ルードルート
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村野さんと出逢ってから数日が経った
ルードはダリウス達の前ではいつも通りの態度を取っているが一人になっている時やリアと居る時はあの時見せた難しい顔をしてる事が増えていた
「・・・・ルードくんが考えちゃうもの無理はないよね」
リアは帝都で働いて色々な人達がいると言う事を知っていたし、梓と同じで出来る事なら人間と鬼が争わないで欲しいとずっと思っていた
けど、リアも村野さんのように元・帝国軍人で偏見を持たないと言う人に出会った事はなかった
リアも人間ではあるが変わった力を持っているからその力は外では使わないようにしているしダリウス達も邸や蠱惑の森以外では使わせようとしなかった
「・・・・」
「あ、お姉ちゃん!」
そう思っていると前方から元気の良い声が聞こえ見慣れた女の子が走ってきた
「美智子ちゃん。どうしたの、一人?」
その女の子は村野さんの孫娘の美智子だった
「ううん、おじいちゃんも一緒だよ」
「美智子。・・おや、リアさん」
「こんにちは、村野さん」
「今日はルードさんはいらっしゃらないんですか」
「はい。私は今日仕事だったので今は仕事帰りなんです」
村野さんは美智子と一緒にいるリアを見てルードがいない事に気付くがリアが仕事帰りと聞きそうでしたか、と言った
「村野さんは美智子ちゃんと買い物だったんですか」
村野さんが抱えている紙袋を見てリアはそう尋ねるとええ、と言って続けた
「今晩授業がありまして、灯りが足りなくなると思って買い足しに出ていたんですよ」
「お姉ちゃんもおじいちゃんのおべんきょう見ていったら?」
「え?」
「こら美智子、無理を言ってはいけないよ」
そうは言われたが実は村野さんが私塾でどんな風に教えているのか気になっていた
ルードや自分の事をあの数時間であれだけ分かったのだし、ルードがあそこまで気にしている事もあり、それに子供達からもあれだけ好かれていたので気になっていた
「あの、お邪魔でなければ、見ていっても良いですか?」
「勿論ですよ」
「じゃあ今日はお邪魔します」
「やったあ! お姉ちゃん行こう!」
リアの返事を聞くと美智子は嬉しそうにしてリアの手を握って歩き出し、リアも村野さんも微笑んで歩き出した
そしてその夜、
「お姉ちゃん、お兄ちゃんもきたよ!」
「え、お兄ちゃん?」
「・・、リアさん!」
「え、ルードくん。どうして此処に?」
「・・・私塾の授業を、一度拝見出来ないかと思いまして」
どうやらルードも同じ事を思って此処に来たようだった
「今夜は大人を対象とした歴史の授業があるんですよ。以前リアさんとルードさんが作るのを手伝ってくれた年表も使いますよ。もう少ししたら授業が始まりますので、ルードさんもこちらへどうぞ」
「ありがとう御座います」
言うとルードはリアの隣に座り授業が始まるのを待った
38.始まりの予感
「―― つまり、この時海を越えた貿易によって・・・物だけでなく思想の交流が行われた訳です」
あれから暫くして村野さんの授業は始まり、大勢の大人達が村野さんの話に聞き入っていた
それは勿論リアとルードもだった
「ははあ、日本人と欧州人じゃろくに言葉も通じなかったろうに・・・面白えなあ。やっぱ、色々違って見えても同じ人間って事か。なあ、外国の兄ちゃんと姉ちゃんよ」
「あ・・・はあ」「え? ・・・ええ」
一人の男性が村野さんの話を聞き終え西洋人の外見をしているルードとリアを見てそう言い、急に話題を振られお互い曖昧な返事を返してしまうが男性達は気にした様子もなく次々に話し出す
「おお、カツさんにしちゃあ良い事言ってら! 村野先生のお陰だな」
「その通りよ、此処に通うようになっておれは変わったんだぜ。大工のおれが、お勉強なんかして何になるんだと思ってた。意味がねえと決め込んでずっと向き合ってこなかった。でも、あれだな、えいやっ、と向き合ってみりゃ色んなものが見えてくる。なあ、外国の兄ちゃんと姉ちゃん、おれな、いつか欧州に行って建築を勉強するって夢が出来たんだぞ」
「・・・・」「・・・凄いですね」
ルードは男性の言葉に驚いていて、リアも驚きもしたがその夢が本当に凄いと思いそう言っていた
「素晴らしい目標だ。カツさんのように勇気を出して物事と向き合うのはとても大切な事です。物事だけでなく、他人とも・・・そして、自分自身とも向き合っていけたら良いですよね」
「じゃあ、ついでに恋とも、かな?」
「おいおい、薄ら寒いぞ」
「何言ってんだ。今日は若い二人がいるじゃないか。なあ、お二人さん」
「「え・・?」」
男性の言葉に一斉に視線が集まる
「お二人さんは恋仲なのかい?」
「い、いえ、私達は、その・・・///」
「まだ、そう言った仲ではなく・・・///」
「なんだなんだ、若いねえ」
リアとルードの反応を見て男達はあははっと豪快に笑いリアとルードは頬を染め居心地が悪そうにしていた
「はは・・・ええ、勿論、恋とも、です。対象が何であれ、正面から向き合えば苦しみや葛藤を味わう事もあるでしょう。けれど、その経験は必ず己の糧になりますよ」
「「―――・・・・」」
村野さんの言葉にリアもルードも目を瞠っていた
「今日はありがとう。貴方方が来てくれたお陰で楽しく授業が出来ました」
「いえ、こちらこそ・・・」
授業が終わった後、リアとルードは玄関でお礼を言っていた
「生徒の方々は村野さんの授業を受けて視野を広げているんですね。私も、昔・・・思いも寄らなかった可能性を示してもらった事があります・・・とても尊敬する御方から」
そう言ったルードの顔は本当に嬉しそうにしていて、リアも優しく微笑んでいた
「そうですか・・・」
「・・・・その御方や、村野さんのように・・・私にも、誰かの可能性を拓く手助けが出来るでしょうか。そう言った道を進むべきなのでしょうか・・・」
「その答えは貴方にしか出せません。大事なのはしっかりと向き合う事ですよ」
「・・・物事とも、他人とも自分自身とも・・・?」
「そう、恋ともね。ははは」
「「・・・・・」」
その言葉にリアもルードもまた言葉を詰まらせてしまう
それでも今までとは何か違う物が見え始めている事にリアもルードも気付き始めていた
*
「お帰り、ルード、リア」
邸に戻るとダリウスが二人を出迎えてくれた
「遅くなってすみません」
「ダリウス様、遅くなって申し訳ありません。今すぐ夕食を――」
「大丈夫、コハクや虎と一緒におむすびを作って食べたよ。食卓に置いてあるから二人もお食べ」
「・・・ありがとう御座います」
「・・・ありがとう御座います。側近としてお恥ずかしい限りです」
急いで夕食を作ろうとして厨房に向かいそうになる二人を見てダリウスがそう声を掛けると申し訳ない顔をしてお礼を言うも、ルードが何処か迷っている目をしている事にリアは気付いていた
「大げさだね。お前は自分を律しすぎているよ」
「・・・・ダリウス様、もし――・・・」
「・・・うん?」
「もしも、いつか私が側近でなくなったら・・・お淋しいですか?」
いつもと雰囲気が違うルードを見てダリウスもリアもルードの言葉を待ち、その言葉を聞き少しだけ間が出来る
「・・・それはね。けれど、お前が決めた道の為なら俺に歯向かっても構わないよ」
「「!」」
意外な言葉にリアもルードも目を瞠ってしまう
「何かに心惹かれる感覚を押し殺すべきじゃない。気持ちが動いたならそちらへ向かって突き進むべきだと思うよ」
「ダリウス様・・・」
その言葉にはルードもリアも驚きを隠せないでいたが、ダリウスの表情は子供の成長を見守る父親の顔でもあった
「でも、ルード。少なくとも革命が終わるまでは力を貸して貰うよ?」
「・・・っ、はい、勿論です! もしもの話と申し上げました。帝都の闇は、必ず祓わなくては・・・ダリウス様の理想を仰ぐ心に変わりはありません」
ルードの言葉にリアも微笑んで頷いていた
「それにね、ルード、首領の座を俺に譲り渡したからと言って、本当に大事なものまで譲る事はないんだよ」
「・・・ダリウス様」
「・・・、・・?」
何故か優しい笑みを向けてルードを見た後ダリウスはリアを見て、リアはその言葉と笑みが気になって疑問を浮かべていた
「じゃあ二人ともおむすびを食べておいで」
「「はい」」
ダリウスはいつのもように優しく笑ってそう言い、リアとルードは手洗いを済ませ食堂に向かい、おむすびを食べ始める
「・・・・」
「・・・・」
だが、二人の間には会話がなかった
お互い、ダリウスや村野さんに言われた事を考えていたからだった
「あ、ルードくん、リアさん帰ってたんだ・・・って、あれ、何か空気が重くない・・? それに神妙な顔してる・・・」
「いえ、別に・・・」
食堂に入ってきたコハクはリアとルードの様子と雰囲気を見てそう言ったが、未だに何かを思っている顔をしていた
「もしかして、何か遭ったの?」
「ううん。帰りが遅くなって夕飯を作れなかったから申し訳ないなって思ってたの。コハクくん、おむすび作ってくれてありがとう」
「ありがとう御座います、コハク」
「どういたしまして」
リアの機転のお陰で何とかその場は乗り切ったが、食事の事も思っていない訳ではなかったのでコハクにお礼を言った
コハクは水を飲むと部屋へ戻って行き、またルードとリアの二人だけになる
「リアさん」
ルードに呼ばれ視線を移すと何かを決めたような目をしていた
「少しずつですが、これから色々な事に正面からき合っていこうと思います」
「・・・うん。私も応援してる」
ルードの言葉に驚いて一瞬目を瞠るが直ぐにいつもの優しい笑みをルードに向け、ルードも微笑んでいた
(正面から向き合う事・・・気持ちが動いたら突き進む事・・・。それは・・・貴女への気持ちについても・・・含まれるのでしょうね)
ルードはそう思い微笑んでいて、ダリウスや村野さんの言葉を思い返していた
続く
あとがき
はい、やっとルードくんルートの続き書けましたι
下書きは大体終わってたんですけど、なかなかどう続けようか考えていたらすっごい日にちが空いてしまった・・・ι
けどこの葛藤している所は今後凄く大事な所になってくるので入れました
村野さんもだけど、やっぱりダリウスさんは一番ルードくんの事を見ているからルードくんが一番悩んでいる事に気付いてるでしょうねw
しかも何気に私塾の見学中に男達に茶化された時にルードくんの台詞に変化があった事にお気付きでしょうかww
此処も含め、次回はいよいよ・・・ですw
次回はもっと気合い入れて頑張って書きます!!
ではっ!
2015.08.04
ルードはダリウス達の前ではいつも通りの態度を取っているが一人になっている時やリアと居る時はあの時見せた難しい顔をしてる事が増えていた
「・・・・ルードくんが考えちゃうもの無理はないよね」
リアは帝都で働いて色々な人達がいると言う事を知っていたし、梓と同じで出来る事なら人間と鬼が争わないで欲しいとずっと思っていた
けど、リアも村野さんのように元・帝国軍人で偏見を持たないと言う人に出会った事はなかった
リアも人間ではあるが変わった力を持っているからその力は外では使わないようにしているしダリウス達も邸や蠱惑の森以外では使わせようとしなかった
「・・・・」
「あ、お姉ちゃん!」
そう思っていると前方から元気の良い声が聞こえ見慣れた女の子が走ってきた
「美智子ちゃん。どうしたの、一人?」
その女の子は村野さんの孫娘の美智子だった
「ううん、おじいちゃんも一緒だよ」
「美智子。・・おや、リアさん」
「こんにちは、村野さん」
「今日はルードさんはいらっしゃらないんですか」
「はい。私は今日仕事だったので今は仕事帰りなんです」
村野さんは美智子と一緒にいるリアを見てルードがいない事に気付くがリアが仕事帰りと聞きそうでしたか、と言った
「村野さんは美智子ちゃんと買い物だったんですか」
村野さんが抱えている紙袋を見てリアはそう尋ねるとええ、と言って続けた
「今晩授業がありまして、灯りが足りなくなると思って買い足しに出ていたんですよ」
「お姉ちゃんもおじいちゃんのおべんきょう見ていったら?」
「え?」
「こら美智子、無理を言ってはいけないよ」
そうは言われたが実は村野さんが私塾でどんな風に教えているのか気になっていた
ルードや自分の事をあの数時間であれだけ分かったのだし、ルードがあそこまで気にしている事もあり、それに子供達からもあれだけ好かれていたので気になっていた
「あの、お邪魔でなければ、見ていっても良いですか?」
「勿論ですよ」
「じゃあ今日はお邪魔します」
「やったあ! お姉ちゃん行こう!」
リアの返事を聞くと美智子は嬉しそうにしてリアの手を握って歩き出し、リアも村野さんも微笑んで歩き出した
そしてその夜、
「お姉ちゃん、お兄ちゃんもきたよ!」
「え、お兄ちゃん?」
「・・、リアさん!」
「え、ルードくん。どうして此処に?」
「・・・私塾の授業を、一度拝見出来ないかと思いまして」
どうやらルードも同じ事を思って此処に来たようだった
「今夜は大人を対象とした歴史の授業があるんですよ。以前リアさんとルードさんが作るのを手伝ってくれた年表も使いますよ。もう少ししたら授業が始まりますので、ルードさんもこちらへどうぞ」
「ありがとう御座います」
言うとルードはリアの隣に座り授業が始まるのを待った
38.始まりの予感
「―― つまり、この時海を越えた貿易によって・・・物だけでなく思想の交流が行われた訳です」
あれから暫くして村野さんの授業は始まり、大勢の大人達が村野さんの話に聞き入っていた
それは勿論リアとルードもだった
「ははあ、日本人と欧州人じゃろくに言葉も通じなかったろうに・・・面白えなあ。やっぱ、色々違って見えても同じ人間って事か。なあ、外国の兄ちゃんと姉ちゃんよ」
「あ・・・はあ」「え? ・・・ええ」
一人の男性が村野さんの話を聞き終え西洋人の外見をしているルードとリアを見てそう言い、急に話題を振られお互い曖昧な返事を返してしまうが男性達は気にした様子もなく次々に話し出す
「おお、カツさんにしちゃあ良い事言ってら! 村野先生のお陰だな」
「その通りよ、此処に通うようになっておれは変わったんだぜ。大工のおれが、お勉強なんかして何になるんだと思ってた。意味がねえと決め込んでずっと向き合ってこなかった。でも、あれだな、えいやっ、と向き合ってみりゃ色んなものが見えてくる。なあ、外国の兄ちゃんと姉ちゃん、おれな、いつか欧州に行って建築を勉強するって夢が出来たんだぞ」
「・・・・」「・・・凄いですね」
ルードは男性の言葉に驚いていて、リアも驚きもしたがその夢が本当に凄いと思いそう言っていた
「素晴らしい目標だ。カツさんのように勇気を出して物事と向き合うのはとても大切な事です。物事だけでなく、他人とも・・・そして、自分自身とも向き合っていけたら良いですよね」
「じゃあ、ついでに恋とも、かな?」
「おいおい、薄ら寒いぞ」
「何言ってんだ。今日は若い二人がいるじゃないか。なあ、お二人さん」
「「え・・?」」
男性の言葉に一斉に視線が集まる
「お二人さんは恋仲なのかい?」
「い、いえ、私達は、その・・・///」
「まだ、そう言った仲ではなく・・・///」
「なんだなんだ、若いねえ」
リアとルードの反応を見て男達はあははっと豪快に笑いリアとルードは頬を染め居心地が悪そうにしていた
「はは・・・ええ、勿論、恋とも、です。対象が何であれ、正面から向き合えば苦しみや葛藤を味わう事もあるでしょう。けれど、その経験は必ず己の糧になりますよ」
「「―――・・・・」」
村野さんの言葉にリアもルードも目を瞠っていた
「今日はありがとう。貴方方が来てくれたお陰で楽しく授業が出来ました」
「いえ、こちらこそ・・・」
授業が終わった後、リアとルードは玄関でお礼を言っていた
「生徒の方々は村野さんの授業を受けて視野を広げているんですね。私も、昔・・・思いも寄らなかった可能性を示してもらった事があります・・・とても尊敬する御方から」
そう言ったルードの顔は本当に嬉しそうにしていて、リアも優しく微笑んでいた
「そうですか・・・」
「・・・・その御方や、村野さんのように・・・私にも、誰かの可能性を拓く手助けが出来るでしょうか。そう言った道を進むべきなのでしょうか・・・」
「その答えは貴方にしか出せません。大事なのはしっかりと向き合う事ですよ」
「・・・物事とも、他人とも自分自身とも・・・?」
「そう、恋ともね。ははは」
「「・・・・・」」
その言葉にリアもルードもまた言葉を詰まらせてしまう
それでも今までとは何か違う物が見え始めている事にリアもルードも気付き始めていた
*
「お帰り、ルード、リア」
邸に戻るとダリウスが二人を出迎えてくれた
「遅くなってすみません」
「ダリウス様、遅くなって申し訳ありません。今すぐ夕食を――」
「大丈夫、コハクや虎と一緒におむすびを作って食べたよ。食卓に置いてあるから二人もお食べ」
「・・・ありがとう御座います」
「・・・ありがとう御座います。側近としてお恥ずかしい限りです」
急いで夕食を作ろうとして厨房に向かいそうになる二人を見てダリウスがそう声を掛けると申し訳ない顔をしてお礼を言うも、ルードが何処か迷っている目をしている事にリアは気付いていた
「大げさだね。お前は自分を律しすぎているよ」
「・・・・ダリウス様、もし――・・・」
「・・・うん?」
「もしも、いつか私が側近でなくなったら・・・お淋しいですか?」
いつもと雰囲気が違うルードを見てダリウスもリアもルードの言葉を待ち、その言葉を聞き少しだけ間が出来る
「・・・それはね。けれど、お前が決めた道の為なら俺に歯向かっても構わないよ」
「「!」」
意外な言葉にリアもルードも目を瞠ってしまう
「何かに心惹かれる感覚を押し殺すべきじゃない。気持ちが動いたならそちらへ向かって突き進むべきだと思うよ」
「ダリウス様・・・」
その言葉にはルードもリアも驚きを隠せないでいたが、ダリウスの表情は子供の成長を見守る父親の顔でもあった
「でも、ルード。少なくとも革命が終わるまでは力を貸して貰うよ?」
「・・・っ、はい、勿論です! もしもの話と申し上げました。帝都の闇は、必ず祓わなくては・・・ダリウス様の理想を仰ぐ心に変わりはありません」
ルードの言葉にリアも微笑んで頷いていた
「それにね、ルード、首領の座を俺に譲り渡したからと言って、本当に大事なものまで譲る事はないんだよ」
「・・・ダリウス様」
「・・・、・・?」
何故か優しい笑みを向けてルードを見た後ダリウスはリアを見て、リアはその言葉と笑みが気になって疑問を浮かべていた
「じゃあ二人ともおむすびを食べておいで」
「「はい」」
ダリウスはいつのもように優しく笑ってそう言い、リアとルードは手洗いを済ませ食堂に向かい、おむすびを食べ始める
「・・・・」
「・・・・」
だが、二人の間には会話がなかった
お互い、ダリウスや村野さんに言われた事を考えていたからだった
「あ、ルードくん、リアさん帰ってたんだ・・・って、あれ、何か空気が重くない・・? それに神妙な顔してる・・・」
「いえ、別に・・・」
食堂に入ってきたコハクはリアとルードの様子と雰囲気を見てそう言ったが、未だに何かを思っている顔をしていた
「もしかして、何か遭ったの?」
「ううん。帰りが遅くなって夕飯を作れなかったから申し訳ないなって思ってたの。コハクくん、おむすび作ってくれてありがとう」
「ありがとう御座います、コハク」
「どういたしまして」
リアの機転のお陰で何とかその場は乗り切ったが、食事の事も思っていない訳ではなかったのでコハクにお礼を言った
コハクは水を飲むと部屋へ戻って行き、またルードとリアの二人だけになる
「リアさん」
ルードに呼ばれ視線を移すと何かを決めたような目をしていた
「少しずつですが、これから色々な事に正面からき合っていこうと思います」
「・・・うん。私も応援してる」
ルードの言葉に驚いて一瞬目を瞠るが直ぐにいつもの優しい笑みをルードに向け、ルードも微笑んでいた
(正面から向き合う事・・・気持ちが動いたら突き進む事・・・。それは・・・貴女への気持ちについても・・・含まれるのでしょうね)
ルードはそう思い微笑んでいて、ダリウスや村野さんの言葉を思い返していた
続く
あとがき
はい、やっとルードくんルートの続き書けましたι
下書きは大体終わってたんですけど、なかなかどう続けようか考えていたらすっごい日にちが空いてしまった・・・ι
けどこの葛藤している所は今後凄く大事な所になってくるので入れました
村野さんもだけど、やっぱりダリウスさんは一番ルードくんの事を見ているからルードくんが一番悩んでいる事に気付いてるでしょうねw
しかも何気に私塾の見学中に男達に茶化された時にルードくんの台詞に変化があった事にお気付きでしょうかww
此処も含め、次回はいよいよ・・・ですw
次回はもっと気合い入れて頑張って書きます!!
ではっ!
2015.08.04