ダリウスルート
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あれからリアはひたすら走っていた
だが、蠱惑の森の入口付近に来ると足を止めた
「・・・結界が強まってる」
「・・・申し訳ありません。我々が手を尽くしたのですが結界術が強められていて森に入る所か、近付くだけでも難しく・・・」
「そんな・・・」
「九段殿、貴方が彼に協力しても歯が立たないと?」
「うむ、結界はよほど固く侵入者を拒んでいるようだ」
追い着いてきた面々も同じ場所で立ち止まりリアは全員を見た後ルードと九段に目を向けた
(ルードくんも九段さんも、凄く青い顔をしてる。ずっと結界を解こうと頑張ってくれていたんだ。それにルードくんの怪我も治さなきゃ)
「ルードくん、九段さん、じっとしていて下さい。少しでも疲れや傷を癒したいので・・」
言うとリアは治癒の力を発動させる
それは自分達を包み疲労が徐々になくなっていくのを感じた
だが、以前よりも力が増している事にルードは気付いていた
「ありがとう御座います、リアさん」
「ありがとう。しかしリアのその力は・・・」
「そんな事より、どうやってダリウスのとこに行くんだ?」
九段の質問を掻き消すように虎がそう言うと皆目の前に張られている結界を見る
「―― 結界は私が破る。黒麒麟を呼ぶよ」
「!」「梓!」
皆がどう突破するか考えていると梓はそう言って一歩前に出た
「・・・! 確かに、その手を使えば・・・ですが・・・」
「黒麒麟なら破れるかもしれないよね。・・・私、やってみるよ」
「で、でも・・・梓さん、良いの? 黒麒麟を呼んだ事、あんなに苦しんでいたのに・・・」
「迷ってる場合じゃない。それに、私もダリウスには沢山恩があるし、リアさんの気持ちを無駄になんてしたくない!」
「梓ちゃん・・」
言うと梓は目を瞑って黒麒麟に呼び掛ける
すると、
「うわっ!」
梓の呼び掛けに答え、黒麒麟はリア達の前に姿を見せた
「・・・これが、黒麒麟・・・」
リアは黒麒麟を初めて見るので驚いた顔をしていたが、確かに以前ダリウスが言っていた通り「強くて、美しい霊獣」だとリアも思っていた
「・・・? 私を見ている?」
「梓さんの命令を待っているのかと」
「命令・・・そ、それじゃあ、ええと・・・黒麒麟、結界を破って。ダリウスの元へ行きたいの」
梓が命令を出すと黒麒麟は結界が張ってある場所に向かって行きその結界を壊した
「結界が割れた・・・」
「凄い力だな・・」
黒麒麟の破壊力は知っていたが、それを目の当たりにして皆やはり驚いていた
「・・・・」
「あれ、黒麒麟が、こっちに?」
結界を壊し終えた黒麒麟はそのまま梓の元へやって来た
「もしかして・・・梓さん、背に乗せて貰えるんじゃない?」
「ダリウスの元に行きたいと願ったからかな?」
「だろうな」
「では、黒麒麟の背には梓さんとリアさんが乗って下さい」
「え?」
「リアさんは我々の中でも一番大事な人材であり戦力です。無駄な体力の消費は避けたいですから」
「解った。黒麒麟、よろしくね」
そう言ってリアは梓と共に黒麒麟の背に乗った
「森の結界術には私も協力しています。入口さえ開ければダリウス様の居場所を探る事が出来るでしょう」
「ならルードハーネを先頭に俺達も続くか」
「はい」
その言葉に頷きルードを先頭にして皆走り出し出した
44.神子の末裔
「ではやはり先程の力は、白龍の神子の力だったんですね」
あれから暫くしてリアは先程自分が使った力の事をみんなに話した
「でも、どうしてリアさんにその力が?」
「まさかあの時、千代から白龍の神子の力を受け継いでいたのか?」
「・・・少し、違います」
少し、と言う所に皆引っかかりを覚えた
「私の一族・・いえ、家系は、・・歴代の神子の血と力を引き継いでいたみたいなんです」
「!」
「ずっと、変わった力について気になってはいたんです。けどそれは鬼の一族や混血の人達と結婚して遺伝だからって思っていました。けれど、自分の力に一番疑問を抱いたのは梓ちゃんが四神の結界を解き始めた頃でした」
「え?」
「梓ちゃんと皆さんが四神の領域に居て四神と戦っている姿が、見えたんです」
「!」
リアの言葉に皆また驚きを覚え目を瞠る
「見えたと言っても本当に一部だけなんですけど。そして、あの時あの場に居た皆さんが八葉に選ばれたのも納得でした」
「成る程。それで楓月は俺が八葉だと知った時に驚かなかった訳か」
確かに村雨が八葉だと知った時、皆驚いていたがリアは冷静にその様子を見ていたのを思い出す
「そしてあの後、宝玉に触れて、私が持っているこの力が何なのか分かったんです。この力は私の家系が歴代の神子の末裔だからって」
「楓月が、歴代の神子の末裔・・・?」
「ふうん、それであの蛇野郎はあんな事言ってた訳か」
「どう言う事だ?」
「凌雲閣の展望階で蛇野郎と戦った時にリアを見て“神子の力を受け継ぎし娘”って言ってやがったんだよ」
「!」
「・・・確かにそう言っていたな」
確かに良く思い返せば禍津迦具土神はリアに向けてそう言っていた
あの時その場に居た梓、ルード、コハクも勿論その言葉を耳にしていたが、その後に想像もしていなかった事態が起こってしまいその事を忘れていた
「じゃあ千代が言ってたリアさんの力って・・・」
「多分千代ちゃんは白龍から聞いて知っていたのかもね。だからあの時宝玉に梓ちゃんやみんなを守ってと願った後に私の中に眠っていた力を解放してくれたんだと思う」
そこまで聞きリアの力の事を知っていたルードと虎と梓とコハクも納得がいった
先程ルードと九段に使った治癒の力はリアが元々使える力ではあったがその威力が増していた事にルードは気付いていたが今の説明を聞き、その力が増した理由がようやく解ったのだった
「ルードくん、ダリウスさんの気配、感じる?」
一通り話し終えるとリアはずっと気になっていた事を聞いた
「ええ・・・ダリウス様はおそらく湖の畔にいらっしゃいます」
ルードは気配を探りそう言うと少し先の角を曲がり皆もその後ろに続いていく
(あの湖の畔に・・・・。・・・ダリウスさんに、告白された、あの場所に・・・いるんだ・・・)
「っ・・・」
「リアさん・・・」
少しだけ辛そうな顔をしているリアを見て梓も心配そうな顔をして声を掛けようとした時だった
「リアさん・・・、っ、湖が見えた!」
途端、コハクの声が聞こえリアも梓も顔を上げ前を見た
続く
あとがき
はい、今回は蠱惑の森の中に突入する所とリアちゃんの力の秘密についてでした
此処は語っておかないと次に続けられないのでね(^_^;)
まあ何はともあれリアちゃんがずっと気になっていた事やみんなも気になっていたリアちゃんの力の事を知れて良かったですね
そして、いよいよダリウスさんの元に辿り着きますね・・・
ホントに次回も切ないので・・・ね・・・(´;ω;`)
えーこちらも残す所、後、3話となりました
最後までどうぞお付き合いよろしくお願いします!
ではまた次回
2015.08.16
だが、蠱惑の森の入口付近に来ると足を止めた
「・・・結界が強まってる」
「・・・申し訳ありません。我々が手を尽くしたのですが結界術が強められていて森に入る所か、近付くだけでも難しく・・・」
「そんな・・・」
「九段殿、貴方が彼に協力しても歯が立たないと?」
「うむ、結界はよほど固く侵入者を拒んでいるようだ」
追い着いてきた面々も同じ場所で立ち止まりリアは全員を見た後ルードと九段に目を向けた
(ルードくんも九段さんも、凄く青い顔をしてる。ずっと結界を解こうと頑張ってくれていたんだ。それにルードくんの怪我も治さなきゃ)
「ルードくん、九段さん、じっとしていて下さい。少しでも疲れや傷を癒したいので・・」
言うとリアは治癒の力を発動させる
それは自分達を包み疲労が徐々になくなっていくのを感じた
だが、以前よりも力が増している事にルードは気付いていた
「ありがとう御座います、リアさん」
「ありがとう。しかしリアのその力は・・・」
「そんな事より、どうやってダリウスのとこに行くんだ?」
九段の質問を掻き消すように虎がそう言うと皆目の前に張られている結界を見る
「―― 結界は私が破る。黒麒麟を呼ぶよ」
「!」「梓!」
皆がどう突破するか考えていると梓はそう言って一歩前に出た
「・・・! 確かに、その手を使えば・・・ですが・・・」
「黒麒麟なら破れるかもしれないよね。・・・私、やってみるよ」
「で、でも・・・梓さん、良いの? 黒麒麟を呼んだ事、あんなに苦しんでいたのに・・・」
「迷ってる場合じゃない。それに、私もダリウスには沢山恩があるし、リアさんの気持ちを無駄になんてしたくない!」
「梓ちゃん・・」
言うと梓は目を瞑って黒麒麟に呼び掛ける
すると、
「うわっ!」
梓の呼び掛けに答え、黒麒麟はリア達の前に姿を見せた
「・・・これが、黒麒麟・・・」
リアは黒麒麟を初めて見るので驚いた顔をしていたが、確かに以前ダリウスが言っていた通り「強くて、美しい霊獣」だとリアも思っていた
「・・・? 私を見ている?」
「梓さんの命令を待っているのかと」
「命令・・・そ、それじゃあ、ええと・・・黒麒麟、結界を破って。ダリウスの元へ行きたいの」
梓が命令を出すと黒麒麟は結界が張ってある場所に向かって行きその結界を壊した
「結界が割れた・・・」
「凄い力だな・・」
黒麒麟の破壊力は知っていたが、それを目の当たりにして皆やはり驚いていた
「・・・・」
「あれ、黒麒麟が、こっちに?」
結界を壊し終えた黒麒麟はそのまま梓の元へやって来た
「もしかして・・・梓さん、背に乗せて貰えるんじゃない?」
「ダリウスの元に行きたいと願ったからかな?」
「だろうな」
「では、黒麒麟の背には梓さんとリアさんが乗って下さい」
「え?」
「リアさんは我々の中でも一番大事な人材であり戦力です。無駄な体力の消費は避けたいですから」
「解った。黒麒麟、よろしくね」
そう言ってリアは梓と共に黒麒麟の背に乗った
「森の結界術には私も協力しています。入口さえ開ければダリウス様の居場所を探る事が出来るでしょう」
「ならルードハーネを先頭に俺達も続くか」
「はい」
その言葉に頷きルードを先頭にして皆走り出し出した
44.神子の末裔
「ではやはり先程の力は、白龍の神子の力だったんですね」
あれから暫くしてリアは先程自分が使った力の事をみんなに話した
「でも、どうしてリアさんにその力が?」
「まさかあの時、千代から白龍の神子の力を受け継いでいたのか?」
「・・・少し、違います」
少し、と言う所に皆引っかかりを覚えた
「私の一族・・いえ、家系は、・・歴代の神子の血と力を引き継いでいたみたいなんです」
「!」
「ずっと、変わった力について気になってはいたんです。けどそれは鬼の一族や混血の人達と結婚して遺伝だからって思っていました。けれど、自分の力に一番疑問を抱いたのは梓ちゃんが四神の結界を解き始めた頃でした」
「え?」
「梓ちゃんと皆さんが四神の領域に居て四神と戦っている姿が、見えたんです」
「!」
リアの言葉に皆また驚きを覚え目を瞠る
「見えたと言っても本当に一部だけなんですけど。そして、あの時あの場に居た皆さんが八葉に選ばれたのも納得でした」
「成る程。それで楓月は俺が八葉だと知った時に驚かなかった訳か」
確かに村雨が八葉だと知った時、皆驚いていたがリアは冷静にその様子を見ていたのを思い出す
「そしてあの後、宝玉に触れて、私が持っているこの力が何なのか分かったんです。この力は私の家系が歴代の神子の末裔だからって」
「楓月が、歴代の神子の末裔・・・?」
「ふうん、それであの蛇野郎はあんな事言ってた訳か」
「どう言う事だ?」
「凌雲閣の展望階で蛇野郎と戦った時にリアを見て“神子の力を受け継ぎし娘”って言ってやがったんだよ」
「!」
「・・・確かにそう言っていたな」
確かに良く思い返せば禍津迦具土神はリアに向けてそう言っていた
あの時その場に居た梓、ルード、コハクも勿論その言葉を耳にしていたが、その後に想像もしていなかった事態が起こってしまいその事を忘れていた
「じゃあ千代が言ってたリアさんの力って・・・」
「多分千代ちゃんは白龍から聞いて知っていたのかもね。だからあの時宝玉に梓ちゃんやみんなを守ってと願った後に私の中に眠っていた力を解放してくれたんだと思う」
そこまで聞きリアの力の事を知っていたルードと虎と梓とコハクも納得がいった
先程ルードと九段に使った治癒の力はリアが元々使える力ではあったがその威力が増していた事にルードは気付いていたが今の説明を聞き、その力が増した理由がようやく解ったのだった
「ルードくん、ダリウスさんの気配、感じる?」
一通り話し終えるとリアはずっと気になっていた事を聞いた
「ええ・・・ダリウス様はおそらく湖の畔にいらっしゃいます」
ルードは気配を探りそう言うと少し先の角を曲がり皆もその後ろに続いていく
(あの湖の畔に・・・・。・・・ダリウスさんに、告白された、あの場所に・・・いるんだ・・・)
「っ・・・」
「リアさん・・・」
少しだけ辛そうな顔をしているリアを見て梓も心配そうな顔をして声を掛けようとした時だった
「リアさん・・・、っ、湖が見えた!」
途端、コハクの声が聞こえリアも梓も顔を上げ前を見た
続く
あとがき
はい、今回は蠱惑の森の中に突入する所とリアちゃんの力の秘密についてでした
此処は語っておかないと次に続けられないのでね(^_^;)
まあ何はともあれリアちゃんがずっと気になっていた事やみんなも気になっていたリアちゃんの力の事を知れて良かったですね
そして、いよいよダリウスさんの元に辿り着きますね・・・
ホントに次回も切ないので・・・ね・・・(´;ω;`)
えーこちらも残す所、後、3話となりました
最後までどうぞお付き合いよろしくお願いします!
ではまた次回
2015.08.16