帝都バレンタイン騒動
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パーティーが終わった後、リアは店内へと移動しいつも座っているカウンター席へと座った
そしてテーブルの上に二つの包みを置きそれを開けた
「梓ちゃんも千代ちゃんも可愛いチョコを作ったんだ。ふふっ、食べるのが勿体ないくらい」
二人が作ったチョコレイトウを見てリアが微笑んでいると
「楓月、まだ残ってたのか」
「村雨さん」
丁度部屋から村雨が出て来た
「ん? それはチョコレイトウか」
「はい、梓ちゃんと千代ちゃんから貰った友チョコです」
「ああ、そう言えばお宅等さっき包みを渡していたな」
パーティーが終わって別れる時にお互いに作った友チョコを交換していて、村雨も部屋に戻る前にその光景を見かけたようだった
「で、此処で食べようとしていたのか」
「はい、ゆっくり出来る所で食べたいですし」
確かに邸に戻ってリアがチョコを持っているのを見れば勘違いをするだろうし、それがなかったとしてもチョコを欲しがるだろうからゆっくりと出来るなら此処は安全と言えば安全だ
「村雨さんはどうしたんですか?」
「珈琲を煎れに来たんだよ。楓月、お前も飲むか」
「良いんですか?」
「ああ。なんならチョコに合うように煎れてやるよ」
言うと村雨は慣れた手つきで珈琲を煎れ始め、リアも梓と千代から貰ったチョコを食べようとしていると厨房の方からマスターが出て来た
「あら、村雨にリアちゃん」
「マスター、まだ居たのか」
「それはこっちの台詞よ。あたしはこれから此処の掃除をするのよ」
「なら、私も手伝いましょうか?」
「ありがとう。でもあたし一人で大丈夫よ。そう言う事だから村雨、暫くの間リアちゃんを部屋にいさせてあげなさい」
「は?」
マスターの言葉に村雨もリアも驚いていた
「ゆっくりするなら奥でも良いでしょ」
「いや・・まあ、・・」
確かにリアが村雨の部屋に訪れるのはこれが初めてと言う訳ではないが・・・
ちらりとリアを見ると
「えっと・・村雨さんのお邪魔にならなければ、お邪魔しても良いでしょうか・・?」
少し遠慮がちにそう言い、村雨は少しだけ息を吐いて珈琲の入ったカップを二つ持った
「解った。なら、来い」
「はい」
村雨の返事を聞き、リアは梓と千代から貰ったチョコが入った包みを持って席を立とうとしていると
「リアちゃん」
「?」
「頑張ってね」
「っ!///」
マスターに呼ばれ振り返るとマスターはウインクしてそう言い、リアはそれがどう言う意味なのか解り少しだけ顔を赤くして言葉を詰まらせ小さく頷いて村雨の後を追った
「・・・お邪魔します」
「適当に座れ」
「はい」
村雨の部屋に来るとこの部屋を尋ねて来る時と同じように言って空いている場所に座った
「ほら、珈琲」
「ありがとう御座います」
「チョコと一緒に味わえよ」
「はい」
お礼を言って珈琲の入ったカップを受け取りチョコを食べてから珈琲を一口飲むと
「・・!」
リアは驚いて目を丸くしていた
「どうだ?」
「凄く美味しいです。チョコの甘さと凄く合ってます・・・村雨さん、本当に珈琲に詳しいんですね」
「そんなに詳しい訳じゃない。たまに気分で煎れ方を変えてるだけだ」
「そうなんですか?」
本人がそう言うのだからそうなのかもしれないが、村雨も小説家や情報屋と言う仕事もしているから色々と調べたりしていた時に知ったのだろうと思いまた珈琲を飲んだ
「まあ、口に合ったなら良かったよ」
「はい。いつものブレンドも好きですけど、このブレンドも好きです」
「そうか。ならまた今度煎れてやるよ」
「はい、その時はまたお願いします」
微笑んで言うリアを見て村雨も自然と微笑んでいた
「村雨さん、パーティー楽しかったですか?」
「ああ、たまにはああやって集まって騒ぐのも悪くないな」
「それならやって良かったです」
普段あの面々が集まると言う事がないので皆が楽しんで参加していた事にリアも安堵していた
「・・・それで、村雨さん」
「ん?」
先程と打って変わってリアは少しだけ視線を落とし珈琲の入ったカップをテーブルの上に置き一つの包みを出した
「・・・これ、受け取って貰えませんか・・?」
それはリアが今テーブルの上に置いている梓と千代から貰ったチョコの入った包みとはまた違った包みだった
「・・・これは、まさか・・」
それを見て村雨は驚いた顔をしていた
「・・・楓月、渡す相手を間違えてないか?」
「・・・間違って、ないです・・。村雨さんに、受け取って欲しいです・・///」
「・・・・」
普段と違うリアを見て、そしてリアの言っている意味が自分が思っていた事と同じであり間違いでないと思った村雨はまた驚いた顔をしてリアとリアが差し出している包みを見ていた
「・・・お宅、それがどう言う事か解って俺に渡してるのか?」
「・・・っ、はい・・。その、村雨さんが甘いものが得意じゃないのは解ってます。だから、これは甘さ控え目にしてます・・・。村雨さんがさっき私にしてくれたみたいに、珈琲に合うと良いなっと思って・・・///」
「・・・・」
顔を赤くして視線を逸らしつつ言うリアとリアの気持ちと思いを聞き、また目を瞠るも村雨は小さく笑ってリアの頭を撫でた
「・・・参ったね」
「・・・村雨、さん・・・?」
「お宅には驚かされる事が本当に多いな」
「・・・そうなんですか?」
「ああ」
「あ・・」
村雨の言葉に首を傾げていると村雨がリアが差し出していたチョコの入った包みを取るのが見えリアは驚いた顔をした
「楓月、これはありがたく貰っておくよ」
そう言って笑った村雨の顔はいつもより嬉しそうな顔だった
まさかこの帝都でバレンタインをやる事になるとは思わなかった
帝都の連中もバレンタインを知ると浮ついていて何処に行ってもこれは変わらないのだと思った
まあ、普段集まれない連中と集まってパーティーってのはこっちも息抜きにもなったから良かったよ
けど、・・・この展開は流石に想像も予測もしていなかった
楓月に驚かされる事はあの出来事の時も多かったが・・・
まさか、楓月が俺に本命のチョコを渡すなんてな
ダリウスや他の連中も楓月の事を気に入っているからチョコを期待していただろうが・・よりにもよって、俺に渡すとはな・・・
・・・嬉しくないって事はない
・・・こう思っている自分がいる事に自分でも驚いているんだよ
・・こんな気持ちや感情は、とっくの昔に封じたと思っていたんだが・・・
・・・ほんと、お宅は人の心に入ってくるのが上手い上に、その笑顔や優しさが心にあるものを溶かしていく
それが心良いと思っている自分がいる事に驚いていると言うのは何度かあったが、今、あんたの優しさや温かさやその眩しい光に当てられて、戸惑っている・・
柄じゃないが、今だけでもその気持ちを素直に受け取って、心に秘めておくよ
帝都バレンタイン騒動(後編) ~咲かない花(村雨編)~
終わり
あとがき
はい、村雨さん編もやっと完成しました!
村雨さんは色んなパターン浮かんで書いては消して・・の繰り返しでした(^_^;)
でもサブタイトルがキャラソンの『咲かない花』だから、他の人達みたいに甘すぎず・・・でも大人なちょっと切ない?ような感じで仕上げたかったのでこんな感じになりました
で、マスターも二人の事を解っていたからあそこで背中を押して貰いましたw(ゲーム本編でもそんな所があったしね!ww)
村雨さんはゲームやってない人にはネタバレになるし、大団円でもあの事を語っていないので最後の方でもそれを思わせつつ、な感じで書いて終わらせてみましたw
ほんとはもっとズルイ大人な感じを書きたかったんですけど、それはまたの機会で・・w←え?ww
と言う事で、これでバレンタイン企画は全て終了です!
まだ読んでないメンバーがいたらそちらも読んでくれると嬉しいです
それでは!
遙かなる時空の中で6 里谷 村雨 キャラクターソング 咲かない花 より
2016.02.12
そしてテーブルの上に二つの包みを置きそれを開けた
「梓ちゃんも千代ちゃんも可愛いチョコを作ったんだ。ふふっ、食べるのが勿体ないくらい」
二人が作ったチョコレイトウを見てリアが微笑んでいると
「楓月、まだ残ってたのか」
「村雨さん」
丁度部屋から村雨が出て来た
「ん? それはチョコレイトウか」
「はい、梓ちゃんと千代ちゃんから貰った友チョコです」
「ああ、そう言えばお宅等さっき包みを渡していたな」
パーティーが終わって別れる時にお互いに作った友チョコを交換していて、村雨も部屋に戻る前にその光景を見かけたようだった
「で、此処で食べようとしていたのか」
「はい、ゆっくり出来る所で食べたいですし」
確かに邸に戻ってリアがチョコを持っているのを見れば勘違いをするだろうし、それがなかったとしてもチョコを欲しがるだろうからゆっくりと出来るなら此処は安全と言えば安全だ
「村雨さんはどうしたんですか?」
「珈琲を煎れに来たんだよ。楓月、お前も飲むか」
「良いんですか?」
「ああ。なんならチョコに合うように煎れてやるよ」
言うと村雨は慣れた手つきで珈琲を煎れ始め、リアも梓と千代から貰ったチョコを食べようとしていると厨房の方からマスターが出て来た
「あら、村雨にリアちゃん」
「マスター、まだ居たのか」
「それはこっちの台詞よ。あたしはこれから此処の掃除をするのよ」
「なら、私も手伝いましょうか?」
「ありがとう。でもあたし一人で大丈夫よ。そう言う事だから村雨、暫くの間リアちゃんを部屋にいさせてあげなさい」
「は?」
マスターの言葉に村雨もリアも驚いていた
「ゆっくりするなら奥でも良いでしょ」
「いや・・まあ、・・」
確かにリアが村雨の部屋に訪れるのはこれが初めてと言う訳ではないが・・・
ちらりとリアを見ると
「えっと・・村雨さんのお邪魔にならなければ、お邪魔しても良いでしょうか・・?」
少し遠慮がちにそう言い、村雨は少しだけ息を吐いて珈琲の入ったカップを二つ持った
「解った。なら、来い」
「はい」
村雨の返事を聞き、リアは梓と千代から貰ったチョコが入った包みを持って席を立とうとしていると
「リアちゃん」
「?」
「頑張ってね」
「っ!///」
マスターに呼ばれ振り返るとマスターはウインクしてそう言い、リアはそれがどう言う意味なのか解り少しだけ顔を赤くして言葉を詰まらせ小さく頷いて村雨の後を追った
「・・・お邪魔します」
「適当に座れ」
「はい」
村雨の部屋に来るとこの部屋を尋ねて来る時と同じように言って空いている場所に座った
「ほら、珈琲」
「ありがとう御座います」
「チョコと一緒に味わえよ」
「はい」
お礼を言って珈琲の入ったカップを受け取りチョコを食べてから珈琲を一口飲むと
「・・!」
リアは驚いて目を丸くしていた
「どうだ?」
「凄く美味しいです。チョコの甘さと凄く合ってます・・・村雨さん、本当に珈琲に詳しいんですね」
「そんなに詳しい訳じゃない。たまに気分で煎れ方を変えてるだけだ」
「そうなんですか?」
本人がそう言うのだからそうなのかもしれないが、村雨も小説家や情報屋と言う仕事もしているから色々と調べたりしていた時に知ったのだろうと思いまた珈琲を飲んだ
「まあ、口に合ったなら良かったよ」
「はい。いつものブレンドも好きですけど、このブレンドも好きです」
「そうか。ならまた今度煎れてやるよ」
「はい、その時はまたお願いします」
微笑んで言うリアを見て村雨も自然と微笑んでいた
「村雨さん、パーティー楽しかったですか?」
「ああ、たまにはああやって集まって騒ぐのも悪くないな」
「それならやって良かったです」
普段あの面々が集まると言う事がないので皆が楽しんで参加していた事にリアも安堵していた
「・・・それで、村雨さん」
「ん?」
先程と打って変わってリアは少しだけ視線を落とし珈琲の入ったカップをテーブルの上に置き一つの包みを出した
「・・・これ、受け取って貰えませんか・・?」
それはリアが今テーブルの上に置いている梓と千代から貰ったチョコの入った包みとはまた違った包みだった
「・・・これは、まさか・・」
それを見て村雨は驚いた顔をしていた
「・・・楓月、渡す相手を間違えてないか?」
「・・・間違って、ないです・・。村雨さんに、受け取って欲しいです・・///」
「・・・・」
普段と違うリアを見て、そしてリアの言っている意味が自分が思っていた事と同じであり間違いでないと思った村雨はまた驚いた顔をしてリアとリアが差し出している包みを見ていた
「・・・お宅、それがどう言う事か解って俺に渡してるのか?」
「・・・っ、はい・・。その、村雨さんが甘いものが得意じゃないのは解ってます。だから、これは甘さ控え目にしてます・・・。村雨さんがさっき私にしてくれたみたいに、珈琲に合うと良いなっと思って・・・///」
「・・・・」
顔を赤くして視線を逸らしつつ言うリアとリアの気持ちと思いを聞き、また目を瞠るも村雨は小さく笑ってリアの頭を撫でた
「・・・参ったね」
「・・・村雨、さん・・・?」
「お宅には驚かされる事が本当に多いな」
「・・・そうなんですか?」
「ああ」
「あ・・」
村雨の言葉に首を傾げていると村雨がリアが差し出していたチョコの入った包みを取るのが見えリアは驚いた顔をした
「楓月、これはありがたく貰っておくよ」
そう言って笑った村雨の顔はいつもより嬉しそうな顔だった
まさかこの帝都でバレンタインをやる事になるとは思わなかった
帝都の連中もバレンタインを知ると浮ついていて何処に行ってもこれは変わらないのだと思った
まあ、普段集まれない連中と集まってパーティーってのはこっちも息抜きにもなったから良かったよ
けど、・・・この展開は流石に想像も予測もしていなかった
楓月に驚かされる事はあの出来事の時も多かったが・・・
まさか、楓月が俺に本命のチョコを渡すなんてな
ダリウスや他の連中も楓月の事を気に入っているからチョコを期待していただろうが・・よりにもよって、俺に渡すとはな・・・
・・・嬉しくないって事はない
・・・こう思っている自分がいる事に自分でも驚いているんだよ
・・こんな気持ちや感情は、とっくの昔に封じたと思っていたんだが・・・
・・・ほんと、お宅は人の心に入ってくるのが上手い上に、その笑顔や優しさが心にあるものを溶かしていく
それが心良いと思っている自分がいる事に驚いていると言うのは何度かあったが、今、あんたの優しさや温かさやその眩しい光に当てられて、戸惑っている・・
柄じゃないが、今だけでもその気持ちを素直に受け取って、心に秘めておくよ
帝都バレンタイン騒動(後編) ~咲かない花(村雨編)~
終わり
あとがき
はい、村雨さん編もやっと完成しました!
村雨さんは色んなパターン浮かんで書いては消して・・の繰り返しでした(^_^;)
でもサブタイトルがキャラソンの『咲かない花』だから、他の人達みたいに甘すぎず・・・でも大人なちょっと切ない?ような感じで仕上げたかったのでこんな感じになりました
で、マスターも二人の事を解っていたからあそこで背中を押して貰いましたw(ゲーム本編でもそんな所があったしね!ww)
村雨さんはゲームやってない人にはネタバレになるし、大団円でもあの事を語っていないので最後の方でもそれを思わせつつ、な感じで書いて終わらせてみましたw
ほんとはもっとズルイ大人な感じを書きたかったんですけど、それはまたの機会で・・w←え?ww
と言う事で、これでバレンタイン企画は全て終了です!
まだ読んでないメンバーがいたらそちらも読んでくれると嬉しいです
それでは!
遙かなる時空の中で6 里谷 村雨 キャラクターソング 咲かない花 より
2016.02.12
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