思うし・・・。だから、私も頑張らなきゃ、だよね・・・」
「? リア、何か言ったか?」
リアは微笑んだ後、少しだけ顔を俯かせぽつりとそう呟いたが、それは九段には聞こえていなかったようだ
それを確認するとリアは一つの包みを取り出した
そして、
「九段さん、これ、受け取って下さい」
「? これは・・・?」
リアから差し出された包みを受け取ると九段は中を開けた
「チョコレイトウ、か・・・?」
「・・・はい。今日は、バレンタインですから・・」
「・・・!」
そう言うとリアは少しだけ照れたような顔をして視線を少しだけ逸らしながら言い、
「・・・解釈は、九段さんの好きなようにしてくれて構いません・・。・・・っ!?」
照れと恥ずかしさを隠すようにそう言った途端、九段に抱きしめられていた
「え、あ、あの、く、九段、・・さん・・?///」
急な事にリアは思考が停止していまい、戸惑いながら九段に尋ねた
「・・・すまぬ。だが、リアの気持ちが嬉しくて気付いたらこうしていた」
「!」
「・・・我も、今心が温かくなって鼓動が早くなっているだろう?」
「・・・はい」
腕の中にいてもお互いの鼓動が早くなっているのが聞こえ、お互い心が温かくなっているのも感じていた
「・・・リア、今日のパーティー、そして今リアから貰ったチョコレイトウ、感謝しているぞ」
「はい。私も色々と嬉しかった事にお礼を言わせて下さい。有り難う御座います」
言うとリアは今まで以上に嬉しそうな顔をして微笑んでいた
我とリアはハイカラヤで出逢い、互いに甘い物が好きで良く色々な話をしていた
だがリアとは一時期だが立場が違っていた事があった
それでも梓や千代、そして有馬や秋兵、村雨にマスター、我とも変わらず接していた
リアの人柄はどんな壁をも隔て皆を優しく明るく照らしている
気付けばその光に我も触れ心地良さを感じていた
新たな行事に思いがけない事が起きたが、それでもこの事をなかった事にはしたくはない
これは我にとって、初めての恋と言うものであって、
とても大切な想いなのだから ―――
帝都バレンタイン騒動(後編) ~戀文綴り(九段編)~
終わり
あとがき
やっと九段さん編完成しました・・・
や~出だしはさくっと書けたんだけど九段さんとの絡みが思ったより書けなくて結構苦戦しましたが無事に完成して良かったですι
二人はやっぱり甘党仲間なので甘い物は継続で!wwって思ってたのでアイスクリンを含めて話を進めていきました
この二人もやっぱり初々しくて微笑ましい感じが良かったのでこんな感じになりました
こちらもやっぱりキャラソンの雰囲気や曲調を聞いてイメージしたのでそれに沿った感じになったけど・・・大丈夫だよね ←だから聞くなってww
ゲーム本編のEDも微笑ましい感じだったのでやっぱりこれを読んで初々しい&微笑ましいって思ってくれたら嬉しいですw
それでは残りの人頑張って書きます!
そしてまだ読んでないメンバーがいたらそちらも読んでくれると嬉しいです
では!
遙かなる時空の中で6 萩尾 九段 キャラクターソング 戀文綴り より
2016.02.12