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今日の怨霊退治の同行者はリアとルードだった
途中ハイカラヤの前に着きルードは買い出しに行き、その間にリアと梓はハイカラヤで一息吐く事にした
この店は紹介客しか入れない為、帝国軍人が出入りする心配もないので安心して休憩出来る
椅子に座り村雨の特製珈琲を頼もうと思い辺りを見ていると
「あれ?」
「どうしたの、梓ちゃん?」
梓の視線の先を追うと、村雨は見つかったのだが現在取り込み中のようだった
それだけなら良いのがだ、村雨と共に居たのは・・・
「・・・あの人、確か星の一族の・・」
「萩尾九段さんよ。多分梓ちゃんがこの世界に来た時に会ってるはず・・」
「うん・・・でも」
「しっ・・」
周りに聞こえないよう小声で話しその続きを聞こうとしていると、リアに静かにっ、と合図され背中越しに彼等の会話を聞く形となる
「詳しくは話せんが・・・・その『龍神の神子』が行方不明になっている。この人相書に見覚えは?」
そう聞こえちらりと見ると遠目ではあるが、人相書の絵が見えた
が、
((・・・誰?))
梓もリアも同じ事を思ってしまったようだった
辛うじて女である事は解るのだが・・・
「これが神子様ねえ・・・?」
人相書を見て村雨も渋い顔をしてぽつりと呟いていた
「一刻も早く保護せねばならない。心当たりがあれば直ぐに知らせてほしい」
「・・・ん。今のところ、この人相に見覚えはないがな。因みにこの絵はまさかお宅が?」
「うむ、そうだが何か?」
「いや・・・なかなか独創的だな」
村雨は既に梓と面識があるがどうやらその事は黙っているようだ
「しかし星の一族ともなれば占術で居場所くらい突き止められんのか?」
「いや・・・駄目だな。この方角に失せ物有りとは出たがそれ以上の事は解らぬ」
「ふうん・・・」
あながちその結果は間違いではない
まさか背中越しにいるとは思っていないだろう・・・
それを思ったのか念の為、梓は少しだけ身体を縮めリアも気配を薄くする
「何処かで危険な目に遭っていなければ良いのだが・・・」
「神子が行方知れずとなれば一大事じゃないのかね。軍は動いてないのか?」
「参謀総長に助力をお願いしたが、断られた。割く人員はないとの仰せだ。しまいには、消えた神子は捨て置いて“二人目の神子召喚”を急げ、との命令を下されてしまった」
「!」
二人目の神子召喚、その言葉にリアは少しだけ目を瞠った
それは梓も同じで一瞬振り返りそうになったが何とかそれを自制する
「その話も聞いている。一人目が見つからないなら二人目を呼べ・・・ってとこか。帝国軍は切り替えが早いな」
「・・・余りに無情だ。我には、行方知れずの神子を捨て置く事など出来ぬ。幸いにも精鋭分隊の応援は得られた。必ず探し出してみせる」
「帝国軍付きの相談役も苦労が絶えないねえ。ほい、珈琲」
「・・・・」
彼等の話を聞き梓は少し申し訳なさそうな顔をしていた
リアも此処で何度か九段と話をした事があるし、悪い人ではないと言うのも知っている
だが、今の状況で接する訳にもいかない
そして何より“二人目の神子召喚”の事、既にダリウスは知っているだろうが、この事は帰ったら報告した方が良いだろうと思っていると村雨との話が終わったのか既に九段の姿はなかった
「・・・まあ、この人相書から情報を得るのは至難の業だろうが・・・なあ、ガキ」
人相書から目を離し向かいのカウンターに座っている梓を見て言うと
「・・・! 気付いていたんですね」
「こんにちは・・・」
梓もリアもやっと体を村雨の方へ向けリアの言葉に、ん、と返事を返す
「九段が背中合わせで助かったな」
「あの人と村雨さんは知り合いなんですか?」
「以前、世話になった事がある。多少の恩義があるが・・・」
「だったら、どうして私がいる事を黙っていてくれたんです?」
「ダリウスとは情報の取引中だ。違約になっちまう。それにお宅も一緒の所を見られたらまずいだろう」
「そうですね・・」
「リアさんもさっきの人と面識があるの?」
「ええ。九段さんとは此処ハイカラヤでのお友達よ。勿論私がダリウスさん達側にいるのは村雨さんしか知らないけどね」
敢えて鬼の一族側と言わなかったのは流石リアだと関心していた
「さて、此処に来たと言う事は珈琲が目当てだろう。あんたは、ミルク入りだったな。砂糖も入れるか?」
「お願いします」
「楓月はどうする?」
「私も今日は梓ちゃんと同じでお願いします」
「ん、了解」
言うと村雨は二人のカップに珈琲を入れ、ミルクと砂糖を入れて二人の前に置いてくれた
09.星降る夜
「そう、萩尾九段と会ったんだね」
怨霊退治から戻って来たリアはダリウスの部屋を訪れハイカラヤでの出来事を話した
「背中越しだったので九段さんは気付いていませんでしたし、村雨さんも私達の事は黙ってくれていました。・・・けど、軍は二人目の神子召喚を急げと言っているそうです」
「・・・その様子だと、二人目の神子召喚儀式は近々かもしれないね」
それは多分昼間話を聞いていた村雨も思っている事だろうとリアも検討が着いた
まだダリウスの元に知らせが来ていない所を見ると村雨も二人目の神子召喚の日程を割り出している頃なのだろう
「とにかく、知らせてくれてありがとう」
「いえ。お役に立てたなら何よりです」
にこりと笑うリアを見てダリウスは小さく笑みを漏らした
「? どうかしましたか?」
「いや、最近のリアは少し大人びたように感じてね」
「そう、ですか?」
「ああ。特に梓とコハクが来てからはね」
「・・そうですね。こう言うとルードくんに怒られちゃいそうですけど、三人とも年下だから何だか一気に弟と妹が増えたみたいで」
「ルードと虎の言い合いを止めてる時もお姉さんと感じていたけど、もっとお姉さんになったかな」
ふふっ、と笑うダリウスのその顔は、まるで子供達の成長を見守る父親のようだった
「そうだ。夕食が済んだらみんなで湖に出掛けようか」
「湖にですか?」
「ああ、きっと、いいものが見られると思うよ」
*
夕食後、みんなで森の奥にある湖へとやって来た
そして目の前にある湖を見ると昼間とはまた違った光景が広がっていた
「わ、綺麗・・・! 水面が真っ青だ」
「ダリウス様が術を掛けている影響ですよ。力の陰影がさざ波にも反映しているようで不思議な光を讃えていますよね」
「うん、落ち着くよね」
コハクはこの時間に此処に来るのが初めてなのかこの湖の青さに驚いて声を上げていて、リアはこの場所が落ち着ける場所でお気に入りの一カ所でもあり、特に夜のこの光景が気に入っていた
「ダリウスは、この湖をみんなと見たかったの?」
「いいや、頭上をごらん」
「え? ・・・あ」
ダリウスに言われ皆一斉に頭上を仰ぐときらりと一筋の星が流れた
「今、星が流れた・・・?」
「あ、本当だ! おれにも見えた!」
「いくつも続いています。美しいですね」
「へえ・・・」
「綺麗・・・」
いつもの星が流星群のように流れていく
でもきっとこんなに綺麗に見えるのはこの森の中にいるから、建物など障害物が一切なく、更にこの湖の光と頭上に広がる星々の光によって神秘的に感じてしまうのだろう
「ふふ、今日は流れ星が良く見えるって予言書に出ていたけど見事、当たったね」
そう言われそう言えば予言書にそんな事が書いてあったなと思い出していると、虎がげっと声を上げた
「またまた例の予言書かよ。神子の出現だけじゃなく、星の事まで書いてあんのか」
「・・・? 予言書って何?」
「占星術を元に、数十年前に記されたものだ。最近、巷でも売れているよ。何せ、2年前の怨霊出現から帝都の終末まで予知されている」
「帝都の終末・・・」
「末尾の頁に象徴的な一文があるんだ。そらんじてあげようか」
意外な言葉を聞き梓は驚いた顔をしていたが気になったのかその言葉に頷いた
「――― 長きをもって
栄えし世にも、終末が来る
水を失い、月も消えれば
龍神の神子が舞い落ちる
神子は八つの葉を求め
龍の御世を望むが その願いは叶わない
昏くも明るき空の下 白光が時の外まで飛び
――― そして、龍神の裁きが下されるだろう」
「・・・龍神の裁き? なに、それ。なんだか怖いね」
「そう~? おれは実感沸かないよ。怨霊はいるけれど帝都は至って平和だもの。そんな騒ぎ立てる程の大事が起きるとは思えないな」
「まあ、帝都の人々の反応も大方はコハクと一緒だよ。だけど・・・表面は波立つ事はなくても、水中では、既に綻びが生じているいるのかもしれないよ?」
「「・・・・・」」
ダリウスの言葉にルードとリアは何かを思っている顔をしていたが、静かに梓達の会話の続きを聞く
「綻びって怨霊とか、憑闇の現象とか? だったら、毎日怨霊を倒していれば預言の終末は避けられるのかな?」
「・・・うーん、毎日危機の種を潰すのも大切かもしれないね。ただ、もっと良いのは諸悪の根源を見つけ元を断つ事だと思う。それが出来れば、鬼の一族も安心して、元の暮らしを営めるだろうから」
「・・・鬼の一族が、過去の平穏を取り戻す事は私にとっても、大事な使命です。私はダリウス様のご意思に従い、この身を捧げる所存です」
「・・・私も、鬼の一族とは関わりのある一族だもの。過去の平穏を取り戻す事も大事だし、何より帝都の人達に鬼の一族への疑いも晴らしたい」
「どうぞ、お館様のお好きに? オレは、金を貰えて面白い仕事なら文句ねえよ」
「おれも政虎さん側かな~。予言だの鬼だのは今いちピンと来てないけど、ただ飯食わして貰ってるし、ダリウスさんには着いていきまーす!」
「ふふっ・・・、ありがとう」
改めて皆の言葉を聞き、それぞれがそれぞれの思いを抱いてダリウスを頭にしながら集まっているんだと実感し、なんだが不思議な縁を感じていた
そして今まであまり聞いた事がなかったリアの本心も聞けて梓も元の世界に帰る為にもっと頑張ろうと意気込んだのだった
「・・・本当に星が綺麗だね。星の一族ならば、吉兆と見るか。それとも―――」
皆が星を見てはしゃいでいる中、ダリウスは夜空から降り注ぐ星を見つめ、周りに聞こえない声でぽつりとそう呟いた
続く
あとがき
やっと此処まで辿り着いた!
このシーンすっごい好きなんです!
スチルも綺麗だし何よりルードくんがフード取ってるじゃないですか!
此処何度も文字消してスチル見ちゃってましたww
そして後はやっぱり九段さん作の人相書は絶対に使いたかったので此処で使ってみましたww
や、でも、ほら、あの人相書はさ、まだ分かるから良いじゃんww
某作品の手配書より全然マシだよwww←w
それと、リアちゃんはみんなのお姉さん的存在ってのとダリウスもお父さんっぽいってのは書きたかったので此処で書いてみましたw(見ててそう思うよね?「「うん」」「まあな」「・・・ええ・・まあ」)
そして予言書のあの言葉も遂に此処で・・っと言っても1話の冒頭でリアちゃんが予言書読んでたけどねw
最後の言葉も気になる所ですが・・・次は、あそこになる・・はず・・です←え?
まだどう書こうか考え中ではありますが、次回もお楽しみにw
2015.06.22
途中ハイカラヤの前に着きルードは買い出しに行き、その間にリアと梓はハイカラヤで一息吐く事にした
この店は紹介客しか入れない為、帝国軍人が出入りする心配もないので安心して休憩出来る
椅子に座り村雨の特製珈琲を頼もうと思い辺りを見ていると
「あれ?」
「どうしたの、梓ちゃん?」
梓の視線の先を追うと、村雨は見つかったのだが現在取り込み中のようだった
それだけなら良いのがだ、村雨と共に居たのは・・・
「・・・あの人、確か星の一族の・・」
「萩尾九段さんよ。多分梓ちゃんがこの世界に来た時に会ってるはず・・」
「うん・・・でも」
「しっ・・」
周りに聞こえないよう小声で話しその続きを聞こうとしていると、リアに静かにっ、と合図され背中越しに彼等の会話を聞く形となる
「詳しくは話せんが・・・・その『龍神の神子』が行方不明になっている。この人相書に見覚えは?」
そう聞こえちらりと見ると遠目ではあるが、人相書の絵が見えた
が、
((・・・誰?))
梓もリアも同じ事を思ってしまったようだった
辛うじて女である事は解るのだが・・・
「これが神子様ねえ・・・?」
人相書を見て村雨も渋い顔をしてぽつりと呟いていた
「一刻も早く保護せねばならない。心当たりがあれば直ぐに知らせてほしい」
「・・・ん。今のところ、この人相に見覚えはないがな。因みにこの絵はまさかお宅が?」
「うむ、そうだが何か?」
「いや・・・なかなか独創的だな」
村雨は既に梓と面識があるがどうやらその事は黙っているようだ
「しかし星の一族ともなれば占術で居場所くらい突き止められんのか?」
「いや・・・駄目だな。この方角に失せ物有りとは出たがそれ以上の事は解らぬ」
「ふうん・・・」
あながちその結果は間違いではない
まさか背中越しにいるとは思っていないだろう・・・
それを思ったのか念の為、梓は少しだけ身体を縮めリアも気配を薄くする
「何処かで危険な目に遭っていなければ良いのだが・・・」
「神子が行方知れずとなれば一大事じゃないのかね。軍は動いてないのか?」
「参謀総長に助力をお願いしたが、断られた。割く人員はないとの仰せだ。しまいには、消えた神子は捨て置いて“二人目の神子召喚”を急げ、との命令を下されてしまった」
「!」
二人目の神子召喚、その言葉にリアは少しだけ目を瞠った
それは梓も同じで一瞬振り返りそうになったが何とかそれを自制する
「その話も聞いている。一人目が見つからないなら二人目を呼べ・・・ってとこか。帝国軍は切り替えが早いな」
「・・・余りに無情だ。我には、行方知れずの神子を捨て置く事など出来ぬ。幸いにも精鋭分隊の応援は得られた。必ず探し出してみせる」
「帝国軍付きの相談役も苦労が絶えないねえ。ほい、珈琲」
「・・・・」
彼等の話を聞き梓は少し申し訳なさそうな顔をしていた
リアも此処で何度か九段と話をした事があるし、悪い人ではないと言うのも知っている
だが、今の状況で接する訳にもいかない
そして何より“二人目の神子召喚”の事、既にダリウスは知っているだろうが、この事は帰ったら報告した方が良いだろうと思っていると村雨との話が終わったのか既に九段の姿はなかった
「・・・まあ、この人相書から情報を得るのは至難の業だろうが・・・なあ、ガキ」
人相書から目を離し向かいのカウンターに座っている梓を見て言うと
「・・・! 気付いていたんですね」
「こんにちは・・・」
梓もリアもやっと体を村雨の方へ向けリアの言葉に、ん、と返事を返す
「九段が背中合わせで助かったな」
「あの人と村雨さんは知り合いなんですか?」
「以前、世話になった事がある。多少の恩義があるが・・・」
「だったら、どうして私がいる事を黙っていてくれたんです?」
「ダリウスとは情報の取引中だ。違約になっちまう。それにお宅も一緒の所を見られたらまずいだろう」
「そうですね・・」
「リアさんもさっきの人と面識があるの?」
「ええ。九段さんとは此処ハイカラヤでのお友達よ。勿論私がダリウスさん達側にいるのは村雨さんしか知らないけどね」
敢えて鬼の一族側と言わなかったのは流石リアだと関心していた
「さて、此処に来たと言う事は珈琲が目当てだろう。あんたは、ミルク入りだったな。砂糖も入れるか?」
「お願いします」
「楓月はどうする?」
「私も今日は梓ちゃんと同じでお願いします」
「ん、了解」
言うと村雨は二人のカップに珈琲を入れ、ミルクと砂糖を入れて二人の前に置いてくれた
09.星降る夜
「そう、萩尾九段と会ったんだね」
怨霊退治から戻って来たリアはダリウスの部屋を訪れハイカラヤでの出来事を話した
「背中越しだったので九段さんは気付いていませんでしたし、村雨さんも私達の事は黙ってくれていました。・・・けど、軍は二人目の神子召喚を急げと言っているそうです」
「・・・その様子だと、二人目の神子召喚儀式は近々かもしれないね」
それは多分昼間話を聞いていた村雨も思っている事だろうとリアも検討が着いた
まだダリウスの元に知らせが来ていない所を見ると村雨も二人目の神子召喚の日程を割り出している頃なのだろう
「とにかく、知らせてくれてありがとう」
「いえ。お役に立てたなら何よりです」
にこりと笑うリアを見てダリウスは小さく笑みを漏らした
「? どうかしましたか?」
「いや、最近のリアは少し大人びたように感じてね」
「そう、ですか?」
「ああ。特に梓とコハクが来てからはね」
「・・そうですね。こう言うとルードくんに怒られちゃいそうですけど、三人とも年下だから何だか一気に弟と妹が増えたみたいで」
「ルードと虎の言い合いを止めてる時もお姉さんと感じていたけど、もっとお姉さんになったかな」
ふふっ、と笑うダリウスのその顔は、まるで子供達の成長を見守る父親のようだった
「そうだ。夕食が済んだらみんなで湖に出掛けようか」
「湖にですか?」
「ああ、きっと、いいものが見られると思うよ」
*
夕食後、みんなで森の奥にある湖へとやって来た
そして目の前にある湖を見ると昼間とはまた違った光景が広がっていた
「わ、綺麗・・・! 水面が真っ青だ」
「ダリウス様が術を掛けている影響ですよ。力の陰影がさざ波にも反映しているようで不思議な光を讃えていますよね」
「うん、落ち着くよね」
コハクはこの時間に此処に来るのが初めてなのかこの湖の青さに驚いて声を上げていて、リアはこの場所が落ち着ける場所でお気に入りの一カ所でもあり、特に夜のこの光景が気に入っていた
「ダリウスは、この湖をみんなと見たかったの?」
「いいや、頭上をごらん」
「え? ・・・あ」
ダリウスに言われ皆一斉に頭上を仰ぐときらりと一筋の星が流れた
「今、星が流れた・・・?」
「あ、本当だ! おれにも見えた!」
「いくつも続いています。美しいですね」
「へえ・・・」
「綺麗・・・」
いつもの星が流星群のように流れていく
でもきっとこんなに綺麗に見えるのはこの森の中にいるから、建物など障害物が一切なく、更にこの湖の光と頭上に広がる星々の光によって神秘的に感じてしまうのだろう
「ふふ、今日は流れ星が良く見えるって予言書に出ていたけど見事、当たったね」
そう言われそう言えば予言書にそんな事が書いてあったなと思い出していると、虎がげっと声を上げた
「またまた例の予言書かよ。神子の出現だけじゃなく、星の事まで書いてあんのか」
「・・・? 予言書って何?」
「占星術を元に、数十年前に記されたものだ。最近、巷でも売れているよ。何せ、2年前の怨霊出現から帝都の終末まで予知されている」
「帝都の終末・・・」
「末尾の頁に象徴的な一文があるんだ。そらんじてあげようか」
意外な言葉を聞き梓は驚いた顔をしていたが気になったのかその言葉に頷いた
「――― 長きをもって
栄えし世にも、終末が来る
水を失い、月も消えれば
龍神の神子が舞い落ちる
神子は八つの葉を求め
龍の御世を望むが その願いは叶わない
昏くも明るき空の下 白光が時の外まで飛び
――― そして、龍神の裁きが下されるだろう」
「・・・龍神の裁き? なに、それ。なんだか怖いね」
「そう~? おれは実感沸かないよ。怨霊はいるけれど帝都は至って平和だもの。そんな騒ぎ立てる程の大事が起きるとは思えないな」
「まあ、帝都の人々の反応も大方はコハクと一緒だよ。だけど・・・表面は波立つ事はなくても、水中では、既に綻びが生じているいるのかもしれないよ?」
「「・・・・・」」
ダリウスの言葉にルードとリアは何かを思っている顔をしていたが、静かに梓達の会話の続きを聞く
「綻びって怨霊とか、憑闇の現象とか? だったら、毎日怨霊を倒していれば預言の終末は避けられるのかな?」
「・・・うーん、毎日危機の種を潰すのも大切かもしれないね。ただ、もっと良いのは諸悪の根源を見つけ元を断つ事だと思う。それが出来れば、鬼の一族も安心して、元の暮らしを営めるだろうから」
「・・・鬼の一族が、過去の平穏を取り戻す事は私にとっても、大事な使命です。私はダリウス様のご意思に従い、この身を捧げる所存です」
「・・・私も、鬼の一族とは関わりのある一族だもの。過去の平穏を取り戻す事も大事だし、何より帝都の人達に鬼の一族への疑いも晴らしたい」
「どうぞ、お館様のお好きに? オレは、金を貰えて面白い仕事なら文句ねえよ」
「おれも政虎さん側かな~。予言だの鬼だのは今いちピンと来てないけど、ただ飯食わして貰ってるし、ダリウスさんには着いていきまーす!」
「ふふっ・・・、ありがとう」
改めて皆の言葉を聞き、それぞれがそれぞれの思いを抱いてダリウスを頭にしながら集まっているんだと実感し、なんだが不思議な縁を感じていた
そして今まであまり聞いた事がなかったリアの本心も聞けて梓も元の世界に帰る為にもっと頑張ろうと意気込んだのだった
「・・・本当に星が綺麗だね。星の一族ならば、吉兆と見るか。それとも―――」
皆が星を見てはしゃいでいる中、ダリウスは夜空から降り注ぐ星を見つめ、周りに聞こえない声でぽつりとそう呟いた
続く
あとがき
やっと此処まで辿り着いた!
このシーンすっごい好きなんです!
スチルも綺麗だし何よりルードくんがフード取ってるじゃないですか!
此処何度も文字消してスチル見ちゃってましたww
そして後はやっぱり九段さん作の人相書は絶対に使いたかったので此処で使ってみましたww
や、でも、ほら、あの人相書はさ、まだ分かるから良いじゃんww
某作品の手配書より全然マシだよwww←w
それと、リアちゃんはみんなのお姉さん的存在ってのとダリウスもお父さんっぽいってのは書きたかったので此処で書いてみましたw(見ててそう思うよね?「「うん」」「まあな」「・・・ええ・・まあ」)
そして予言書のあの言葉も遂に此処で・・っと言っても1話の冒頭でリアちゃんが予言書読んでたけどねw
最後の言葉も気になる所ですが・・・次は、あそこになる・・はず・・です←え?
まだどう書こうか考え中ではありますが、次回もお楽しみにw
2015.06.22