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帝国軍の陸軍会館で夜会が行われていた
それは梓の大尉就任を披露する為でもあり、今後の帝国軍の在り方についても語られた
リアはその夜会の様子を伺う為とある目的の為この夜会に潜入し、梓が一人になった所を見計らってテラスで話をしていた
だが、突然女性の悲鳴が聞こえ辺りはざわめきだし、リアも梓も別々に中に入った
(あの辺りね・・・!)
悲鳴が聞こえた方へ向かって行くと瘴気を纏った人物が居た
「う・・・うう」
「え・・・?」
だが、その人物を見てリアは目を瞠った
35.導き手
「う・・・ぐ・・・ぐぐ!」
「うそ・・・、友部・・さん・・・?」
そう、そこに居たのは、精鋭分隊隊員であり有馬と秋兵の部下であり、あの時千代に見舞いの花束を届けてくれた友部だった
だが、彼は精鋭分隊の軍服ではなく、強兵師団と同じあの黒い軍服を身に纏っていた
「ぐぐ・・・ぐああああ!」
友部は苦しそうに悲鳴に似た声を上げていた
そんな友部を見て、梓や有馬、秋兵、九段も驚きを隠せないでいた
彼は急遽東北の歩兵部隊に移動になったと同じ精鋭分隊の隊員が話しているのを街で耳にしたが、まさか憑闇となって現れるとは誰も想像もしていなかった
(・・・友部さん・・・。! まさか!)
そしてリアはある事を思いある一点を見ると、それは何かを見据えているようにも思え、
「っ・・・」
リアは怒りを抑えるように唇を噛み、握り拳を作ってその一点を睨んだ
その間、梓達は憑闇と化した友部と、共に居た軍人と戦っていた
周りの人々は他の軍人の誘導により安全な場所へと避難を始めていたが、リアはそこから動かずにいた
そして・・・、
「う・・・ああっ!」
友部の声が聞こえた途端、その場に倒れ込む音が聞こえリアもゆっくりとその場を見る
戦い終わった梓、そして有馬、秋兵、九段は悲しみや悔しさが混ざった顔をしていた
「なんて惨状だ。鬼がまた襲撃を仕掛けたのか?」
「くそっ、鬼の奴等め・・・!」
辺りからはざわめく声や鬼に対する怒りの言葉が聞こえてくる
「っ・・・!」
その言葉にリアは悔しさを覚え俯き唇を噛みしめる
だが、怒りや悔しさを抑える為か先程握っていた握り拳が少しだけ震えていた
そしてその間に総長と九段や高官達は何処か安全な場所へと向かって行き、有馬や秋兵は友部と共に居た軍人を連れて行こうとしている所だった
「・・・梓ちゃん」
「・・・リア、さん・・」
梓も悲しい顔をして歩き出そうとしていたがリアの言葉で顔を上げるも、リアも自分と同じように悲しい顔をしている事に気が付く
「・・・・。・・梓ちゃん、一緒に来て」
「え? リアさん?」
リアは何かを堪えたような顔をした後、真剣な眼差しをしてそう言って梓の手を引いて歩き出した
「リアさん、・・何処に行くの・・?」
先程のホールから離れ今は裏庭らしき場所に来ていた
ずっと黙ったまま何かを堪えているような、そして真剣な眼差しをしたまま自分の手を引いて歩いているリアに梓は声を掛けるとリアはやっと足を止めた
そして、
「ご苦労だったね、リア」
「っ!?」
突然聞こえた声に梓は目を瞠る
「久し振りだね、梓」
「ダリウス・・・。ルードくんと虎まで一緒? どうして、こんなところに?」
懐かしい面々を見て、そして彼等がこんな場所にいる事に梓は驚きを隠せないでいた
その間リアはダリウスとルードの間に移動する
「・・・ごめんね、急に連れてきちゃって。でも、私がこの夜会に潜入したのは軍の様子を伺う事と、梓ちゃんを此処に連れて来る事だったの」
「・・・え? で、でも、この場所には結界が張ってあるはずじゃ・・」
「詰めが甘いね。この庭までは、結界が及ばなかったらしい。でも、お陰で君とこうしてゆっくり話せる時間が出来た。・・・先程の騒ぎはホールの外まで聞こえていたよ」
「・・・・っ」
その言葉に梓だけでなくリアの表情も変わったのをダリウスもルードも、そして虎も見逃さなかった
「梓、君も気付いているはずだ。参謀本部の暴動鎮圧に出動したアレの異様さに」
「強兵の事だね」
「理解が早くて助かるよ。あの屍のような者達を疲れを知らず死をも恐れぬ理想の兵士と謳う軍には、恐れ入る。・・それで―― 君の見解は?」
ダリウスの問いに梓は一瞬眉を寄せて考えてしまう
だけど、気になっていた事を聞くにも今しかない、そう思いゆっくりと口を開く
「・・・・。こんな事、疑いたくはないけれど・・憑闇に関係しているのはもしかして軍なのかもしれない。さっきリアさんが言ってくれた事、私も思ってた事だし」
それが何の事かと言うのはダリウス達には解らないが梓の反応を見る限り、彼女の言葉を代弁したのだろうと見当が付いた
「それに、憑闇になる人が、軍関係者に偏ってるって事は・・・軍の内部に何かあるのかと思う・・・もしかして、ダリウスは村雨さんと手を組んでいた? 軍に疑いを持つ者同士で暴動を起こした。二人は軍の内部事情を何か掴んでいる・・・?」
「そこまで辿り着いているなら上出来だ」
そう言ったダリウスの表情は邸で共に過ごしていた時のあの子供の成長を見るような優しい顔だった
「梓ちゃん、凌雲閣に行った事はある?」
「凌雲閣って、浅草の? うん、前に千代と行ったよ」
リアの言葉に以前、夕焼けや景色が綺麗な場所があると言って千代と九段と共に訪れた事があった
「良い情報を仕入れたんだよ。凌雲閣の地下・・・その地下に帝国軍は強い結界を張っている。本来、龍神に仕える聖獣、四神の力を媒介にしてね」
「結界? 何なの、それ・・・?」
「初耳だろう? 表向きには気脈を守る為と言われているが―― 真の目的は、帝国軍でも極秘とされ、ごく一部しか知らない。わざわざ結界まで張って何を隠そうとしているか・・・暴いてみればいい」
「・・・待って、ダリウス。貴方はなんでそんな事を教えてくれるの?」
「ダリウス様は諸悪の根源が何かを、貴女に知って欲しいだけです」
「ルードくん」
「四神の結界も貴女になら解けるでしょう。帝都に置かれている四神の札を集めれば良いだけです」
「信じる信じねえは、お前が決めな」
「・・・」
ずっと黙っていたルードと虎の言葉を聞き更に梓も少し考えてしまう
「ふふ、では俺達はそろそろ行くよ。リア、掴まって」
「はい。じゃあ梓ちゃん、またね。でも、梓ちゃんなら絶対に真実に辿り着けるよ」
「あっ・・」
言うとダリウスやリア達の姿はもうなかった
だが、これで梓も聞きたかった事や思っていた事がだいぶ解ったが、次に取りかかるべき問題も出てきた
彼等と話せた事、そして何より最後に見たリアの笑顔と言葉に梓の決意は固まりつつあった
*
「リアさん、お茶此処に置きますね」
「ありがとう、ルードくん」
あれから邸に帰って来たリア達は居間に集まっていた
「・・・リアさん、元気がないけどどうしたの? 梓さんとは会えたんでしょ?」
「うん、梓ちゃんとは会えたよ。ちゃんと伝える事も伝えたし」
「リアの元気がないのは、ホールでの騒ぎが原因かな」
「・・・」
「顔見知りだったのか」
「はい・・・」
リアの様子を見てダリウスと虎はそう言うと、リアは頷きルードとコハクも目を瞠ってしまう
「友部さんの事、私より梓ちゃんや有馬さん、それに片霧さんや九段さん達の方が付き合いは長いから私より落ち込んでいて悔しくて悲しい思いをしているはず・・・」
「・・・・」
リアの言葉を聞きコハクは以前自分の知っている人が憑闇になって自分達の前に現れた事を思い出していた
その事はリアも梓達が戦っていた時に思っていた事だった
「・・でも、一番嫌だったのは、帝国軍は帝都の治安を乱す者共を一掃する。・・そう言った事に怒りを覚えました。自分達に必要ない者は認めないと言う態度・・・それが嫌でした」
「「・・・」」
「それに、憑闇になった友部さん達が現れて梓ちゃん達が戦ってる時、あの人達は彼等の行動を見据えていて高みの見物でした・・・その後も自分達だけ安全な場所に行って・・・。夜会に参加していた人達もあの騒ぎを見て鬼の仕業だと言ってました・・・それが嫌でもありましたし、怒りを感じていたのもありました」
「「・・・・」」
リアが此処まで怒りを露わにするのは本当に珍しい事だった
優しくて大人しい人ほど怒らせると怖いと言うのはまさにこの事なのだと、この場にいるダリウス、ルード、虎、コハクは思っていた
「・・・ダリウスさん、おれ、ダリウスさん達の革命に参加するよ」
「コハク?」
突然ソファから立ち上がって強い眼差しでダリウスにそう言うコハクを見てルードが声を掛ける
「おれもあの記憶を思い出してずっと考えてた。けど、リアさんの話を聞いておれも決心が付いたんだ。これ以上、無関係な人を憑闇にしたくないし、あんな残酷な事をする帝国軍を絶対許せないよ。おれの大事な人達を悲しませたんだから」
「コハクくん・・・」
「コハクの言う事も一理ありますね」
「ああ、なんせこのリアを此処まで怒らせたんだからな」
「ふふっ、みんな思っている事は一緒のようだね」
コハクの言葉に驚いているとルードと虎、そしてダリウスも同じようにリアや梓を悲しませた事、そしてリアを怒らせた事に同意していた
「既に梓にも伝える事は伝えた。それに梓なら必ずリアを信じて道を示してくれるよ」
「はい」
ダリウスの言葉にリアは笑みを浮かべて頷いた
帝都の問題の根源に近付けるのももうすぐ
この先も今以上に酷な事が多く待っていると思う
でも、大切な人達や帝都に住む人々をこれ以上犠牲には出来ないし、悲しい思いはもうしたくない
だから、私も今日の事は忘れずに戦っていこう ――
続く
あとがき
ついにダリウス達が梓ちゃんに接近して調べていた事を話しました!
友部さんの事はほんと驚いてショックでリアちゃんも怒りを露わにしていたけど、自分の大切な人達に囲まれて気持ちを解ってもらえて良かったし、梓もコハクも決心がついたようで何よりですね!
まああそこの会話も誰ルートを参考にしたか解っちゃうかもですがww
話も佳境に入ってきたのでこっちも誰落ちにするかいい加減決めないとなι
ではまた次回~(今回もあとがき終わるの早いなww)
2015.07.09
それは梓の大尉就任を披露する為でもあり、今後の帝国軍の在り方についても語られた
リアはその夜会の様子を伺う為とある目的の為この夜会に潜入し、梓が一人になった所を見計らってテラスで話をしていた
だが、突然女性の悲鳴が聞こえ辺りはざわめきだし、リアも梓も別々に中に入った
(あの辺りね・・・!)
悲鳴が聞こえた方へ向かって行くと瘴気を纏った人物が居た
「う・・・うう」
「え・・・?」
だが、その人物を見てリアは目を瞠った
35.導き手
「う・・・ぐ・・・ぐぐ!」
「うそ・・・、友部・・さん・・・?」
そう、そこに居たのは、精鋭分隊隊員であり有馬と秋兵の部下であり、あの時千代に見舞いの花束を届けてくれた友部だった
だが、彼は精鋭分隊の軍服ではなく、強兵師団と同じあの黒い軍服を身に纏っていた
「ぐぐ・・・ぐああああ!」
友部は苦しそうに悲鳴に似た声を上げていた
そんな友部を見て、梓や有馬、秋兵、九段も驚きを隠せないでいた
彼は急遽東北の歩兵部隊に移動になったと同じ精鋭分隊の隊員が話しているのを街で耳にしたが、まさか憑闇となって現れるとは誰も想像もしていなかった
(・・・友部さん・・・。! まさか!)
そしてリアはある事を思いある一点を見ると、それは何かを見据えているようにも思え、
「っ・・・」
リアは怒りを抑えるように唇を噛み、握り拳を作ってその一点を睨んだ
その間、梓達は憑闇と化した友部と、共に居た軍人と戦っていた
周りの人々は他の軍人の誘導により安全な場所へと避難を始めていたが、リアはそこから動かずにいた
そして・・・、
「う・・・ああっ!」
友部の声が聞こえた途端、その場に倒れ込む音が聞こえリアもゆっくりとその場を見る
戦い終わった梓、そして有馬、秋兵、九段は悲しみや悔しさが混ざった顔をしていた
「なんて惨状だ。鬼がまた襲撃を仕掛けたのか?」
「くそっ、鬼の奴等め・・・!」
辺りからはざわめく声や鬼に対する怒りの言葉が聞こえてくる
「っ・・・!」
その言葉にリアは悔しさを覚え俯き唇を噛みしめる
だが、怒りや悔しさを抑える為か先程握っていた握り拳が少しだけ震えていた
そしてその間に総長と九段や高官達は何処か安全な場所へと向かって行き、有馬や秋兵は友部と共に居た軍人を連れて行こうとしている所だった
「・・・梓ちゃん」
「・・・リア、さん・・」
梓も悲しい顔をして歩き出そうとしていたがリアの言葉で顔を上げるも、リアも自分と同じように悲しい顔をしている事に気が付く
「・・・・。・・梓ちゃん、一緒に来て」
「え? リアさん?」
リアは何かを堪えたような顔をした後、真剣な眼差しをしてそう言って梓の手を引いて歩き出した
「リアさん、・・何処に行くの・・?」
先程のホールから離れ今は裏庭らしき場所に来ていた
ずっと黙ったまま何かを堪えているような、そして真剣な眼差しをしたまま自分の手を引いて歩いているリアに梓は声を掛けるとリアはやっと足を止めた
そして、
「ご苦労だったね、リア」
「っ!?」
突然聞こえた声に梓は目を瞠る
「久し振りだね、梓」
「ダリウス・・・。ルードくんと虎まで一緒? どうして、こんなところに?」
懐かしい面々を見て、そして彼等がこんな場所にいる事に梓は驚きを隠せないでいた
その間リアはダリウスとルードの間に移動する
「・・・ごめんね、急に連れてきちゃって。でも、私がこの夜会に潜入したのは軍の様子を伺う事と、梓ちゃんを此処に連れて来る事だったの」
「・・・え? で、でも、この場所には結界が張ってあるはずじゃ・・」
「詰めが甘いね。この庭までは、結界が及ばなかったらしい。でも、お陰で君とこうしてゆっくり話せる時間が出来た。・・・先程の騒ぎはホールの外まで聞こえていたよ」
「・・・・っ」
その言葉に梓だけでなくリアの表情も変わったのをダリウスもルードも、そして虎も見逃さなかった
「梓、君も気付いているはずだ。参謀本部の暴動鎮圧に出動したアレの異様さに」
「強兵の事だね」
「理解が早くて助かるよ。あの屍のような者達を疲れを知らず死をも恐れぬ理想の兵士と謳う軍には、恐れ入る。・・それで―― 君の見解は?」
ダリウスの問いに梓は一瞬眉を寄せて考えてしまう
だけど、気になっていた事を聞くにも今しかない、そう思いゆっくりと口を開く
「・・・・。こんな事、疑いたくはないけれど・・憑闇に関係しているのはもしかして軍なのかもしれない。さっきリアさんが言ってくれた事、私も思ってた事だし」
それが何の事かと言うのはダリウス達には解らないが梓の反応を見る限り、彼女の言葉を代弁したのだろうと見当が付いた
「それに、憑闇になる人が、軍関係者に偏ってるって事は・・・軍の内部に何かあるのかと思う・・・もしかして、ダリウスは村雨さんと手を組んでいた? 軍に疑いを持つ者同士で暴動を起こした。二人は軍の内部事情を何か掴んでいる・・・?」
「そこまで辿り着いているなら上出来だ」
そう言ったダリウスの表情は邸で共に過ごしていた時のあの子供の成長を見るような優しい顔だった
「梓ちゃん、凌雲閣に行った事はある?」
「凌雲閣って、浅草の? うん、前に千代と行ったよ」
リアの言葉に以前、夕焼けや景色が綺麗な場所があると言って千代と九段と共に訪れた事があった
「良い情報を仕入れたんだよ。凌雲閣の地下・・・その地下に帝国軍は強い結界を張っている。本来、龍神に仕える聖獣、四神の力を媒介にしてね」
「結界? 何なの、それ・・・?」
「初耳だろう? 表向きには気脈を守る為と言われているが―― 真の目的は、帝国軍でも極秘とされ、ごく一部しか知らない。わざわざ結界まで張って何を隠そうとしているか・・・暴いてみればいい」
「・・・待って、ダリウス。貴方はなんでそんな事を教えてくれるの?」
「ダリウス様は諸悪の根源が何かを、貴女に知って欲しいだけです」
「ルードくん」
「四神の結界も貴女になら解けるでしょう。帝都に置かれている四神の札を集めれば良いだけです」
「信じる信じねえは、お前が決めな」
「・・・」
ずっと黙っていたルードと虎の言葉を聞き更に梓も少し考えてしまう
「ふふ、では俺達はそろそろ行くよ。リア、掴まって」
「はい。じゃあ梓ちゃん、またね。でも、梓ちゃんなら絶対に真実に辿り着けるよ」
「あっ・・」
言うとダリウスやリア達の姿はもうなかった
だが、これで梓も聞きたかった事や思っていた事がだいぶ解ったが、次に取りかかるべき問題も出てきた
彼等と話せた事、そして何より最後に見たリアの笑顔と言葉に梓の決意は固まりつつあった
*
「リアさん、お茶此処に置きますね」
「ありがとう、ルードくん」
あれから邸に帰って来たリア達は居間に集まっていた
「・・・リアさん、元気がないけどどうしたの? 梓さんとは会えたんでしょ?」
「うん、梓ちゃんとは会えたよ。ちゃんと伝える事も伝えたし」
「リアの元気がないのは、ホールでの騒ぎが原因かな」
「・・・」
「顔見知りだったのか」
「はい・・・」
リアの様子を見てダリウスと虎はそう言うと、リアは頷きルードとコハクも目を瞠ってしまう
「友部さんの事、私より梓ちゃんや有馬さん、それに片霧さんや九段さん達の方が付き合いは長いから私より落ち込んでいて悔しくて悲しい思いをしているはず・・・」
「・・・・」
リアの言葉を聞きコハクは以前自分の知っている人が憑闇になって自分達の前に現れた事を思い出していた
その事はリアも梓達が戦っていた時に思っていた事だった
「・・でも、一番嫌だったのは、帝国軍は帝都の治安を乱す者共を一掃する。・・そう言った事に怒りを覚えました。自分達に必要ない者は認めないと言う態度・・・それが嫌でした」
「「・・・」」
「それに、憑闇になった友部さん達が現れて梓ちゃん達が戦ってる時、あの人達は彼等の行動を見据えていて高みの見物でした・・・その後も自分達だけ安全な場所に行って・・・。夜会に参加していた人達もあの騒ぎを見て鬼の仕業だと言ってました・・・それが嫌でもありましたし、怒りを感じていたのもありました」
「「・・・・」」
リアが此処まで怒りを露わにするのは本当に珍しい事だった
優しくて大人しい人ほど怒らせると怖いと言うのはまさにこの事なのだと、この場にいるダリウス、ルード、虎、コハクは思っていた
「・・・ダリウスさん、おれ、ダリウスさん達の革命に参加するよ」
「コハク?」
突然ソファから立ち上がって強い眼差しでダリウスにそう言うコハクを見てルードが声を掛ける
「おれもあの記憶を思い出してずっと考えてた。けど、リアさんの話を聞いておれも決心が付いたんだ。これ以上、無関係な人を憑闇にしたくないし、あんな残酷な事をする帝国軍を絶対許せないよ。おれの大事な人達を悲しませたんだから」
「コハクくん・・・」
「コハクの言う事も一理ありますね」
「ああ、なんせこのリアを此処まで怒らせたんだからな」
「ふふっ、みんな思っている事は一緒のようだね」
コハクの言葉に驚いているとルードと虎、そしてダリウスも同じようにリアや梓を悲しませた事、そしてリアを怒らせた事に同意していた
「既に梓にも伝える事は伝えた。それに梓なら必ずリアを信じて道を示してくれるよ」
「はい」
ダリウスの言葉にリアは笑みを浮かべて頷いた
帝都の問題の根源に近付けるのももうすぐ
この先も今以上に酷な事が多く待っていると思う
でも、大切な人達や帝都に住む人々をこれ以上犠牲には出来ないし、悲しい思いはもうしたくない
だから、私も今日の事は忘れずに戦っていこう ――
続く
あとがき
ついにダリウス達が梓ちゃんに接近して調べていた事を話しました!
友部さんの事はほんと驚いてショックでリアちゃんも怒りを露わにしていたけど、自分の大切な人達に囲まれて気持ちを解ってもらえて良かったし、梓もコハクも決心がついたようで何よりですね!
まああそこの会話も誰ルートを参考にしたか解っちゃうかもですがww
話も佳境に入ってきたのでこっちも誰落ちにするかいい加減決めないとなι
ではまた次回~(今回もあとがき終わるの早いなww)
2015.07.09