天下魔性の歌姫奪還戦
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模擬戦が行われる当日、四国のとある場所に多くの武将達が集まり、各武将達の陣地、そして大きな城が建っていた
「おおー! 皆、よう集まったのぉ!」
「本当だね、お前様!」
秀吉とねねは自分達の前にいる多くの武将達を見てそう声を出していた
「しっかし予想以上に集まったんじゃねえか?」
「そりゃ、奪還対象がリアとなれば、集まる男も多いだろうよ。なあ、お姫様」
「!?」
利家の言葉に続いて聞こえた言葉と同時に目の前に一人の男性が現れリアの右手を取りその人物はリアと目線を合わせた
「久し振りだな、リア姫」
「あ、えっと、お久し振りです、・・孫市さん」
「久し振りに俺に会えて緊張でもしてるのか? 相変わらず可愛いな」
「え! あ、あのっ///」
先程より距離が縮まり焦るリアだが孫市は気にした様子もなく距離を縮めてくる
が、
「先に姫を独り占めとは、総大将だとしてもそれは許されないな」
リアが少しだけ後退ると同時にポスっと誰かに当たり慌てて謝ろうとするも、リアの後ろの人物はリアの肩を抱いたままそう告げた
「宗茂さん!」
「久し振りだな、リア。再会早々向かい風に煽られているようだな」
「向かい風ってのは俺の事か? 心外だな。俺は久し振りのお姫様に挨拶してるだけだぜ?」
「俺もそうなんだが」
何となくだが孫市と宗茂の間に火花が散っているような気がしていてリアは少しだけおろおろしていると
「おい、お前等、さっさとリアから離れろ」
「間で小さくなって困ってるだろ」
そう声が聞こえ前を見ると清正と直秀がいたが、二人の視線は少し険しいものになっていた
「やれやれ、お姫様の護衛役が来ちまったか」
「来たら困るような言い方するなよ。つか、今回の模擬戦一応俺もお前等と同じ軍だしな」
「え? 直秀も参加するの?」
「ああ。後そこにいる清正と正則と高虎もな」
清正の後ろを見ると正則と高虎もいたが、二人も少しだけ不機嫌そうな顔をしていた
「こぉらぁ、もう、みんなリアを困らせちゃ駄目でしょ!」
「ま、まあ、なんだ。決着はこれからの模擬戦で着ければ良いだろ。秀吉、ねね、そろそろ初めて良いんじゃねえか?」
「おお、そうじゃな。良し、じゃあ皆を集めて来てくれ」
「はっ!」
秀吉のその言葉を聞き一人の兵は周りの者達に伝えに行き、それを見送っている間に利家が二人の間からリアを助け出した
「有り難う御座います、利家さん」
「いや。それよりお前は暫くねねの側にいた方が良いだろうな」
「はい」
先程のやり取りのような事があるかもしれないし、これからの模擬戦の事を考えると今はねねの側にいる事が一番安全だろうと思いリアは返事を返したが、その様子を見ていた男性陣は
(利家殿(さん)、役得だな・・・)
と思っていた事に当人達は気付いていなかった
「よう、小娘」
「久しいな、お嬢」
「おことは相変わらず人気者じゃのぉ」
「いやぁ~見てて飽きないね」
「愉悦」
そして次にリアに声を掛けてきたのは関東三傑の氏康、信玄、謙信と元就と島津義弘だった
その後ろには景勝と景虎もいた
「皆さんお久し振りです。皆さんも模擬戦に参加されるんですか?」
「いや、わし達今回は見学じゃよ」
「そうなんですか?」
模擬戦とはいえ、戦だろうから参加するものだと思っていたのだが、今回は見学と言う事だった
「こう言う戦は若いもんに任せりゃ良いんだよ」
「皆、お嬢の為に張り切っておるからなぁ」
張り切っている理由、それは言わずともなのでリアももう苦笑するしかなかった
「けど、若いのに君達は参加しなくて良かったのかい?」
元就は謙信の後ろにいる景勝と景虎にそう言うと二人と謙信の表情が一瞬凍った気がした
「あの、・・どうかしたんですか?」
「あ、いや・・・その・・」
「今回は姉上が参戦されるゆえ」
「むむ・・・」
どうやら秀吉からの書状が届いた時に色々と遭ったらしく、その時に居合わせた二人の息子はあの母親とその仲間達に向かって行き命を落とすのも凄まじい光景に出くわすのも・・・と思い今回は辞退したそうだ
「なんつーか、お前等も色々と大変なんだなι」
それを聞いていた利家はリアと上杉家の三人にそう言い、リアは苦笑し景勝と景虎、そして謙信も言葉に詰まっていた
「よーし、皆集まったな」
秀吉の声が聞こえ皆一斉に顔を向け、模擬戦の説明が始まり今回参加する人達が発表された
今回は魔性の美女軍VS天下の色男軍、女性は美女軍で男性は色男軍に配属になるそうだ
そしてお互いの総大将は両戦を考えた小少将と孫市だった
因みに魔性の美女軍は、小少将、ガラシャ、お市、くのいち、稲姫、誾千代、甲斐姫、綾御前、直虎、早川殿
対する天下の色男軍は、孫市、幸村、政宗、三成、左近、兼続、清正、官兵衛、宗茂、半兵衛、正則、高虎、信之、吉継、小十郎、隆景、豊久、直秀
だった
「そして、実況と解説は義の戦士、直江兼続と眼鏡の小十郎さん、そして凄絶な男、長宗我部元親と一途な男、明智光秀の四人で伝えよう!」
「熱く、凄絶にな!」
「僭越ながら、我々が勤めさせて頂きます」
「どうぞよろしくお願いします」
熱く伝える兼続と元親、そして丁寧に挨拶をする小十郎と光秀
何というか良い意味でバランスが取れているような気もして特に心配するような事ではないだろうと皆一同に思っていた
「大体の説明は以上じゃな。良し、じゃあ・・・」
「あ、お前様、ちょっと待って! あの子からみんなに伝言を預かってるんだった!」
秀吉が説明を終わらせようとしているとねねが何か思い出した顔をしてそう言い、あの子とは誰の事だろうと皆思っていたが、
「『私の可愛い可愛いリアに変な真似したり傷一つでも付けたら・・、次会った時どうなるか、解ってるよね?』」
その言葉を聞いた途端、この場の空気が凍りつきリアとねね以外の全員の身体が一瞬ビクリとなった気がした(特に男性陣)
「・・・おい、確かこの酒、熱燗だった・・よな?」
「何だか一気に冷酒になっちゃったねえ・・」
「毘沙門天の加護を我等に・・・」
「あははは・・・」
「お、おい、清正、あの伝言ってまさか・・」
「馬鹿っ、それ以上口にするな」
観覧席で酒を飲み始めていた氏康、信玄、謙信、義弘、その隣で書物を開こうとしていた元就、そして先程の伝言主が解ったのか正則は隣にいた清正に聞こうとするが直ぐに止めれてしまう
誰からの伝言と言う事はねねからは言われなかったが、この様な事を口にする人物と言えば皆一人しか思い当たらない
そう、あの歴戦の勇士殿(女)だった
今回は別件で来られなかった為、事前にねねに伝言をしていたのだった
「以上だよ。それじゃあみんな、がんばってね!」
ねねの励まし?応援?で、模擬戦は始まったのだった
天下魔性の歌姫奪還戦(其の弐)
「さてと、じゃあ気合い入れてリアを守らないとね!」
場所は変わり、こちらは城の天守閣
あの後、魔性の美女軍はリアと共に城へと移り各々迎え撃つ天下の色男軍との対決に向けて準備を整え、天守閣に集まっていた
「張り切っていますね。甲斐さん」
「当然ですよ! 大事な友達を欲丸出しの男共の餌食になんて出来ませんからっ!」
「甲斐さん、カッコイイです!」
「おお、熊姫さん、今回はいつも以上に気合い十分っすねぇ」
「だが、リアを守ると言う意味では此処に集まっている皆同じ意見であろう」
誾千代の言葉に皆同意するように応え頷く
「はい。殿方達には申し訳ないですが、私達も大切なリアを守りたいですし」
「そうですね。稲も精一杯頑張ります!」
「わ、私も、が、頑張りますっ!」
「リアはわらわ達が守るのじゃ!」
「私もみんなに負けないように頑張るわ」
「大丈夫よ、リア。この城に攻めてくる男共はあたしが魅了しちゃうから」
「あたし達、戦国最強乙女に任せておきなさいって!」
「て事なので、リアちんはなーんにも心配しなくて良いっすよ」
「ふふっ、皆貴女の為に気合い十分ですね」
皆の気持ちが嬉しくリアはいつも以上の笑顔を見せた
「はい。皆さんも気を付けて下さいね」
「ああ、もう! あんたってほんと可愛いんだからっ!」
「わあ! か、甲斐ちゃん!///」
「わらわもリアに抱きつくのじゃ!」
思わず抱きしめてしまいたくなるような笑顔を見せられ甲斐姫は思いっきり抱きつき、ガラシャも普段と変わらずリアに抱きつき、他の女性陣は羨ましそうに見たり微笑ましそうにその光景を見ていた
そんな華やかな光景と打って変わり、こちらは天下の色男軍・・・
「にしても、思ってた以上に集まりやがったな・・・」
孫市はそう言ってこの場に集まっている男達を見る
幸村、信之の真田兄弟と兼続、政宗と小十郎の伊達主従、西軍トリオの三成、左近、吉継、両兵衛こと半兵衛と官兵衛、清正、正則、高虎の東軍トリオ、そして隆景、直秀、宗茂、豊久と言う珍しい組み合わせが勢揃いしていた
「もしかしてー、みーんなリア目当て?」
半兵衛は少し含みのある言い方をすると一瞬だけ沈黙が流れたがそれは直ぐに無くなる
「ち、違うぞ! わしは彼奴の事なぞっ!」
「ご無礼ながら、政宗様動揺していらっしゃいます」
「私は幸村の為に参加しているだけだ」
「ふん。俺は仕事のついでに、参加しただけだ」
「秀吉様とおねね様の主催ですから断る訳にもいきませんからねえ」
「俺と正則もそれは同じだぞ」
「お、おうよ!」
「お、俺はっ、叔父上に言われて!」
「何度も言う様だが、私は勝手に半兵衛にこの戦に参加させられただけだ・・・」
「俺も家康様からの命で参加しているだけだ」
各々返事を返すも一部の人間を除いては思う事は同じなのだと思っていた
「まあ良いや。どのみち勝つのは俺達天下の色男軍だしね」
自信満々に言う半兵衛
そんな彼を見て豊久は一瞬きょとんとし直ぐに疑問を振った
「随分と自信満々ですね」
「そりゃそうでしょ。こっちには軍師が勢揃いしてるんだよ?」
確かにこちらの軍には半兵衛、官兵衛、左近、吉継、小十郎、そして隆景と言う天下に名高い名軍師達が揃っていた
「おまけに西国無双の宗茂に武勇も知勇もある将が揃ってて総大将は鉄砲名人だしね」
更に言うなら数も圧倒的に魔性の美女軍に比べると多い
「確かにこれだけ揃っていれば勝ち目は私達にあるでしょう」
「だが油断は出来ぬ相手だ」
相手は身近にいる人物、見知っている人物でありリアを慕っていたり可愛がっている者達だ
幸いな事に今回魔性の美女軍にあの歴戦の勇士殿とおねね様がいないだけ良かった・・・と皆思ったが、女は強し・・と言うのを日頃から知っている彼等にとってそこもある意味厄介な所ではあった
それでも奪還対象があの歌姫と言う二つ名が付き男女問わずに人気のあるリアであり、勝者には翌日リアと好きなように過ごせると言う嬉しい特典付きと言う事でいつも以上に気合いが入っているのであった
「今回はこっち側にいるが、一応護衛役だから言っておくぞ。リアを危ない目に遭わせるなよ・・・」
直秀は溜息を吐きながらそうと皆から「解って(い)る(います)」と返事が返ってきた
実際にこのような場所にいるから多少は危ない目に遭うのは解ってはいるが皆出来るだけ危険な目に遭わせたくないし、何より怪我をさせたくないと思っている
怪我でもさせたらねねを始め女性陣も黙っていないし何よりあの歴戦の勇士(女)から何をされるやら・・・と言うのが一番大きいだろう・・・
そう思っていると模擬戦を始める合図が聞こえた
「お、そろそろ始まるみたいだぜ」
「じゃあ俺達も移動するか」
それを合図と言うように皆各々の布陣場所へと移動を始めた
そして、両軍の布陣が整ったのを確認すると模擬戦を始める法螺貝の合図が鳴り響き、実況の兼続の声も響き渡った
「さあて、いよいよ始まった今回の歌姫奪還戦! 実況と解説は義の戦士、直江兼続と眼鏡の片倉小十郎さん、そして凄絶な男、長宗我部元親と一途な男、明智光秀の四人でお届けしよう!」
兼続を見ると手にはマイクを持っていてマイクの途中に実況と書いてある紙があり、解説である小十郎も同じようなマイクを持っていた
「う、歌姫奪還戦って・・・ι と言うか、なんでマイクがあるの?」
天守閣で実況解説組の言葉を聞きその二つ名的なものが出てきて思わず項垂れてしまったが直ぐにマイクにツッコむ
もう片方の実況解説組である光秀と元親の方を見ると、こちらは良く中継などで見かける机の上に実況解説と書いてある札が置いてありその隣にマイクが2本とテレビモニターらしきものが数台ありその前に二人が座っている状態だった
そして自身の前にもテレビモニターらしきものが数台置いてあり各所にカメラも設置されていた
「・・・えっと・・何かこの時代に合わない物があるような気がするんだけど・・・ι」
が、ツッコんでもあまり意味が無いような気がしてきたので外の景色を見ながら実況と解説に耳を傾けると丁度解説の小十郎と光秀が挨拶をしていた所だった
「「改めてよろしくお願いします」」
「今回の対決の解説は兼続と小十郎が天下の色男軍、そして俺と光秀で魔性の美女軍を熱く解説させてもらう」
「おーっと、此処で先陣を切ったのはやはり熱き戦男、福島正則~!」
「対する相手は井伊直虎様で御座いますね」
「別の場所では宗茂と豊久が動いたようだな。対するは誾千代か」
「これはまた凄い対決になりそうですね・・・。おや、彼方では真田兄弟も動き出したようですね」
模擬戦が始まり先陣を切ったメンバーに続き徐々に各地で戦いが繰り広げられ始めた
だがこれはまだ序の口の“序”に過ぎない事だと両軍、そして観覧しているメンバーも察していた
そう、此処から本当の戦いが始まるのだった
続くww
あとがきw
え、ちょっww
また中途半端な所で続いた!?(・・・てのはまあいつもの事かww)
や~ほら、人数が人数だから書いてたらなんか長くなっちゃって(^^;)w
歴戦の勇士殿はどれだけ最強(最凶w)な人なんだろうww
出す予定はないけどw いつかこう言う番外編的なもので出せたら良いなと漠然と思っておくww
そして時代に合わないものとかも出てきてますがそこは気にしない!
今後の方がもっと合わないもの出てくるし、10周年イベントネタもちょこ~っと出しちゃおっかな~w って思ってるのでwww
次回はもっとカオスになりそうだけど頑張って吉継さん落ちになるように頑張りますっ!
5周年:2014.07.18
完成:2014.06.29
「おおー! 皆、よう集まったのぉ!」
「本当だね、お前様!」
秀吉とねねは自分達の前にいる多くの武将達を見てそう声を出していた
「しっかし予想以上に集まったんじゃねえか?」
「そりゃ、奪還対象がリアとなれば、集まる男も多いだろうよ。なあ、お姫様」
「!?」
利家の言葉に続いて聞こえた言葉と同時に目の前に一人の男性が現れリアの右手を取りその人物はリアと目線を合わせた
「久し振りだな、リア姫」
「あ、えっと、お久し振りです、・・孫市さん」
「久し振りに俺に会えて緊張でもしてるのか? 相変わらず可愛いな」
「え! あ、あのっ///」
先程より距離が縮まり焦るリアだが孫市は気にした様子もなく距離を縮めてくる
が、
「先に姫を独り占めとは、総大将だとしてもそれは許されないな」
リアが少しだけ後退ると同時にポスっと誰かに当たり慌てて謝ろうとするも、リアの後ろの人物はリアの肩を抱いたままそう告げた
「宗茂さん!」
「久し振りだな、リア。再会早々向かい風に煽られているようだな」
「向かい風ってのは俺の事か? 心外だな。俺は久し振りのお姫様に挨拶してるだけだぜ?」
「俺もそうなんだが」
何となくだが孫市と宗茂の間に火花が散っているような気がしていてリアは少しだけおろおろしていると
「おい、お前等、さっさとリアから離れろ」
「間で小さくなって困ってるだろ」
そう声が聞こえ前を見ると清正と直秀がいたが、二人の視線は少し険しいものになっていた
「やれやれ、お姫様の護衛役が来ちまったか」
「来たら困るような言い方するなよ。つか、今回の模擬戦一応俺もお前等と同じ軍だしな」
「え? 直秀も参加するの?」
「ああ。後そこにいる清正と正則と高虎もな」
清正の後ろを見ると正則と高虎もいたが、二人も少しだけ不機嫌そうな顔をしていた
「こぉらぁ、もう、みんなリアを困らせちゃ駄目でしょ!」
「ま、まあ、なんだ。決着はこれからの模擬戦で着ければ良いだろ。秀吉、ねね、そろそろ初めて良いんじゃねえか?」
「おお、そうじゃな。良し、じゃあ皆を集めて来てくれ」
「はっ!」
秀吉のその言葉を聞き一人の兵は周りの者達に伝えに行き、それを見送っている間に利家が二人の間からリアを助け出した
「有り難う御座います、利家さん」
「いや。それよりお前は暫くねねの側にいた方が良いだろうな」
「はい」
先程のやり取りのような事があるかもしれないし、これからの模擬戦の事を考えると今はねねの側にいる事が一番安全だろうと思いリアは返事を返したが、その様子を見ていた男性陣は
(利家殿(さん)、役得だな・・・)
と思っていた事に当人達は気付いていなかった
「よう、小娘」
「久しいな、お嬢」
「おことは相変わらず人気者じゃのぉ」
「いやぁ~見てて飽きないね」
「愉悦」
そして次にリアに声を掛けてきたのは関東三傑の氏康、信玄、謙信と元就と島津義弘だった
その後ろには景勝と景虎もいた
「皆さんお久し振りです。皆さんも模擬戦に参加されるんですか?」
「いや、わし達今回は見学じゃよ」
「そうなんですか?」
模擬戦とはいえ、戦だろうから参加するものだと思っていたのだが、今回は見学と言う事だった
「こう言う戦は若いもんに任せりゃ良いんだよ」
「皆、お嬢の為に張り切っておるからなぁ」
張り切っている理由、それは言わずともなのでリアももう苦笑するしかなかった
「けど、若いのに君達は参加しなくて良かったのかい?」
元就は謙信の後ろにいる景勝と景虎にそう言うと二人と謙信の表情が一瞬凍った気がした
「あの、・・どうかしたんですか?」
「あ、いや・・・その・・」
「今回は姉上が参戦されるゆえ」
「むむ・・・」
どうやら秀吉からの書状が届いた時に色々と遭ったらしく、その時に居合わせた二人の息子はあの母親とその仲間達に向かって行き命を落とすのも凄まじい光景に出くわすのも・・・と思い今回は辞退したそうだ
「なんつーか、お前等も色々と大変なんだなι」
それを聞いていた利家はリアと上杉家の三人にそう言い、リアは苦笑し景勝と景虎、そして謙信も言葉に詰まっていた
「よーし、皆集まったな」
秀吉の声が聞こえ皆一斉に顔を向け、模擬戦の説明が始まり今回参加する人達が発表された
今回は魔性の美女軍VS天下の色男軍、女性は美女軍で男性は色男軍に配属になるそうだ
そしてお互いの総大将は両戦を考えた小少将と孫市だった
因みに魔性の美女軍は、小少将、ガラシャ、お市、くのいち、稲姫、誾千代、甲斐姫、綾御前、直虎、早川殿
対する天下の色男軍は、孫市、幸村、政宗、三成、左近、兼続、清正、官兵衛、宗茂、半兵衛、正則、高虎、信之、吉継、小十郎、隆景、豊久、直秀
だった
「そして、実況と解説は義の戦士、直江兼続と眼鏡の小十郎さん、そして凄絶な男、長宗我部元親と一途な男、明智光秀の四人で伝えよう!」
「熱く、凄絶にな!」
「僭越ながら、我々が勤めさせて頂きます」
「どうぞよろしくお願いします」
熱く伝える兼続と元親、そして丁寧に挨拶をする小十郎と光秀
何というか良い意味でバランスが取れているような気もして特に心配するような事ではないだろうと皆一同に思っていた
「大体の説明は以上じゃな。良し、じゃあ・・・」
「あ、お前様、ちょっと待って! あの子からみんなに伝言を預かってるんだった!」
秀吉が説明を終わらせようとしているとねねが何か思い出した顔をしてそう言い、あの子とは誰の事だろうと皆思っていたが、
「『私の可愛い可愛いリアに変な真似したり傷一つでも付けたら・・、次会った時どうなるか、解ってるよね?』」
その言葉を聞いた途端、この場の空気が凍りつきリアとねね以外の全員の身体が一瞬ビクリとなった気がした(特に男性陣)
「・・・おい、確かこの酒、熱燗だった・・よな?」
「何だか一気に冷酒になっちゃったねえ・・」
「毘沙門天の加護を我等に・・・」
「あははは・・・」
「お、おい、清正、あの伝言ってまさか・・」
「馬鹿っ、それ以上口にするな」
観覧席で酒を飲み始めていた氏康、信玄、謙信、義弘、その隣で書物を開こうとしていた元就、そして先程の伝言主が解ったのか正則は隣にいた清正に聞こうとするが直ぐに止めれてしまう
誰からの伝言と言う事はねねからは言われなかったが、この様な事を口にする人物と言えば皆一人しか思い当たらない
そう、あの歴戦の勇士殿(女)だった
今回は別件で来られなかった為、事前にねねに伝言をしていたのだった
「以上だよ。それじゃあみんな、がんばってね!」
ねねの励まし?応援?で、模擬戦は始まったのだった
天下魔性の歌姫奪還戦(其の弐)
「さてと、じゃあ気合い入れてリアを守らないとね!」
場所は変わり、こちらは城の天守閣
あの後、魔性の美女軍はリアと共に城へと移り各々迎え撃つ天下の色男軍との対決に向けて準備を整え、天守閣に集まっていた
「張り切っていますね。甲斐さん」
「当然ですよ! 大事な友達を欲丸出しの男共の餌食になんて出来ませんからっ!」
「甲斐さん、カッコイイです!」
「おお、熊姫さん、今回はいつも以上に気合い十分っすねぇ」
「だが、リアを守ると言う意味では此処に集まっている皆同じ意見であろう」
誾千代の言葉に皆同意するように応え頷く
「はい。殿方達には申し訳ないですが、私達も大切なリアを守りたいですし」
「そうですね。稲も精一杯頑張ります!」
「わ、私も、が、頑張りますっ!」
「リアはわらわ達が守るのじゃ!」
「私もみんなに負けないように頑張るわ」
「大丈夫よ、リア。この城に攻めてくる男共はあたしが魅了しちゃうから」
「あたし達、戦国最強乙女に任せておきなさいって!」
「て事なので、リアちんはなーんにも心配しなくて良いっすよ」
「ふふっ、皆貴女の為に気合い十分ですね」
皆の気持ちが嬉しくリアはいつも以上の笑顔を見せた
「はい。皆さんも気を付けて下さいね」
「ああ、もう! あんたってほんと可愛いんだからっ!」
「わあ! か、甲斐ちゃん!///」
「わらわもリアに抱きつくのじゃ!」
思わず抱きしめてしまいたくなるような笑顔を見せられ甲斐姫は思いっきり抱きつき、ガラシャも普段と変わらずリアに抱きつき、他の女性陣は羨ましそうに見たり微笑ましそうにその光景を見ていた
そんな華やかな光景と打って変わり、こちらは天下の色男軍・・・
「にしても、思ってた以上に集まりやがったな・・・」
孫市はそう言ってこの場に集まっている男達を見る
幸村、信之の真田兄弟と兼続、政宗と小十郎の伊達主従、西軍トリオの三成、左近、吉継、両兵衛こと半兵衛と官兵衛、清正、正則、高虎の東軍トリオ、そして隆景、直秀、宗茂、豊久と言う珍しい組み合わせが勢揃いしていた
「もしかしてー、みーんなリア目当て?」
半兵衛は少し含みのある言い方をすると一瞬だけ沈黙が流れたがそれは直ぐに無くなる
「ち、違うぞ! わしは彼奴の事なぞっ!」
「ご無礼ながら、政宗様動揺していらっしゃいます」
「私は幸村の為に参加しているだけだ」
「ふん。俺は仕事のついでに、参加しただけだ」
「秀吉様とおねね様の主催ですから断る訳にもいきませんからねえ」
「俺と正則もそれは同じだぞ」
「お、おうよ!」
「お、俺はっ、叔父上に言われて!」
「何度も言う様だが、私は勝手に半兵衛にこの戦に参加させられただけだ・・・」
「俺も家康様からの命で参加しているだけだ」
各々返事を返すも一部の人間を除いては思う事は同じなのだと思っていた
「まあ良いや。どのみち勝つのは俺達天下の色男軍だしね」
自信満々に言う半兵衛
そんな彼を見て豊久は一瞬きょとんとし直ぐに疑問を振った
「随分と自信満々ですね」
「そりゃそうでしょ。こっちには軍師が勢揃いしてるんだよ?」
確かにこちらの軍には半兵衛、官兵衛、左近、吉継、小十郎、そして隆景と言う天下に名高い名軍師達が揃っていた
「おまけに西国無双の宗茂に武勇も知勇もある将が揃ってて総大将は鉄砲名人だしね」
更に言うなら数も圧倒的に魔性の美女軍に比べると多い
「確かにこれだけ揃っていれば勝ち目は私達にあるでしょう」
「だが油断は出来ぬ相手だ」
相手は身近にいる人物、見知っている人物でありリアを慕っていたり可愛がっている者達だ
幸いな事に今回魔性の美女軍にあの歴戦の勇士殿とおねね様がいないだけ良かった・・・と皆思ったが、女は強し・・と言うのを日頃から知っている彼等にとってそこもある意味厄介な所ではあった
それでも奪還対象があの歌姫と言う二つ名が付き男女問わずに人気のあるリアであり、勝者には翌日リアと好きなように過ごせると言う嬉しい特典付きと言う事でいつも以上に気合いが入っているのであった
「今回はこっち側にいるが、一応護衛役だから言っておくぞ。リアを危ない目に遭わせるなよ・・・」
直秀は溜息を吐きながらそうと皆から「解って(い)る(います)」と返事が返ってきた
実際にこのような場所にいるから多少は危ない目に遭うのは解ってはいるが皆出来るだけ危険な目に遭わせたくないし、何より怪我をさせたくないと思っている
怪我でもさせたらねねを始め女性陣も黙っていないし何よりあの歴戦の勇士(女)から何をされるやら・・・と言うのが一番大きいだろう・・・
そう思っていると模擬戦を始める合図が聞こえた
「お、そろそろ始まるみたいだぜ」
「じゃあ俺達も移動するか」
それを合図と言うように皆各々の布陣場所へと移動を始めた
そして、両軍の布陣が整ったのを確認すると模擬戦を始める法螺貝の合図が鳴り響き、実況の兼続の声も響き渡った
「さあて、いよいよ始まった今回の歌姫奪還戦! 実況と解説は義の戦士、直江兼続と眼鏡の片倉小十郎さん、そして凄絶な男、長宗我部元親と一途な男、明智光秀の四人でお届けしよう!」
兼続を見ると手にはマイクを持っていてマイクの途中に実況と書いてある紙があり、解説である小十郎も同じようなマイクを持っていた
「う、歌姫奪還戦って・・・ι と言うか、なんでマイクがあるの?」
天守閣で実況解説組の言葉を聞きその二つ名的なものが出てきて思わず項垂れてしまったが直ぐにマイクにツッコむ
もう片方の実況解説組である光秀と元親の方を見ると、こちらは良く中継などで見かける机の上に実況解説と書いてある札が置いてありその隣にマイクが2本とテレビモニターらしきものが数台ありその前に二人が座っている状態だった
そして自身の前にもテレビモニターらしきものが数台置いてあり各所にカメラも設置されていた
「・・・えっと・・何かこの時代に合わない物があるような気がするんだけど・・・ι」
が、ツッコんでもあまり意味が無いような気がしてきたので外の景色を見ながら実況と解説に耳を傾けると丁度解説の小十郎と光秀が挨拶をしていた所だった
「「改めてよろしくお願いします」」
「今回の対決の解説は兼続と小十郎が天下の色男軍、そして俺と光秀で魔性の美女軍を熱く解説させてもらう」
「おーっと、此処で先陣を切ったのはやはり熱き戦男、福島正則~!」
「対する相手は井伊直虎様で御座いますね」
「別の場所では宗茂と豊久が動いたようだな。対するは誾千代か」
「これはまた凄い対決になりそうですね・・・。おや、彼方では真田兄弟も動き出したようですね」
模擬戦が始まり先陣を切ったメンバーに続き徐々に各地で戦いが繰り広げられ始めた
だがこれはまだ序の口の“序”に過ぎない事だと両軍、そして観覧しているメンバーも察していた
そう、此処から本当の戦いが始まるのだった
続くww
あとがきw
え、ちょっww
また中途半端な所で続いた!?(・・・てのはまあいつもの事かww)
や~ほら、人数が人数だから書いてたらなんか長くなっちゃって(^^;)w
歴戦の勇士殿はどれだけ最強(最凶w)な人なんだろうww
出す予定はないけどw いつかこう言う番外編的なもので出せたら良いなと漠然と思っておくww
そして時代に合わないものとかも出てきてますがそこは気にしない!
今後の方がもっと合わないもの出てくるし、10周年イベントネタもちょこ~っと出しちゃおっかな~w って思ってるのでwww
次回はもっとカオスになりそうだけど頑張って吉継さん落ちになるように頑張りますっ!
5周年:2014.07.18
完成:2014.06.29