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「愛宕山? それが次の神子召喚の儀式が行われる場所ですか」
リアとルードはいつものように朝食を作りコハクも皿を準備したりと言う簡単な手伝いをしていると、梓が三人を呼びに来てダリウスと虎からの話しを聞いていた
今朝、虎はダリウスの頼みで街に出掛けていたが、その場所は村雨の所だったようだ
村雨から今情報が来るとなると・・・それは1つしかなかった
それは二人目の神子召喚の日取りの事だった
「ああ、前の儀式は参謀本部だったが場所を移すらしい。まあ、確かにオレ達に妨害されておいて、同じ場所じゃ芸がないからな」
「場所を山に変えただけじゃない。警備にもかなり人数を割くだろうし・・・鬼の一族への備えとして精鋭分隊を近くに配置するだろうね」
「・・・精鋭分隊、か」
「・・・気になっていたんだけど、神子を保護する為に軍の人と争うつもりなんだよね?」
黙って話しを聞いていた梓は少しだけ眉を寄せて聞く
「必要があればやむを得ない事です」
「なるべく誰も傷つけたくないよ。話し合いで解決出来ない?」
「・・・すまないね。おそらく、それは難しい。帝国軍と鬼が立場を同じくする事は決してないんだ」
「・・・?? あのう、おれ、よく話通じてないんだけど。とりあえず、その召喚儀式ってのにみんなで出掛けるって事で良いのかな」
「・・・ああ、そうだ。召喚儀式はもう日取りも決まっている。その時には皆で出掛け、神子を迎えに行こう」
「・・・・」
「リアは今回も来ねえんだろ」
「え? どうして??」
黙って話しを聞いていたリアを見て虎が声を掛けるとコハクが疑問符を出す
「リアさんは帝都でも顔が知られています。そして精鋭分隊にも多少顔馴染みがいるんです」
「あ、そっか」
リアはミルクホールの看板娘として顔が知られている
何度か話を聞いた事があるが、その中でも精鋭分隊の人が訪れる事もあるようで、此処で鬼の一族側に居ると知られれば今後帝都で働く事は出来なくなるだろう
だから梓がこの世界に来た時にダリウス達と共にいなかったのかと納得していた
「・・当日はみんなと一緒に行けないけど、頑張ってね」
いつものように優しく微笑んで言うリアを見てコハクは「やっぱり聖母様だ~」と言っていたが、ダリウスだけは何か違う事を思っている顔をしていたが直ぐに気持ちを切り替え皆に声を掛け朝食にした
10.群青色の戸惑い
あれから数日が経ち、明日はいよいよ二人目の神子が召喚される日だった
それまでに怨霊を減らしておきたいと言う梓の頼みで今日も怨霊退治に出ていた
「お兄ちゃん、もう一回見せて~!」
「では、そこの可愛いお嬢さんのご希望にお応えして・・・今度は、・・よっと!!」
怨霊退治も終わりリアと梓が休憩を取っている間、コハクは虎から雑用を代わりにした時にお代で貰った扇子と独楽で芸を披露していた
女の子の希望に応え、扇子の上で回っている独楽を宙へと投げコハクが一回転し扇子の上に乗せると独楽は先程と逆の方向を向いて回っていて見物客から大きな歓声が上がっていた
「いつ見てもコハクくんの独楽回しは上手いわね」
「うん。この辺りで有名になってるもんね」
コハクの腕はその辺にいる大道芸の人達とはまた違った芸を見せ、最近この辺りでも評判を呼んでいた
「本当に見事なものだね」
リアと梓がコハクを見てそう言っていると聞き慣れた声が聞こえ顔を上げるといつの間にかダリウスがいた
「ダリウス。どうして此処に?」
「商談が予定より早く終わってね。コハクがこの時間に此処で独楽回しをしているのを思い出して観に来たんだ」
「梓さーん、リアさーん、お待たせー!」
コハクの声が聞こえ振り向くといつの間にか客もはけていてコハクが梓とリアの方へ走って着ていた
「あれ、ダリウスさん。もしかして観に来てたんですか?」
「ああ。コハク、また上手くなったんじゃない」
「へへ、そうかな? もしそうだったら、きっと女神様と聖母様が見守ってくれてたからだと思うな」
「なるほど、リアと梓のお陰と言う事か」
嬉しそうに笑う二人と見てリアと梓は苦笑するしかなかった
「ルードくんは先に帰ったんですか?」
「ああ。・・あの姿で此処には来たくないだろうしね」
「?? ダリウスさん、何か言いました?」
「いや、なんでもないよ」
ダリウスはリアにだけ聞こえるようにそう言い、リアは更に苦笑するしかなかった
この二人はまだルードのあの姿を知らないのだから
それにそろそろ夕食の準備に取り掛かる時間でもあるから先に帰ったのだろう
「じゃあ時間も良いし、そろそろ帰ろうか」
「そうですね。私も帰って夕飯作らなきゃいけないし」
「あ、なら私も手伝う」
「おれも!」
「ありがとう」
「ふふ、みんな働き者だね」
夕焼け空に近付き始め、四人で帰路に着いた
その夜、
トントン
「はい?」
「リア、俺だけど、今ちょっと良いかな?」
部屋で本を読んでいると扉をノックする音と聞き慣れた声が聞こえ扉を開けるとダリウスがいた
「ダリウスさん、どうしたんですか?」
「夜更けにごめんね。これから夜の景色を見に行こうと思っているんだけど、一緒にどう?」
夜の景色、ダリウスがそう言う場所はあそこしかなかった
「はい。是非ご一緒したいです」
「良かった。なら行こうか。夏でも夜は冷えるから上着を羽織っておいで」
「はい」
ダリウスの言葉に頷き部屋から上着を羽織って階下に行くと丁度ルードに出掛けると言い終わったダリウスがいた
「では行こうか」
「はい」
ダリウスの手を取ると一瞬で景色が変わる
「少し暗いから足下に気を付けるんだよ」
「はい。・・・」
ダリウスと共にやって着たのは東京駅の屋根の上だった
ダリウスから少し離れた所に腰掛け景色を眺めだす
此処から見える景色は昼間とは違い辺りの建物や街灯の灯りが光の粒となって多く見え、綺麗な光景が広がる
「・・・やっぱり此処からの景色は綺麗ですね」
「ああ。いつ見ても鮮やかに映るね」
蠱惑の森は此処と違って神秘的な場所であり、ダリウス達以外あの景色は知らない
それはこの東京駅の屋根の上から見える景色も同じだった
リアもダリウスもこの場所が気に入っていた
暫く景色を眺めていると急に背後から温かさを感じ振り返るとダリウスに抱きしめられていた
「・・・あの、・・ダリウス、さん・・?」
「なあに?」
「・・どうして、抱きしめられているんでしょうか・・?」
「俺がそうしたかったから」
「えっと・・・」
「ふふ、照れて可愛いね。でも、たまにコハクにも聖母様って言われて抱きつかれるだろう。それとも俺に抱きしめられるのは嫌?」
「い、嫌と言う訳ではないです・・! その・・、恥ずかしい・・だけ、です・・///」
リアの反応を見てダリウスはまた楽しそうに笑う
「本当にリアは可愛いね。こんなに可愛い姿は他の人には見せたくないな」
その言葉にリアは何も言えず顔を赤くして視線を逸らしていると
「・・・けど、もうすぐ俺は、君を傷つけ悲しませてしまうだろう」
「え・・?」
先程と打って変わった声でそう言われた後、少しだけ身体を引き寄せられた
「・・ダリウス・・さん・・・?」
「・・・・」
ダリウスの方を見ると綺麗な顔立ちをし群青色の瞳に吸い込まれるように魅入ってしまう
だが、その瞳は何処か不安の色が混ざっているのを感じた
「そうだ、明日の夜は念の為ハイカラヤに居なさい」
先程の言葉が気になりその事を聞こうとしていると話題を変えられてしまう
「村雨さんの所ですか?」
「ああ。時間になったら俺が送っていくよ」
一人不安な状態でいるよりハイカラヤにいる方がまだ気が紛れると思いそう言ってくれたのだろう
「もう少ししたら帰ろうか。あまり遅くなるとルードが心配する」
「そうですね」
そう言ったものの、ダリウスは未だにリアを離す様子はない
「あの・・・・」
「ん? やっぱり嫌かな?」
「いえ、そうじゃなくて・・・」
そこで一旦言葉を切り思っていた事を言ってみた
「その、ダリウスさん、何だか迷ってるような目をしてたので・・・」
「・・・・」
リアの言葉に一瞬ダリウスは黙ってしまう
「・・・明日の事を考えると不安になってるのは私だけじゃないんだなって」
「・・・・」
その言葉を聞き、ダリウスはリアを見た後少し宙 を仰いだ
お互い不安に思っている事は同じであり違っていた
ダリウスは明日の神子奪還の為に必要としている事はルードと虎にしか話していない
それはリアを傷つけない為でもあった
だが、明日使おうとしている手段はあくまでもそれは最終手段の一つではあるが、必ずその手段を使わなければと言う確信があった
そしてそれはリアだけでなく梓も傷つけてしまう事も知っていた
「・・・っ」
「え? ダリウスさん!?」
辛い顔をしたかと思ったら今度は先程より強く抱きしめられリアは驚いてしまうが身動きが取れない
「・・・リア、君は何が遭っても俺の―― 俺達の側にいてほしい」
「え・・・?」
すっぽりと腕の中に埋まっている為、表情は見えなかったがその言葉に頷いて答えた
「勿論ですよ。明日は一緒に行けないですけど、私に出来る事があれば言って下さい」
同じく表情は見えないが今はいつもの優しい笑顔をして言っているのだろうと想像が付いた
「なら、もう少し、このままでいさせてくれる?」
「・・・恥ずかしいですけど・・それでダリウスさんの気が済むなら・・」
「ふふ、ありがとう」
リアの返事を聞くとダリウスはいつもの様に笑いリアを抱きしめ、そんなダリウスの嬉しそうな声を聞き先程までの不安はいつの間にか消えたんだなとリアも感じていた
君の言葉と温もりで感じていた不安は消えた
けれど、俺は明日、君や梓を傷つけてしまう
例え梓に否定され拒絶されたとしても、
君にどれだけ悲しい思いや顔をさせたとしても、
君だけは、ずっと、俺の傍に居て欲しい ―――
続く
あとがき
はい、今回は二人目の神子奪還前夜wをダリウスお当番で書いてみましたw
若干・・と言うかかなりダリウスルートの後半に出てくるようなものが出てしまったが、まあ良いかw
東京駅の屋根の上のシーンは好きだし、ダリウスが綺麗って言ってたから何処かで使いたかったんです
てかもうダリウスルートっぽい感じになってる気がするww
けど蠱惑の森チームまだ全員書いてないから頑張って色々書いてルート決めます!
で、最初のシーンに戻りますが、コハクの独楽回しのところも何処かで使いたかったんですよねー
久々に女神様&聖母様使えたし、ルードくんのあの姿の話しもちょこっと出たしねww それは追々出るのか出ないのか、だなwww
さて、次回はいよいよ二人目の神子奪還のところです
リアちゃんはハイカラヤにいるのでハイカラヤでの事を書いてちょっと進むと思います
では!
2015.06.22
リアとルードはいつものように朝食を作りコハクも皿を準備したりと言う簡単な手伝いをしていると、梓が三人を呼びに来てダリウスと虎からの話しを聞いていた
今朝、虎はダリウスの頼みで街に出掛けていたが、その場所は村雨の所だったようだ
村雨から今情報が来るとなると・・・それは1つしかなかった
それは二人目の神子召喚の日取りの事だった
「ああ、前の儀式は参謀本部だったが場所を移すらしい。まあ、確かにオレ達に妨害されておいて、同じ場所じゃ芸がないからな」
「場所を山に変えただけじゃない。警備にもかなり人数を割くだろうし・・・鬼の一族への備えとして精鋭分隊を近くに配置するだろうね」
「・・・精鋭分隊、か」
「・・・気になっていたんだけど、神子を保護する為に軍の人と争うつもりなんだよね?」
黙って話しを聞いていた梓は少しだけ眉を寄せて聞く
「必要があればやむを得ない事です」
「なるべく誰も傷つけたくないよ。話し合いで解決出来ない?」
「・・・すまないね。おそらく、それは難しい。帝国軍と鬼が立場を同じくする事は決してないんだ」
「・・・?? あのう、おれ、よく話通じてないんだけど。とりあえず、その召喚儀式ってのにみんなで出掛けるって事で良いのかな」
「・・・ああ、そうだ。召喚儀式はもう日取りも決まっている。その時には皆で出掛け、神子を迎えに行こう」
「・・・・」
「リアは今回も来ねえんだろ」
「え? どうして??」
黙って話しを聞いていたリアを見て虎が声を掛けるとコハクが疑問符を出す
「リアさんは帝都でも顔が知られています。そして精鋭分隊にも多少顔馴染みがいるんです」
「あ、そっか」
リアはミルクホールの看板娘として顔が知られている
何度か話を聞いた事があるが、その中でも精鋭分隊の人が訪れる事もあるようで、此処で鬼の一族側に居ると知られれば今後帝都で働く事は出来なくなるだろう
だから梓がこの世界に来た時にダリウス達と共にいなかったのかと納得していた
「・・当日はみんなと一緒に行けないけど、頑張ってね」
いつものように優しく微笑んで言うリアを見てコハクは「やっぱり聖母様だ~」と言っていたが、ダリウスだけは何か違う事を思っている顔をしていたが直ぐに気持ちを切り替え皆に声を掛け朝食にした
10.群青色の戸惑い
あれから数日が経ち、明日はいよいよ二人目の神子が召喚される日だった
それまでに怨霊を減らしておきたいと言う梓の頼みで今日も怨霊退治に出ていた
「お兄ちゃん、もう一回見せて~!」
「では、そこの可愛いお嬢さんのご希望にお応えして・・・今度は、・・よっと!!」
怨霊退治も終わりリアと梓が休憩を取っている間、コハクは虎から雑用を代わりにした時にお代で貰った扇子と独楽で芸を披露していた
女の子の希望に応え、扇子の上で回っている独楽を宙へと投げコハクが一回転し扇子の上に乗せると独楽は先程と逆の方向を向いて回っていて見物客から大きな歓声が上がっていた
「いつ見てもコハクくんの独楽回しは上手いわね」
「うん。この辺りで有名になってるもんね」
コハクの腕はその辺にいる大道芸の人達とはまた違った芸を見せ、最近この辺りでも評判を呼んでいた
「本当に見事なものだね」
リアと梓がコハクを見てそう言っていると聞き慣れた声が聞こえ顔を上げるといつの間にかダリウスがいた
「ダリウス。どうして此処に?」
「商談が予定より早く終わってね。コハクがこの時間に此処で独楽回しをしているのを思い出して観に来たんだ」
「梓さーん、リアさーん、お待たせー!」
コハクの声が聞こえ振り向くといつの間にか客もはけていてコハクが梓とリアの方へ走って着ていた
「あれ、ダリウスさん。もしかして観に来てたんですか?」
「ああ。コハク、また上手くなったんじゃない」
「へへ、そうかな? もしそうだったら、きっと女神様と聖母様が見守ってくれてたからだと思うな」
「なるほど、リアと梓のお陰と言う事か」
嬉しそうに笑う二人と見てリアと梓は苦笑するしかなかった
「ルードくんは先に帰ったんですか?」
「ああ。・・あの姿で此処には来たくないだろうしね」
「?? ダリウスさん、何か言いました?」
「いや、なんでもないよ」
ダリウスはリアにだけ聞こえるようにそう言い、リアは更に苦笑するしかなかった
この二人はまだルードのあの姿を知らないのだから
それにそろそろ夕食の準備に取り掛かる時間でもあるから先に帰ったのだろう
「じゃあ時間も良いし、そろそろ帰ろうか」
「そうですね。私も帰って夕飯作らなきゃいけないし」
「あ、なら私も手伝う」
「おれも!」
「ありがとう」
「ふふ、みんな働き者だね」
夕焼け空に近付き始め、四人で帰路に着いた
その夜、
トントン
「はい?」
「リア、俺だけど、今ちょっと良いかな?」
部屋で本を読んでいると扉をノックする音と聞き慣れた声が聞こえ扉を開けるとダリウスがいた
「ダリウスさん、どうしたんですか?」
「夜更けにごめんね。これから夜の景色を見に行こうと思っているんだけど、一緒にどう?」
夜の景色、ダリウスがそう言う場所はあそこしかなかった
「はい。是非ご一緒したいです」
「良かった。なら行こうか。夏でも夜は冷えるから上着を羽織っておいで」
「はい」
ダリウスの言葉に頷き部屋から上着を羽織って階下に行くと丁度ルードに出掛けると言い終わったダリウスがいた
「では行こうか」
「はい」
ダリウスの手を取ると一瞬で景色が変わる
「少し暗いから足下に気を付けるんだよ」
「はい。・・・」
ダリウスと共にやって着たのは東京駅の屋根の上だった
ダリウスから少し離れた所に腰掛け景色を眺めだす
此処から見える景色は昼間とは違い辺りの建物や街灯の灯りが光の粒となって多く見え、綺麗な光景が広がる
「・・・やっぱり此処からの景色は綺麗ですね」
「ああ。いつ見ても鮮やかに映るね」
蠱惑の森は此処と違って神秘的な場所であり、ダリウス達以外あの景色は知らない
それはこの東京駅の屋根の上から見える景色も同じだった
リアもダリウスもこの場所が気に入っていた
暫く景色を眺めていると急に背後から温かさを感じ振り返るとダリウスに抱きしめられていた
「・・・あの、・・ダリウス、さん・・?」
「なあに?」
「・・どうして、抱きしめられているんでしょうか・・?」
「俺がそうしたかったから」
「えっと・・・」
「ふふ、照れて可愛いね。でも、たまにコハクにも聖母様って言われて抱きつかれるだろう。それとも俺に抱きしめられるのは嫌?」
「い、嫌と言う訳ではないです・・! その・・、恥ずかしい・・だけ、です・・///」
リアの反応を見てダリウスはまた楽しそうに笑う
「本当にリアは可愛いね。こんなに可愛い姿は他の人には見せたくないな」
その言葉にリアは何も言えず顔を赤くして視線を逸らしていると
「・・・けど、もうすぐ俺は、君を傷つけ悲しませてしまうだろう」
「え・・?」
先程と打って変わった声でそう言われた後、少しだけ身体を引き寄せられた
「・・ダリウス・・さん・・・?」
「・・・・」
ダリウスの方を見ると綺麗な顔立ちをし群青色の瞳に吸い込まれるように魅入ってしまう
だが、その瞳は何処か不安の色が混ざっているのを感じた
「そうだ、明日の夜は念の為ハイカラヤに居なさい」
先程の言葉が気になりその事を聞こうとしていると話題を変えられてしまう
「村雨さんの所ですか?」
「ああ。時間になったら俺が送っていくよ」
一人不安な状態でいるよりハイカラヤにいる方がまだ気が紛れると思いそう言ってくれたのだろう
「もう少ししたら帰ろうか。あまり遅くなるとルードが心配する」
「そうですね」
そう言ったものの、ダリウスは未だにリアを離す様子はない
「あの・・・・」
「ん? やっぱり嫌かな?」
「いえ、そうじゃなくて・・・」
そこで一旦言葉を切り思っていた事を言ってみた
「その、ダリウスさん、何だか迷ってるような目をしてたので・・・」
「・・・・」
リアの言葉に一瞬ダリウスは黙ってしまう
「・・・明日の事を考えると不安になってるのは私だけじゃないんだなって」
「・・・・」
その言葉を聞き、ダリウスはリアを見た後少し
お互い不安に思っている事は同じであり違っていた
ダリウスは明日の神子奪還の為に必要としている事はルードと虎にしか話していない
それはリアを傷つけない為でもあった
だが、明日使おうとしている手段はあくまでもそれは最終手段の一つではあるが、必ずその手段を使わなければと言う確信があった
そしてそれはリアだけでなく梓も傷つけてしまう事も知っていた
「・・・っ」
「え? ダリウスさん!?」
辛い顔をしたかと思ったら今度は先程より強く抱きしめられリアは驚いてしまうが身動きが取れない
「・・・リア、君は何が遭っても俺の―― 俺達の側にいてほしい」
「え・・・?」
すっぽりと腕の中に埋まっている為、表情は見えなかったがその言葉に頷いて答えた
「勿論ですよ。明日は一緒に行けないですけど、私に出来る事があれば言って下さい」
同じく表情は見えないが今はいつもの優しい笑顔をして言っているのだろうと想像が付いた
「なら、もう少し、このままでいさせてくれる?」
「・・・恥ずかしいですけど・・それでダリウスさんの気が済むなら・・」
「ふふ、ありがとう」
リアの返事を聞くとダリウスはいつもの様に笑いリアを抱きしめ、そんなダリウスの嬉しそうな声を聞き先程までの不安はいつの間にか消えたんだなとリアも感じていた
君の言葉と温もりで感じていた不安は消えた
けれど、俺は明日、君や梓を傷つけてしまう
例え梓に否定され拒絶されたとしても、
君にどれだけ悲しい思いや顔をさせたとしても、
君だけは、ずっと、俺の傍に居て欲しい ―――
続く
あとがき
はい、今回は二人目の神子奪還前夜wをダリウスお当番で書いてみましたw
若干・・と言うかかなりダリウスルートの後半に出てくるようなものが出てしまったが、まあ良いかw
東京駅の屋根の上のシーンは好きだし、ダリウスが綺麗って言ってたから何処かで使いたかったんです
てかもうダリウスルートっぽい感じになってる気がするww
けど蠱惑の森チームまだ全員書いてないから頑張って色々書いてルート決めます!
で、最初のシーンに戻りますが、コハクの独楽回しのところも何処かで使いたかったんですよねー
久々に女神様&聖母様使えたし、ルードくんのあの姿の話しもちょこっと出たしねww それは追々出るのか出ないのか、だなwww
さて、次回はいよいよ二人目の神子奪還のところです
リアちゃんはハイカラヤにいるのでハイカラヤでの事を書いてちょっと進むと思います
では!
2015.06.22