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コハクの記憶を取り戻す為にコハクと共に須崎にやって来ていたリア
そこでコハクが以前歌っていた歌を歌っている女性、浮雲と出会い彼女にコハクに見覚えがあるかと聞くと浮雲はコハクを“善次郎”と呼び欄干から降りてコハクの前に着た
そして浮雲と話しているうちにコハクは忘れていた記憶を思い出したのだった
16.大切な記憶(後編)
「・・・そうか、思い出した。おれ、それで遊郭を出たんだ・・・」
「米七は、最期の最期までお前の事を気に掛けていたよ」
「っ・・・」
コハクの思い出した事と浮雲の言葉を聞きリアも表情を変える
「米七だけじゃない。あの病で死んだもんはこの界隈では大勢いたんだ。だから、お前も野垂れ死んだものと諦めてた・・・本当に驚いたよ」
浮雲は目元に浮かんでいた涙を払い、優しい表情をしてコハクを見る
「すっかり体は良くなったんだねえ。どこぞで、良い薬でも手に入ったのかい?」
「あ・・・違うんだ。この体は ―――」
「! 空気が変わった・・・まさか!」
空気が変わった事にいち早く気付いたリアは顔を上げると目の間に黒い瘴気の塊が集まり、そこから数体の怨霊が現れた
「怨霊・・・!」
「怨霊だって・・・!?」
「・・・っ! 浮雲さんは、見世の中に入っていて! おれがあいつ、やっつけてやるから!」
「善次郎!?」
「コハクくん、来るよ!」
「うん! はあっ!」
言うとコハクは直ぐに怨霊の方へ向かって行き攻撃を仕掛け、リアも地を蹴って駆け出し瞬時にナイフを投げる
怨霊は3体、リアもコハクも1体ずつ倒し、残るは1体だけ
それを確認するとリアもコハクも目で合図し小さく頷いた後駆け出し、リアが怨霊の動きを封じるようにナイフを投げ怨霊に隙が出来た所を見計らってコハクが一撃を与えると怨霊は悲鳴を上げて消えていった
「・・・もう大丈夫みたいね」
「うん・・・」
他に怨霊の気配がない事を確認するとリアはナイフをホルダーにしまい、コハクも自身の左腕の力を抑えた
「はあ、強いんだね。お前さん達」
見世に入ってリアとコハクの戦っている様子を見ていた浮雲が二人の元へ戻って来ながらそう言ってコハクを見る
「けど、善次郎・・・その体・・・何か強い薬でも飲んだのかい?」
「・・・・」
浮雲の言葉にコハクの綺麗な琥珀色の瞳が一瞬不安の色を見せ揺らいだ
「まあ、あれだけの病から立ち直ったんだ。自分の名前も忘れちまう程、お前も大変だったんだね」
「貴女は・・・おれの体が、怖くないの?」
「そりゃあ、不思議ではあるけれどこうして元気なお前の姿を見られた。それで、十分だよ」
「浮雲さん・・・」
だが浮雲からは思ってもいなかった言葉が返ってきてコハクは驚いていた
「・・・母さんが生きていても同じ事を言ってくれたかな?」
「何を野暮な事言ってるんだい。墓にでも行って聞いてみな。当然だって答えが返ってくるさ」
「・・・そっか」
「そうだ、お前、今、暮らし向きはどうなってるんだい? もし、困っているならあたしを頼ってよ」
「え?」
「米七の子供なら、あたしにとっても可愛い子供だ。少しは力になるよ」
「・・・・」
米七の言葉を聞くとコハクは少しだけ考える顔をしたが直ぐに答えた
「・・・ううん、心配しないで。おれ、名前失くしてから縁あって、ある人に雇われたんだ」
「本当かい?」
「本当だよ。立派なお邸に住まわせてもらって小間使いやってる。三食きっちり食べられるし、お給金も良い。リアさんも同じお邸に住んでるんだ」
「へえ、良かったじゃないか。なら、余計な心配だったね。・・・お前が一人前になって自分の道を見つけたなら応援するよ」
「うん・・・ありがとう」
浮雲の言葉にコハクはいつもの明るい笑顔でお礼を言った
「ああ、いけない。そろそろお座敷に出ないとね。・・・じゃあ、善次郎、達者に暮らすんだよ」
「うん、浮雲さんも。母さんの事、大事に想ってくれて本当にありがとう」
コハクの言葉を聞くとリアもお礼の意味も込めて浮雲に会釈すると浮雲は嬉しそうな笑顔を見せて同じように会釈をして見世へと戻って行った
途端、急に手に何かが触れたと思ったらコハクがリアの手を握っていた
「行こう、リアさん」
「・・・コハクくん、良かったの?」
「うん、良いんだ。おれ達も戻ろう」
そう言ってコハクはいつもの笑顔を見せてリアの手を引いて歩き出し、自然とリアも歩みを進める形になる
「良かったね、コハクくんの事知ってくれている人がいて」
「うん・・・」
須崎から離れた後、コハクの口数は減っていた
コハクが須崎を出た記憶を思い出しても、まだ完全に記憶を思い出せていない
それでもコハクの事を大事に思っていてくれた人がいる事が解ったが、たった一人の肉親である母親は既に亡くなっていたのだ
その事実を知って直ぐに気分が浮上するのはとても無理な話だ
『・・・でも、家について思い出そうとすると頭がいっそうざわめくんだ。「思い出したらいけない」って・・・まるで警告みたいに・・・』
以前コハクの記憶の手掛かりを探す手伝いをしている時にこう言っていた
今にして思うとそれはきっと母親の死を予感して知りたくないと思っていたからかもしれないとリアは思った
「でもコハクくんの事を大事に思ってくれていた人が居たって解っただけでも私は嬉しいよ」
「リアさん・・・。うん、おれもしみじみとそう感じていたとこ」
言うとコハクは歩みを止めて空を見た後ゆっくりとリアを見て言う
「どうして、家の事思い出すのを怖がってたんだろう。おれは母さんから沢山の愛情を貰っていたのに、忘れていたんじゃ可哀想だ。大切にされていた分、おれは母さんの命の分まで生きてかなきゃいけないんだから」
そしてコハクはリアの手を離しいつもの明るい笑顔で言う
「―― 思い出せて良かった。霧が晴れて、目の前が開けた感じがする。根無し草じゃない、・・・本当のおれになれた」
その笑顔は吹っ切れた顔をしていていつも以上に明るくて綺麗な笑顔をしていた
「コハクくん・・・うん、本当に良かったね」
リアも嬉しくなり笑顔で言う
「でも、一番感謝してるのはリアさんが着いて来てくれた事なんだ。リアさんがおれの背中を押して勇気をくれたから。だから――」
「えっ!」
そのままリアの腕を引き
「ありがとう。おれの、最高の聖母様 ――」
抱きしめお礼を言った
*
暫くしてリアとコハクは蠱惑の森へ向かって行き今は邸を目指して歩いていた
「思い出した事、後でダリウスさん達に話すの?」
「うん。だからその時は、リアさんも一緒に居て欲しいんだけど・・」
「それは勿論構わないよ。じゃあ夕食後にしようか。その方がコハクくんも落ちついて話せると思うし」
「うん。リアさんが居てくれたらすっごく心強いよ」
と話しているうちに邸が見えてきた
その後、夕食を終え、コハクはダリウス達に自分が思い出した記憶の事を話した
「―― それが、おれの取り戻した記憶だよ」
「生まれは須崎だったんですね・・・」
「・・・どんな心境の変化だ? 生まれについては思い出すの敬遠してたくせに」
「それはリアさんの影響。おれを応援してくれたから。リアさんが須崎まで着いて来てくれたお陰でおれは過去と向き合えた」
「それで今日二人で出掛けていたんですね」
コハクとルードの言葉に一斉に視線が集まったような気がした
「・・・そう。良かったね、コハク」
それでもコハクが記憶を取り戻した事が嬉しかったのかダリウスも嬉しそうな顔をしてそう言った
「・・・いえ。でも、一応報告はしたけど―― この記憶じゃダリウスさんが知りたい情報は得られていないよね? おれが須崎を出てどうして憑闇になったかは謎のままだ」
「まあ、それはそうだけど・・・君が記憶を取り戻し始めた事に大きな意義を感じるよ。とっかかりが一つ見つかればまた何か記憶が蘇るかもしれない」
「そう願いたいですね」
「だから、コハク、悪いけど記憶が完全に戻るまではうちの子でいてくれるかい?」
「・・・はい。大丈夫です。―― と言うか、おれ、梓さんが利用されてるのが嫌だっただけで・・・ダリウスさん達の事は特別、悪い人とは思ってないし。こんなおれを気味悪がらず雇ってくれてるんだもの・・・沢山感謝してます」
コハクの言葉にリアもダリウスもルードも虎も安心したように笑っていた
おまけ
「それにしても、随分とコハクに懐かれたようだね、リア」
「は、はい・・・」
あれから暫くして話は終わり解散となったのだがリアが側にいてくれた事に感謝してコハクはまたリアに抱きついていた
普段からコハクがリアや梓に抱きつく所を見ていたからダリウス達も見慣れてはいたが、今日はいつも以上に長く、そして何処か今までとは違う空気を感じていた
「・・・コハク、いつまでそいつに抱きついてんだ?」
「良いじゃん。“おれの”聖母様なんだし」
「・・・おれの・・・?」
頬を膨らませて言うコハクの言葉にルードは疑問を持ち、
「・・・どう言う意味だ、それ・・」
「え、えっと・・・ι」
険しい表情を浮かべて虎がリアを見て言い、
「・・・そこは俺もはっきりと聞いておきたいかな」
ダリウスもにっこりと笑ってはいたが、その笑顔が逆に凄く怖いと感じていた
「コハク、リアさん、説明してもらえますか?」
ルードも鋭い目つきでそう言い、リアは早くこの怖い光景から解放されたいと思っていた
続く
あとがき
はい、と言う事で、無事にコハクが記憶を取り戻してダリウス達に報告する所まで行きましたっ!
まだ完璧に記憶を取り戻せてないけど、大事な記憶を思い出せて良かったね、コハク!
ほんとこの子はええ子や・・・
そしてあざとい!ww
何だかんだで結構甘いとこ多いし、最後のおまけもやってくれたしね!
でもほんと、おまけのあのシーンは・・・怖いよね(^_^;)w
コハクは動じてなかったけどリアちゃんは一人怯えたよねw
このシーンボイスないのに鮮明に脳内再生されるww
さて、コハクのお当番回が終わったので次は誰行くかなー
あ、でも、あっちの人達とも会わせないといけないからそっち先に書くかもです
どうなるかまだ解んないですが、次回もお楽しみに!
2015.06.26
そこでコハクが以前歌っていた歌を歌っている女性、浮雲と出会い彼女にコハクに見覚えがあるかと聞くと浮雲はコハクを“善次郎”と呼び欄干から降りてコハクの前に着た
そして浮雲と話しているうちにコハクは忘れていた記憶を思い出したのだった
16.大切な記憶(後編)
「・・・そうか、思い出した。おれ、それで遊郭を出たんだ・・・」
「米七は、最期の最期までお前の事を気に掛けていたよ」
「っ・・・」
コハクの思い出した事と浮雲の言葉を聞きリアも表情を変える
「米七だけじゃない。あの病で死んだもんはこの界隈では大勢いたんだ。だから、お前も野垂れ死んだものと諦めてた・・・本当に驚いたよ」
浮雲は目元に浮かんでいた涙を払い、優しい表情をしてコハクを見る
「すっかり体は良くなったんだねえ。どこぞで、良い薬でも手に入ったのかい?」
「あ・・・違うんだ。この体は ―――」
「! 空気が変わった・・・まさか!」
空気が変わった事にいち早く気付いたリアは顔を上げると目の間に黒い瘴気の塊が集まり、そこから数体の怨霊が現れた
「怨霊・・・!」
「怨霊だって・・・!?」
「・・・っ! 浮雲さんは、見世の中に入っていて! おれがあいつ、やっつけてやるから!」
「善次郎!?」
「コハクくん、来るよ!」
「うん! はあっ!」
言うとコハクは直ぐに怨霊の方へ向かって行き攻撃を仕掛け、リアも地を蹴って駆け出し瞬時にナイフを投げる
怨霊は3体、リアもコハクも1体ずつ倒し、残るは1体だけ
それを確認するとリアもコハクも目で合図し小さく頷いた後駆け出し、リアが怨霊の動きを封じるようにナイフを投げ怨霊に隙が出来た所を見計らってコハクが一撃を与えると怨霊は悲鳴を上げて消えていった
「・・・もう大丈夫みたいね」
「うん・・・」
他に怨霊の気配がない事を確認するとリアはナイフをホルダーにしまい、コハクも自身の左腕の力を抑えた
「はあ、強いんだね。お前さん達」
見世に入ってリアとコハクの戦っている様子を見ていた浮雲が二人の元へ戻って来ながらそう言ってコハクを見る
「けど、善次郎・・・その体・・・何か強い薬でも飲んだのかい?」
「・・・・」
浮雲の言葉にコハクの綺麗な琥珀色の瞳が一瞬不安の色を見せ揺らいだ
「まあ、あれだけの病から立ち直ったんだ。自分の名前も忘れちまう程、お前も大変だったんだね」
「貴女は・・・おれの体が、怖くないの?」
「そりゃあ、不思議ではあるけれどこうして元気なお前の姿を見られた。それで、十分だよ」
「浮雲さん・・・」
だが浮雲からは思ってもいなかった言葉が返ってきてコハクは驚いていた
「・・・母さんが生きていても同じ事を言ってくれたかな?」
「何を野暮な事言ってるんだい。墓にでも行って聞いてみな。当然だって答えが返ってくるさ」
「・・・そっか」
「そうだ、お前、今、暮らし向きはどうなってるんだい? もし、困っているならあたしを頼ってよ」
「え?」
「米七の子供なら、あたしにとっても可愛い子供だ。少しは力になるよ」
「・・・・」
米七の言葉を聞くとコハクは少しだけ考える顔をしたが直ぐに答えた
「・・・ううん、心配しないで。おれ、名前失くしてから縁あって、ある人に雇われたんだ」
「本当かい?」
「本当だよ。立派なお邸に住まわせてもらって小間使いやってる。三食きっちり食べられるし、お給金も良い。リアさんも同じお邸に住んでるんだ」
「へえ、良かったじゃないか。なら、余計な心配だったね。・・・お前が一人前になって自分の道を見つけたなら応援するよ」
「うん・・・ありがとう」
浮雲の言葉にコハクはいつもの明るい笑顔でお礼を言った
「ああ、いけない。そろそろお座敷に出ないとね。・・・じゃあ、善次郎、達者に暮らすんだよ」
「うん、浮雲さんも。母さんの事、大事に想ってくれて本当にありがとう」
コハクの言葉を聞くとリアもお礼の意味も込めて浮雲に会釈すると浮雲は嬉しそうな笑顔を見せて同じように会釈をして見世へと戻って行った
途端、急に手に何かが触れたと思ったらコハクがリアの手を握っていた
「行こう、リアさん」
「・・・コハクくん、良かったの?」
「うん、良いんだ。おれ達も戻ろう」
そう言ってコハクはいつもの笑顔を見せてリアの手を引いて歩き出し、自然とリアも歩みを進める形になる
「良かったね、コハクくんの事知ってくれている人がいて」
「うん・・・」
須崎から離れた後、コハクの口数は減っていた
コハクが須崎を出た記憶を思い出しても、まだ完全に記憶を思い出せていない
それでもコハクの事を大事に思っていてくれた人がいる事が解ったが、たった一人の肉親である母親は既に亡くなっていたのだ
その事実を知って直ぐに気分が浮上するのはとても無理な話だ
『・・・でも、家について思い出そうとすると頭がいっそうざわめくんだ。「思い出したらいけない」って・・・まるで警告みたいに・・・』
以前コハクの記憶の手掛かりを探す手伝いをしている時にこう言っていた
今にして思うとそれはきっと母親の死を予感して知りたくないと思っていたからかもしれないとリアは思った
「でもコハクくんの事を大事に思ってくれていた人が居たって解っただけでも私は嬉しいよ」
「リアさん・・・。うん、おれもしみじみとそう感じていたとこ」
言うとコハクは歩みを止めて空を見た後ゆっくりとリアを見て言う
「どうして、家の事思い出すのを怖がってたんだろう。おれは母さんから沢山の愛情を貰っていたのに、忘れていたんじゃ可哀想だ。大切にされていた分、おれは母さんの命の分まで生きてかなきゃいけないんだから」
そしてコハクはリアの手を離しいつもの明るい笑顔で言う
「―― 思い出せて良かった。霧が晴れて、目の前が開けた感じがする。根無し草じゃない、・・・本当のおれになれた」
その笑顔は吹っ切れた顔をしていていつも以上に明るくて綺麗な笑顔をしていた
「コハクくん・・・うん、本当に良かったね」
リアも嬉しくなり笑顔で言う
「でも、一番感謝してるのはリアさんが着いて来てくれた事なんだ。リアさんがおれの背中を押して勇気をくれたから。だから――」
「えっ!」
そのままリアの腕を引き
「ありがとう。おれの、最高の聖母様 ――」
抱きしめお礼を言った
*
暫くしてリアとコハクは蠱惑の森へ向かって行き今は邸を目指して歩いていた
「思い出した事、後でダリウスさん達に話すの?」
「うん。だからその時は、リアさんも一緒に居て欲しいんだけど・・」
「それは勿論構わないよ。じゃあ夕食後にしようか。その方がコハクくんも落ちついて話せると思うし」
「うん。リアさんが居てくれたらすっごく心強いよ」
と話しているうちに邸が見えてきた
その後、夕食を終え、コハクはダリウス達に自分が思い出した記憶の事を話した
「―― それが、おれの取り戻した記憶だよ」
「生まれは須崎だったんですね・・・」
「・・・どんな心境の変化だ? 生まれについては思い出すの敬遠してたくせに」
「それはリアさんの影響。おれを応援してくれたから。リアさんが須崎まで着いて来てくれたお陰でおれは過去と向き合えた」
「それで今日二人で出掛けていたんですね」
コハクとルードの言葉に一斉に視線が集まったような気がした
「・・・そう。良かったね、コハク」
それでもコハクが記憶を取り戻した事が嬉しかったのかダリウスも嬉しそうな顔をしてそう言った
「・・・いえ。でも、一応報告はしたけど―― この記憶じゃダリウスさんが知りたい情報は得られていないよね? おれが須崎を出てどうして憑闇になったかは謎のままだ」
「まあ、それはそうだけど・・・君が記憶を取り戻し始めた事に大きな意義を感じるよ。とっかかりが一つ見つかればまた何か記憶が蘇るかもしれない」
「そう願いたいですね」
「だから、コハク、悪いけど記憶が完全に戻るまではうちの子でいてくれるかい?」
「・・・はい。大丈夫です。―― と言うか、おれ、梓さんが利用されてるのが嫌だっただけで・・・ダリウスさん達の事は特別、悪い人とは思ってないし。こんなおれを気味悪がらず雇ってくれてるんだもの・・・沢山感謝してます」
コハクの言葉にリアもダリウスもルードも虎も安心したように笑っていた
おまけ
「それにしても、随分とコハクに懐かれたようだね、リア」
「は、はい・・・」
あれから暫くして話は終わり解散となったのだがリアが側にいてくれた事に感謝してコハクはまたリアに抱きついていた
普段からコハクがリアや梓に抱きつく所を見ていたからダリウス達も見慣れてはいたが、今日はいつも以上に長く、そして何処か今までとは違う空気を感じていた
「・・・コハク、いつまでそいつに抱きついてんだ?」
「良いじゃん。“おれの”聖母様なんだし」
「・・・おれの・・・?」
頬を膨らませて言うコハクの言葉にルードは疑問を持ち、
「・・・どう言う意味だ、それ・・」
「え、えっと・・・ι」
険しい表情を浮かべて虎がリアを見て言い、
「・・・そこは俺もはっきりと聞いておきたいかな」
ダリウスもにっこりと笑ってはいたが、その笑顔が逆に凄く怖いと感じていた
「コハク、リアさん、説明してもらえますか?」
ルードも鋭い目つきでそう言い、リアは早くこの怖い光景から解放されたいと思っていた
続く
あとがき
はい、と言う事で、無事にコハクが記憶を取り戻してダリウス達に報告する所まで行きましたっ!
まだ完璧に記憶を取り戻せてないけど、大事な記憶を思い出せて良かったね、コハク!
ほんとこの子はええ子や・・・
そしてあざとい!ww
何だかんだで結構甘いとこ多いし、最後のおまけもやってくれたしね!
でもほんと、おまけのあのシーンは・・・怖いよね(^_^;)w
コハクは動じてなかったけどリアちゃんは一人怯えたよねw
このシーンボイスないのに鮮明に脳内再生されるww
さて、コハクのお当番回が終わったので次は誰行くかなー
あ、でも、あっちの人達とも会わせないといけないからそっち先に書くかもです
どうなるかまだ解んないですが、次回もお楽しみに!
2015.06.26