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梓達と別れた後、リアは急いで虎と待ち合わせている場所へ向かう
「あ、いた。政虎さーーん!」
「あ? ようやく来やがったか」
「すみません、遅くなっちゃって・・・」
走って着たからなのか少し息を切らせながらリアはそう言った
「お前が遅れるとか珍しいじゃねえか。俺より先に邸出てただろ」
「ちょっと早く着いたので、散歩に出たら梓ちゃん達と会って」
「神子様と?」
「はい・・・。歩きながら話しますね」
虎とも合流した事だし、ダリウスからの頼まれ事をする為にこれから移動をしなくてはならないのでリアは先程の出来事を歩きながら話す事にした
20.男はオオカミではなく“虎”
「政虎さん、付き合ってくれてありがとう御座いました。政虎さんが一緒だったので予定より早く済みました」
ダリウスからの頼まれ事を虎と一緒にやっていたが、それが今の所で終わったようだった
一日掛かる予定だったが、虎の協力もありそれが半日で終わった
虎は梓を連れ出し白龍の神子に会わせた事がダリウスにばれてしまい暫く休業とされてしまっている
それはまだ解除されていない
今日の手伝いはたまたまダリウスとの会話を耳にしてリア一人で回るのも大変だろうと思い申し出た
リアから報酬を貰う事は禁止されているので、手伝う代わりに昼飯を奢ってくれたら手を打つと言う事でそれを承諾して今に至るのだった
「あ、政虎さん、帰りに買い物して行っても良いですか?」
「ああ。オレもダリウスから額縁を買ってこいって言われてるからな」
虎がリアの手伝いをする事を知ったダリウスはその帰りに額縁を2個買ってくるように、と言っていたらしい
「で、リアは何買うんだ」
「里の両親に何か送ろうかと思って・・・。今度手紙の返事と一緒に送るつもりです」
「・・・ふーん」
「?」
その言葉に一瞬だが虎の表情が変わった
「・・・どうかしましたか?」
「いや、そういやお前は親居たんだったなっと思ってな」
ダリウス達と一緒に暮らしているしあまりそう言った話をしていなかったから、その事を忘れていたようだった
「父ちゃん、早く~」
ふと前方から男の子の声が聞こえてきた
男の子は何処かに向かっているのか元気良く走っていてその後ろから男の子の父親が走っている
「やっぱり男の子って元気が良いですね」
「・・・ああ」
前方から走ってくる男の子を見てリアは微笑みながら言うも虎は何処か落ちついた感じだった
「・・・? あっ!」
そして男の子が自分達の横を通り過ぎようとしていると男の子の足がもつれて転びそうになっていた
「チッ・・・」
その様子を見ると虎はそう言って直ぐに子供が転びそうな場所へ移動して子供を受け止めた
「・・・あれ・・?」
男の子は転ぶと思っていたようで目を瞑っていたが痛みがない事と少しだけ浮いている感じがして目を開けた
「・・おい、餓鬼。ちゃんと足下見て走れよ」
言いながら虎は子供を地面に立たせると追い着いてきた父親が子供を助けた虎を見た
「ああ、助けて頂き有り難う御座います! こら、お前もちゃんとお礼を言いなさい」
「おにいちゃん、ありがとう!」
子供は満面の笑みでそう言い、父親はもう一度お礼を言って会釈をして子供と手を繋いで歩いて行った
「・・・・・」
複雑な思いを抱きながら立ち上がると隣に居たリアが微笑んでいた
「・・・何だよ」
「いえ。政虎さん素早かったなと思って」
「お前より近かったからだよ」
それに、力仕事は専門だろうが・・・と言いながら遠くを見つめる
その視線は本当に何処か遠くを見つめている気がしてリアも気になっていた
「なあ」
「はい」
「・・・例え話だが、お前が餓鬼の時に知らねえ間に親が殺されて、それが事故だって事になってたら、お前はどうする?」
「え・・・?」
急な質問に驚いてしまった
虎が例え話をすると言うのも珍しいと思ってはいたが、想像していたよりも違う内容を言われ驚いてしまった
「・・・」
「例え話だっつってんだろ、真に受けずに答えろ」
黙ってしまったリアを見て真に受けたのだと捉えた虎はそう言って答えを待った
「・・・私だったら、その原因や真相を確かめたいって思います」
「殺されたと突き止めたら、お前はその犯人をどうする」
「・・どうする・・って・・・。それは勿論犯人が生きていたら償ってほしいです。もしそれが事故だったとしてもちゃんと亡くなってしまった人の事を忘れないで生きていてほしいと思ってます」
「・・・・・・ふうん」
リアの答えを聞くと虎は長い間を作ってそう言うと歩き出した
「え・・、政虎さん」
「額縁買ってくる。お前もさっさと買う物買って来い。待ち合わせはそこの書店な」
近くの書店を指差してそう言い虎はさっさと歩いて行く
「・・・・」
だが、先程の虎の質問や何処か遠い目をしていた虎が気になっていた
*
「ありがとう御座いました」
あれから暫くしてリアは両親に送る物が決まり購入して店を出た
「政虎さんは・・・まだ来てないみたいね」
待ち合わせとして指定された書店を見るがまだ虎の姿はなかった
中に入っていると言う事はないのでまだ来ていないと思い書店の表に積まれている本を見ながら待とうと思い近くにある本を見ていく
(あ、文藝睡蓮だ。でもまだ村雨さんの新作は載ってないんだよね)
今朝会った時に昼から打ち合わせと言っていたので近いうちに載るだろうと思い別の本を見ようとした時だった
「ねえ、君」
「え?」
声を掛けられ顔を上げるとモダンボーイが居た
「あの、何かご用でしょうか・・?」
「ああ、ごめん。此処を通ったら綺麗な子がいたから声を掛けてみたんだ。・・近くで見ると本当に綺麗な顔立ちをしているね。西洋人?」
「え、ええと・・・」
「まあいいや。ねえ、良かったらこれから一緒にお茶でもどうだい?」
「いえ、あの・・」
「時間は取らせないからさ。ね、行こうよ」
「あの、私用事がありますので、」
「あ、待って!」
一旦この場から離れた方が良さそうだと思い立ち去ろうとしていると男はリアの腕を掴んだ
「っ、放して下さい」
「少しだけで良いからさ」
「うらっ」
「いだっ!?」
「・・えっ・・?」
途端バシっとモボの手を叩く音が聞こえ、モボはその痛みで掴んでいたリアの腕を放した
「・・・人の連れに何してやがんだ?」
「ひっ・・・!?」
そこに居たのは額縁を2つ抱えて不機嫌そうにしている虎だった
「いえ、あの・・・」
「用がねえんならさっさと立ち去れ。次は叩くだけじゃ済まねえぜ」
「っっ、しっ、失礼しました・・・・!!」
虎の言葉を聞くとモボはそう言って一目散に逃げ出していった
「・・・政虎さん、助けてくれてありがと・・・。っ、政虎さん!?」
リアがお礼を言おうとしていると、急に虎に腕を引かれ歩き出す状態になる
そして次の角を曲がった途端、リアを壁際にやり互いの距離が縮まる
「・・・ったく、何あんな奴に簡単に捕まってんだ、お前。止めに入ったのがまだオレだから良かったが、ダリウス達だったらあの程度じゃ済まねえぜ」
誰が止めに入っても同じような迫力だったと思うが・・・と思ったが今の状況でそんな事は言っていられない
「すみません・・・」
「つー事で、詫びの品、貰うぜ」
「え・・・、品って・・・ひゃっ!///」
言うと虎はリアの首筋に顔を埋め首筋を舐めた
以前に一度だけこんな事をされた事があったがあの時よりも長く感じていた
「ま、政虎・・さん。や、やめ・・・っ///」
空いている手で虎をどかそうとするも力の差はありすぎてびくともしない
「~~っ。・・ふっ・・・っ///」
顔が赤くなりながらも何とか変な声が上がらないように声を抑える
「・・・へえ、なかなかそそる表情 してるじゃねえか」
「っ~~///」
言うと虎はリアの耳朶を甘噛みした
「おっと」
途端リアは身体の力が抜けその場にへたり込みそうになるが虎が支える
「・・・・っ///」
少し涙目になっているリアを見て虎は少し間を開けて言う
「・・・・・ま、流石にこれ以上やると契約違反になっちまうし後々面倒な事になりそうだからこれくらいにしてやるよ」
「・・・・」
「そんな目で見なくても本当に終わりだ。ほら、さっさと帰んぞ」
本当かと言う目で見てきたリアにそう言うもまだ自分では立てないのかそのまま虎に掴まっていた
「・・・仕方ねえ。途中までは抱えて帰ってやる。・・・蠱惑の森からは自分で歩けよ」
言うと虎は額縁を持っている手とは違う方でリアを担ぎあげ、地を蹴って飛び、人が通らない道を通り蠱惑の森を目指した
その夜、
「はあ・・・・」
リアは湯船に浸かって昼間の事を考えていた
「政虎さん、昼間どうしてあんな事言ったんだろう・・・」
それはあの例え話だった
どうしてもあの時の虎の表情とあの親子を見て何処か遠い目をしていた事が忘れられない
虎の過去についてはリアもあまり聞いた事がないし本人も話そうとしないから聞いた事がなかった
「・・・もしかして、あの例え話・・本当の事だったりするのかな・・・」
そう思うとあの表情や遠い目が納得いく
だけどそれを聞いて良いものか・・・
そう思っていると次に浮かんだのはその後の光景だった
「っ・・・///」
そして無意識に首筋に手を当てていた
「政虎さん、頼りになる人なんだけど・・・こればかりは・・・///」
そこで言葉は途絶えてしまう
その事は思い出しただけでも恥ずかしさを感じてしまうし、意識してしまうと余計にダリウス達に迷惑を掛けてしまう
これ以上の事は考えるのをやめようと思い湯船から上がり着替えて脱水所を出て廊下を歩いていると
「あっ・・・」
虎と鉢合わせる状態になってしまった
「なんだよ、人の顔見て驚いた顔しやがって」
「・・いえ、別に・・・」
「ま、良い。さっき言い忘れた事あったし、言いに行く手間も省けたわ」
「え?」
言うと虎はリアに近付き
「前よりも甘 くなってたじゃねえか」
「!」
虎の言葉を聞くとリアは驚いて目を瞠り少し顔が赤くなった
「・・・ふっ・・・ご馳走さん」
言うと虎はリアの頭に軽く手を置いて歩いて行った
「・・・・」
そして虎を見て先程の言葉を聞き
(・・・男は狼って言うけど、政虎さんの場合、・・・男は虎・・って言う方が正しい気がする・・・)
と思ったのだった
続く
あとがき
はい、と言う事で何とか無事に?虎お当番回終わりました!!
虎もかなり悩んでゲームのおまけ開いてイベント見てどれ使おうか悩んでこうなりました
虎の過去に纏わる事は今後使うのでちょっと此処で伏線を貼っておきますw
で、このタイトルは虎ルートクリアした人なら解るだろうww あそこ好きなんだよねww
虎は一番頼れる、甘いが他の人より凄いww、そしてシリアスもあり・・な感じを書きたかったので今回はそれを踏まえた上で書いてみました
一応最後にダリウス達も出す予定だったけどこっちの方がしっくり来たのでこの終わり方にしたw
だって、やっぱり狼じゃないよ、虎だよwってのは入れたかったのでww
さて、次はどうするかなー
やっぱりあの人書くかなぁ~ww
つー事で次回もお楽しみにww(切り上げやがったwww)
2015.06.28
「あ、いた。政虎さーーん!」
「あ? ようやく来やがったか」
「すみません、遅くなっちゃって・・・」
走って着たからなのか少し息を切らせながらリアはそう言った
「お前が遅れるとか珍しいじゃねえか。俺より先に邸出てただろ」
「ちょっと早く着いたので、散歩に出たら梓ちゃん達と会って」
「神子様と?」
「はい・・・。歩きながら話しますね」
虎とも合流した事だし、ダリウスからの頼まれ事をする為にこれから移動をしなくてはならないのでリアは先程の出来事を歩きながら話す事にした
20.男はオオカミではなく“虎”
「政虎さん、付き合ってくれてありがとう御座いました。政虎さんが一緒だったので予定より早く済みました」
ダリウスからの頼まれ事を虎と一緒にやっていたが、それが今の所で終わったようだった
一日掛かる予定だったが、虎の協力もありそれが半日で終わった
虎は梓を連れ出し白龍の神子に会わせた事がダリウスにばれてしまい暫く休業とされてしまっている
それはまだ解除されていない
今日の手伝いはたまたまダリウスとの会話を耳にしてリア一人で回るのも大変だろうと思い申し出た
リアから報酬を貰う事は禁止されているので、手伝う代わりに昼飯を奢ってくれたら手を打つと言う事でそれを承諾して今に至るのだった
「あ、政虎さん、帰りに買い物して行っても良いですか?」
「ああ。オレもダリウスから額縁を買ってこいって言われてるからな」
虎がリアの手伝いをする事を知ったダリウスはその帰りに額縁を2個買ってくるように、と言っていたらしい
「で、リアは何買うんだ」
「里の両親に何か送ろうかと思って・・・。今度手紙の返事と一緒に送るつもりです」
「・・・ふーん」
「?」
その言葉に一瞬だが虎の表情が変わった
「・・・どうかしましたか?」
「いや、そういやお前は親居たんだったなっと思ってな」
ダリウス達と一緒に暮らしているしあまりそう言った話をしていなかったから、その事を忘れていたようだった
「父ちゃん、早く~」
ふと前方から男の子の声が聞こえてきた
男の子は何処かに向かっているのか元気良く走っていてその後ろから男の子の父親が走っている
「やっぱり男の子って元気が良いですね」
「・・・ああ」
前方から走ってくる男の子を見てリアは微笑みながら言うも虎は何処か落ちついた感じだった
「・・・? あっ!」
そして男の子が自分達の横を通り過ぎようとしていると男の子の足がもつれて転びそうになっていた
「チッ・・・」
その様子を見ると虎はそう言って直ぐに子供が転びそうな場所へ移動して子供を受け止めた
「・・・あれ・・?」
男の子は転ぶと思っていたようで目を瞑っていたが痛みがない事と少しだけ浮いている感じがして目を開けた
「・・おい、餓鬼。ちゃんと足下見て走れよ」
言いながら虎は子供を地面に立たせると追い着いてきた父親が子供を助けた虎を見た
「ああ、助けて頂き有り難う御座います! こら、お前もちゃんとお礼を言いなさい」
「おにいちゃん、ありがとう!」
子供は満面の笑みでそう言い、父親はもう一度お礼を言って会釈をして子供と手を繋いで歩いて行った
「・・・・・」
複雑な思いを抱きながら立ち上がると隣に居たリアが微笑んでいた
「・・・何だよ」
「いえ。政虎さん素早かったなと思って」
「お前より近かったからだよ」
それに、力仕事は専門だろうが・・・と言いながら遠くを見つめる
その視線は本当に何処か遠くを見つめている気がしてリアも気になっていた
「なあ」
「はい」
「・・・例え話だが、お前が餓鬼の時に知らねえ間に親が殺されて、それが事故だって事になってたら、お前はどうする?」
「え・・・?」
急な質問に驚いてしまった
虎が例え話をすると言うのも珍しいと思ってはいたが、想像していたよりも違う内容を言われ驚いてしまった
「・・・」
「例え話だっつってんだろ、真に受けずに答えろ」
黙ってしまったリアを見て真に受けたのだと捉えた虎はそう言って答えを待った
「・・・私だったら、その原因や真相を確かめたいって思います」
「殺されたと突き止めたら、お前はその犯人をどうする」
「・・どうする・・って・・・。それは勿論犯人が生きていたら償ってほしいです。もしそれが事故だったとしてもちゃんと亡くなってしまった人の事を忘れないで生きていてほしいと思ってます」
「・・・・・・ふうん」
リアの答えを聞くと虎は長い間を作ってそう言うと歩き出した
「え・・、政虎さん」
「額縁買ってくる。お前もさっさと買う物買って来い。待ち合わせはそこの書店な」
近くの書店を指差してそう言い虎はさっさと歩いて行く
「・・・・」
だが、先程の虎の質問や何処か遠い目をしていた虎が気になっていた
*
「ありがとう御座いました」
あれから暫くしてリアは両親に送る物が決まり購入して店を出た
「政虎さんは・・・まだ来てないみたいね」
待ち合わせとして指定された書店を見るがまだ虎の姿はなかった
中に入っていると言う事はないのでまだ来ていないと思い書店の表に積まれている本を見ながら待とうと思い近くにある本を見ていく
(あ、文藝睡蓮だ。でもまだ村雨さんの新作は載ってないんだよね)
今朝会った時に昼から打ち合わせと言っていたので近いうちに載るだろうと思い別の本を見ようとした時だった
「ねえ、君」
「え?」
声を掛けられ顔を上げるとモダンボーイが居た
「あの、何かご用でしょうか・・?」
「ああ、ごめん。此処を通ったら綺麗な子がいたから声を掛けてみたんだ。・・近くで見ると本当に綺麗な顔立ちをしているね。西洋人?」
「え、ええと・・・」
「まあいいや。ねえ、良かったらこれから一緒にお茶でもどうだい?」
「いえ、あの・・」
「時間は取らせないからさ。ね、行こうよ」
「あの、私用事がありますので、」
「あ、待って!」
一旦この場から離れた方が良さそうだと思い立ち去ろうとしていると男はリアの腕を掴んだ
「っ、放して下さい」
「少しだけで良いからさ」
「うらっ」
「いだっ!?」
「・・えっ・・?」
途端バシっとモボの手を叩く音が聞こえ、モボはその痛みで掴んでいたリアの腕を放した
「・・・人の連れに何してやがんだ?」
「ひっ・・・!?」
そこに居たのは額縁を2つ抱えて不機嫌そうにしている虎だった
「いえ、あの・・・」
「用がねえんならさっさと立ち去れ。次は叩くだけじゃ済まねえぜ」
「っっ、しっ、失礼しました・・・・!!」
虎の言葉を聞くとモボはそう言って一目散に逃げ出していった
「・・・政虎さん、助けてくれてありがと・・・。っ、政虎さん!?」
リアがお礼を言おうとしていると、急に虎に腕を引かれ歩き出す状態になる
そして次の角を曲がった途端、リアを壁際にやり互いの距離が縮まる
「・・・ったく、何あんな奴に簡単に捕まってんだ、お前。止めに入ったのがまだオレだから良かったが、ダリウス達だったらあの程度じゃ済まねえぜ」
誰が止めに入っても同じような迫力だったと思うが・・・と思ったが今の状況でそんな事は言っていられない
「すみません・・・」
「つー事で、詫びの品、貰うぜ」
「え・・・、品って・・・ひゃっ!///」
言うと虎はリアの首筋に顔を埋め首筋を舐めた
以前に一度だけこんな事をされた事があったがあの時よりも長く感じていた
「ま、政虎・・さん。や、やめ・・・っ///」
空いている手で虎をどかそうとするも力の差はありすぎてびくともしない
「~~っ。・・ふっ・・・っ///」
顔が赤くなりながらも何とか変な声が上がらないように声を抑える
「・・・へえ、なかなかそそる
「っ~~///」
言うと虎はリアの耳朶を甘噛みした
「おっと」
途端リアは身体の力が抜けその場にへたり込みそうになるが虎が支える
「・・・・っ///」
少し涙目になっているリアを見て虎は少し間を開けて言う
「・・・・・ま、流石にこれ以上やると契約違反になっちまうし後々面倒な事になりそうだからこれくらいにしてやるよ」
「・・・・」
「そんな目で見なくても本当に終わりだ。ほら、さっさと帰んぞ」
本当かと言う目で見てきたリアにそう言うもまだ自分では立てないのかそのまま虎に掴まっていた
「・・・仕方ねえ。途中までは抱えて帰ってやる。・・・蠱惑の森からは自分で歩けよ」
言うと虎は額縁を持っている手とは違う方でリアを担ぎあげ、地を蹴って飛び、人が通らない道を通り蠱惑の森を目指した
その夜、
「はあ・・・・」
リアは湯船に浸かって昼間の事を考えていた
「政虎さん、昼間どうしてあんな事言ったんだろう・・・」
それはあの例え話だった
どうしてもあの時の虎の表情とあの親子を見て何処か遠い目をしていた事が忘れられない
虎の過去についてはリアもあまり聞いた事がないし本人も話そうとしないから聞いた事がなかった
「・・・もしかして、あの例え話・・本当の事だったりするのかな・・・」
そう思うとあの表情や遠い目が納得いく
だけどそれを聞いて良いものか・・・
そう思っていると次に浮かんだのはその後の光景だった
「っ・・・///」
そして無意識に首筋に手を当てていた
「政虎さん、頼りになる人なんだけど・・・こればかりは・・・///」
そこで言葉は途絶えてしまう
その事は思い出しただけでも恥ずかしさを感じてしまうし、意識してしまうと余計にダリウス達に迷惑を掛けてしまう
これ以上の事は考えるのをやめようと思い湯船から上がり着替えて脱水所を出て廊下を歩いていると
「あっ・・・」
虎と鉢合わせる状態になってしまった
「なんだよ、人の顔見て驚いた顔しやがって」
「・・いえ、別に・・・」
「ま、良い。さっき言い忘れた事あったし、言いに行く手間も省けたわ」
「え?」
言うと虎はリアに近付き
「前よりも
「!」
虎の言葉を聞くとリアは驚いて目を瞠り少し顔が赤くなった
「・・・ふっ・・・ご馳走さん」
言うと虎はリアの頭に軽く手を置いて歩いて行った
「・・・・」
そして虎を見て先程の言葉を聞き
(・・・男は狼って言うけど、政虎さんの場合、・・・男は虎・・って言う方が正しい気がする・・・)
と思ったのだった
続く
あとがき
はい、と言う事で何とか無事に?虎お当番回終わりました!!
虎もかなり悩んでゲームのおまけ開いてイベント見てどれ使おうか悩んでこうなりました
虎の過去に纏わる事は今後使うのでちょっと此処で伏線を貼っておきますw
で、このタイトルは虎ルートクリアした人なら解るだろうww あそこ好きなんだよねww
虎は一番頼れる、甘いが他の人より凄いww、そしてシリアスもあり・・な感じを書きたかったので今回はそれを踏まえた上で書いてみました
一応最後にダリウス達も出す予定だったけどこっちの方がしっくり来たのでこの終わり方にしたw
だって、やっぱり狼じゃないよ、虎だよwってのは入れたかったのでww
さて、次はどうするかなー
やっぱりあの人書くかなぁ~ww
つー事で次回もお楽しみにww(切り上げやがったwww)
2015.06.28