ダリウスルート
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「まさか・・・こんな形で、八葉が選ばれるなんて・・・」
龍の宝玉から発せられた新たな光、それは宝玉が龍神の神子の剣と盾となり守護する者の証である宝玉を発した
そしてそれはこの場に居る有馬、ダリウス、コハク、秋兵、ルード、虎、そして九段が八葉に選ばれていた
有馬は天の青龍、ダリウスは地の青龍、コハクは天の朱雀、秋兵は地の朱雀、ルードは天の白虎、虎は地の白虎、そして九段は天の玄武に選ばれていた
だが此処でリアはある事に気付く
(・・・この選ばれ方、あの時四神の神域に居た人達だよね・・・と言う事は、地の玄武は・・・っ!?)
そう思っていると宝玉はリアの元に来た
「・・・え・・?」
途端、リアの頭の中に何かが流れ込んできて何かが見えた
「リア、大丈夫かい?」
「・・・・・」
「リア、さん・・・?」
リアは目を瞠ったままで梓が声を掛けると、リアは小さく笑った
「そっか、・・そう言う事だったんだ」
「え・・?」
リアは何かを確信していた
だが直ぐにいつもの優しい笑顔を見せる
「梓ちゃん、大丈夫」
「え?」
「千代ちゃんは別の時空に飛んでいるって」
「別の時空・・?」
「弱った千代ちゃんの体では今の帝都の気の乱れに耐えられないって龍神が判断したんだと思う。危害の及ばない安全な場所に移したって」
「・・・・」
それを聞き、梓も九段達も安堵する
「だが、何故リアはそのような事が・・・」
「話は後です。この光が守ってくれている間に、凌雲閣を出ましょう。この力も長くは持たないでしょうし。それに、早く禍津迦具土神を追わないと」
「そうですね」
真剣な表情をして言うリアを見て皆気を引き締め直して頷いた
「しかし、このままでは禍津迦具土神はどんどん上空へ昇っていきますね」
「・・・いや、今なら、間に合うかもしれない」
「・・・ダリウス」
「まさかとは思うが空間移動で、凌雲閣の展望階へ?」
「ああ、今を逃せば帝都に本当の終焉が訪れる」
「だったら、私も連れて行って」
「梓!」
その申し出に有馬達は驚いていたがダリウスとリアは驚く事なく梓を見据える
「・・・君は危険だ。あの蛇は君を呑み込もうとしていたろう?」
「でも・・・! 私も戦うよ。千代に守られただけで引き下がるだけなんて絶対嫌・・・!」
「梓ちゃんがこう言うと引き下がらないのは知ってますよね、ダリウスさん」
「リア・・・そうだね」
「梓ちゃんが行くなら、勿論私も一緒に行きます」
「なっ!?」
「リアさん、何をっ・・・」
リアの言葉に皆驚いているもリアは先程と同じように真剣な表情をして言う
「約束もありますけど、私も自分のやるべき事も自分の力も何なのか分かったんです。だから、お願いします」
「・・・仕方ないね。どうせなら、有馬隊長、君もおいで」
「!? どうして、有馬を・・・」
「・・・さっき星の一族殿の説明があっただろう。有馬は俺と同じ青龍の加護を受けている。共闘するには、都合が良い」
「・・・分かった。禍津迦具土神は必ず仕留めよう」
「良い返事だ。では、行くよ。皆、つかまっておいで」
「はい!」
ダリウスの言葉に頷くとそのまま空間移動し、展望階に着いた
「っ・・・!」
「まだ禍津迦具土神の姿は見えませんね」
「―― 戦う準備をしておいで。禍津迦具土神が次期に顔を出す」
「分かっている。顔を出した瞬間が機、一気に畳みかけよう」
その言葉を聞きリアはナイフを一本地面に突き刺し、そのまま集中して禍津迦具土神の気配を辿る
途端、ピリッとナイフに光が走りリアはそのナイフを地面から抜き、ナイフホルダーからも数本ナイフを抜いて顔を上げた
「オオオオオ―――」
「おいでなすったね。さあ、攻撃開始だ」
42.哀しみの仮面
梓とダリウス、そして有馬と連携を取りながら禍津迦具土神に攻撃を与えていく
通常なら皆ももっと機敏に動く事が出来る
だが足幅が限られていて最小限の動きしか出来なかったがそれでもお互いの動きを把握し前衛は有馬とダリウス、そして前衛と遠距離の攻撃が出来るリアが真ん中で戦い後方で梓が戦っていた
「はあっ!」
「ふっ!」
「せいっ、はあっ!!」
そして有馬、ダリウス、リアの連携が続き最後に梓が銃を構え引き金を引き、その弾は見事に連携が取れダメージが与えられている所に辺り禍津迦具土神は悲鳴に似た声を上げ身をうねらせ始める
「・・・倒せたの?」
「いえ、まだよ」
禍津迦具土神の動きを見てリアは梓の側に行き、少しだけ擦りむいたような痕がある手の甲に手を当てるとその傷は直ぐに消えた
「ありがとう、リアさん」
「まずい、このままでは帝都は滅びる・・・!! これでは革命など成らない。未来に平和をもたらす事が出来ない・・・!」
ダリウスは禍津迦具土神とその周りに溜まっている瘴気を見てそう叫び、リアも梓も周りを見た
「くそっ、もっと俺に力があれば・・・」
「新タナ、力ヲ感ジル・・・ソノ娘カ」
「え・・」
「神子共々、オ前モ食ラッテヤル!」
「!」
「楓月! 高塚!」
「リア、危ない!!」
禍津迦具土神がそう言ったと思ったら大きく口を開きリアと梓の方へ向かおうとしているのが見え、有馬とダリウスは叫んだ
「え・・・っ」
だが、それは何かによって弾かれた
「・・・・・・!?」
そしてそれを見て梓もリアも、そしてダリウスも目を瞠った
「・・なんで、仮面が・・・?」
「何故、此処に・・・」
ダリウスの前にはあの仮面が浮かんでいた
あの仮面はダリウスがチェストの引き出しに閉まった事をダリウスとルードから聞いていた
だが、仮面はこの場にいるダリウスに呼ばれたかのように現れた
「まさか、俺が力を望んだから・・・か?」
「・・・・」
ルードともあの仮面の力の恐ろしさや仮面が意志を持っているかのようだと話した事があったが、それは間違いではなかったのだと今リアは確信し、梓もあの仮面の力を知っているからなのか顔色が優れなかった
「・・・・」
ダリウスは仮面を手に持ち何かを思っている顔をしていた
「・・・ダリウスさん、まさか・・」
「―― すまない、リア。君との約束は破る」
「!」
「確かにこの仮面は禁じられた力だ。でも・・・帝都を守れると言うならもはや、過ちでも良い。俺の身がどうなろうと構わない・・・仮面を使うよ」
「っ!」
「さあ、仮面よ、俺に力を――! 共に邪神を抑えよう・・・・」
ダリウスはそう言って仮面を手に取り付けた
「く・・ううっ!!」
「ダリウスさんっ!!」
「リアさん、危ないっ!」
だが途端、ダリウスの周りに仮面の・・いや、鬼の一族の力が溢れダリウスの苦しそうな声を聞きリアが駆け出そうとしたが、梓がそれを止める
「・・・っ!?」
「禍津迦具土神の気が・・・」
「ダリウスさんの仮面に、吸い込まれていってる・・・」
「う・・・ああ・・・っ!」
「っ! ダリウスさんっ!! っ!」
「―― これはどう言う事です!?」
「・・・リアさん! 梓さん! ダリウスさん!」
途端、リア達の前に空間移動して来たルード、コハク、虎が姿を見せる
「すみません、皆を避難させていて遅れました。あ、あの仮面は・・・」
ルードも虎もコハクもあの仮面を見て驚いて目を瞠った
ルードはダリウスがチェストの引き出しに仕舞った所一緒に見ていたし、虎もコハクもリアと同じくダリウスが今回の事に仮面を使わず持って来ていない事を知っていた
だが、その仮面は今ダリウスの手元にあり、いつも以上の力を発していた
「ルード・・・みんな・・・早く禍津迦具土神を! 仮面が力を押さえ込んでいるうちに・・・!!」
「・・・確かに、禍津迦具土神の動きが鈍っている」
「お館様は気に掛かるが、この蛇からのしちまうか」
「・・・っ、ダリウス様、お待ち下さい。只今、邪神を片付けてみせます」
「おれも、戦うよ。ダリウスさん、それまで堪えて・・・!」
「っ、禍津迦具土神、ダリウスさんから離れてっ! 梓ちゃん、お願い力を貸して!」
「うん!」
リアの強い眼差しを受け取り梓も頷いて銃を構えた
そして皆一斉に駆け出しリアはナイフホルダーからナイフを取り出しそれを一気に宙に投げた
ルードと虎はそれを確認すると一気に禍津迦具土神に攻撃を仕掛け次にコハク、有馬、そして梓と続きリアもナイフを操るかのようにして攻撃をしていき軽く地を蹴り助走を付け手に持っていたナイフを全て投げた
「これで、一気に勝負をつけさせてもらうわっ!」
地に着き鋭い目つきでそう言い放ちリアは指を鳴らした
そして、
「迅雷っ!!」
「ウグアアア・・・ッ!!」
先程リアが宙に投げたナイフが雨が降り注ぐように禍津迦具土神に降り注ぐ
そしてその攻撃には術を施していてナイフに雷の力を込めていて威力が増していた
その攻撃を食らい更に梓が引き金を引きその弾が当たり、禍津迦具土神の姿は消えた
「禍津迦具土神は倒せた・・・」
だが、先程のリアの本気の戦いを見て梓も有馬もコハクも圧倒されていた
ルードと虎もリアの本気を何度も見ているが先程の攻撃はいつも以上に本気を出していた
「ダリウスさんはっ!?」
「・・・・っ!」
「ダリウス様!」
「ダリウスさんっ!!」
禍津迦具土神が消えたのを確認するとリアは先程までの表情から一点し、心配そうな、焦った表情を浮かべてダリウスの方を向くと、ダリウスはそのまま倒れてしまいルードとリアは急いでダリウスの元へ駆け寄る
「う・・・うう・・・」
先程よりも更に苦しそうな声を出すダリウスを見て仮面が禍津迦具土神の気を吸った所為だとリアは思い仮面を外そうと手を伸ばす
「ダリウスさん、今仮面を・・・」
「・・・リア!! 俺に触るな!」
「えっ? っ!?」
ダリウスがそう叫んだ直後、リアは肩に痛みが走り目の前が暗くなるのを感じた
(・・・これ・・って・・・、まさか・・・嘘、だよね・・・)
リアがある事を思った瞬間、リアは肩から血を流して倒れてしまう
「「「リアさん!!」」」「リア!」「楓月!」
倒れたリアを見て梓達は血相を変えて駆け寄り、一番近くにいたルードはリアを支えた
「神子ノ力ヲ受ケ継ギシ娘ヨ、大人シクシテイロ。ソノ力、黒龍ノ神子共々我ガ頂ク――」
「え・・・?」
「ダリウス、貴様、総長閣下と同じように意識を乗っ取られたか・・・」
そのダリウスの姿を見て数十分前まで総長が禍津迦具土神に意識を乗っ取られていた姿が重なりそう言うがダリウスは無言のままだった
「どうした、正気に戻れ! これ以上、二人に近付けば容赦はしない」
(・・・やっぱり・・・。でも・・駄目、・・駄目だよ・・・こんなの、・・悲しすぎるよ・・・)
有馬はそう言ってリアと梓の前に着てダリウスに向けて剣を構え、リアも自分が思っていた事が当たっていたと思うも切ない思いが込み上げてきていた
「有馬、さん・・・みん、な・・・お願い・・ダリウスさんを、傷つけ、ない・・で・・」
「リアさん、駄目です。今起き上がっては・・」
ルードに支えられていたが、リアは体を起こしダリウスを見て言う
「ダリウス・・さん、帰りましょう・・・私達の、・・あの邸に・・」
「楓月、離れろ!」
「今行っては危険です! それに、ダリウス様はもう・・・」
「ううん。・・ダリウスさんは、・・・私の大切な人は・・・仮面の力に負けないよ・・・そうですよね、ダリウスさん」
リアは立ち上がってゆっくりとダリウスの元へ向かいながらそしていつもの優しい笑みで言う
「・・・・っ」
「・・・おい、ダリウスの動きが・・・」
「・・・っ、うう・・・リア・・・」
途端、ダリウスの動きが止まり、リアの名前を呼んだ
「ダリウス様の理性が抗っている・・・」
「ダリウスさん・・・」
「・・・俺は―― くっ・・・ウウッ!」
「あ・・・っ!」
「! 逃げた、か・・・」
ダリウスはそれだけ言うと空間移動で何処かへ消えてしまった
「・・・ダリウスさん・・・・っ・・・」
「・・・っ、おい!」
「・・・リアさん、しっかりして!」
「リアさん・・!」
「・・・今はダリウス様を追っている暇はないようです。リアさんを病院に運びましょう」
その直後リアも倒れてしまい、コハクと梓が直ぐに駆け寄りルードの判断で虎がリアを担ぎ病院へと運んだ
だがその時、リアの頬を一筋の涙が流れていた事に、誰も気付いていなかった
続く
あとがき
・・・(°□°;)・・・・
・・な、なんか、凄い展開になっちゃってるんですけどぉ!?(°□°;)
ルードくんルートといい、ダリウスさんルートといい、ほんと驚きの連続だったんですけどw
でもこっちは切ないの方が勝っちゃいますよね・・・
なのでタイトルはこっちの“哀しみ”にしたんですけどね
そして次回もかなり驚く事が続きますよw
色々とお楽しみに
2015.08.15
龍の宝玉から発せられた新たな光、それは宝玉が龍神の神子の剣と盾となり守護する者の証である宝玉を発した
そしてそれはこの場に居る有馬、ダリウス、コハク、秋兵、ルード、虎、そして九段が八葉に選ばれていた
有馬は天の青龍、ダリウスは地の青龍、コハクは天の朱雀、秋兵は地の朱雀、ルードは天の白虎、虎は地の白虎、そして九段は天の玄武に選ばれていた
だが此処でリアはある事に気付く
(・・・この選ばれ方、あの時四神の神域に居た人達だよね・・・と言う事は、地の玄武は・・・っ!?)
そう思っていると宝玉はリアの元に来た
「・・・え・・?」
途端、リアの頭の中に何かが流れ込んできて何かが見えた
「リア、大丈夫かい?」
「・・・・・」
「リア、さん・・・?」
リアは目を瞠ったままで梓が声を掛けると、リアは小さく笑った
「そっか、・・そう言う事だったんだ」
「え・・?」
リアは何かを確信していた
だが直ぐにいつもの優しい笑顔を見せる
「梓ちゃん、大丈夫」
「え?」
「千代ちゃんは別の時空に飛んでいるって」
「別の時空・・?」
「弱った千代ちゃんの体では今の帝都の気の乱れに耐えられないって龍神が判断したんだと思う。危害の及ばない安全な場所に移したって」
「・・・・」
それを聞き、梓も九段達も安堵する
「だが、何故リアはそのような事が・・・」
「話は後です。この光が守ってくれている間に、凌雲閣を出ましょう。この力も長くは持たないでしょうし。それに、早く禍津迦具土神を追わないと」
「そうですね」
真剣な表情をして言うリアを見て皆気を引き締め直して頷いた
「しかし、このままでは禍津迦具土神はどんどん上空へ昇っていきますね」
「・・・いや、今なら、間に合うかもしれない」
「・・・ダリウス」
「まさかとは思うが空間移動で、凌雲閣の展望階へ?」
「ああ、今を逃せば帝都に本当の終焉が訪れる」
「だったら、私も連れて行って」
「梓!」
その申し出に有馬達は驚いていたがダリウスとリアは驚く事なく梓を見据える
「・・・君は危険だ。あの蛇は君を呑み込もうとしていたろう?」
「でも・・・! 私も戦うよ。千代に守られただけで引き下がるだけなんて絶対嫌・・・!」
「梓ちゃんがこう言うと引き下がらないのは知ってますよね、ダリウスさん」
「リア・・・そうだね」
「梓ちゃんが行くなら、勿論私も一緒に行きます」
「なっ!?」
「リアさん、何をっ・・・」
リアの言葉に皆驚いているもリアは先程と同じように真剣な表情をして言う
「約束もありますけど、私も自分のやるべき事も自分の力も何なのか分かったんです。だから、お願いします」
「・・・仕方ないね。どうせなら、有馬隊長、君もおいで」
「!? どうして、有馬を・・・」
「・・・さっき星の一族殿の説明があっただろう。有馬は俺と同じ青龍の加護を受けている。共闘するには、都合が良い」
「・・・分かった。禍津迦具土神は必ず仕留めよう」
「良い返事だ。では、行くよ。皆、つかまっておいで」
「はい!」
ダリウスの言葉に頷くとそのまま空間移動し、展望階に着いた
「っ・・・!」
「まだ禍津迦具土神の姿は見えませんね」
「―― 戦う準備をしておいで。禍津迦具土神が次期に顔を出す」
「分かっている。顔を出した瞬間が機、一気に畳みかけよう」
その言葉を聞きリアはナイフを一本地面に突き刺し、そのまま集中して禍津迦具土神の気配を辿る
途端、ピリッとナイフに光が走りリアはそのナイフを地面から抜き、ナイフホルダーからも数本ナイフを抜いて顔を上げた
「オオオオオ―――」
「おいでなすったね。さあ、攻撃開始だ」
42.哀しみの仮面
梓とダリウス、そして有馬と連携を取りながら禍津迦具土神に攻撃を与えていく
通常なら皆ももっと機敏に動く事が出来る
だが足幅が限られていて最小限の動きしか出来なかったがそれでもお互いの動きを把握し前衛は有馬とダリウス、そして前衛と遠距離の攻撃が出来るリアが真ん中で戦い後方で梓が戦っていた
「はあっ!」
「ふっ!」
「せいっ、はあっ!!」
そして有馬、ダリウス、リアの連携が続き最後に梓が銃を構え引き金を引き、その弾は見事に連携が取れダメージが与えられている所に辺り禍津迦具土神は悲鳴に似た声を上げ身をうねらせ始める
「・・・倒せたの?」
「いえ、まだよ」
禍津迦具土神の動きを見てリアは梓の側に行き、少しだけ擦りむいたような痕がある手の甲に手を当てるとその傷は直ぐに消えた
「ありがとう、リアさん」
「まずい、このままでは帝都は滅びる・・・!! これでは革命など成らない。未来に平和をもたらす事が出来ない・・・!」
ダリウスは禍津迦具土神とその周りに溜まっている瘴気を見てそう叫び、リアも梓も周りを見た
「くそっ、もっと俺に力があれば・・・」
「新タナ、力ヲ感ジル・・・ソノ娘カ」
「え・・」
「神子共々、オ前モ食ラッテヤル!」
「!」
「楓月! 高塚!」
「リア、危ない!!」
禍津迦具土神がそう言ったと思ったら大きく口を開きリアと梓の方へ向かおうとしているのが見え、有馬とダリウスは叫んだ
「え・・・っ」
だが、それは何かによって弾かれた
「・・・・・・!?」
そしてそれを見て梓もリアも、そしてダリウスも目を瞠った
「・・なんで、仮面が・・・?」
「何故、此処に・・・」
ダリウスの前にはあの仮面が浮かんでいた
あの仮面はダリウスがチェストの引き出しに閉まった事をダリウスとルードから聞いていた
だが、仮面はこの場にいるダリウスに呼ばれたかのように現れた
「まさか、俺が力を望んだから・・・か?」
「・・・・」
ルードともあの仮面の力の恐ろしさや仮面が意志を持っているかのようだと話した事があったが、それは間違いではなかったのだと今リアは確信し、梓もあの仮面の力を知っているからなのか顔色が優れなかった
「・・・・」
ダリウスは仮面を手に持ち何かを思っている顔をしていた
「・・・ダリウスさん、まさか・・」
「―― すまない、リア。君との約束は破る」
「!」
「確かにこの仮面は禁じられた力だ。でも・・・帝都を守れると言うならもはや、過ちでも良い。俺の身がどうなろうと構わない・・・仮面を使うよ」
「っ!」
「さあ、仮面よ、俺に力を――! 共に邪神を抑えよう・・・・」
ダリウスはそう言って仮面を手に取り付けた
「く・・ううっ!!」
「ダリウスさんっ!!」
「リアさん、危ないっ!」
だが途端、ダリウスの周りに仮面の・・いや、鬼の一族の力が溢れダリウスの苦しそうな声を聞きリアが駆け出そうとしたが、梓がそれを止める
「・・・っ!?」
「禍津迦具土神の気が・・・」
「ダリウスさんの仮面に、吸い込まれていってる・・・」
「う・・・ああ・・・っ!」
「っ! ダリウスさんっ!! っ!」
「―― これはどう言う事です!?」
「・・・リアさん! 梓さん! ダリウスさん!」
途端、リア達の前に空間移動して来たルード、コハク、虎が姿を見せる
「すみません、皆を避難させていて遅れました。あ、あの仮面は・・・」
ルードも虎もコハクもあの仮面を見て驚いて目を瞠った
ルードはダリウスがチェストの引き出しに仕舞った所一緒に見ていたし、虎もコハクもリアと同じくダリウスが今回の事に仮面を使わず持って来ていない事を知っていた
だが、その仮面は今ダリウスの手元にあり、いつも以上の力を発していた
「ルード・・・みんな・・・早く禍津迦具土神を! 仮面が力を押さえ込んでいるうちに・・・!!」
「・・・確かに、禍津迦具土神の動きが鈍っている」
「お館様は気に掛かるが、この蛇からのしちまうか」
「・・・っ、ダリウス様、お待ち下さい。只今、邪神を片付けてみせます」
「おれも、戦うよ。ダリウスさん、それまで堪えて・・・!」
「っ、禍津迦具土神、ダリウスさんから離れてっ! 梓ちゃん、お願い力を貸して!」
「うん!」
リアの強い眼差しを受け取り梓も頷いて銃を構えた
そして皆一斉に駆け出しリアはナイフホルダーからナイフを取り出しそれを一気に宙に投げた
ルードと虎はそれを確認すると一気に禍津迦具土神に攻撃を仕掛け次にコハク、有馬、そして梓と続きリアもナイフを操るかのようにして攻撃をしていき軽く地を蹴り助走を付け手に持っていたナイフを全て投げた
「これで、一気に勝負をつけさせてもらうわっ!」
地に着き鋭い目つきでそう言い放ちリアは指を鳴らした
そして、
「迅雷っ!!」
「ウグアアア・・・ッ!!」
先程リアが宙に投げたナイフが雨が降り注ぐように禍津迦具土神に降り注ぐ
そしてその攻撃には術を施していてナイフに雷の力を込めていて威力が増していた
その攻撃を食らい更に梓が引き金を引きその弾が当たり、禍津迦具土神の姿は消えた
「禍津迦具土神は倒せた・・・」
だが、先程のリアの本気の戦いを見て梓も有馬もコハクも圧倒されていた
ルードと虎もリアの本気を何度も見ているが先程の攻撃はいつも以上に本気を出していた
「ダリウスさんはっ!?」
「・・・・っ!」
「ダリウス様!」
「ダリウスさんっ!!」
禍津迦具土神が消えたのを確認するとリアは先程までの表情から一点し、心配そうな、焦った表情を浮かべてダリウスの方を向くと、ダリウスはそのまま倒れてしまいルードとリアは急いでダリウスの元へ駆け寄る
「う・・・うう・・・」
先程よりも更に苦しそうな声を出すダリウスを見て仮面が禍津迦具土神の気を吸った所為だとリアは思い仮面を外そうと手を伸ばす
「ダリウスさん、今仮面を・・・」
「・・・リア!! 俺に触るな!」
「えっ? っ!?」
ダリウスがそう叫んだ直後、リアは肩に痛みが走り目の前が暗くなるのを感じた
(・・・これ・・って・・・、まさか・・・嘘、だよね・・・)
リアがある事を思った瞬間、リアは肩から血を流して倒れてしまう
「「「リアさん!!」」」「リア!」「楓月!」
倒れたリアを見て梓達は血相を変えて駆け寄り、一番近くにいたルードはリアを支えた
「神子ノ力ヲ受ケ継ギシ娘ヨ、大人シクシテイロ。ソノ力、黒龍ノ神子共々我ガ頂ク――」
「え・・・?」
「ダリウス、貴様、総長閣下と同じように意識を乗っ取られたか・・・」
そのダリウスの姿を見て数十分前まで総長が禍津迦具土神に意識を乗っ取られていた姿が重なりそう言うがダリウスは無言のままだった
「どうした、正気に戻れ! これ以上、二人に近付けば容赦はしない」
(・・・やっぱり・・・。でも・・駄目、・・駄目だよ・・・こんなの、・・悲しすぎるよ・・・)
有馬はそう言ってリアと梓の前に着てダリウスに向けて剣を構え、リアも自分が思っていた事が当たっていたと思うも切ない思いが込み上げてきていた
「有馬、さん・・・みん、な・・・お願い・・ダリウスさんを、傷つけ、ない・・で・・」
「リアさん、駄目です。今起き上がっては・・」
ルードに支えられていたが、リアは体を起こしダリウスを見て言う
「ダリウス・・さん、帰りましょう・・・私達の、・・あの邸に・・」
「楓月、離れろ!」
「今行っては危険です! それに、ダリウス様はもう・・・」
「ううん。・・ダリウスさんは、・・・私の大切な人は・・・仮面の力に負けないよ・・・そうですよね、ダリウスさん」
リアは立ち上がってゆっくりとダリウスの元へ向かいながらそしていつもの優しい笑みで言う
「・・・・っ」
「・・・おい、ダリウスの動きが・・・」
「・・・っ、うう・・・リア・・・」
途端、ダリウスの動きが止まり、リアの名前を呼んだ
「ダリウス様の理性が抗っている・・・」
「ダリウスさん・・・」
「・・・俺は―― くっ・・・ウウッ!」
「あ・・・っ!」
「! 逃げた、か・・・」
ダリウスはそれだけ言うと空間移動で何処かへ消えてしまった
「・・・ダリウスさん・・・・っ・・・」
「・・・っ、おい!」
「・・・リアさん、しっかりして!」
「リアさん・・!」
「・・・今はダリウス様を追っている暇はないようです。リアさんを病院に運びましょう」
その直後リアも倒れてしまい、コハクと梓が直ぐに駆け寄りルードの判断で虎がリアを担ぎ病院へと運んだ
だがその時、リアの頬を一筋の涙が流れていた事に、誰も気付いていなかった
続く
あとがき
・・・(°□°;)・・・・
・・な、なんか、凄い展開になっちゃってるんですけどぉ!?(°□°;)
ルードくんルートといい、ダリウスさんルートといい、ほんと驚きの連続だったんですけどw
でもこっちは切ないの方が勝っちゃいますよね・・・
なのでタイトルはこっちの“哀しみ”にしたんですけどね
そして次回もかなり驚く事が続きますよw
色々とお楽しみに
2015.08.15