帝都バレンタイン騒動
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これはハイカラヤでのある日の乙女達の会話から生まれた行事、
「もうすぐ1月も終わりねえ・・・」
「うん、何だかあっという間だったよね」
1月下旬のある日のハイカラヤ、今日はリアも梓も千代も仕事が休みで久し振りに女子三人だけで出掛けていた
その途中で休憩を挟み、お馴染みのハイカラヤで休憩を取っていた
「ついこの間までお正月でお店にも限定メニュウが出たばかりだと思ってたのに、早いわねえ」
今日は客も疎らだったのでカウンター席に座ってマスターも含んだメンバーで話をしていたのだった
「まだ寒いけどもうすぐ立春なんだよね」
「そうね。冬の寒い感じや雪が降るのも好きだけれどやっぱり春が待ち遠しいわね」
「春に向けてまた新しいメニュウも考えなくちゃ」
リアと千代とマスターがわいわいと騒ぐ中、ふと梓は何かに気付いた顔をしていた
「梓ちゃん、どうかしたの?」
その事にリアが気付き梓に声を掛けると千代とマスターもつられて梓を見る
「あ、ううん。こっちはバレンタインがないんだな、って思って」
「・・バレンタイン・・・?」
「なに、それ・・・?」
梓の言葉にバレンタインを知らないリアと千代、そしてマスターも疑問符を出していた
「私が居た世界で2月14日に行われている行事なんだけど、女性が好きな男性にチョコを送る日なの」
「へえ、なんだか素敵な行事ね」
「それからそのまま男性に告白する人もいるし、お世話になっている人にチョコを送ったり友達同士でチョコの交換をしたりもするんだよ」
「凄く素敵な行事があるのね!」
梓が説明をした事に一番食いついたのは他でもなく千代だった
「千代、目が凄くキラキラしてるよ・・・ι」
「だって、とても素敵じゃない!」
「ええ、そんなに素敵な行事があるなんて。あたしもわくわくしてきちゃったわ!」
マスターも千代と同じようにうきうきとしていた
「梓ちゃんも誰かに渡してたの?」
「私は友達と交換してたよ。友達同士で渡すのを友チョコって呼んでて・・・」
「ふむふむ、なるほど!」
「これは、良い情報を手に入れましたね!」
いつの間にか第三者の声と共に3つの人影が現れた
「きゃ!」
「あんた達いつの間に来たの?」
「ついさっきですよ!」
そう、彼等は帝都新聞記者のあの三人(貫田、反沢、結城)だった
「店に入って来た途端、神子様から凄く良い話しが聞こえてきたので」
「神子様、よければそのばれんたいんと言う行事を詳しくお聞かせ下さい!」
「お願いします!」
「え、えっと・・・ι」
三人の迫力に圧倒され梓も少し身を退いてしまうが、千代もマスターも聞きたそうにしていたし、リアとの話の最中でもあったのでその延長戦と言う事も兼ねて梓の世界のバレンタインの話をした
「これは、帝都に新たな行事が誕生する瞬間だなっ!」
「号外が出せますよ、絶対!」
「ああ、早速帰って記事を書かなくてはっ!」
暫く梓がバレンタインの話をし、聞き終えた所で彼等はそう言ってメモ帳とペンを内ポケットに仕舞ってバタバタと店を出て行った
「・・・相変わらず、慌ただしい人達ね」
「毎度の事ながら、店に来たならちゃんと注文して帰って頂戴よね・・」
「でもあの人達の言う通り、号外が出たら帝都に新しい行事が生まれると思うな」
「ええ、だってこんなに素敵な行事があるって知ったら乙女は喜ぶに決まってるもの!」
この話を聞いて一番食いつき嬉しそうにしていたのは千代だった
千代も想い人がいるのはリアも梓もマスターも知っているし、実際にこのハイカラヤで会った事があった
未だに親には反対をされているようだが、それでも此処に居るメンバーや秋兵や九段達も千代と千代の想い人である進さんの事を応援しているのだった
「ねえ、せっかくだし、私達もバレンタインをやらない?」
「え?」
「あら、良いじゃない。なんなら、店を提供するわよ」
「つまり、バレンタインパーティーをやるって事?」
「ええ、さっき梓ちゃんが言っていたでしょう? お世話になっている人やお友達、それに好きな相手にチョコを送るって。だったら有馬さんやダリウスさん達を集めて貴女達がチョコを渡せるでしょ。チョコを作るならお店の厨房も貸してあげられるし」
確かに彼等も忙しいからチョコを一人一人に渡すとなれば会える可能性も難しいだろう
だったら全員を集めてパーティー形式でチョコを渡した方が確かに効率は良いし、全員揃って会うのもあの出来事の後の祝勝会以来になるだろうから楽しいだろうとリアも梓も思っていた
「梓、リアさん、どうかしら?」
「楽しそうだし、私は良いと思うな」
「うん、私もリアさんと同じ事思ってた。それに言い出しっぺは私だし、みんなでパーティーやろう」
「じゃあ色々と計画を立てなくっちゃね!」
マスターのその言葉に頷き、リアと梓、そして千代とマスターの4人で料理やチョコやパーティーの事を話し合い出した
そして・・・、
「号外~、号外だよ~~!!」
その号外に帝都に住む女性達が食いつきはしゃぎ、そしてその内容に女性だけでなく男性も胸をときめかす事になるのだった
帝都バレンタイン騒動(前編)
「ねえ、見た?!」
「見た見た~! どうする~?」
「なんだか今日はやけに賑わっているな」
いつも通り帝都を巡回をしていた有馬と秋兵、
だが、今日はいつも以上に女性がはしゃいでる姿が目に付いていた
「おや、有馬は例の号外を知らないんですか?」
「号外? なんの事だ?」
「ほら、これですよ」
秋兵はいつの間にか号外を貰っていてその号外を有馬に手渡した
「・・・・バレンタイン・・? なんだこれは?」
「記事に書いてある通りですよ。それと僕が聞いた話ではバレンタインは異国の行事でもあるそうですよ」
「・・・・」
「有馬、どうかしましたか?」
記事を読みいつも以上に無言になっている有馬を見て秋兵は疑問を振ると有馬は記事から目を離して言う
「いや、周りが騒いでいる理由が分かっただけだ」
「有馬は甘いものがあまり得意ではないですからね」
「お前と九段殿と一緒にするな・・・」
好意を寄せている人やお世話になっている人にチョコを贈ると言う所を見て、今現在有馬達が所属している自衛団にもチョコが贈られてくるのだろうと想像し有馬は溜息を吐いた
「しかし気になるのは・・」
「その情報提供者、ですか?」
そう、記事にはバレンタインの事が主に書かれているのだが、そこには『神子様ご本人からバレンタインの事を詳しく聞いた』と記載されていた
「まさかとは思うが」
「ええ、間違いなく梓くんでしょうね」
梓はこの世界とは別の世界から来ているし、現在の帝都ではバレンタインの事は一切知られていない
そしてこのバレンタインの情報提供者がこの帝都を救った神子様から教えて貰ったものと知れば、普段より号外を手にしてくれる人も増えるし何より今回は女性がいつも以上に食いつき号外はあっという間に完売になっていたのだった
一方別の場所では・・・
「どうする?」
「あたしは勿論彼にあげるわ」
「さっすが、彼氏持ちは言う事が違うわね」
「・・・・今日はやけに賑やかだな」
村雨は息抜きに日比谷公園にやって来ていてベンチに座っていたのだが、道行く女性達のはしゃぐ声がいつも以上に聞こえていた
「おお、そこにいるのは村雨ではないか」
「? ああ、九段か・・。・・・」
そう声が聞こえ声が聞こえた方へ視線を移すと九段がいたのだが
「む? どうかしたか、村雨?」
「・・・いや、お宅が手に持っているアイスクリンの山が気になってな」
九段は近くにあるアイスクリンの店でアイスクリンを買ったのだが、今日はアイスの山が1つではなく3段だったのだ
「店主に頼んで3段にして貰ったのだ! 村雨も食べるか?」
「・・・いや、遠慮しておくよ」
「そうか。そう言えば、先程こんな号外を店主から貰ったぞ」
「ん?」
九段は先程貰ったばかりの号外を村雨に渡し、村雨はその号外に目を落とす
「・・・バレンタイン?」
「どうやら梓の世界の行事らしいのだ」
九段もその記事に目を通していたのかちゃんと神子様から~と言う所で梓の事だと検討が着いたのだろう
「なるほどな。それでこの賑わいか・・・」
村雨も同じ事を思ったようで、そしてバレンタインを知った帝都の女性達の反応を見て納得した様に少しだけ息を吐いた
「む? 村雨はこのバレンタインと言うものを知っておるのか?」
「一応な。・・・何事もなく、平和に過ごせると良いがな・・・」
九段の質問に答え村雨は視線を空へと移しながらそう呟いていた
更に別の場所では・・・
「ねえ、どうしよっか?」
「貴女はあの人にあげるんでしょ~?」
「え、そ、そんな事は///」
「良い機会だし、この機に素直になりなさいよ」
「だから、違うってばっ!///」
「なんだか今日は女の人達が賑やかだね」
「女が浮ついてんのはいつもの事だろうが」
月一の買い出しに来ていたダリウス達、リアは仕事がある為一緒に買い出しに来ていなかったが頼まれたものは買っていた
そして隣を通り過ぎていった女学生達や周りから聞こえてくる女性達の声を聞きコハクはちらりと周りの女性を見て言っていると虎が答えそれに続きダリウスが言葉を続けた
「どうやらその理由はこの号外の内容のようだね」
「あ? 号外?」
ダリウスから手渡された号外を見ると見知らぬ言葉が載っていた
「・・・ばれんたいん・・・?」
「なんだそら・・」
「読んでの通りだと思いますよ。もっとも異国ではこの行事があるようですが」
ルードもダリウスと共に古美術商の仕事をしているので異国の事は多少なりとも知っているので聞いた事があったようだ
「ただ、気になるのは情報提供者、かな」
「? ・・・え、神子様って・・」
「間違いなく、梓さんの事でしょうね」
ダリウスの言葉にコハクと虎は改めて記事に目を移すとそこにはやはり『神子様ご本人から~』と言う所に目がいき、それは梓の事だろうと検討がついた
「確かに梓ならバレンタインの事を知っていそうだし、梓の世界でこの時期に行っている行事なのかもしれないね」
事細かく記載されているのでそうなのではと言う事もこの記事を読んで検討がついたのだった
だが、此処である事が頭を過ぎった
「・・・これ、リアさんは知ってるのかな?」
コハクの言葉は今皆が思っていた事だった
西洋菓子などを扱う店で働いているリア、特にリアが働いているミルクホールは他の店とは違い西洋菓子の販売も行っている
この事を知れば店は忙しくなる
だが一番気にしているのはそこではなかった
もし、バレンタインの事を知り、チョコを渡してくれたら・・・
そんな期待を少なからず此処に居る全員は思っているのだろう
「リアさんがこの事を知っているかは帰って来て確認をしてみると良いでしょう」
「そうだね。帰って来たら聞いてみようか」
そしてその夜、
「ただいま戻りました」
「あ、リアさん、おかえりなさい」
「今日は随分と遅かったね」
今日は夕方終わりだったが現在の時刻は夜8時を回っていた
「はい、急遽会議が入ってしまって・・・」
「やはりあの号外の事でしょうか?」
「え? 号外・・って、ルードくん達も貰ったの?」
「ええ、買い出しをしている時に貰いました」
そう話しているとコハクがその号外を持って来てリアに見せた
それを見てリアは店で見せて貰ったものと同じだと思い、帰って来る理由が遅くなった事を話した
それはやはりこのバレンタインの号外記事を見て西洋菓子を扱う自分のミルクホール、そして多店舗も同じようにこの事に目をつけたようでどうやって盛り上げていくかなどについて話し合われ勤務時間などの調整もしていたからだそうだ
「ま、予想してた通りか」
虎はリアの言葉を聞くと皆が思っていた事をぽつりとつぶやきダリウス達も同じように納得していた
「ルードくん、夕飯一緒に作れなくてごめんね」
「いえ。では夕飯の準備をしましょうか?」
「ううん、明日からまた忙しくなるから先にお風呂に入って来るね」
言うとリアは踵を返して部屋へ向かって行き、その様子を皆目で追っているとリアは部屋を出て脱衣所へ向かった
「「「「・・・・」」」」
そして皆、リアを見送った時よりも無言になっていた
リアがこう言った事に疎い事も皆承知している
だが、
・・・言い切れない複雑な思いがある事に皆気付いていた
「・・・リアらしい、かな」
「・・・はい」
「・・・あれがあいつだよな」
「・・うん」
皆、苦笑したような納得したような表情を浮かべそこでこの話を切り上げた
「・・・・・」
その頃、風呂に入っているリアは湯船に浸かって何かを思っている顔をしていたのだった
続く
あとがき
はい、つー事で来ましたよ、季節ネタ! バレンタインネタ!!ww
今年はどうしようかなぁ~って風呂入ってた時に思ってたら、あ、遙か6だったら書けるんじゃない?って思って今年は遙か6で書いてみましたw
大団円エンド後(捏造)の話になりますので、本編まだ終わってないからちょっとネタバレになってしまう所もありますが(^_^;)w、そこは気にせずww←、とりあえずバレンタインの事を知っている梓ちゃんからバレンタインの事を聞く所から始まり、まさかのアンf・・もといw、あの新聞記者達も登場でしたw
漫画の方でちょっとだけハイカラヤで出ていたシーンがあったので彼等にも登場して貰いました(・・・一応、ゲーム本編のおまけ見たけど口調とか合ってるかな?ιw)
で、偶然居合わせた彼等がバレンタインに食いつき世間にも知ってもらおーうwって思ったので登場させました
そしてお次はバレンタインを知るメインキャラ8名のそれぞれを書いてみましたw
九段さんと村雨さんの所がかなり短くなってしまったが、これくらいにしないと色々とネタバレになりそうだったので・・・(^_^;)ww
有馬と秋兵の会話も迷わずさくっと書けました!
だいぶこの二人の会話も書き慣れてきたかなw
蠱惑の森の皆さんはやっぱり一番書き慣れているので安定して書けましたw
みんな色々と思っている事があるようだし、リアちゃんも何かを思っている顔をしていましたが、その辺りはいよいよ次回、かなw
つー事で次回はいよいよバレンタインパーティーとその前日と数日前のお話になります!
こちらも選択肢になると思いますのでw、各々お楽しみにw(各々?ww)
2016.02.03
「もうすぐ1月も終わりねえ・・・」
「うん、何だかあっという間だったよね」
1月下旬のある日のハイカラヤ、今日はリアも梓も千代も仕事が休みで久し振りに女子三人だけで出掛けていた
その途中で休憩を挟み、お馴染みのハイカラヤで休憩を取っていた
「ついこの間までお正月でお店にも限定メニュウが出たばかりだと思ってたのに、早いわねえ」
今日は客も疎らだったのでカウンター席に座ってマスターも含んだメンバーで話をしていたのだった
「まだ寒いけどもうすぐ立春なんだよね」
「そうね。冬の寒い感じや雪が降るのも好きだけれどやっぱり春が待ち遠しいわね」
「春に向けてまた新しいメニュウも考えなくちゃ」
リアと千代とマスターがわいわいと騒ぐ中、ふと梓は何かに気付いた顔をしていた
「梓ちゃん、どうかしたの?」
その事にリアが気付き梓に声を掛けると千代とマスターもつられて梓を見る
「あ、ううん。こっちはバレンタインがないんだな、って思って」
「・・バレンタイン・・・?」
「なに、それ・・・?」
梓の言葉にバレンタインを知らないリアと千代、そしてマスターも疑問符を出していた
「私が居た世界で2月14日に行われている行事なんだけど、女性が好きな男性にチョコを送る日なの」
「へえ、なんだか素敵な行事ね」
「それからそのまま男性に告白する人もいるし、お世話になっている人にチョコを送ったり友達同士でチョコの交換をしたりもするんだよ」
「凄く素敵な行事があるのね!」
梓が説明をした事に一番食いついたのは他でもなく千代だった
「千代、目が凄くキラキラしてるよ・・・ι」
「だって、とても素敵じゃない!」
「ええ、そんなに素敵な行事があるなんて。あたしもわくわくしてきちゃったわ!」
マスターも千代と同じようにうきうきとしていた
「梓ちゃんも誰かに渡してたの?」
「私は友達と交換してたよ。友達同士で渡すのを友チョコって呼んでて・・・」
「ふむふむ、なるほど!」
「これは、良い情報を手に入れましたね!」
いつの間にか第三者の声と共に3つの人影が現れた
「きゃ!」
「あんた達いつの間に来たの?」
「ついさっきですよ!」
そう、彼等は帝都新聞記者のあの三人(貫田、反沢、結城)だった
「店に入って来た途端、神子様から凄く良い話しが聞こえてきたので」
「神子様、よければそのばれんたいんと言う行事を詳しくお聞かせ下さい!」
「お願いします!」
「え、えっと・・・ι」
三人の迫力に圧倒され梓も少し身を退いてしまうが、千代もマスターも聞きたそうにしていたし、リアとの話の最中でもあったのでその延長戦と言う事も兼ねて梓の世界のバレンタインの話をした
「これは、帝都に新たな行事が誕生する瞬間だなっ!」
「号外が出せますよ、絶対!」
「ああ、早速帰って記事を書かなくてはっ!」
暫く梓がバレンタインの話をし、聞き終えた所で彼等はそう言ってメモ帳とペンを内ポケットに仕舞ってバタバタと店を出て行った
「・・・相変わらず、慌ただしい人達ね」
「毎度の事ながら、店に来たならちゃんと注文して帰って頂戴よね・・」
「でもあの人達の言う通り、号外が出たら帝都に新しい行事が生まれると思うな」
「ええ、だってこんなに素敵な行事があるって知ったら乙女は喜ぶに決まってるもの!」
この話を聞いて一番食いつき嬉しそうにしていたのは千代だった
千代も想い人がいるのはリアも梓もマスターも知っているし、実際にこのハイカラヤで会った事があった
未だに親には反対をされているようだが、それでも此処に居るメンバーや秋兵や九段達も千代と千代の想い人である進さんの事を応援しているのだった
「ねえ、せっかくだし、私達もバレンタインをやらない?」
「え?」
「あら、良いじゃない。なんなら、店を提供するわよ」
「つまり、バレンタインパーティーをやるって事?」
「ええ、さっき梓ちゃんが言っていたでしょう? お世話になっている人やお友達、それに好きな相手にチョコを送るって。だったら有馬さんやダリウスさん達を集めて貴女達がチョコを渡せるでしょ。チョコを作るならお店の厨房も貸してあげられるし」
確かに彼等も忙しいからチョコを一人一人に渡すとなれば会える可能性も難しいだろう
だったら全員を集めてパーティー形式でチョコを渡した方が確かに効率は良いし、全員揃って会うのもあの出来事の後の祝勝会以来になるだろうから楽しいだろうとリアも梓も思っていた
「梓、リアさん、どうかしら?」
「楽しそうだし、私は良いと思うな」
「うん、私もリアさんと同じ事思ってた。それに言い出しっぺは私だし、みんなでパーティーやろう」
「じゃあ色々と計画を立てなくっちゃね!」
マスターのその言葉に頷き、リアと梓、そして千代とマスターの4人で料理やチョコやパーティーの事を話し合い出した
そして・・・、
「号外~、号外だよ~~!!」
その号外に帝都に住む女性達が食いつきはしゃぎ、そしてその内容に女性だけでなく男性も胸をときめかす事になるのだった
帝都バレンタイン騒動(前編)
「ねえ、見た?!」
「見た見た~! どうする~?」
「なんだか今日はやけに賑わっているな」
いつも通り帝都を巡回をしていた有馬と秋兵、
だが、今日はいつも以上に女性がはしゃいでる姿が目に付いていた
「おや、有馬は例の号外を知らないんですか?」
「号外? なんの事だ?」
「ほら、これですよ」
秋兵はいつの間にか号外を貰っていてその号外を有馬に手渡した
「・・・・バレンタイン・・? なんだこれは?」
「記事に書いてある通りですよ。それと僕が聞いた話ではバレンタインは異国の行事でもあるそうですよ」
「・・・・」
「有馬、どうかしましたか?」
記事を読みいつも以上に無言になっている有馬を見て秋兵は疑問を振ると有馬は記事から目を離して言う
「いや、周りが騒いでいる理由が分かっただけだ」
「有馬は甘いものがあまり得意ではないですからね」
「お前と九段殿と一緒にするな・・・」
好意を寄せている人やお世話になっている人にチョコを贈ると言う所を見て、今現在有馬達が所属している自衛団にもチョコが贈られてくるのだろうと想像し有馬は溜息を吐いた
「しかし気になるのは・・」
「その情報提供者、ですか?」
そう、記事にはバレンタインの事が主に書かれているのだが、そこには『神子様ご本人からバレンタインの事を詳しく聞いた』と記載されていた
「まさかとは思うが」
「ええ、間違いなく梓くんでしょうね」
梓はこの世界とは別の世界から来ているし、現在の帝都ではバレンタインの事は一切知られていない
そしてこのバレンタインの情報提供者がこの帝都を救った神子様から教えて貰ったものと知れば、普段より号外を手にしてくれる人も増えるし何より今回は女性がいつも以上に食いつき号外はあっという間に完売になっていたのだった
一方別の場所では・・・
「どうする?」
「あたしは勿論彼にあげるわ」
「さっすが、彼氏持ちは言う事が違うわね」
「・・・・今日はやけに賑やかだな」
村雨は息抜きに日比谷公園にやって来ていてベンチに座っていたのだが、道行く女性達のはしゃぐ声がいつも以上に聞こえていた
「おお、そこにいるのは村雨ではないか」
「? ああ、九段か・・。・・・」
そう声が聞こえ声が聞こえた方へ視線を移すと九段がいたのだが
「む? どうかしたか、村雨?」
「・・・いや、お宅が手に持っているアイスクリンの山が気になってな」
九段は近くにあるアイスクリンの店でアイスクリンを買ったのだが、今日はアイスの山が1つではなく3段だったのだ
「店主に頼んで3段にして貰ったのだ! 村雨も食べるか?」
「・・・いや、遠慮しておくよ」
「そうか。そう言えば、先程こんな号外を店主から貰ったぞ」
「ん?」
九段は先程貰ったばかりの号外を村雨に渡し、村雨はその号外に目を落とす
「・・・バレンタイン?」
「どうやら梓の世界の行事らしいのだ」
九段もその記事に目を通していたのかちゃんと神子様から~と言う所で梓の事だと検討が着いたのだろう
「なるほどな。それでこの賑わいか・・・」
村雨も同じ事を思ったようで、そしてバレンタインを知った帝都の女性達の反応を見て納得した様に少しだけ息を吐いた
「む? 村雨はこのバレンタインと言うものを知っておるのか?」
「一応な。・・・何事もなく、平和に過ごせると良いがな・・・」
九段の質問に答え村雨は視線を空へと移しながらそう呟いていた
更に別の場所では・・・
「ねえ、どうしよっか?」
「貴女はあの人にあげるんでしょ~?」
「え、そ、そんな事は///」
「良い機会だし、この機に素直になりなさいよ」
「だから、違うってばっ!///」
「なんだか今日は女の人達が賑やかだね」
「女が浮ついてんのはいつもの事だろうが」
月一の買い出しに来ていたダリウス達、リアは仕事がある為一緒に買い出しに来ていなかったが頼まれたものは買っていた
そして隣を通り過ぎていった女学生達や周りから聞こえてくる女性達の声を聞きコハクはちらりと周りの女性を見て言っていると虎が答えそれに続きダリウスが言葉を続けた
「どうやらその理由はこの号外の内容のようだね」
「あ? 号外?」
ダリウスから手渡された号外を見ると見知らぬ言葉が載っていた
「・・・ばれんたいん・・・?」
「なんだそら・・」
「読んでの通りだと思いますよ。もっとも異国ではこの行事があるようですが」
ルードもダリウスと共に古美術商の仕事をしているので異国の事は多少なりとも知っているので聞いた事があったようだ
「ただ、気になるのは情報提供者、かな」
「? ・・・え、神子様って・・」
「間違いなく、梓さんの事でしょうね」
ダリウスの言葉にコハクと虎は改めて記事に目を移すとそこにはやはり『神子様ご本人から~』と言う所に目がいき、それは梓の事だろうと検討がついた
「確かに梓ならバレンタインの事を知っていそうだし、梓の世界でこの時期に行っている行事なのかもしれないね」
事細かく記載されているのでそうなのではと言う事もこの記事を読んで検討がついたのだった
だが、此処である事が頭を過ぎった
「・・・これ、リアさんは知ってるのかな?」
コハクの言葉は今皆が思っていた事だった
西洋菓子などを扱う店で働いているリア、特にリアが働いているミルクホールは他の店とは違い西洋菓子の販売も行っている
この事を知れば店は忙しくなる
だが一番気にしているのはそこではなかった
もし、バレンタインの事を知り、チョコを渡してくれたら・・・
そんな期待を少なからず此処に居る全員は思っているのだろう
「リアさんがこの事を知っているかは帰って来て確認をしてみると良いでしょう」
「そうだね。帰って来たら聞いてみようか」
そしてその夜、
「ただいま戻りました」
「あ、リアさん、おかえりなさい」
「今日は随分と遅かったね」
今日は夕方終わりだったが現在の時刻は夜8時を回っていた
「はい、急遽会議が入ってしまって・・・」
「やはりあの号外の事でしょうか?」
「え? 号外・・って、ルードくん達も貰ったの?」
「ええ、買い出しをしている時に貰いました」
そう話しているとコハクがその号外を持って来てリアに見せた
それを見てリアは店で見せて貰ったものと同じだと思い、帰って来る理由が遅くなった事を話した
それはやはりこのバレンタインの号外記事を見て西洋菓子を扱う自分のミルクホール、そして多店舗も同じようにこの事に目をつけたようでどうやって盛り上げていくかなどについて話し合われ勤務時間などの調整もしていたからだそうだ
「ま、予想してた通りか」
虎はリアの言葉を聞くと皆が思っていた事をぽつりとつぶやきダリウス達も同じように納得していた
「ルードくん、夕飯一緒に作れなくてごめんね」
「いえ。では夕飯の準備をしましょうか?」
「ううん、明日からまた忙しくなるから先にお風呂に入って来るね」
言うとリアは踵を返して部屋へ向かって行き、その様子を皆目で追っているとリアは部屋を出て脱衣所へ向かった
「「「「・・・・」」」」
そして皆、リアを見送った時よりも無言になっていた
リアがこう言った事に疎い事も皆承知している
だが、
・・・言い切れない複雑な思いがある事に皆気付いていた
「・・・リアらしい、かな」
「・・・はい」
「・・・あれがあいつだよな」
「・・うん」
皆、苦笑したような納得したような表情を浮かべそこでこの話を切り上げた
「・・・・・」
その頃、風呂に入っているリアは湯船に浸かって何かを思っている顔をしていたのだった
続く
あとがき
はい、つー事で来ましたよ、季節ネタ! バレンタインネタ!!ww
今年はどうしようかなぁ~って風呂入ってた時に思ってたら、あ、遙か6だったら書けるんじゃない?って思って今年は遙か6で書いてみましたw
大団円エンド後(捏造)の話になりますので、本編まだ終わってないからちょっとネタバレになってしまう所もありますが(^_^;)w、そこは気にせずww←、とりあえずバレンタインの事を知っている梓ちゃんからバレンタインの事を聞く所から始まり、まさかのアンf・・もといw、あの新聞記者達も登場でしたw
漫画の方でちょっとだけハイカラヤで出ていたシーンがあったので彼等にも登場して貰いました(・・・一応、ゲーム本編のおまけ見たけど口調とか合ってるかな?ιw)
で、偶然居合わせた彼等がバレンタインに食いつき世間にも知ってもらおーうwって思ったので登場させました
そしてお次はバレンタインを知るメインキャラ8名のそれぞれを書いてみましたw
九段さんと村雨さんの所がかなり短くなってしまったが、これくらいにしないと色々とネタバレになりそうだったので・・・(^_^;)ww
有馬と秋兵の会話も迷わずさくっと書けました!
だいぶこの二人の会話も書き慣れてきたかなw
蠱惑の森の皆さんはやっぱり一番書き慣れているので安定して書けましたw
みんな色々と思っている事があるようだし、リアちゃんも何かを思っている顔をしていましたが、その辺りはいよいよ次回、かなw
つー事で次回はいよいよバレンタインパーティーとその前日と数日前のお話になります!
こちらも選択肢になると思いますのでw、各々お楽しみにw(各々?ww)
2016.02.03
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