ルードルート
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「凌雲閣が・・・なんと言う事だ・・・」
凌雲閣の近くにいた村野さんは、凌雲閣が崩れ落ちた有様を見て言葉を無くしていた
「・・・っ? 瓦礫の近くに居るあの少年――」
だが、見覚えのある人物が目に入りそこを見ると、ルードが瓦礫の近くに立っていた
「・・・・・」
ルードはその瓦礫を・・・いや、瓦礫の中に居るであろうリアの事を思い、目の前の光景に言葉を失っていた
「・・・リアさん・・・?」
「・・・出入り口が派手に崩れてやがる。これは、生きちゃいられねえよ」
「・・・・そんな、後少しで――― あんな所で崩れ落ちるなんて・・・馬鹿な・・・」
「くっ―――」
「梓・・・! リア! 有馬、秋兵!」
その光景には虎もコハクも九段も、そして精鋭分隊達も悔しそうな面持ちを浮かべていた
「・・・っ、私が! 私が、しんがりで結界を張っていれば・・・!」
「・・・いいや。我一人では、前衛を―― 血路を守り切れずおそらく、皆生き埋めになっていた。だが―― こんな運命は、あまりに・・・」
「リアさんを守ると誓っておきながらっ・・・!」
「―― ルード」
「ダリウス様――」
皆が悲しみや悔しさに暮れている時、ダリウスの声が聞こえ振り返ると空間移動して来たダリウスがいた
「今なら、まだ間に合う。奴の攻撃を防ぐ為にお前の結界術が必要だ。俺に掴まれ、高所に移動するよ」
「何処へ・・・行くのですか?」
「禍津迦具土神と戦うに決まっている」
「しかし―――っ!?」
「ルードくん?」
ルードが動揺して言い淀んでいると途端、何かを感じルードはポケットからあるものを出した
「結界の種が・・・リアさんに渡した結界の種が発動している・・・生きているんだ。まだ、中で――」
そう、それはルードが蠱惑の森の湖でリアに手渡した結界の種だった
それは術の発動者であるルードも持っていてそれが今、発動していたのだった
「――ダリウス様、申し訳ありません! 失礼を!」
言うとルードは空間移動を使った
だが、ルードの姿は直ぐに同じ場所へと戻ってきた
「・・・っ、う・・・。此処は・・・元の場所・・・? どうして・・・」
力を使った反動を堪えながらルードは周りを見て同じ場所だと気付く
「彼女の側へと・・・念じて飛んだのに・・・」
「・・・無理だよ。空間移動は、念じた先に十分な余裕がなければ元の場所へ戻される。おそらく、お前一人入り込む隙間もないのだろう。残念だけど、お前の結界が破れるのも時間の問題だ。・・そして、俺達には此処にかまけてる時間がない・・。分かるね、ルード」
ダリウスもリアと梓と共に過ごし、リアを大事にしていた分、辛さを堪えながら言っているのはルードも虎もコハクもダリウスの声を聞いて分かっていた
「――っ・・・」
「今は禍津迦具土神が先だ。あれは上空に向かって昇っている最中―― 今ならまだ、攻撃が届く。逃げ遅れた者達は・・・・・・見捨てるしかない」
「・・・・・。・・・できま・・せん・・・っ」
ルードは震える声を絞り出すようにそう言った後、息を吸ってダリウスを見る
「リアさんは・・・まだ生きてるんです。結界の種に、念を込めて・・・私が行くのを待っています!」
言うとルードは近くにある瓦礫を手で退け始めた
「ダリウス様、申し訳ありません。今は、自分の意志で動かせて下さい」
「・・・ルード」
「大局の為にはダリウス様のご判断が適切であると・・・解っています。けれど、どうしても―― ・・・・・どうか、ダリウス様は先にお行き下さい。そして・・・禍津迦具土神の足止めを。私は残ります。ダリウス様の従者として失格であっても――」
「・・・・」
「ですが、私は持てるすべてを懸けて彼等を救い出しましょう。そして、必ず・・・彼女と共にダリウス様に追い着いてみせます。禍津迦具土神を討つ為に!」
「ルード・・・。・・・解った、先に行くよ。無事に、リアを救い出すんだよ」
「はい!」
言うとダリウスは禍津迦具土神の足止めをする為に再び空間移動を使った
43.不可欠ナ理由
(・・・・? 何か、温かいものを感じる・・・)
「あ、れ・・? 私達、無事・・・?」
「梓ちゃん、皆さん、無事で良かった――」
「この光の膜は・・・」
梓や有馬、そして秋兵や彼等が背負っている強兵の人達も無事だと解りほっとするも、今の状況がまだ掴めていなかった
「秋兵さんも無事で良かった」
「ええ。僕と父も、大事ありません。どうやら、リアくんから発せられている光に助けられたようです」
「光・・・? あっ!」
光が発せられている所を見ると、ルードから貰った結界の種が光って自分達を守るように光の膜を張っていた
「これって・・・結界・・? リアさん、結界術使えたの・・?」
「ううん・・・でも、これは・・・ルードくん、この種には実用の結界を張る力がないって言ってたのに」
「じゃあこれはルードくんの結界なの・・?」
「ルード・・・と言うのは鬼の一味の少年でしたね」
「・・・・」
有馬も秋兵も何かを思っている顔をしたが今はその事を追求してる時ではない
そう思っていると、何か音が聞こえた
「・・・? 何か、聞こえてきませんか?」
「え?」
リアの言う通り、徐々にだが土を掘り返す音や瓦礫を退かす音のようなものが聞こえてきていた
「・・・ええ。微かですが――」
「これは・・・土を掘り返す音か」
「・・・・っ」
あれからルードはずっと必死に瓦礫を退かしていた
周りの事は気にせずひたすらに、ただ、必死にリアを救いたいが為に――
「・・・おい、クソ餓鬼。10食分、貸しにして手助けしてやるよ」
言うと虎は近くにある大きな瓦礫を退かした
「虎・・・」
「リアさんや梓さんは生きてる・・・だったら、おれだって助けたい!」
「この中にいるのは、大切な仲間だ。なんとしても取り戻さねばならん」
「お、俺達も手伝います!」
「隊長殿、副隊長殿、神子様・・・どうか、もう暫くご辛抱を・・・!」
虎の次にコハクが走って来て、九段、精鋭分隊達も走って来てそう言うと各々瓦礫が崩れてまだ手付かずの所に移動して瓦礫を退かし始めリア達の救出が始まった
そして今度はまた違う足音が近付いてくる
「ああ、やはり九段殿か・・・! 何をしておられます。此処は危険です。お下がり下さい!」
それは先程村野さんと話していた軍人達だった
「良い所に来た。この中に、人が埋まっている。ぬし等も手を貸してくれ」
「しかし、そこにいる者達は鬼の一族でしょう! 今すぐ、此処から退去為べきかと――」
「―― 馬鹿な事を言うものじゃない」
「・・・貴方は」
そう言って彼等の前に現れたのは村野さんだった
「ルードさん、微力ながら、手伝いましょう」
「村野さん! この者は――」
「―― 彼が何者であるかなど関係ない。ルードさんが信用に値する人だと言う事を私は知っている。今だって生き埋めにされた人の為に力を尽くしているではないか・・・偏見や流言に囚われて大切な事を見誤ってはならんぞ!」
「村野さん――・・・」
村野さんの言葉にルードも、そして叱咤された軍人達や必死に瓦礫を退かしていた面々の心にもその言葉は響いていた
「おや・・・いつの間にか、街の者達も集まって来ている。おーい、野次馬に徹しておらず手を貸してくれ! 人命救助だ、頼む」
「・・・あれは村野先生じゃないか。今、行きます!」
「おれもだ、手伝うぞ!」
「「「おおお!!」」」
野次馬として集まっていた人々は村野さんや村野さんの生徒である男の言葉を聞くと同じように走ってきて瓦礫を退かし始めた
「なんだ、軍人さん達、手が止まってるじゃねえか」
「人命救助は早さが命だ。さあ、ちゃっちゃと瓦礫を片付けようぜ」
「・・・そう・・・だな。手遅れになって後悔したくはない。今は人命を優先させよう」
「ああ・・・彼等に手を貸そう!」
言うと軍人達も瓦礫を退かして土を掘り返し始めた
その音は中に閉じ込められているリア達の耳にもはっきりと聞こえ始めていた
「土を掘る音がどんどん近くなる・・・!」
「ええ、これなら――」
「・・・っ、」
「・・・光だ。救助が来た――」
「中に人が居たぞ! 待ってろ、今助けてやる!」
瓦礫が退き、人が通れるくらいになり外にいる人々にそう声を掛けられ有馬、秋兵、梓と続いていく
「・・・助かった。礼を言う」
「隊長殿、よくぞご無事で・・・! お怪我は!」
「俺達は無傷だ。それより、意識のない負傷者を急ぎ病院へ搬送してくれ」
「はっ、至急、車を手配します!」
「強兵の方々と父を・・・お願いします」
「強い・・・風を感じる。外に出られたんだ――」
「っ、・・無事に、出られたみたいね」
「リアさん―――」
外の眩しさに少しだけ目を細めて梓とそう話しているとルードの声が聞こえた
そして、
「間に合った・・・! よかっ――― ・・・・」
「・・・っ」
ルードは走ってきてそのままリアを抱きしめた
その事に驚きもしたがルードの必死さとこうして抱きしめられてルードの温もりを感じリアは微笑んだ
「ルードくん、ルードくんの結界が私達を守ってくれたんだよ・・・私の体を包む温かい光・・・分かるでしょう?」
「はい・・・でも、何故・・・その種には人を覆うだけの結界を張る力など・・・」
「リアの願いと結界の術とが共鳴したのかもしれぬ」
「九段さん、どう言う事ですか?」
「これは我の憶測だが・・・、リアは龍神に通ずる力を持っていたのではないか」
「え?」
「もしくは、先程我等が八葉に選ばれた時に龍の宝玉がリアの元へ行き、その時に何か力を得たか・・・どちらにせよ、二人の願いがその結界の種に通じたのではないかと思っている。最も、結界の発動自体は施した術者本人でなければ出来ぬ事・・・ぬし等は、よほど心が通じ合っているのだろう」
「ルードくん・・・ありがとう。結界の事だけじゃない。だって、ルードくん、手がぼろぼろになってる・・・瓦礫をかき分けて必死に助けようとしてくれたんだね」
リアはルードの手を見てそう言い、その手を握った
「・・・約束しましたから。結界の種に、貴女が念を込めたら必ず、助けに行くと」
「うん、そうだったね。それに、必ず守るって言ってくれたもんね」
「ええ・・・。リアさん―― 良く無事でいてくれました。瓦礫の山を崩す間、本当に・・・気が気でなかった。結界の種から伝わる貴女の念がいつ途切れてしまうかと・・・!」
「・・・心配掛けてごめんね。あの瓦礫の中で私は、ルードくんの想いに守られてたんだね・・・」
「こんな思いをするのはもうごめんです・・・。だから、観念しました。貴女も覚悟を決めて下さい。もう、貴女と離れません。やっぱり、誰にも渡したくない。・・・勿論、黄泉の神にだって」
「ルードくん・・・」
ルードの思いが伝わってきてリアもいつも以上に心が温かくなるのと同時にとても嬉しい思いが溢れてきているのが分かった
だが、今はその事に素直に喜んでいられる時ではない
「さあ、こうしている場合ではありません。今こそ、ダリウス様と合流を・・・」
「残念だけど、それには及ばない」
そう声が聞こえある人物が姿を現した
続く
あとがき
リアちゃん達無事に救出出来て良かった!
そして何よりルードくんの名シーンとも行って良いところ来ましたね!
此処はほんとに村野さんのお陰で帝国軍だの鬼だの町の人だの関係なくみんなで協力して助けるってとこなのでほんと好きなシーンなんです!
そしてルードくんの必死なところも見られて、それに心打たれ直ぐに手助けをする虎とコハクがやっぱ良いですよね!←何度も言うが管理人は蠱惑の森好きですww
さ、そしてかなり良い所で続きましたね!
此処で切るの悩んだけど、次回に続けるには此処しか無くて・・・げふんw
あ、因みに、今回のタイトルは言わずもがな、ルードくんのキャラソンのタイトルですw
絶対に此処で使いたかったんだ!( ̄∇ ̄)v ドヤッ! ←ww
えーでは、次回はいよいよ八葉が揃いますよぉ!
そしてある決断も出ますよ!
ではまた次回!
遙かなる時空の中で6 ルードハーネ キャラクターソング 不可欠ナ理由 より
2015.08.13
凌雲閣の近くにいた村野さんは、凌雲閣が崩れ落ちた有様を見て言葉を無くしていた
「・・・っ? 瓦礫の近くに居るあの少年――」
だが、見覚えのある人物が目に入りそこを見ると、ルードが瓦礫の近くに立っていた
「・・・・・」
ルードはその瓦礫を・・・いや、瓦礫の中に居るであろうリアの事を思い、目の前の光景に言葉を失っていた
「・・・リアさん・・・?」
「・・・出入り口が派手に崩れてやがる。これは、生きちゃいられねえよ」
「・・・・そんな、後少しで――― あんな所で崩れ落ちるなんて・・・馬鹿な・・・」
「くっ―――」
「梓・・・! リア! 有馬、秋兵!」
その光景には虎もコハクも九段も、そして精鋭分隊達も悔しそうな面持ちを浮かべていた
「・・・っ、私が! 私が、しんがりで結界を張っていれば・・・!」
「・・・いいや。我一人では、前衛を―― 血路を守り切れずおそらく、皆生き埋めになっていた。だが―― こんな運命は、あまりに・・・」
「リアさんを守ると誓っておきながらっ・・・!」
「―― ルード」
「ダリウス様――」
皆が悲しみや悔しさに暮れている時、ダリウスの声が聞こえ振り返ると空間移動して来たダリウスがいた
「今なら、まだ間に合う。奴の攻撃を防ぐ為にお前の結界術が必要だ。俺に掴まれ、高所に移動するよ」
「何処へ・・・行くのですか?」
「禍津迦具土神と戦うに決まっている」
「しかし―――っ!?」
「ルードくん?」
ルードが動揺して言い淀んでいると途端、何かを感じルードはポケットからあるものを出した
「結界の種が・・・リアさんに渡した結界の種が発動している・・・生きているんだ。まだ、中で――」
そう、それはルードが蠱惑の森の湖でリアに手渡した結界の種だった
それは術の発動者であるルードも持っていてそれが今、発動していたのだった
「――ダリウス様、申し訳ありません! 失礼を!」
言うとルードは空間移動を使った
だが、ルードの姿は直ぐに同じ場所へと戻ってきた
「・・・っ、う・・・。此処は・・・元の場所・・・? どうして・・・」
力を使った反動を堪えながらルードは周りを見て同じ場所だと気付く
「彼女の側へと・・・念じて飛んだのに・・・」
「・・・無理だよ。空間移動は、念じた先に十分な余裕がなければ元の場所へ戻される。おそらく、お前一人入り込む隙間もないのだろう。残念だけど、お前の結界が破れるのも時間の問題だ。・・そして、俺達には此処にかまけてる時間がない・・。分かるね、ルード」
ダリウスもリアと梓と共に過ごし、リアを大事にしていた分、辛さを堪えながら言っているのはルードも虎もコハクもダリウスの声を聞いて分かっていた
「――っ・・・」
「今は禍津迦具土神が先だ。あれは上空に向かって昇っている最中―― 今ならまだ、攻撃が届く。逃げ遅れた者達は・・・・・・見捨てるしかない」
「・・・・・。・・・できま・・せん・・・っ」
ルードは震える声を絞り出すようにそう言った後、息を吸ってダリウスを見る
「リアさんは・・・まだ生きてるんです。結界の種に、念を込めて・・・私が行くのを待っています!」
言うとルードは近くにある瓦礫を手で退け始めた
「ダリウス様、申し訳ありません。今は、自分の意志で動かせて下さい」
「・・・ルード」
「大局の為にはダリウス様のご判断が適切であると・・・解っています。けれど、どうしても―― ・・・・・どうか、ダリウス様は先にお行き下さい。そして・・・禍津迦具土神の足止めを。私は残ります。ダリウス様の従者として失格であっても――」
「・・・・」
「ですが、私は持てるすべてを懸けて彼等を救い出しましょう。そして、必ず・・・彼女と共にダリウス様に追い着いてみせます。禍津迦具土神を討つ為に!」
「ルード・・・。・・・解った、先に行くよ。無事に、リアを救い出すんだよ」
「はい!」
言うとダリウスは禍津迦具土神の足止めをする為に再び空間移動を使った
43.不可欠ナ理由
(・・・・? 何か、温かいものを感じる・・・)
「あ、れ・・? 私達、無事・・・?」
「梓ちゃん、皆さん、無事で良かった――」
「この光の膜は・・・」
梓や有馬、そして秋兵や彼等が背負っている強兵の人達も無事だと解りほっとするも、今の状況がまだ掴めていなかった
「秋兵さんも無事で良かった」
「ええ。僕と父も、大事ありません。どうやら、リアくんから発せられている光に助けられたようです」
「光・・・? あっ!」
光が発せられている所を見ると、ルードから貰った結界の種が光って自分達を守るように光の膜を張っていた
「これって・・・結界・・? リアさん、結界術使えたの・・?」
「ううん・・・でも、これは・・・ルードくん、この種には実用の結界を張る力がないって言ってたのに」
「じゃあこれはルードくんの結界なの・・?」
「ルード・・・と言うのは鬼の一味の少年でしたね」
「・・・・」
有馬も秋兵も何かを思っている顔をしたが今はその事を追求してる時ではない
そう思っていると、何か音が聞こえた
「・・・? 何か、聞こえてきませんか?」
「え?」
リアの言う通り、徐々にだが土を掘り返す音や瓦礫を退かす音のようなものが聞こえてきていた
「・・・ええ。微かですが――」
「これは・・・土を掘り返す音か」
「・・・・っ」
あれからルードはずっと必死に瓦礫を退かしていた
周りの事は気にせずひたすらに、ただ、必死にリアを救いたいが為に――
「・・・おい、クソ餓鬼。10食分、貸しにして手助けしてやるよ」
言うと虎は近くにある大きな瓦礫を退かした
「虎・・・」
「リアさんや梓さんは生きてる・・・だったら、おれだって助けたい!」
「この中にいるのは、大切な仲間だ。なんとしても取り戻さねばならん」
「お、俺達も手伝います!」
「隊長殿、副隊長殿、神子様・・・どうか、もう暫くご辛抱を・・・!」
虎の次にコハクが走って来て、九段、精鋭分隊達も走って来てそう言うと各々瓦礫が崩れてまだ手付かずの所に移動して瓦礫を退かし始めリア達の救出が始まった
そして今度はまた違う足音が近付いてくる
「ああ、やはり九段殿か・・・! 何をしておられます。此処は危険です。お下がり下さい!」
それは先程村野さんと話していた軍人達だった
「良い所に来た。この中に、人が埋まっている。ぬし等も手を貸してくれ」
「しかし、そこにいる者達は鬼の一族でしょう! 今すぐ、此処から退去為べきかと――」
「―― 馬鹿な事を言うものじゃない」
「・・・貴方は」
そう言って彼等の前に現れたのは村野さんだった
「ルードさん、微力ながら、手伝いましょう」
「村野さん! この者は――」
「―― 彼が何者であるかなど関係ない。ルードさんが信用に値する人だと言う事を私は知っている。今だって生き埋めにされた人の為に力を尽くしているではないか・・・偏見や流言に囚われて大切な事を見誤ってはならんぞ!」
「村野さん――・・・」
村野さんの言葉にルードも、そして叱咤された軍人達や必死に瓦礫を退かしていた面々の心にもその言葉は響いていた
「おや・・・いつの間にか、街の者達も集まって来ている。おーい、野次馬に徹しておらず手を貸してくれ! 人命救助だ、頼む」
「・・・あれは村野先生じゃないか。今、行きます!」
「おれもだ、手伝うぞ!」
「「「おおお!!」」」
野次馬として集まっていた人々は村野さんや村野さんの生徒である男の言葉を聞くと同じように走ってきて瓦礫を退かし始めた
「なんだ、軍人さん達、手が止まってるじゃねえか」
「人命救助は早さが命だ。さあ、ちゃっちゃと瓦礫を片付けようぜ」
「・・・そう・・・だな。手遅れになって後悔したくはない。今は人命を優先させよう」
「ああ・・・彼等に手を貸そう!」
言うと軍人達も瓦礫を退かして土を掘り返し始めた
その音は中に閉じ込められているリア達の耳にもはっきりと聞こえ始めていた
「土を掘る音がどんどん近くなる・・・!」
「ええ、これなら――」
「・・・っ、」
「・・・光だ。救助が来た――」
「中に人が居たぞ! 待ってろ、今助けてやる!」
瓦礫が退き、人が通れるくらいになり外にいる人々にそう声を掛けられ有馬、秋兵、梓と続いていく
「・・・助かった。礼を言う」
「隊長殿、よくぞご無事で・・・! お怪我は!」
「俺達は無傷だ。それより、意識のない負傷者を急ぎ病院へ搬送してくれ」
「はっ、至急、車を手配します!」
「強兵の方々と父を・・・お願いします」
「強い・・・風を感じる。外に出られたんだ――」
「っ、・・無事に、出られたみたいね」
「リアさん―――」
外の眩しさに少しだけ目を細めて梓とそう話しているとルードの声が聞こえた
そして、
「間に合った・・・! よかっ――― ・・・・」
「・・・っ」
ルードは走ってきてそのままリアを抱きしめた
その事に驚きもしたがルードの必死さとこうして抱きしめられてルードの温もりを感じリアは微笑んだ
「ルードくん、ルードくんの結界が私達を守ってくれたんだよ・・・私の体を包む温かい光・・・分かるでしょう?」
「はい・・・でも、何故・・・その種には人を覆うだけの結界を張る力など・・・」
「リアの願いと結界の術とが共鳴したのかもしれぬ」
「九段さん、どう言う事ですか?」
「これは我の憶測だが・・・、リアは龍神に通ずる力を持っていたのではないか」
「え?」
「もしくは、先程我等が八葉に選ばれた時に龍の宝玉がリアの元へ行き、その時に何か力を得たか・・・どちらにせよ、二人の願いがその結界の種に通じたのではないかと思っている。最も、結界の発動自体は施した術者本人でなければ出来ぬ事・・・ぬし等は、よほど心が通じ合っているのだろう」
「ルードくん・・・ありがとう。結界の事だけじゃない。だって、ルードくん、手がぼろぼろになってる・・・瓦礫をかき分けて必死に助けようとしてくれたんだね」
リアはルードの手を見てそう言い、その手を握った
「・・・約束しましたから。結界の種に、貴女が念を込めたら必ず、助けに行くと」
「うん、そうだったね。それに、必ず守るって言ってくれたもんね」
「ええ・・・。リアさん―― 良く無事でいてくれました。瓦礫の山を崩す間、本当に・・・気が気でなかった。結界の種から伝わる貴女の念がいつ途切れてしまうかと・・・!」
「・・・心配掛けてごめんね。あの瓦礫の中で私は、ルードくんの想いに守られてたんだね・・・」
「こんな思いをするのはもうごめんです・・・。だから、観念しました。貴女も覚悟を決めて下さい。もう、貴女と離れません。やっぱり、誰にも渡したくない。・・・勿論、黄泉の神にだって」
「ルードくん・・・」
ルードの思いが伝わってきてリアもいつも以上に心が温かくなるのと同時にとても嬉しい思いが溢れてきているのが分かった
だが、今はその事に素直に喜んでいられる時ではない
「さあ、こうしている場合ではありません。今こそ、ダリウス様と合流を・・・」
「残念だけど、それには及ばない」
そう声が聞こえある人物が姿を現した
続く
あとがき
リアちゃん達無事に救出出来て良かった!
そして何よりルードくんの名シーンとも行って良いところ来ましたね!
此処はほんとに村野さんのお陰で帝国軍だの鬼だの町の人だの関係なくみんなで協力して助けるってとこなのでほんと好きなシーンなんです!
そしてルードくんの必死なところも見られて、それに心打たれ直ぐに手助けをする虎とコハクがやっぱ良いですよね!←何度も言うが管理人は蠱惑の森好きですww
さ、そしてかなり良い所で続きましたね!
此処で切るの悩んだけど、次回に続けるには此処しか無くて・・・げふんw
あ、因みに、今回のタイトルは言わずもがな、ルードくんのキャラソンのタイトルですw
絶対に此処で使いたかったんだ!( ̄∇ ̄)v ドヤッ! ←ww
えーでは、次回はいよいよ八葉が揃いますよぉ!
そしてある決断も出ますよ!
ではまた次回!
遙かなる時空の中で6 ルードハーネ キャラクターソング 不可欠ナ理由 より
2015.08.13