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梓が自室で身支度を終え階下に降りると既に朝食の美味しそうな香りが漂ってきた
「おはよう、ダリウス」
「おはよう、もうじき朝食だよ。座っておいで」
「うん」
食堂には既にダリウスと椅子に腰掛けてはいるものの目は閉じてピクリとも動かない虎がいる
「虎は、目を開けておきなさい」
「・・・ふあ」
ダリウスの言葉に欠伸で返す政虎を見て梓が驚いていると厨房から朝食を運んで来たリアが梓に声を掛ける
「おはよう、梓ちゃん」
「おはよう、リアさん。私も手伝おうか?」
「ありがとう、でももう終わるから座ってて良いよ」
慣れた手つきで一人一人の食事を配膳していき、ルードも作り終えたものを配膳し全員が揃った所で朝食を取った
ダリウスは昨日の梓の怨霊退治の事を話して、虎は相変わらず目を瞑ったままだが、器用に食事を取っているがはやりルードに注意されるも気にした様子もなく続けている
そして梓が元の世界に帰る為に必要な事をダリウスが説明し梓に目標数を提示していて、今日から本格的に怨霊退治をしていくんだろうなと思った
「ご馳走様でした」
「おや、もう出掛けるのかい」
「はい。今日は新作が出る日でお店も忙しくなのるので、帰りが遅くなると思います」
「なら、迎えに行くよ。帰りは10時頃かな」
「はい。じゃあ行ってきます」
食器を厨房へ下げながら答え早足で邸を出た
「気になってたんだけど、リアさんって何の仕事してるの?」
新作や店と言っていたから接客業だと言う事は解るのだがまだこの時代の店に行った事がない為どんな所で働いているか気になっていた
「ああ、そうか。言ってなかったね。リアは飲食街にあるミルクホールで働いているんだ」
「ミルクホール?」
「ミルクや洋菓子と言った西洋の嗜好品を気軽に楽しめる店で、リアさんが働いているミルクホールでは唯一洋菓子も販売しています。そこでリアさんは週に3、4回働いています」
「因みに、看板娘でもあるんだよ」
「か、看板娘!?」
ダリウスの言葉に驚いてしまうがあの優しい笑顔で接せられれば看板娘と言われるのも納得がいく
「興味があるなら今度行ってみると良いよ。お洒落な店だからきっと梓も気に入ると思うよ」
優雅に珈琲を飲みながら言うダリウスの言葉に梓も興味が沸いたのか、いつか行ってみようと思っていたのだった
05.姫君達の休日
梓が怨霊退治を始めてから数日が経った
ダリウス、ルード、虎、リアとも共に行動し怨霊と戦いそれぞれの動きや性格なども解り始めた
そして今日も一日怨霊退治に出掛けるはずだったのだが、ダリウスとルードは午後から古美術商の商談があり虎も別の仕事があると言って朝から出ている為、午前中で切り上げる事になってしまい、今邸にいるのは梓とリアの二人だけ
怨霊退治に行く条件として梓とリアの二人だけでは行ってはいけないと言われているので午後からの怨霊退治は休みとなったのだった
自室に戻ってきた梓だったが何もする事が無くどうしようかと思っていると部屋の扉をノックする音が聞こえ返事を返すとリアが顔を出した
「梓ちゃん、今大丈夫?」
「うん、何か用事?」
「せっかくの休暇だし、良かったら庭でお茶菓子と一緒にお茶にしない?」
「あ、良いね。お茶にしよう」
リアの誘いに梓も嬉しそうな顔をして二人で紅茶とお茶菓子を持って庭のテーブルにクロスを敷いて綺麗にセッティングを終えてお茶会を始めた
「はいどうぞ。これうちの店の新作のカステラなの」
「わあ、美味しそう! 頂きます!」
カステラをフォークで一口サイズに切って口に入れるとふんわりとした食感と甘い味が口の中に広がり少しだけとろみを感じた
「美味しい! ふわふわなのにとろりとした甘みが広がって!」
「ふふっ、気に入ってくれた? 西洋から新しいカステラが手に入ったからうちのお店で出してたのを買って来たの」
「確か飲食街にあるミルクホールで働いているんだよね」
「ええ。ダリウスさんから聞いたの?」
「うん。後、看板娘だって事も」
「・・・、そこまで聞いたんだ・・・ι」
そこまで触れられるとは思っていなかったようでリアは苦笑していたが直ぐに話しを戻す
「でもお洒落で落ち着ける所だから、いつでもいらっしゃい。良かったら今度一緒に行ってみる?」
「うん、行ってみたい!」
「じゃあ約束ね。あ、そう言えば、あの部屋気に入ってくれてる?」
「え?」
「梓ちゃんが使っている部屋」
「うん。最初は疲れてたり混乱してたから気付かなかったけど、シンプルで女の人向けの部屋になってたんだね。凄く気に入ってるよ」
「良かったぁ。梓ちゃんの部屋の準備、私がやったのよ」
「え! そうだったの!?」
普段家事全般をしているのがルードだからリアの助言を貰いながらやったのかと思っていたがまさかリアがやってくれたとはと驚いていた
「梓ちゃんがこの邸に来る直前まで準備してたの。夕方まで仕事だったから帰って来てずっとね」
「そうだったんだ・・・ありがとう。ずっと素敵な部屋で落ち着けるなって思ってたんだ。だから今一番気に入ってる場所なんだ」
本当に嬉しそうに笑う梓を見てリアも嬉しそうに笑った
まだこの世界にやってきて数日しか経っていないがそれでも最初に会った時よりも色んな表情を見せたりしてダリウス達とも上手くやっている所を見てリアも安心を覚えていた
「あ、ねえ、私もずっと気になってる事があったんだけど」
「ん、何?」
「前に鬼の一族と縁があるって言ってたけど、あれってどういう意味?」
梓の質問を聞き一瞬間が出来た
その間に木々が揺れ風が頬や髪に当たる
「そうね。他にも気になってる事があるだろうから一緒に説明しちゃおうか」
言うとリアはカップを置いて話し始めた
「私の一族は唯一昔から鬼の一族と関わりがあったの。鬼の一族の隠れ里の近くに住んでいて、一緒に行動したりもしていたわ。世間では鬼がどうと騒がれてもお互い普通の人とは違う変わった力を持っていたからずっと隠れ住んでいたし、彼等も私達の一族も危害を与える事は無かったし、世間で騒がれているような事をしていないのは解っていたの」
「変わった力って、あの怪我を治してくれたりする力・・・?」
梓の言葉にリアは頷いた
この数日で梓はリアが他の人間と違う力を持っているのを見ているし実際に使ってもらった
3日前、怨霊退治に出掛けた際に少し脚を擦りむいてしまった
邸に帰ってきた梓を見てリアが駆け寄り目を閉じて傷口に手を当てると温かい光が傷口に当たり徐々にその傷は癒えていったのだった
他にも怨霊と戦っている最中に札で術を使っているのも見た事があった
鬼の一族ではないと言う事は知っていたがその力が何なのか気になっていて聞くタイミングを逃していたがそれが今日やっと聞けたのだった
「この力は代々受け継いでるものでもあるんだけど、鬼の一族と私達の一族が結婚する事も珍しい事じゃなかったから多少は鬼の力を引き継いでるのかもね」
「じゃあリアさんは虎と一緒で混血・・って事?」
「私は混血じゃないわ。両親は人間よ。でも血筋を遡ると混血だった人もいるみたいだから遺伝になるのかしらね。容姿もちょっと西洋人に近い感じだし」
うーん・・・と悩みながら答えるリアを見てそれは合っているのではないかと梓は思った
此処に来た時からダリウスとルードと同じく西洋人の様な綺麗な容姿をしていたので今の話を聞いてそうなんだろうと納得していた
「でもリアさんが居てくれて良かったなって思う」
「え?」
「私一人だったらきっと最初から状況が掴めないで混乱したままだっただろうし、同姓で同じ人間のリアさんがいたから此処まで安心出来てるんだと思う」
にこりとして言う梓を見てリアは驚いて目を瞠っていたが直ぐに優しく微笑んで返事を返す
「私も同姓の梓ちゃんが此処に来てくれて嬉しいし、安心してくれてる事も凄く嬉しいよ。こうやって女同士で楽しくお茶会しながらお喋りも出来るしね」
そう言ってまたお互いに笑い合った
そして梓は初めてダリウス達と会った時にルードが言っていた言葉が誰の事を示していたのかもこの数日で解った事だったし、今目の前にいるリアを見て自分もそれは納得だなと思ったのだった
「おや、随分と楽しそうだね」
「ダリウス、ルードくん」
二人が楽しそうに笑い合っていると聞き慣れた声が聞こえ振り向くと丁度帰って来たばかりのダリウスとルードがいた
「二人ともお帰りなさい」
「ただいま。二人で楽しくお茶会かな」
「うん。リアさんの店の新作のカステラと一緒にね」
「それは美味しそうだね」
「ダリウスさんとルードくんの分もありますよ。厨房に人数分切り分けているのがありますから後で食べて下さい」
「有り難う御座います。では私はお茶の用意をしてきます」
そう言うとルードは踵を返して邸の中へ入って行った
「じゃあ俺も戻ろうかな。女性同士のお茶会を邪魔してはいけないからね。君達はゆっくりと寛いでおいで」
「はい」「うん、ありがとう」
そんな二人を見てダリウスは何処か嬉しそうな顔をして邸へ入っていきそれを見送るとリアは梓へと視線を戻した
「梓ちゃん」
「ん?」
「女同士でしか話せない事や悩み事とかもあると思うから、そう言う時はいつでも声を掛けて。出来るだけ相談に乗るから」
「うん、ありがとう。リアさんも、ね」
「ふふ、分かった」
そう言うと二人は目で約束ね、と言いまた楽しそうに笑い合った
午後のひとときの休暇に楽しいお喋りと美味しい紅茶とお菓子、
(たまにはこんな風に同姓で笑いあえる休暇があっても、良いよね)
梓と話しながらリアは微笑んでそう思っていたのだった
続く
あとがき
つー事で今回は怨霊退治をお休みにして梓ちゃんとリアちゃんの女同士での楽しい楽しいお茶会でした
やっぱり女同士と言ったら甘いお菓子に飲み物にお喋りは付きものでしょw
ずっと戦ってばっかりじゃ疲れるしと思って今回此処でティータイムwにしてみましたw
そして梓もリアちゃんもお互いに気になってる事がやっと分かったようでしたね
リアちゃん人間だけどどうしてダリウス達と共にいるのか、とか、普通の人間とは違う力が使える事、とか、ルードが最初に言っていたのが誰の事だったのか、とか色々ねw
あの後ダリウスもルードくんも美味しくカステラを頂きましたw
勿論虎の分もあるけど、きっとあっという間になくなったんだろうねww
さて、色々と分かった所で次回はあの子を登場させようかなと思っています!
ではっ!
2015.06.19
「おはよう、ダリウス」
「おはよう、もうじき朝食だよ。座っておいで」
「うん」
食堂には既にダリウスと椅子に腰掛けてはいるものの目は閉じてピクリとも動かない虎がいる
「虎は、目を開けておきなさい」
「・・・ふあ」
ダリウスの言葉に欠伸で返す政虎を見て梓が驚いていると厨房から朝食を運んで来たリアが梓に声を掛ける
「おはよう、梓ちゃん」
「おはよう、リアさん。私も手伝おうか?」
「ありがとう、でももう終わるから座ってて良いよ」
慣れた手つきで一人一人の食事を配膳していき、ルードも作り終えたものを配膳し全員が揃った所で朝食を取った
ダリウスは昨日の梓の怨霊退治の事を話して、虎は相変わらず目を瞑ったままだが、器用に食事を取っているがはやりルードに注意されるも気にした様子もなく続けている
そして梓が元の世界に帰る為に必要な事をダリウスが説明し梓に目標数を提示していて、今日から本格的に怨霊退治をしていくんだろうなと思った
「ご馳走様でした」
「おや、もう出掛けるのかい」
「はい。今日は新作が出る日でお店も忙しくなのるので、帰りが遅くなると思います」
「なら、迎えに行くよ。帰りは10時頃かな」
「はい。じゃあ行ってきます」
食器を厨房へ下げながら答え早足で邸を出た
「気になってたんだけど、リアさんって何の仕事してるの?」
新作や店と言っていたから接客業だと言う事は解るのだがまだこの時代の店に行った事がない為どんな所で働いているか気になっていた
「ああ、そうか。言ってなかったね。リアは飲食街にあるミルクホールで働いているんだ」
「ミルクホール?」
「ミルクや洋菓子と言った西洋の嗜好品を気軽に楽しめる店で、リアさんが働いているミルクホールでは唯一洋菓子も販売しています。そこでリアさんは週に3、4回働いています」
「因みに、看板娘でもあるんだよ」
「か、看板娘!?」
ダリウスの言葉に驚いてしまうがあの優しい笑顔で接せられれば看板娘と言われるのも納得がいく
「興味があるなら今度行ってみると良いよ。お洒落な店だからきっと梓も気に入ると思うよ」
優雅に珈琲を飲みながら言うダリウスの言葉に梓も興味が沸いたのか、いつか行ってみようと思っていたのだった
05.姫君達の休日
梓が怨霊退治を始めてから数日が経った
ダリウス、ルード、虎、リアとも共に行動し怨霊と戦いそれぞれの動きや性格なども解り始めた
そして今日も一日怨霊退治に出掛けるはずだったのだが、ダリウスとルードは午後から古美術商の商談があり虎も別の仕事があると言って朝から出ている為、午前中で切り上げる事になってしまい、今邸にいるのは梓とリアの二人だけ
怨霊退治に行く条件として梓とリアの二人だけでは行ってはいけないと言われているので午後からの怨霊退治は休みとなったのだった
自室に戻ってきた梓だったが何もする事が無くどうしようかと思っていると部屋の扉をノックする音が聞こえ返事を返すとリアが顔を出した
「梓ちゃん、今大丈夫?」
「うん、何か用事?」
「せっかくの休暇だし、良かったら庭でお茶菓子と一緒にお茶にしない?」
「あ、良いね。お茶にしよう」
リアの誘いに梓も嬉しそうな顔をして二人で紅茶とお茶菓子を持って庭のテーブルにクロスを敷いて綺麗にセッティングを終えてお茶会を始めた
「はいどうぞ。これうちの店の新作のカステラなの」
「わあ、美味しそう! 頂きます!」
カステラをフォークで一口サイズに切って口に入れるとふんわりとした食感と甘い味が口の中に広がり少しだけとろみを感じた
「美味しい! ふわふわなのにとろりとした甘みが広がって!」
「ふふっ、気に入ってくれた? 西洋から新しいカステラが手に入ったからうちのお店で出してたのを買って来たの」
「確か飲食街にあるミルクホールで働いているんだよね」
「ええ。ダリウスさんから聞いたの?」
「うん。後、看板娘だって事も」
「・・・、そこまで聞いたんだ・・・ι」
そこまで触れられるとは思っていなかったようでリアは苦笑していたが直ぐに話しを戻す
「でもお洒落で落ち着ける所だから、いつでもいらっしゃい。良かったら今度一緒に行ってみる?」
「うん、行ってみたい!」
「じゃあ約束ね。あ、そう言えば、あの部屋気に入ってくれてる?」
「え?」
「梓ちゃんが使っている部屋」
「うん。最初は疲れてたり混乱してたから気付かなかったけど、シンプルで女の人向けの部屋になってたんだね。凄く気に入ってるよ」
「良かったぁ。梓ちゃんの部屋の準備、私がやったのよ」
「え! そうだったの!?」
普段家事全般をしているのがルードだからリアの助言を貰いながらやったのかと思っていたがまさかリアがやってくれたとはと驚いていた
「梓ちゃんがこの邸に来る直前まで準備してたの。夕方まで仕事だったから帰って来てずっとね」
「そうだったんだ・・・ありがとう。ずっと素敵な部屋で落ち着けるなって思ってたんだ。だから今一番気に入ってる場所なんだ」
本当に嬉しそうに笑う梓を見てリアも嬉しそうに笑った
まだこの世界にやってきて数日しか経っていないがそれでも最初に会った時よりも色んな表情を見せたりしてダリウス達とも上手くやっている所を見てリアも安心を覚えていた
「あ、ねえ、私もずっと気になってる事があったんだけど」
「ん、何?」
「前に鬼の一族と縁があるって言ってたけど、あれってどういう意味?」
梓の質問を聞き一瞬間が出来た
その間に木々が揺れ風が頬や髪に当たる
「そうね。他にも気になってる事があるだろうから一緒に説明しちゃおうか」
言うとリアはカップを置いて話し始めた
「私の一族は唯一昔から鬼の一族と関わりがあったの。鬼の一族の隠れ里の近くに住んでいて、一緒に行動したりもしていたわ。世間では鬼がどうと騒がれてもお互い普通の人とは違う変わった力を持っていたからずっと隠れ住んでいたし、彼等も私達の一族も危害を与える事は無かったし、世間で騒がれているような事をしていないのは解っていたの」
「変わった力って、あの怪我を治してくれたりする力・・・?」
梓の言葉にリアは頷いた
この数日で梓はリアが他の人間と違う力を持っているのを見ているし実際に使ってもらった
3日前、怨霊退治に出掛けた際に少し脚を擦りむいてしまった
邸に帰ってきた梓を見てリアが駆け寄り目を閉じて傷口に手を当てると温かい光が傷口に当たり徐々にその傷は癒えていったのだった
他にも怨霊と戦っている最中に札で術を使っているのも見た事があった
鬼の一族ではないと言う事は知っていたがその力が何なのか気になっていて聞くタイミングを逃していたがそれが今日やっと聞けたのだった
「この力は代々受け継いでるものでもあるんだけど、鬼の一族と私達の一族が結婚する事も珍しい事じゃなかったから多少は鬼の力を引き継いでるのかもね」
「じゃあリアさんは虎と一緒で混血・・って事?」
「私は混血じゃないわ。両親は人間よ。でも血筋を遡ると混血だった人もいるみたいだから遺伝になるのかしらね。容姿もちょっと西洋人に近い感じだし」
うーん・・・と悩みながら答えるリアを見てそれは合っているのではないかと梓は思った
此処に来た時からダリウスとルードと同じく西洋人の様な綺麗な容姿をしていたので今の話を聞いてそうなんだろうと納得していた
「でもリアさんが居てくれて良かったなって思う」
「え?」
「私一人だったらきっと最初から状況が掴めないで混乱したままだっただろうし、同姓で同じ人間のリアさんがいたから此処まで安心出来てるんだと思う」
にこりとして言う梓を見てリアは驚いて目を瞠っていたが直ぐに優しく微笑んで返事を返す
「私も同姓の梓ちゃんが此処に来てくれて嬉しいし、安心してくれてる事も凄く嬉しいよ。こうやって女同士で楽しくお茶会しながらお喋りも出来るしね」
そう言ってまたお互いに笑い合った
そして梓は初めてダリウス達と会った時にルードが言っていた言葉が誰の事を示していたのかもこの数日で解った事だったし、今目の前にいるリアを見て自分もそれは納得だなと思ったのだった
「おや、随分と楽しそうだね」
「ダリウス、ルードくん」
二人が楽しそうに笑い合っていると聞き慣れた声が聞こえ振り向くと丁度帰って来たばかりのダリウスとルードがいた
「二人ともお帰りなさい」
「ただいま。二人で楽しくお茶会かな」
「うん。リアさんの店の新作のカステラと一緒にね」
「それは美味しそうだね」
「ダリウスさんとルードくんの分もありますよ。厨房に人数分切り分けているのがありますから後で食べて下さい」
「有り難う御座います。では私はお茶の用意をしてきます」
そう言うとルードは踵を返して邸の中へ入って行った
「じゃあ俺も戻ろうかな。女性同士のお茶会を邪魔してはいけないからね。君達はゆっくりと寛いでおいで」
「はい」「うん、ありがとう」
そんな二人を見てダリウスは何処か嬉しそうな顔をして邸へ入っていきそれを見送るとリアは梓へと視線を戻した
「梓ちゃん」
「ん?」
「女同士でしか話せない事や悩み事とかもあると思うから、そう言う時はいつでも声を掛けて。出来るだけ相談に乗るから」
「うん、ありがとう。リアさんも、ね」
「ふふ、分かった」
そう言うと二人は目で約束ね、と言いまた楽しそうに笑い合った
午後のひとときの休暇に楽しいお喋りと美味しい紅茶とお菓子、
(たまにはこんな風に同姓で笑いあえる休暇があっても、良いよね)
梓と話しながらリアは微笑んでそう思っていたのだった
続く
あとがき
つー事で今回は怨霊退治をお休みにして梓ちゃんとリアちゃんの女同士での楽しい楽しいお茶会でした
やっぱり女同士と言ったら甘いお菓子に飲み物にお喋りは付きものでしょw
ずっと戦ってばっかりじゃ疲れるしと思って今回此処でティータイムwにしてみましたw
そして梓もリアちゃんもお互いに気になってる事がやっと分かったようでしたね
リアちゃん人間だけどどうしてダリウス達と共にいるのか、とか、普通の人間とは違う力が使える事、とか、ルードが最初に言っていたのが誰の事だったのか、とか色々ねw
あの後ダリウスもルードくんも美味しくカステラを頂きましたw
勿論虎の分もあるけど、きっとあっという間になくなったんだろうねww
さて、色々と分かった所で次回はあの子を登場させようかなと思っています!
ではっ!
2015.06.19