ダリウスルート
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あれから月日は流れ、帝都は刻々と変わっていった ―――
まず、強兵計画の実態が暴かれた事で、帝国軍の上層部は責任追放された
今後は、国の組織を立て直す所から再出発だろうと聞いた
有馬は精鋭分隊を新たに自衛団と言う名の防衛組織に組み替えるつもりらしく、秋兵や九段、そして梓もその一員として帝都の復興に携わっていた
梓も一年前のあの日、力を使い果たし元の世界に戻れなくなっていた
だが梓は自分にもやるべき事が此処に沢山あるし、リアさんや大切な人達と一緒にいたいからと言ってくれて今までみたいに有馬達の所にいつつ、蠱惑の森やリアが働くミルクホールにも訪れていた
村雨達「結実なき花」は無罪放免となり今は自由の身だったが、結実党と言う新たな政党を結成するつもりらしい
結実党については、邸に残されたダリウスの構造に基づいたものだが、市民はその事は知らない
皆、それぞれ新たな平和に向かって歩みを始めていた
46.希望の彼方へ
そして、肝心のリアはと言うと―――
「お疲れ様でした」
リアは今まで通りミルクホールで働いていた
「今から行けば丁度間に合うよね」
「あ、楓月さん! お久し振りです!」
「友部さん、お久し振りです」
懐中時計で時間を確認して鞄に仕舞っていると聞き覚えのある声が聞こえ前を見ると友部がいた
「こんにちは。巡回中ですか」
「はい。これから有馬隊長達と合流する所です」
禍津迦具土神が消滅した事で友部を始め、憑闇となっていた人達も心を取り戻し普通に生活出来るようになっていた
それはコハクにも言える事で、憑闇の力がなくなり普通の青年に戻っていた
「楓月さんはこれからお出掛けですか」
「はい、ハイカラヤに行って村雨さんと打ち合わせです」
「ああ、そうでしたか」
「友部」
「おや、リアくん、こんにちは」
「有馬さん、片霧さん、こんにちは」
友部と話をしているとまた馴染みのある声が聞こえ自分達の方へ向かって来ている有馬と秋兵が見えリアは挨拶をした
「リアくんはこれから出掛ける所ですか」
「はい。ハイカラヤに」
「村雨と打ち合わせか?」
「はい」
「順調ですか」
「そうですね・・・一応今日村雨さんに見せて確認を取る形にはなっています」
「そうか」
「上手くいくと良いですね」
「私達も応援しています!」
「ありがとう御座います」
リアの笑顔を見て有馬も秋兵も安堵した顔をして友部も応援を送っていた
「有馬さん達も、順調そうですか」
「ああ、まだ完全に立て直しまではいっていないが内部は纏まりつつある」
「有馬隊長殿の働きのお陰ですよ」
「ええ、有馬は本当に良く働いてくれます。そのお陰で僕達もこうやって巡回出来ている訳ですし」
「っ・・・お、俺は当然の事をしているまでだ」
「ふふっ」
秋兵と友部に褒められ有馬は少し頬に朱を染めて照れたのを誤魔化すようにそう言っていてそれを見てリアも笑った
「楓月、お前も笑うな」
「ふふっ、すみません。でも、梓ちゃんも皆さんと一緒に頑張っているんですよね」
「ええ。梓くんは本当に頑張り屋さんですよ。神子としての使命は終わりましたが、それでも我々と共に帝都の平和を考えて下さっています」
「はい。本当に見習う所ばかりです」
「あいつはもう少し他の事をやっても良いと思うのだが」
「有馬さん、何だか妹を心配するお兄さんみたいですね」
「なっ!」
「ぷっ、ふふ・・・リアくん、それ凄く良い例えですね」
「あははっ、有馬隊長にピッタリですね」
有馬の心配している様子を見ていると思わず妹を心配する兄のように思えてそう言うと友部と秋兵は笑って同意した
「・・・友部」
「あ、す、すみません!」
「ふふっ。でも私にとっても梓ちゃんは可愛い妹ですから、これからもよろしくお願いしますね」
それにつられてリアもまた笑い、そう言っていつもの姉の表情を見せた
「それじゃあ私はこれで失礼します」
「ええ、頑張って下さいね」
「はい」
三人のやり取りをまだ見ていたいがこの後ハイカラヤに行く予定があるので、そこで話を切り上げみんなからの応援を聞きリアは微笑んでそのままハイカラヤに向かった
「・・・どうでしょうか・・・」
あれからリアはハイカラヤにやって来て村雨の元を訪れていた
「うむ、我は良いと思うぞ」
「あたしも。前よりもっと良くなってるわ」
「ああ、これなら文句なしだろうな」
リアの前には村雨とマスターそして九段がいた
そして彼等の手元には複数枚の原稿用紙があった
その原稿用紙はリアが書いたものだった
数ヶ月前、リアは鬼についての本を出したいと村雨に相談していた
あの事件と有馬達のお陰で鬼についての世間の評価や見方はだいぶ変わってきていた
それは勿論神子である梓やあの時のリアの言葉や結実なき花の面々の説得なども影響は大きいと言える
それでもずっと隔てていた壁を壊し今居る人達に解って貰えたとしても後世にその事を伝える事が出来なければいつかまた必ず偏見や差別、そして壁が出来てしまう
それではあまりにも彼等が救われず、何よりダリウスが目指している鬼と人間が共存出来る平和な世にはならない
そう思いリアは村雨に相談して本を出したいと言い、この数ヶ月、作家である村雨の助言を貰いながら、そしてルードや虎や里のみんなからも色々と情報を貰いつつ、梓やコハクにも手伝って貰っていた
勿論その中にはリアがずっと感じていた事だったり、リアと梓が鬼と人間、どちらとも接し共に暮らして感じていた事も書かれていた
「この本にはリアが伝えたい事や思いが沢山詰まっているな」
「鬼と人間と共に暮らして生活していたリアちゃんだからこそ感じる事が凄く伝わってくるわ」
「村雨さんや皆さんのお陰で此処まで書く事が出来たんですよ」
「俺は少ししか教えてないぞ」
確かに村雨にどんな風に書いたら良いかと相談した時に書き方や表現のしたかを教えてもらい、修正もして貰ったがそれ以外はリアの努力と思いだった
「楓月、お前、案外作家になれるかもしれんぞ」
「え! ・・それは、流石に褒めすぎのような気がするんですけど・・・」
「村雨が言うのなら間違いはないと我も思うぞ」
「リアちゃんがこれからも本を出すなら、あたし絶対に買い続けるわ」
「九段さん・・マスターまで・・・」
盛り上がっている面々を見てリアは苦笑していた
「じゃ、後は俺から出版社に持って行ってやるよ」
「はい、ありがとう御座います」
「こんにちは」
「あら、梓ちゃん、いらっしゃい」
そう話していると扉が開き梓が店に入って来た
「梓ちゃん、こんにちは」
「あ、リアさん、こんにちは・・・もしかして打ち合わせ中だった?」
「いや、今終わった所だ。で、此処に来たって事は・・・」
「村雨ブレンド、1杯お願いします」
「了解。少し待ってな」
梓は笑顔でそう言ってリアの隣に座り、村雨は原稿用紙を持って一旦自分の部屋に戻った
「リアさん、本の出来栄えどうだった?」
「うん、村雨さんや九段さん、マスターからも良いって言って貰えたよ」
「そうなんだ、良かったぁ!」
「梓ももう少し早く来ていれば読めていたぞ」
「う・・・それは残念だな・・・でも、発売されたら絶対買うよ」
「うん、ありがとう」
「ま、これで楓月も少しは落ち着けるだろう」
そう声が聞こえ顔を上げると村雨が梓の珈琲を持って来て梓の前にカップを置き梓はお礼を言っていた
「そうですね。まだちゃんと発売されてないから落ち着けるかは微妙ですけど」
「リアは頑張りすぎているから休む事も大事だぞ」
「そうよ、お仕事も大事だけれど、無理は禁物よ」
「・・・私、そんな風に見えちゃってます?」
「まあな」
梓も黙ってはいたが村雨達と同じ事を思っている顔をし、リアはまた苦笑していた
「じゃあ程々に息抜きします・・・」
「うむ、それが良い。では最近我が見つけた美味いアイスクリンの店を教えよう!」
「九段さん、やっぱりそれなんですねι」
九段は目をキラキラとさせてそう言ってリアに店を教え始めそれを見て梓は苦笑し村雨は呆れたように溜息を吐いていた
「あ、リアさん、お帰りなさい!」
「ただいま、コハクくん」
邸に戻ると丁度庭先でコハクが独楽回しの練習をしていた
「コハクくんは独楽回しの練習してたの」
「うん、新しい技の練習をね。邸の中でやると駒を高く飛ばせないし、ルードくんに怒られちゃうし・・・」
「ふふっ、そっか」
そう話ながらコハクと共に邸に中へ入った
「ただいま、ルードくん、政虎さん」
「楓月さん、お帰りなさい」
「村雨んとこ行って来たんだろ」
「はい」
「どうでした」
居間に行くとルードと虎が居て二人に挨拶をしてリアはコハクと共に空いている席に座る
「村雨さんから了承を貰えたから今度出版社に持って行ってくれるって」
「そっか、良かったね、リアさん」
「ええ。リアさん凄く頑張っていましたからね」
「ま、最初に本を出すっつった時はどうなるかと思ったけどな」
「まだちゃんと発売されてないから安心は出来ないですけど」
「でもこれでリアさんもゆっくり出来るでしょ」
「夜遅くまで執筆していましたからね」
「肩の力抜いて休めば良いだろうよ」
ハイカラヤでも同じような事を言われリアはまた苦笑した
確かにルード達の方が共に暮らしているからリアがどれだけ頑張っていて肩の力が入ってるのかも解っている
そして何よりあの出来事の後、もっと無理をしているのを一番解っていた
「うん・・無理せず、程々に息抜きします」
それを聞きやっとルード達も安堵した表情を見せた
「良し、なら飯だ。飯食わせろ」
「・・虎、いきなりそれですか」
「あははっ、でもおれもお腹空いちゃった」
「そうね。じゃあルードくん、夕飯作りに行こう」
「はい。虎、コハク、貴方達もたまには手伝って下さい」
「はーい!」
「・・・チッ、仕方ねえな。その分オレのだけ多めに作れよ」
「作りません!」
「ふふっ」「あははっ」
いつものやり取りに戻り皆で厨房に行き夕飯を作り皆で楽しく食べた
そして夕飯を食べ終え片付けを終えた頃、
「あ、私ちょっとだけ出掛けて来るね」
「リアさん」
言うとリアは邸を出て何処かへ向かって行った
「・・・・」
ルードはリアの行き先が解り複雑な表情を浮かべていて、同じく食堂でリアを見送ったコハクも同じように複雑な表情を浮かべ居間のソファで横になっていた虎もそんなリアを見て何かを思っている顔していた
続く
あとがき
はい、ようやくダリウスさんルートのエピローグです・・・
うん、本編つーより完全にオリジナルだけで終わってしまった・・・(^_^;)w
そしてダリウスさん出てないじゃん!ww
まあ色々とありますが、とりあえず平和になった一幕を書きたいなーっと思ったのでそれぞれ分けて書いてみました
まずは有馬と秋兵と友部さんとの会話は何度見ても好きなんですよねw
本編ではあまり絡みがなかったので此処で彼等にも登場して貰ったし、何より今後は彼等が帝都を支えてくれるからねw
有馬の照れた所やからかってる所は書いてて楽しかったです
お次はハイカラヤでの会話、此処は本編のエピローグで語っていた鬼についての本の事を語って頂きました
九段さんは帝国軍側代表として読んで貰いましたw まあ本好きってものありましたけどもw
でもやっぱり大人達はリアちゃんが無理してるって事は気付いてましたね、有馬達も勿論解ってると思うけど
梓ちゃんも変わらず生活していてリアちゃんとも仲良しで安心だし、蠱惑の森チームとのやり取りも相変わらずでww
が、最後がまた気になる終わり方したなww
そこは次回ですな
そして、いよいよ次回でダリウスさんルートも最終話です!
気になっている所いっぱいありますが、それは次回!w
次回もある意味泣けてきゃーきゃーになりますのでww
では最終話をお楽しみに!
GRANRODEO 5rdアルバム 「CRACK STAR FLASH」&GRANRODEO 曲名でお題 81.希望の彼方へ より
2015.08.16
まず、強兵計画の実態が暴かれた事で、帝国軍の上層部は責任追放された
今後は、国の組織を立て直す所から再出発だろうと聞いた
有馬は精鋭分隊を新たに自衛団と言う名の防衛組織に組み替えるつもりらしく、秋兵や九段、そして梓もその一員として帝都の復興に携わっていた
梓も一年前のあの日、力を使い果たし元の世界に戻れなくなっていた
だが梓は自分にもやるべき事が此処に沢山あるし、リアさんや大切な人達と一緒にいたいからと言ってくれて今までみたいに有馬達の所にいつつ、蠱惑の森やリアが働くミルクホールにも訪れていた
村雨達「結実なき花」は無罪放免となり今は自由の身だったが、結実党と言う新たな政党を結成するつもりらしい
結実党については、邸に残されたダリウスの構造に基づいたものだが、市民はその事は知らない
皆、それぞれ新たな平和に向かって歩みを始めていた
46.希望の彼方へ
そして、肝心のリアはと言うと―――
「お疲れ様でした」
リアは今まで通りミルクホールで働いていた
「今から行けば丁度間に合うよね」
「あ、楓月さん! お久し振りです!」
「友部さん、お久し振りです」
懐中時計で時間を確認して鞄に仕舞っていると聞き覚えのある声が聞こえ前を見ると友部がいた
「こんにちは。巡回中ですか」
「はい。これから有馬隊長達と合流する所です」
禍津迦具土神が消滅した事で友部を始め、憑闇となっていた人達も心を取り戻し普通に生活出来るようになっていた
それはコハクにも言える事で、憑闇の力がなくなり普通の青年に戻っていた
「楓月さんはこれからお出掛けですか」
「はい、ハイカラヤに行って村雨さんと打ち合わせです」
「ああ、そうでしたか」
「友部」
「おや、リアくん、こんにちは」
「有馬さん、片霧さん、こんにちは」
友部と話をしているとまた馴染みのある声が聞こえ自分達の方へ向かって来ている有馬と秋兵が見えリアは挨拶をした
「リアくんはこれから出掛ける所ですか」
「はい。ハイカラヤに」
「村雨と打ち合わせか?」
「はい」
「順調ですか」
「そうですね・・・一応今日村雨さんに見せて確認を取る形にはなっています」
「そうか」
「上手くいくと良いですね」
「私達も応援しています!」
「ありがとう御座います」
リアの笑顔を見て有馬も秋兵も安堵した顔をして友部も応援を送っていた
「有馬さん達も、順調そうですか」
「ああ、まだ完全に立て直しまではいっていないが内部は纏まりつつある」
「有馬隊長殿の働きのお陰ですよ」
「ええ、有馬は本当に良く働いてくれます。そのお陰で僕達もこうやって巡回出来ている訳ですし」
「っ・・・お、俺は当然の事をしているまでだ」
「ふふっ」
秋兵と友部に褒められ有馬は少し頬に朱を染めて照れたのを誤魔化すようにそう言っていてそれを見てリアも笑った
「楓月、お前も笑うな」
「ふふっ、すみません。でも、梓ちゃんも皆さんと一緒に頑張っているんですよね」
「ええ。梓くんは本当に頑張り屋さんですよ。神子としての使命は終わりましたが、それでも我々と共に帝都の平和を考えて下さっています」
「はい。本当に見習う所ばかりです」
「あいつはもう少し他の事をやっても良いと思うのだが」
「有馬さん、何だか妹を心配するお兄さんみたいですね」
「なっ!」
「ぷっ、ふふ・・・リアくん、それ凄く良い例えですね」
「あははっ、有馬隊長にピッタリですね」
有馬の心配している様子を見ていると思わず妹を心配する兄のように思えてそう言うと友部と秋兵は笑って同意した
「・・・友部」
「あ、す、すみません!」
「ふふっ。でも私にとっても梓ちゃんは可愛い妹ですから、これからもよろしくお願いしますね」
それにつられてリアもまた笑い、そう言っていつもの姉の表情を見せた
「それじゃあ私はこれで失礼します」
「ええ、頑張って下さいね」
「はい」
三人のやり取りをまだ見ていたいがこの後ハイカラヤに行く予定があるので、そこで話を切り上げみんなからの応援を聞きリアは微笑んでそのままハイカラヤに向かった
「・・・どうでしょうか・・・」
あれからリアはハイカラヤにやって来て村雨の元を訪れていた
「うむ、我は良いと思うぞ」
「あたしも。前よりもっと良くなってるわ」
「ああ、これなら文句なしだろうな」
リアの前には村雨とマスターそして九段がいた
そして彼等の手元には複数枚の原稿用紙があった
その原稿用紙はリアが書いたものだった
数ヶ月前、リアは鬼についての本を出したいと村雨に相談していた
あの事件と有馬達のお陰で鬼についての世間の評価や見方はだいぶ変わってきていた
それは勿論神子である梓やあの時のリアの言葉や結実なき花の面々の説得なども影響は大きいと言える
それでもずっと隔てていた壁を壊し今居る人達に解って貰えたとしても後世にその事を伝える事が出来なければいつかまた必ず偏見や差別、そして壁が出来てしまう
それではあまりにも彼等が救われず、何よりダリウスが目指している鬼と人間が共存出来る平和な世にはならない
そう思いリアは村雨に相談して本を出したいと言い、この数ヶ月、作家である村雨の助言を貰いながら、そしてルードや虎や里のみんなからも色々と情報を貰いつつ、梓やコハクにも手伝って貰っていた
勿論その中にはリアがずっと感じていた事だったり、リアと梓が鬼と人間、どちらとも接し共に暮らして感じていた事も書かれていた
「この本にはリアが伝えたい事や思いが沢山詰まっているな」
「鬼と人間と共に暮らして生活していたリアちゃんだからこそ感じる事が凄く伝わってくるわ」
「村雨さんや皆さんのお陰で此処まで書く事が出来たんですよ」
「俺は少ししか教えてないぞ」
確かに村雨にどんな風に書いたら良いかと相談した時に書き方や表現のしたかを教えてもらい、修正もして貰ったがそれ以外はリアの努力と思いだった
「楓月、お前、案外作家になれるかもしれんぞ」
「え! ・・それは、流石に褒めすぎのような気がするんですけど・・・」
「村雨が言うのなら間違いはないと我も思うぞ」
「リアちゃんがこれからも本を出すなら、あたし絶対に買い続けるわ」
「九段さん・・マスターまで・・・」
盛り上がっている面々を見てリアは苦笑していた
「じゃ、後は俺から出版社に持って行ってやるよ」
「はい、ありがとう御座います」
「こんにちは」
「あら、梓ちゃん、いらっしゃい」
そう話していると扉が開き梓が店に入って来た
「梓ちゃん、こんにちは」
「あ、リアさん、こんにちは・・・もしかして打ち合わせ中だった?」
「いや、今終わった所だ。で、此処に来たって事は・・・」
「村雨ブレンド、1杯お願いします」
「了解。少し待ってな」
梓は笑顔でそう言ってリアの隣に座り、村雨は原稿用紙を持って一旦自分の部屋に戻った
「リアさん、本の出来栄えどうだった?」
「うん、村雨さんや九段さん、マスターからも良いって言って貰えたよ」
「そうなんだ、良かったぁ!」
「梓ももう少し早く来ていれば読めていたぞ」
「う・・・それは残念だな・・・でも、発売されたら絶対買うよ」
「うん、ありがとう」
「ま、これで楓月も少しは落ち着けるだろう」
そう声が聞こえ顔を上げると村雨が梓の珈琲を持って来て梓の前にカップを置き梓はお礼を言っていた
「そうですね。まだちゃんと発売されてないから落ち着けるかは微妙ですけど」
「リアは頑張りすぎているから休む事も大事だぞ」
「そうよ、お仕事も大事だけれど、無理は禁物よ」
「・・・私、そんな風に見えちゃってます?」
「まあな」
梓も黙ってはいたが村雨達と同じ事を思っている顔をし、リアはまた苦笑していた
「じゃあ程々に息抜きします・・・」
「うむ、それが良い。では最近我が見つけた美味いアイスクリンの店を教えよう!」
「九段さん、やっぱりそれなんですねι」
九段は目をキラキラとさせてそう言ってリアに店を教え始めそれを見て梓は苦笑し村雨は呆れたように溜息を吐いていた
「あ、リアさん、お帰りなさい!」
「ただいま、コハクくん」
邸に戻ると丁度庭先でコハクが独楽回しの練習をしていた
「コハクくんは独楽回しの練習してたの」
「うん、新しい技の練習をね。邸の中でやると駒を高く飛ばせないし、ルードくんに怒られちゃうし・・・」
「ふふっ、そっか」
そう話ながらコハクと共に邸に中へ入った
「ただいま、ルードくん、政虎さん」
「楓月さん、お帰りなさい」
「村雨んとこ行って来たんだろ」
「はい」
「どうでした」
居間に行くとルードと虎が居て二人に挨拶をしてリアはコハクと共に空いている席に座る
「村雨さんから了承を貰えたから今度出版社に持って行ってくれるって」
「そっか、良かったね、リアさん」
「ええ。リアさん凄く頑張っていましたからね」
「ま、最初に本を出すっつった時はどうなるかと思ったけどな」
「まだちゃんと発売されてないから安心は出来ないですけど」
「でもこれでリアさんもゆっくり出来るでしょ」
「夜遅くまで執筆していましたからね」
「肩の力抜いて休めば良いだろうよ」
ハイカラヤでも同じような事を言われリアはまた苦笑した
確かにルード達の方が共に暮らしているからリアがどれだけ頑張っていて肩の力が入ってるのかも解っている
そして何よりあの出来事の後、もっと無理をしているのを一番解っていた
「うん・・無理せず、程々に息抜きします」
それを聞きやっとルード達も安堵した表情を見せた
「良し、なら飯だ。飯食わせろ」
「・・虎、いきなりそれですか」
「あははっ、でもおれもお腹空いちゃった」
「そうね。じゃあルードくん、夕飯作りに行こう」
「はい。虎、コハク、貴方達もたまには手伝って下さい」
「はーい!」
「・・・チッ、仕方ねえな。その分オレのだけ多めに作れよ」
「作りません!」
「ふふっ」「あははっ」
いつものやり取りに戻り皆で厨房に行き夕飯を作り皆で楽しく食べた
そして夕飯を食べ終え片付けを終えた頃、
「あ、私ちょっとだけ出掛けて来るね」
「リアさん」
言うとリアは邸を出て何処かへ向かって行った
「・・・・」
ルードはリアの行き先が解り複雑な表情を浮かべていて、同じく食堂でリアを見送ったコハクも同じように複雑な表情を浮かべ居間のソファで横になっていた虎もそんなリアを見て何かを思っている顔していた
続く
あとがき
はい、ようやくダリウスさんルートのエピローグです・・・
うん、本編つーより完全にオリジナルだけで終わってしまった・・・(^_^;)w
そしてダリウスさん出てないじゃん!ww
まあ色々とありますが、とりあえず平和になった一幕を書きたいなーっと思ったのでそれぞれ分けて書いてみました
まずは有馬と秋兵と友部さんとの会話は何度見ても好きなんですよねw
本編ではあまり絡みがなかったので此処で彼等にも登場して貰ったし、何より今後は彼等が帝都を支えてくれるからねw
有馬の照れた所やからかってる所は書いてて楽しかったです
お次はハイカラヤでの会話、此処は本編のエピローグで語っていた鬼についての本の事を語って頂きました
九段さんは帝国軍側代表として読んで貰いましたw まあ本好きってものありましたけどもw
でもやっぱり大人達はリアちゃんが無理してるって事は気付いてましたね、有馬達も勿論解ってると思うけど
梓ちゃんも変わらず生活していてリアちゃんとも仲良しで安心だし、蠱惑の森チームとのやり取りも相変わらずでww
が、最後がまた気になる終わり方したなww
そこは次回ですな
そして、いよいよ次回でダリウスさんルートも最終話です!
気になっている所いっぱいありますが、それは次回!w
次回もある意味泣けてきゃーきゃーになりますのでww
では最終話をお楽しみに!
GRANRODEO 5rdアルバム 「CRACK STAR FLASH」&GRANRODEO 曲名でお題 81.希望の彼方へ より
2015.08.16