天下魔性の歌姫奪還戦
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何処からともなく聞こえて着た法螺貝の音、この音に皆聞き覚えがあった
「これは・・・」
「まさか最後にミッションがあるだなんてね・・・」
そしてひらりと何か落ちたと思ったらそれは文字になり
ボーナスミッション
楓月璃唖に想いを、愛の言葉を伝えよ!
難易度 ★★★★★★★★★★
と、文字が浮かび上がった
「ええええええええええ!?/////」
それを見てリアは思わず叫び、その間にミッションの内容が書かれた文字は消えた
「想いを伝える・・・つまりリアに私の愛を伝えると言う事だな!」
そう言って一番手を切ったのは言うまでもなく愛の義戦士、直江兼継だった
「リア、私はお前の事を愛している! 私の愛が本物だと言う事は知っているだろう、偽りはない!」
「え、あの・・///」
「そんなぬるい愛の告白じゃあお姫様は落とせないぜ?」
言うと孫市はリアを引き寄せ更に距離を縮める
「あ、あの、ま、孫市・・さん・・・?ι」
「そんなに怯えなくても大丈夫だ。俺がリアを好きなのは知ってるだろ?」
「え!? あ、あのっ!?!?///」
先ほどよりお互いの顔の距離が縮まり身体が硬直してしまう
「えええい!! 離れぬかっっ!!」「それ以上はなりませんっ!!!」
後数センチと言う所で耐え切れなくなった政宗と幸村が割って入り二人を離した
「リア殿、大丈夫ですか?」
「は、はい・・ありがとう御座います、幸村さん・・・」
「幸村、良くリアを助けてくれた」
「やはりあの男は油断ならぬ・・・」
「孫市さんらしいけど、今のは駄目かなぁ~」
「リア!」
「は、はい!」
二人のように間に割って入らなかったが三成も清正も機嫌の悪さが増していて半兵衛も面白くなさそうな顔をしてそう言っていた
が、直ぐに政宗がリアを見て名を呼びリアは慌てて返事を返す
「リア、わしのものになれっ!」
「ええええ!?!?」
びしぃっと某○○裁判風に指を指し告白台詞を言い、先程の空気とは打って変わって驚きが増す
「ふっ、貴様のような者にリアを渡す訳がなかろう。こいつは豊臣家に必要な人間なのだからな」
「ああ、そう易々と渡す訳ないだろう」
「三成さん、清正さん・・・」
鉄扇を手に持ち悠然と言い放つ三成と同じく当然と言う様に言い放つ清正を見て思わず感動してしまった
「三成と清正、今リアのポイント上げたねぇ~。で、幸村はリアに言わなくて良いの?」
半兵衛はリアの隣にいる幸村に振ると自然と幸村に視線が集まる
「わ、私は・・・この幸村愚鈍な故・・・」
「ま、幸村もさっきポイント上げてたしそれで良しって事にしておこうか。じゃ、最後は俺だね」
半兵衛はにっと笑うとリアに近付き上目遣いでリアの顔を除き込んだ
「ねえ、リア。こんな危ない男達より俺と一緒の方が良いよ? それに俺、みんなが絶対に出来ない事もしてるしみんなが知らないリアを知ってるでしょ?」
「なっ!?」
「は、半兵衛・・さん?」
何の事だか解らないというリアの顔を見ると半兵衛は更に悪戯っ子のような笑みを浮かべる
「俺達が出来ない事や俺達が知らないリア・・だと?」
「うん、リアって良く俺の昼寝に付き合ってくれるしあんなのが好きだって事知らないでしょ? あの表情 すっごく可愛いんだよねえ。おまけに甘えた声まで出しちゃってさ」
「なあっっ!?!?!///」
何を想像したのか解らないがその場にいる男達の動きが一斉に止まる
それを見るや否、半兵衛は満面の笑みを浮かべてリアを見る
「効果覿面みたいだね」
「あの、半兵衛さん。さっきのって・・・」
「うん。でも事実でしょ?」
「ぅ、そうですけど・・///」
リアも半兵衛が言っている事が解ったのかそう返事を返すも否定出来ない部分がもありそう言うしかなかった
「じゃ、今のうちにさっさと城出ちゃおうよ。そしたら明日は楽しい温泉だよ♪」
ウキウキな半兵衛だがリアの表情は強張っていた
「リア、どうしたの?」
「半兵衛さん、・・後ろ・・・」
「え?」
振り返ると獲物を手にして鬼の形相の面々がいた
「半兵衛・・・貴様、既にリアに手を出しておったのか」
「え?」
「大方嫌がるリアを無理やり・・ってとこか?」
「リアは我々愛と義の同士だ。半兵衛、お前のその不義、私が正そう!」
「真田幸村、本気で行かせて頂きます!」
「え、ちょっと!?」
「問答無用じゃあ!」
勘違いをしている面々はそのまま半兵衛に襲い掛かり、それを見ていると急に腕を掴まれた
「み、三成・・さん? 清正・・さん?」
その光景を阻むようにしてリアの腕を掴み睨み付けている三成と険しい表情をしている清正
「どう言う事か説明してもらうぞ」
「事と次第によっては・・・解っているな?」
「っ!」
掴んでいる腕に力が入り痛さで少し顔を歪めるが今の三成と清正にとってそれは何の効果もない
「あの、お二人共何か勘違いしてませんか? さっき半兵衛さんが言ってた事は皆さんが思ってるような事じゃないんです。それにどうしてお二人がそこまで怒ってるのかが逆に解らないです」
そう言われ二人は一瞬詰まるが直ぐに真剣な表情に変わる
「どこまで鈍いんだよ、お前は」
「え?」
「今に始まった事ではなかろう」
そこまで言うと三成はリアの腕を放し、同時に同じ事を言う
「「・・・俺は、お前が・・・」」
ドオオオオン!!!
「っ! な、何!?」
そこまで言った途端、城の外から爆発音が響きその振動が天守閣まで響いてきた
そしてどこかで火薬が燃えこの城も燃え始めてしまった
「おい、どうなってんだ!」
「早く逃げないとヤバいんじゃないか!」
「ええ、今ならまだ間に合います!」
「急いで城を出るぞ!」
「は、はい!」
誰も予期せぬ事になり先程までの争いは何処にと言う状態になるも皆まずは逃げるのが先決と考えリアも頷き一歩踏み出した時だった
「え?」
ミシッと音が聞こえ、その途端また何処かで爆発が起きたのか城が壊れ始め、途端足下の床が一気に抜けてしまった
「!? っ、きゃああああああ!!!!」
リアを始め天守閣にいた面々も足場を無くしてしまうが、まだ壊れてない場所に上手く移動しリアを助けようとするも身軽なリアの方が落ちていく速度が早くもう半分近くまで落ちかけていた
(このまま落ちちゃったら本当に危ない・・!!)
こっちに来てから暫くして直秀に教えて貰った方法で何とか力を使おうにもまだ完全に安定していない為、もう身構えるしかない! と思いぎゅっと目を瞑った
が、
「・・・?」
地面に落下すると思っていたが、ぽすっと言う音と身体が何かに受け止められた感じがしてゆっくりと目を開けると同時に聞き慣れた声が振ってきた
「・・・大丈夫か?」
「よ、吉継さん!?」
声が聞こえた方に視線を向けると城で使われていた木材の破片などが落下してくる中、そして辺りが炎に包まれている中、吉継は一人佇んでリアを受け止めていた
「ど、どうして此処に?」
そう、彼は高虎と共に二の丸でお市と戦っていたはずだった
「流れはこちらに向いていた」
この凄い戦場の中でも彼はやはり時の流れを見据えていたのかもしれない
「怪我はないか?」
「は、はい。その、吉継さんが受け止めてくれたので・・・///」
そう思っていたが唐突に言われ返事を返すも現状を思い出し、所謂お姫様抱っこされている事に気付き少し顔が赤くなってしまう
「・・あの、何か・・?///」
先程より強い眼差しで見られているような気がして尋ねると
「少し傷が出来ているな」
「え?」
そう言われ手や足を見ると確かにかすり傷のようなものが数カ所出来ていた
恐らく落ちてくる時に出来てしまったのだろう
「しっかり掴まっていろ」
「え? っ!」
そう思っていると吉継に声を掛けられ彼は歩き出し落ちないように吉継の服に掴まった
「このまま此処に居ては俺達も巻き添えになる。それに皆も心配しているだろう」
確かにこの城の有様は天守閣にいた人達や外にいる人達にも見えているのだから一番心配されているだろう
「怪我もおねね様に治してもらうと良い」
「はい・・・あの、吉継さん」
「なんだ?」
「その・・助けに来て下さって、有り難う御座います」
助かった事に安心したのか、それとも今の状況に照れているのかは定かではないがそんなリアを見て吉継は満足そうに笑っていた
翌日、
「怪我の方はもう大丈夫か?」
「はい、かすり傷だったのでねねさんから貰った薬を塗ったら一日で治りました」
今リアと吉継は同じ馬に乗って出掛けていた
まだ一人では馬に乗れない為、吉継の前に横向きに座って馬に乗っていて昨日怪我をしていた所を吉継に見せると確かに怪我は治っていた
昨日の模擬戦は天下の色男軍の勝ちという事になったが思わぬ事態になり両軍と参加していなかった面々もあの城の光景を見て気が気ではなかった
吉継がリアを連れて戻って来るや否、ねねは涙を浮かべてリアに抱きつき他の面々も安堵した
そして例の特典の権利は必然的に吉継に渡り、今こうしてリアと出掛けているのだった
「でも、本当に吉継さんが助けてくれなかったら、私かすり傷じゃ済まなかったんですよね・・・」
その言葉を聞くと馬の歩みが止まり不思議に思い吉継を見るとぽつりと話し出した
「昨日の爆破の原因は風魔の手によるものだった」
「風魔さんですか?」
どうやらお市と高虎と戦っている時に小太郎の姿を見つけ追い掛けると小太郎も吉継が追い掛けて来ている事に気付いたようで途中で止まり城内と城の周りに爆弾が仕掛けてある事を知ったがその直後爆発が起きてしまい、流れを読みあの場にいたという事だった
「そうだったんですか・・・」
リアもあの騒動の前に小太郎に会っていた
その時に言っていた事があの事だったのか・・・と今になって解った
「でも、やっぱり吉継さんに助けてもらえてなかったら無事じゃなかったです。だから、改めてお礼を言わせて下さい。助けて下さって本当に有難う御座いました」
ニコリと笑って言うと吉継はリアの体をふわりと抱き包んだ
「え、あ、あの・・・吉継・・さん・・・?///」
「今は、こういう流れだ・・・」
突然の事にあたふたとするもこの状態が心地良いとリアも感じていた
そんなリアを横目で見て吉継はリアの耳元で囁いた
「俺も、お前を失いたくなかったからな」
「え?」
普段と違った声音で言われ驚いて顔を上げるも表情は解らなかったが布の下の口元は優しく微笑んでいるように思えた
「あの・・今の・・・」
「言葉の通りだが」
「・・・え、・・え?!///」
それを聞くと更に顔が赤くなっていくのが自分でも解り吉継も静かに笑い手綱を持ち直し馬を歩かせ始める
「今日一日はお前と好きなように過ごせるのだろう。ならたまには流れに逆らってみるもの良いと思ってな」
「・・・・///」
昨日、散々愛の告白台詞を聞かされたがそれでも先程の吉継の言葉が一番耳に残り心臓もいつも以上に脈打っていた
ちらりと吉継を見ると視線が重なりまた心臓が脈打ち少し顔が赤くなった
「ふっ、見ていて飽きないな」
「・・・・///」
そう言われるもこの雰囲気が嫌なものではないと言うのはお互いに感じていた
そして、
(きっと、今日一日はこんな感じになるんだろうな///)
と、この後の事を思っていたリアだが表情は何だか嬉しそうで、リアの肩を抱いた吉継に目を瞑って身を任せ吉継の胸に寄り掛かり、優しい風と吉継の温もりを感じながら目的地である温泉へと向かっていった
天下魔性の歌姫奪還戦(其の七)
終わり
あとがき
と言う訳で、長かった天下魔性の歌姫奪還戦、遂に完結で御座いますっ!!
や~ほんっっっとに長かった!ww
そして何とか無事に書き上げられた事にほっとしております
話自体は結構書けていたんですが、リアルが忙しくなって考えていたものが吹っ飛んでしまってギャグ回(其の伍)と其の六の途中まで全然思い付かなくて・・・
実は小太郎が出る所から一番最後までは書き始めた頃パッと思い付いて書き上げていたので最後の方は本当に手直し程度だったんですけどね(^^;)w
吉継さんに一番オイシイ所を持っていって貰えたし、一緒に出掛けて2828な状態になったので満足ですw
あ、後、これは補足ですがw、半兵衛が言っていた事は、膝枕して貰ってる、猫と戯れているリアちゃんの表情・・・などですからw
逆ハーってやっぱ書いてて楽しいですねww(人数多くなるとたまに大変ですけど・・・書いてしまう奴ww)
まだ本編で登場してない人達も多く居るので若干ネタバレが入ってる所もありましたが、それは気にせずw、今後本編で出てくる彼等、彼女等にもお楽しみにって事にしておいて下さいw
個人的に吉継さん好きなので今回の逆ハーで吉継さん落ちって頂いた時嬉しかったですが、どう書こうか悩みましたねι 意外と吉継さん書く上で掴みづらい所も多かったのでw
それでも此処まで皆様が楽しんで読んで吉継さん好きに満足して貰えていれば一番の幸せです!
今までの記念夢で一番長くなりましたがw、今後も等サイトとキャラ達を応援して頂ければと思っております!
改めて、かなり長くなってしまったサイト5周年記念夢を読んで頂き、そしてサイト5周、本当に有り難う御座います!
これからもどうかよろしくお願い致しますm(_ _)m
それでは、本当に此処まで読んで頂き有り難う御座いました!
5周年:2014.07.18
完成:2014.08.26
「これは・・・」
「まさか最後にミッションがあるだなんてね・・・」
そしてひらりと何か落ちたと思ったらそれは文字になり
ボーナスミッション
楓月璃唖に想いを、愛の言葉を伝えよ!
難易度 ★★★★★★★★★★
と、文字が浮かび上がった
「ええええええええええ!?/////」
それを見てリアは思わず叫び、その間にミッションの内容が書かれた文字は消えた
「想いを伝える・・・つまりリアに私の愛を伝えると言う事だな!」
そう言って一番手を切ったのは言うまでもなく愛の義戦士、直江兼継だった
「リア、私はお前の事を愛している! 私の愛が本物だと言う事は知っているだろう、偽りはない!」
「え、あの・・///」
「そんなぬるい愛の告白じゃあお姫様は落とせないぜ?」
言うと孫市はリアを引き寄せ更に距離を縮める
「あ、あの、ま、孫市・・さん・・・?ι」
「そんなに怯えなくても大丈夫だ。俺がリアを好きなのは知ってるだろ?」
「え!? あ、あのっ!?!?///」
先ほどよりお互いの顔の距離が縮まり身体が硬直してしまう
「えええい!! 離れぬかっっ!!」「それ以上はなりませんっ!!!」
後数センチと言う所で耐え切れなくなった政宗と幸村が割って入り二人を離した
「リア殿、大丈夫ですか?」
「は、はい・・ありがとう御座います、幸村さん・・・」
「幸村、良くリアを助けてくれた」
「やはりあの男は油断ならぬ・・・」
「孫市さんらしいけど、今のは駄目かなぁ~」
「リア!」
「は、はい!」
二人のように間に割って入らなかったが三成も清正も機嫌の悪さが増していて半兵衛も面白くなさそうな顔をしてそう言っていた
が、直ぐに政宗がリアを見て名を呼びリアは慌てて返事を返す
「リア、わしのものになれっ!」
「ええええ!?!?」
びしぃっと某○○裁判風に指を指し告白台詞を言い、先程の空気とは打って変わって驚きが増す
「ふっ、貴様のような者にリアを渡す訳がなかろう。こいつは豊臣家に必要な人間なのだからな」
「ああ、そう易々と渡す訳ないだろう」
「三成さん、清正さん・・・」
鉄扇を手に持ち悠然と言い放つ三成と同じく当然と言う様に言い放つ清正を見て思わず感動してしまった
「三成と清正、今リアのポイント上げたねぇ~。で、幸村はリアに言わなくて良いの?」
半兵衛はリアの隣にいる幸村に振ると自然と幸村に視線が集まる
「わ、私は・・・この幸村愚鈍な故・・・」
「ま、幸村もさっきポイント上げてたしそれで良しって事にしておこうか。じゃ、最後は俺だね」
半兵衛はにっと笑うとリアに近付き上目遣いでリアの顔を除き込んだ
「ねえ、リア。こんな危ない男達より俺と一緒の方が良いよ? それに俺、みんなが絶対に出来ない事もしてるしみんなが知らないリアを知ってるでしょ?」
「なっ!?」
「は、半兵衛・・さん?」
何の事だか解らないというリアの顔を見ると半兵衛は更に悪戯っ子のような笑みを浮かべる
「俺達が出来ない事や俺達が知らないリア・・だと?」
「うん、リアって良く俺の昼寝に付き合ってくれるしあんなのが好きだって事知らないでしょ? あの
「なあっっ!?!?!///」
何を想像したのか解らないがその場にいる男達の動きが一斉に止まる
それを見るや否、半兵衛は満面の笑みを浮かべてリアを見る
「効果覿面みたいだね」
「あの、半兵衛さん。さっきのって・・・」
「うん。でも事実でしょ?」
「ぅ、そうですけど・・///」
リアも半兵衛が言っている事が解ったのかそう返事を返すも否定出来ない部分がもありそう言うしかなかった
「じゃ、今のうちにさっさと城出ちゃおうよ。そしたら明日は楽しい温泉だよ♪」
ウキウキな半兵衛だがリアの表情は強張っていた
「リア、どうしたの?」
「半兵衛さん、・・後ろ・・・」
「え?」
振り返ると獲物を手にして鬼の形相の面々がいた
「半兵衛・・・貴様、既にリアに手を出しておったのか」
「え?」
「大方嫌がるリアを無理やり・・ってとこか?」
「リアは我々愛と義の同士だ。半兵衛、お前のその不義、私が正そう!」
「真田幸村、本気で行かせて頂きます!」
「え、ちょっと!?」
「問答無用じゃあ!」
勘違いをしている面々はそのまま半兵衛に襲い掛かり、それを見ていると急に腕を掴まれた
「み、三成・・さん? 清正・・さん?」
その光景を阻むようにしてリアの腕を掴み睨み付けている三成と険しい表情をしている清正
「どう言う事か説明してもらうぞ」
「事と次第によっては・・・解っているな?」
「っ!」
掴んでいる腕に力が入り痛さで少し顔を歪めるが今の三成と清正にとってそれは何の効果もない
「あの、お二人共何か勘違いしてませんか? さっき半兵衛さんが言ってた事は皆さんが思ってるような事じゃないんです。それにどうしてお二人がそこまで怒ってるのかが逆に解らないです」
そう言われ二人は一瞬詰まるが直ぐに真剣な表情に変わる
「どこまで鈍いんだよ、お前は」
「え?」
「今に始まった事ではなかろう」
そこまで言うと三成はリアの腕を放し、同時に同じ事を言う
「「・・・俺は、お前が・・・」」
ドオオオオン!!!
「っ! な、何!?」
そこまで言った途端、城の外から爆発音が響きその振動が天守閣まで響いてきた
そしてどこかで火薬が燃えこの城も燃え始めてしまった
「おい、どうなってんだ!」
「早く逃げないとヤバいんじゃないか!」
「ええ、今ならまだ間に合います!」
「急いで城を出るぞ!」
「は、はい!」
誰も予期せぬ事になり先程までの争いは何処にと言う状態になるも皆まずは逃げるのが先決と考えリアも頷き一歩踏み出した時だった
「え?」
ミシッと音が聞こえ、その途端また何処かで爆発が起きたのか城が壊れ始め、途端足下の床が一気に抜けてしまった
「!? っ、きゃああああああ!!!!」
リアを始め天守閣にいた面々も足場を無くしてしまうが、まだ壊れてない場所に上手く移動しリアを助けようとするも身軽なリアの方が落ちていく速度が早くもう半分近くまで落ちかけていた
(このまま落ちちゃったら本当に危ない・・!!)
こっちに来てから暫くして直秀に教えて貰った方法で何とか力を使おうにもまだ完全に安定していない為、もう身構えるしかない! と思いぎゅっと目を瞑った
が、
「・・・?」
地面に落下すると思っていたが、ぽすっと言う音と身体が何かに受け止められた感じがしてゆっくりと目を開けると同時に聞き慣れた声が振ってきた
「・・・大丈夫か?」
「よ、吉継さん!?」
声が聞こえた方に視線を向けると城で使われていた木材の破片などが落下してくる中、そして辺りが炎に包まれている中、吉継は一人佇んでリアを受け止めていた
「ど、どうして此処に?」
そう、彼は高虎と共に二の丸でお市と戦っていたはずだった
「流れはこちらに向いていた」
この凄い戦場の中でも彼はやはり時の流れを見据えていたのかもしれない
「怪我はないか?」
「は、はい。その、吉継さんが受け止めてくれたので・・・///」
そう思っていたが唐突に言われ返事を返すも現状を思い出し、所謂お姫様抱っこされている事に気付き少し顔が赤くなってしまう
「・・あの、何か・・?///」
先程より強い眼差しで見られているような気がして尋ねると
「少し傷が出来ているな」
「え?」
そう言われ手や足を見ると確かにかすり傷のようなものが数カ所出来ていた
恐らく落ちてくる時に出来てしまったのだろう
「しっかり掴まっていろ」
「え? っ!」
そう思っていると吉継に声を掛けられ彼は歩き出し落ちないように吉継の服に掴まった
「このまま此処に居ては俺達も巻き添えになる。それに皆も心配しているだろう」
確かにこの城の有様は天守閣にいた人達や外にいる人達にも見えているのだから一番心配されているだろう
「怪我もおねね様に治してもらうと良い」
「はい・・・あの、吉継さん」
「なんだ?」
「その・・助けに来て下さって、有り難う御座います」
助かった事に安心したのか、それとも今の状況に照れているのかは定かではないがそんなリアを見て吉継は満足そうに笑っていた
翌日、
「怪我の方はもう大丈夫か?」
「はい、かすり傷だったのでねねさんから貰った薬を塗ったら一日で治りました」
今リアと吉継は同じ馬に乗って出掛けていた
まだ一人では馬に乗れない為、吉継の前に横向きに座って馬に乗っていて昨日怪我をしていた所を吉継に見せると確かに怪我は治っていた
昨日の模擬戦は天下の色男軍の勝ちという事になったが思わぬ事態になり両軍と参加していなかった面々もあの城の光景を見て気が気ではなかった
吉継がリアを連れて戻って来るや否、ねねは涙を浮かべてリアに抱きつき他の面々も安堵した
そして例の特典の権利は必然的に吉継に渡り、今こうしてリアと出掛けているのだった
「でも、本当に吉継さんが助けてくれなかったら、私かすり傷じゃ済まなかったんですよね・・・」
その言葉を聞くと馬の歩みが止まり不思議に思い吉継を見るとぽつりと話し出した
「昨日の爆破の原因は風魔の手によるものだった」
「風魔さんですか?」
どうやらお市と高虎と戦っている時に小太郎の姿を見つけ追い掛けると小太郎も吉継が追い掛けて来ている事に気付いたようで途中で止まり城内と城の周りに爆弾が仕掛けてある事を知ったがその直後爆発が起きてしまい、流れを読みあの場にいたという事だった
「そうだったんですか・・・」
リアもあの騒動の前に小太郎に会っていた
その時に言っていた事があの事だったのか・・・と今になって解った
「でも、やっぱり吉継さんに助けてもらえてなかったら無事じゃなかったです。だから、改めてお礼を言わせて下さい。助けて下さって本当に有難う御座いました」
ニコリと笑って言うと吉継はリアの体をふわりと抱き包んだ
「え、あ、あの・・・吉継・・さん・・・?///」
「今は、こういう流れだ・・・」
突然の事にあたふたとするもこの状態が心地良いとリアも感じていた
そんなリアを横目で見て吉継はリアの耳元で囁いた
「俺も、お前を失いたくなかったからな」
「え?」
普段と違った声音で言われ驚いて顔を上げるも表情は解らなかったが布の下の口元は優しく微笑んでいるように思えた
「あの・・今の・・・」
「言葉の通りだが」
「・・・え、・・え?!///」
それを聞くと更に顔が赤くなっていくのが自分でも解り吉継も静かに笑い手綱を持ち直し馬を歩かせ始める
「今日一日はお前と好きなように過ごせるのだろう。ならたまには流れに逆らってみるもの良いと思ってな」
「・・・・///」
昨日、散々愛の告白台詞を聞かされたがそれでも先程の吉継の言葉が一番耳に残り心臓もいつも以上に脈打っていた
ちらりと吉継を見ると視線が重なりまた心臓が脈打ち少し顔が赤くなった
「ふっ、見ていて飽きないな」
「・・・・///」
そう言われるもこの雰囲気が嫌なものではないと言うのはお互いに感じていた
そして、
(きっと、今日一日はこんな感じになるんだろうな///)
と、この後の事を思っていたリアだが表情は何だか嬉しそうで、リアの肩を抱いた吉継に目を瞑って身を任せ吉継の胸に寄り掛かり、優しい風と吉継の温もりを感じながら目的地である温泉へと向かっていった
天下魔性の歌姫奪還戦(其の七)
終わり
あとがき
と言う訳で、長かった天下魔性の歌姫奪還戦、遂に完結で御座いますっ!!
や~ほんっっっとに長かった!ww
そして何とか無事に書き上げられた事にほっとしております
話自体は結構書けていたんですが、リアルが忙しくなって考えていたものが吹っ飛んでしまってギャグ回(其の伍)と其の六の途中まで全然思い付かなくて・・・
実は小太郎が出る所から一番最後までは書き始めた頃パッと思い付いて書き上げていたので最後の方は本当に手直し程度だったんですけどね(^^;)w
吉継さんに一番オイシイ所を持っていって貰えたし、一緒に出掛けて2828な状態になったので満足ですw
あ、後、これは補足ですがw、半兵衛が言っていた事は、膝枕して貰ってる、猫と戯れているリアちゃんの表情・・・などですからw
逆ハーってやっぱ書いてて楽しいですねww(人数多くなるとたまに大変ですけど・・・書いてしまう奴ww)
まだ本編で登場してない人達も多く居るので若干ネタバレが入ってる所もありましたが、それは気にせずw、今後本編で出てくる彼等、彼女等にもお楽しみにって事にしておいて下さいw
個人的に吉継さん好きなので今回の逆ハーで吉継さん落ちって頂いた時嬉しかったですが、どう書こうか悩みましたねι 意外と吉継さん書く上で掴みづらい所も多かったのでw
それでも此処まで皆様が楽しんで読んで吉継さん好きに満足して貰えていれば一番の幸せです!
今までの記念夢で一番長くなりましたがw、今後も等サイトとキャラ達を応援して頂ければと思っております!
改めて、かなり長くなってしまったサイト5周年記念夢を読んで頂き、そしてサイト5周、本当に有り難う御座います!
これからもどうかよろしくお願い致しますm(_ _)m
それでは、本当に此処まで読んで頂き有り難う御座いました!
5周年:2014.07.18
完成:2014.08.26
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