天下魔性の歌姫奪還戦
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「模擬戦、ですか・・・?」
「そ、模擬戦よ」
ガラシャの誘いで光秀さんと一緒に四国の元親さんとガラシャが師匠と慕う小少将さんの所に遊びに来ていた時に突然そう言われた
「数日後、この場所で模擬戦が行われる事になった」
「何でも前回行われたあの二つの決定戦が好評だったようで、また違った趣向で模擬戦をやる事になったのです」
あの二つの決定戦と言うのは数週間前に行われた、小少将さん主催の“魔性の美女決定戦”と孫市さん主催の“天下の色男決定戦”の事だ
この対決の結果は各地に広まり、勿論私の耳にも結果は届いたし、参加していた人達からも色々と話しを聞いていた
勿論この場にも魔性の美女決定戦に参加したガラシャと小少将さんもいた
「それで、今度はどう言った内容なんですか?」
「前回のあの二つの決定戦で参加した大半は参加する事になってるわ」
「と言う事は小少将さんとガラシャも?」
「ほむ! わらわも師匠と共に参加するのじゃ!」
えっへん! と言うような感じでガラシャは言うも光秀さんは少し心配そうな顔をしていた
「あまり無理はしてはいけませんよ」
「光秀さんと元親さんも参加するんですか?」
「俺と光秀は熱き戦いを熱く伝える役目だ」
「・・つまり実況と解説ですか」
「ええ。西軍の方は我々が担当させて貰う事になっています」
西軍と言う事は東軍の方もいるようだ
「東軍の方は兼続と小十郎が熱く実況と解説をしてくれる」
「あちらのお二人は我々とは別に参加しながらですが」
つまり兼続さんと小十郎さんは模擬戦に参加しながら実況と解説を担当するらしい・・・
一体どうやって実況と解説をするのだろう? と思いつつ話しを最後まで聞く事にした
「そ・れ・で、今回の模擬戦には貴女にも参加して貰う事になってるの」
「え? 私ですか?」
「そ」
「で、でも、私、皆さんみたいに戦えないですよ?」
「大丈夫なのじゃ! リアの事はわらわと師匠達が守るのじゃ!」
今回の模擬戦の事を詳しく聞くと、主催は秀吉さんとねねさんのようで、前回のあの決定戦のような対決をまた見たいと言う声が多く何か面白くなる事はないかと思っている時に丁度城を訪れていたこちらの4人と今回の模擬戦を思い付いたようだった
そして肝心の私だが、今回の模擬戦の為に建てられる城の天守閣にいるだけで良いそうだ
その城は魔性の美女達が守り、城の天守閣にいる私を魔性の美女達が守りきったら勝ち、逆に天下の色男達が天守閣にいる私を救出したら彼等の勝ち、と言う事らしい
「あの・・、それでどうして私が奪還対象になったんでしょうか・・・?」
今の話しでどうして今回の模擬戦が行われるかは理解出来たが今一つ解らない所があった
「なんでって、それは勿論・・・
「「リア(お前)が男女問わずに人気だから、なのじゃ!(だ)」」「「貴女が男女問わずに人気だから、よ♡(です)」」
「は、はあ・・・」
全員にそう言われ唖然としてしまうが、次の言葉で直ぐに驚きに変わる
「あ、それと、勝った人には翌日、貴女と好きなように過ごす、って言う特典付きなのよね♡」
「えええええええええ!!!!!」
時は同じく、各地の武将達はと言うと・・・
「ねえねえ、官兵衛殿~聞いたー? 今度秀吉様主催の模擬戦が四国で行われるんだって~」
「・・・知っている。それより筆を止めるな、仕事が溜まっている」
「確か勝った人は翌日リアと好きに過ごせるんだよね~」
「くだらぬ・・・さっさと仕事に戻れ」
半兵衛は官兵衛の言葉など聞いていないように今度の模擬戦の事を考えていたが、次の半兵衛の言葉で官兵衛の筆が止まってしまう
「あー、因みに、官兵衛殿は俺と一緒に参加する事になってるから!」
「・・・何故私まで参加する事になっているのだ?」
「そりゃ~俺達が揃えば勝ち間違いなしでしょ! それに俺、丁度温泉行きたかったし!」
「だからと言って私まで巻き込む事はないだろう」
「官兵衛殿だってリアと一緒に居たいくせに・・・」
「何か言ったか?」
「いや何でもないよ~! と言う事だから、官兵衛殿、当日は頑張ろうね~!」
「・・・結局私も参加する事になっているのか」
完全に話しが噛み合っていない気もするが、こうして両兵衛の参加は決まったw
「「何!! 勝者はリアと好きに過ごす事が出来るだ(じゃ)とぉ!?」」
場所は変わってこちらは東北の伊達軍と上杉軍、そして兼続の元を訪れていた幸村とくのいち
どうやら今度の模擬戦の書状が届いたようで内容を読み、先程の言葉が政宗と兼続から出たのであった
「こうしてはおれぬ!! 小十郎! 今すぐ出陣の準備じゃ!!」
「畏まりました、政宗様」
「待て! お前のような山犬に我等愛と義の同士であるリアを渡してたまるものか!! 幸村、我等の手であの山犬からリアを守ろうっ!」
「はい! 兼続殿!! 私もリア殿の為にご助力致しましょう」
「あー、えっとぉ~、リアちんを守ってるのはリアちんのお友達なんすけど・・・」
「・・・確実に聞こえてないな、これは」
「う、うむ・・・」
くのいちの声が盛り上がっている男性陣に聞こえているのかは定かではないが、その声は平常心のある景虎と景勝だけに聞こえていた
「模擬戦と言う事は、これはまた我々の出番ですな! 眼鏡の小十郎さん!」
「は、はあ・・・確かに西軍の解説があのお二方なら東軍の解説は我々と言う事になりますね」
「って、こっちはこっちで何か意気投合しちゃってるしι」
「まあ、可愛いリアがうろたえ者の手に渡ってしまうのなら私も精一杯守らなくてはなりませんね」
「なんと! 御前は敵側に回ってしまわれるのですね!?」
「ふふっ、兼続、これは野蛮な男達だけの対決ではありませんよ? リアは私達女性にとっても大切な子なのですから」
「ご無礼ながら、お嬢様は我々が老婦人より奪還致しますゆえ」
「まあうろたえた事を言いますね、小十郎」
綾御前と小十郎の間には火花が散っていて更に綾御前は笑ってはいるが小十郎と同じく後ろに黒いものが見えていた事は景勝と景虎とくのいちだけが知っている事実だった
「幸村っ! 此処にいたのか!」
すると大きな声と共に襖が勢い良く開きそこから銀髪の男性が入って来た
「兄上、どうなされたのですか?」
「幸村、今度の模擬戦にお前は参加するのか?」
「はい。兼続殿と共に参加します」
「そうか。では私も共に参加しよう」
「何ぃ!?」
真田兄弟の会話を聞いていたのかその言葉を聞くや否、今度は政宗が二人の元へ行く
「信之! 貴様どう言う事じゃ!」
「どうもこうも私は幸村の為に参加するのだ。他に何か理由があるか?」
信之の言葉に何かを感じたのか政宗は少しだけ押し黙ってしまうが直ぐに何か言おうとするも次にやって来た人物によってその言葉は喉元で止まってしまう
「信之様、・・・やっと追い着きました」
「稲ちん? どったのそんなに息切らせて?」
「あ、皆さんお揃いだったのですね。いえ、先程秀吉様から届いた書状を信之様と一緒に見ていたのですが・・・」
「その内容を見た途端、信之様が幸村様を探してその後を稲ちんが追い駆けて来たって事っすね」
「ええ、その通りよ」
流石は真田家に仕えている忍、幸村と信之の性格と行動を良く理解している
「稲、幸村は兼続と一緒に参加するらしい」
「やはり・・・ですが、あの・・」
稲姫も幸村が参加すると言う事は理解していたようだが直ぐに言葉を濁した
「どうなさったのですか、姉上?」
「えっと、言いにくい事なんだけど、実は、私、幸村達とは一緒に出られないの」
「どう言う事だ、稲?」
「あのですね、今回の模擬戦は言うならば男女の対決と言う事なので・・・」
「必然的に私は綾様とくのちんと他の方々と一緒にリアを守る方になっているのです・・・」
そう、忘れていたかもしれないが、これは魔性の美女達と天下の色男達との対決で、女性陣は魔性の美女軍、そして男性陣は天下の色男軍に分かれているのだ
皆、奪還対象がリアであり、更に翌日好きなように過ごせると言う所に気がいっていたようで肝心な所を見落としていたようだった
そしてまた別の場所では・・・
「殿~、秀吉様から書状が届いていますよー」
「秀吉様からだと?」
執務をしていた三成の元に左近と吉継がやってきてその書状を見ると、今度の模擬戦の事が書かれていた
「秀吉様主催の模擬戦か・・・」
「しかも奪還戦ですか・・・」
が、皆最後に書かれている所で目が止まってしまう
「奪還対象は・・・リア、だと・・」
「ほお、しかも勝者には翌日リアさんと好きに過ごせると言う特典付き、ですか」
左近のその言葉に一瞬三成の眉がピクリと動いたが三成はふん・・・といつものように気にした様子もなく執務に戻った
「参加しないのか、三成」
「秀吉様主催とは言え命令ではない、任意であろう。俺が出るものではない」
「本当に良いんですか、殿」
「くどい」
二人の言葉など気にした様子もないと言うように三成は普段通りに筆を進めるも左近と吉継は何かを思っている顔をして言葉を続けた
「そう言えば、この前リアさんと話した時に温泉に行ってみたいと言っていましたね」
「確かにおねね様や他の者達ともそのような話しをしていたな」
「じゃあこの模擬戦に俺達が出てリアさんを温泉に連れて行ってやると言うのも良いかもしれないですね」
「普段は城の中しかいられないから気分転換には丁度良いかもしれないな」
「それにこの書状は他の皆さんの所にも届いているんですよね。奪還対象がリアさん、更に翌日好きに過ごすと言う所に目がいって参加する人は多いでしょうねぇ」
「ああ。この城の中では清正、正則、半兵衛軍師殿や直秀が確実に参加するだろうな」
「大方官兵衛さんは半兵衛さんに連れられて参加になるでしょうし、幸村や兼続さん、政宗さんも参加するでしょうね」
「雑賀孫市、立花宗茂も来るだろうな」
二人は三成に聞こえるようにそう言っていたが最後の方の言葉を聞くと三成の手は完全に止まった
「殿、どうかしましたか?」
「左近、吉継、その模擬戦、俺達も参加するぞ」
「急だな。何か気になる事でもあったのか」
「四国の方で仕事がある事を思い出しただけだ。そのついでに参加するまでだ」
言うと三成は部屋を出て行った
多分模擬戦に参加すると言う事を秀吉やねねに伝えに行ったのだろうと二人は思った
「やれやれ。殿ももう少し素直になれば良いんですけどね」
実際にリアと話した事も言っていたが、三成が参加すると言ったのは参加するメンバーに反応したからと言うが一番大きいだろう
「相手は小少将率いる軍だと言う事を三成も忘れていそうな気がするな」
「他の男達も手強ければリアさんを守る女性達も手強いって事ですかね」
両軍に参加しそうな面々が浮かんだのか左近はそう言い、吉継も同じように思っていた
「ま、とにかく、当日は俺達も頑張りましょう」
「そうだな」
言うと左近も部屋を出て行きふっと笑って吉継は返事を返した
部屋に残った吉継は今度の模擬戦に参加しそうな男達を思い浮かべる
皆、リアに想いを寄せている一癖も二癖もある兵 ばかり
勿論守備する側の女性陣も同じで、リアを大事に思っている面々が参加し、奪還されないよう色んな手を打ってくるだろう
それでも男達は特典である一緒に過ごせると言う事の方が本当の目的だと言うもの一目で分かり途中でつぶし合いになるだろうと言う事も検討がついていた
「当日は今までとは違った流れになりそうだな」
ふっと言ってそう言うと吉継も部屋を出て行った
各地に秀吉からの書状が届き、この模擬戦が行われる事が知れ渡り、各地の武将達は色々な思いを抱えて当日を待っていたのだった
天下魔性の歌姫奪還戦(其の壱)
続くww
あとがきw
と、言う事で! サイト5周年記念アンケートで見事1位だった戦国無双夢“逆ハーの吉継さん落ち”が始まりましたっ!!
そしてまさかな続きものwww
なんか書いてたら思ってた以上に皆さん書けてしまいましてww
書いてて楽しかったのは言うまでもなく、東北チームの方々ですww
三郎くんこと景虎さんはイケメンくんだし結構外伝でも絡みがあったし個人的に彼好きなので今回出してみたw
で、肝心の模擬戦・・もとい、奪還戦ですが、それは次回からちゃーんと始めます!
出てないキャラもじゃんじゃん出していきます!
ではこれからの模擬戦をお楽しみ下さいませっ!
5周年:2014.07.18
完成:2014.06.03
「そ、模擬戦よ」
ガラシャの誘いで光秀さんと一緒に四国の元親さんとガラシャが師匠と慕う小少将さんの所に遊びに来ていた時に突然そう言われた
「数日後、この場所で模擬戦が行われる事になった」
「何でも前回行われたあの二つの決定戦が好評だったようで、また違った趣向で模擬戦をやる事になったのです」
あの二つの決定戦と言うのは数週間前に行われた、小少将さん主催の“魔性の美女決定戦”と孫市さん主催の“天下の色男決定戦”の事だ
この対決の結果は各地に広まり、勿論私の耳にも結果は届いたし、参加していた人達からも色々と話しを聞いていた
勿論この場にも魔性の美女決定戦に参加したガラシャと小少将さんもいた
「それで、今度はどう言った内容なんですか?」
「前回のあの二つの決定戦で参加した大半は参加する事になってるわ」
「と言う事は小少将さんとガラシャも?」
「ほむ! わらわも師匠と共に参加するのじゃ!」
えっへん! と言うような感じでガラシャは言うも光秀さんは少し心配そうな顔をしていた
「あまり無理はしてはいけませんよ」
「光秀さんと元親さんも参加するんですか?」
「俺と光秀は熱き戦いを熱く伝える役目だ」
「・・つまり実況と解説ですか」
「ええ。西軍の方は我々が担当させて貰う事になっています」
西軍と言う事は東軍の方もいるようだ
「東軍の方は兼続と小十郎が熱く実況と解説をしてくれる」
「あちらのお二人は我々とは別に参加しながらですが」
つまり兼続さんと小十郎さんは模擬戦に参加しながら実況と解説を担当するらしい・・・
一体どうやって実況と解説をするのだろう? と思いつつ話しを最後まで聞く事にした
「そ・れ・で、今回の模擬戦には貴女にも参加して貰う事になってるの」
「え? 私ですか?」
「そ」
「で、でも、私、皆さんみたいに戦えないですよ?」
「大丈夫なのじゃ! リアの事はわらわと師匠達が守るのじゃ!」
今回の模擬戦の事を詳しく聞くと、主催は秀吉さんとねねさんのようで、前回のあの決定戦のような対決をまた見たいと言う声が多く何か面白くなる事はないかと思っている時に丁度城を訪れていたこちらの4人と今回の模擬戦を思い付いたようだった
そして肝心の私だが、今回の模擬戦の為に建てられる城の天守閣にいるだけで良いそうだ
その城は魔性の美女達が守り、城の天守閣にいる私を魔性の美女達が守りきったら勝ち、逆に天下の色男達が天守閣にいる私を救出したら彼等の勝ち、と言う事らしい
「あの・・、それでどうして私が奪還対象になったんでしょうか・・・?」
今の話しでどうして今回の模擬戦が行われるかは理解出来たが今一つ解らない所があった
「なんでって、それは勿論・・・
「「リア(お前)が男女問わずに人気だから、なのじゃ!(だ)」」「「貴女が男女問わずに人気だから、よ♡(です)」」
「は、はあ・・・」
全員にそう言われ唖然としてしまうが、次の言葉で直ぐに驚きに変わる
「あ、それと、勝った人には翌日、貴女と好きなように過ごす、って言う特典付きなのよね♡」
「えええええええええ!!!!!」
時は同じく、各地の武将達はと言うと・・・
「ねえねえ、官兵衛殿~聞いたー? 今度秀吉様主催の模擬戦が四国で行われるんだって~」
「・・・知っている。それより筆を止めるな、仕事が溜まっている」
「確か勝った人は翌日リアと好きに過ごせるんだよね~」
「くだらぬ・・・さっさと仕事に戻れ」
半兵衛は官兵衛の言葉など聞いていないように今度の模擬戦の事を考えていたが、次の半兵衛の言葉で官兵衛の筆が止まってしまう
「あー、因みに、官兵衛殿は俺と一緒に参加する事になってるから!」
「・・・何故私まで参加する事になっているのだ?」
「そりゃ~俺達が揃えば勝ち間違いなしでしょ! それに俺、丁度温泉行きたかったし!」
「だからと言って私まで巻き込む事はないだろう」
「官兵衛殿だってリアと一緒に居たいくせに・・・」
「何か言ったか?」
「いや何でもないよ~! と言う事だから、官兵衛殿、当日は頑張ろうね~!」
「・・・結局私も参加する事になっているのか」
完全に話しが噛み合っていない気もするが、こうして両兵衛の参加は決まったw
「「何!! 勝者はリアと好きに過ごす事が出来るだ(じゃ)とぉ!?」」
場所は変わってこちらは東北の伊達軍と上杉軍、そして兼続の元を訪れていた幸村とくのいち
どうやら今度の模擬戦の書状が届いたようで内容を読み、先程の言葉が政宗と兼続から出たのであった
「こうしてはおれぬ!! 小十郎! 今すぐ出陣の準備じゃ!!」
「畏まりました、政宗様」
「待て! お前のような山犬に我等愛と義の同士であるリアを渡してたまるものか!! 幸村、我等の手であの山犬からリアを守ろうっ!」
「はい! 兼続殿!! 私もリア殿の為にご助力致しましょう」
「あー、えっとぉ~、リアちんを守ってるのはリアちんのお友達なんすけど・・・」
「・・・確実に聞こえてないな、これは」
「う、うむ・・・」
くのいちの声が盛り上がっている男性陣に聞こえているのかは定かではないが、その声は平常心のある景虎と景勝だけに聞こえていた
「模擬戦と言う事は、これはまた我々の出番ですな! 眼鏡の小十郎さん!」
「は、はあ・・・確かに西軍の解説があのお二方なら東軍の解説は我々と言う事になりますね」
「って、こっちはこっちで何か意気投合しちゃってるしι」
「まあ、可愛いリアがうろたえ者の手に渡ってしまうのなら私も精一杯守らなくてはなりませんね」
「なんと! 御前は敵側に回ってしまわれるのですね!?」
「ふふっ、兼続、これは野蛮な男達だけの対決ではありませんよ? リアは私達女性にとっても大切な子なのですから」
「ご無礼ながら、お嬢様は我々が老婦人より奪還致しますゆえ」
「まあうろたえた事を言いますね、小十郎」
綾御前と小十郎の間には火花が散っていて更に綾御前は笑ってはいるが小十郎と同じく後ろに黒いものが見えていた事は景勝と景虎とくのいちだけが知っている事実だった
「幸村っ! 此処にいたのか!」
すると大きな声と共に襖が勢い良く開きそこから銀髪の男性が入って来た
「兄上、どうなされたのですか?」
「幸村、今度の模擬戦にお前は参加するのか?」
「はい。兼続殿と共に参加します」
「そうか。では私も共に参加しよう」
「何ぃ!?」
真田兄弟の会話を聞いていたのかその言葉を聞くや否、今度は政宗が二人の元へ行く
「信之! 貴様どう言う事じゃ!」
「どうもこうも私は幸村の為に参加するのだ。他に何か理由があるか?」
信之の言葉に何かを感じたのか政宗は少しだけ押し黙ってしまうが直ぐに何か言おうとするも次にやって来た人物によってその言葉は喉元で止まってしまう
「信之様、・・・やっと追い着きました」
「稲ちん? どったのそんなに息切らせて?」
「あ、皆さんお揃いだったのですね。いえ、先程秀吉様から届いた書状を信之様と一緒に見ていたのですが・・・」
「その内容を見た途端、信之様が幸村様を探してその後を稲ちんが追い駆けて来たって事っすね」
「ええ、その通りよ」
流石は真田家に仕えている忍、幸村と信之の性格と行動を良く理解している
「稲、幸村は兼続と一緒に参加するらしい」
「やはり・・・ですが、あの・・」
稲姫も幸村が参加すると言う事は理解していたようだが直ぐに言葉を濁した
「どうなさったのですか、姉上?」
「えっと、言いにくい事なんだけど、実は、私、幸村達とは一緒に出られないの」
「どう言う事だ、稲?」
「あのですね、今回の模擬戦は言うならば男女の対決と言う事なので・・・」
「必然的に私は綾様とくのちんと他の方々と一緒にリアを守る方になっているのです・・・」
そう、忘れていたかもしれないが、これは魔性の美女達と天下の色男達との対決で、女性陣は魔性の美女軍、そして男性陣は天下の色男軍に分かれているのだ
皆、奪還対象がリアであり、更に翌日好きなように過ごせると言う所に気がいっていたようで肝心な所を見落としていたようだった
そしてまた別の場所では・・・
「殿~、秀吉様から書状が届いていますよー」
「秀吉様からだと?」
執務をしていた三成の元に左近と吉継がやってきてその書状を見ると、今度の模擬戦の事が書かれていた
「秀吉様主催の模擬戦か・・・」
「しかも奪還戦ですか・・・」
が、皆最後に書かれている所で目が止まってしまう
「奪還対象は・・・リア、だと・・」
「ほお、しかも勝者には翌日リアさんと好きに過ごせると言う特典付き、ですか」
左近のその言葉に一瞬三成の眉がピクリと動いたが三成はふん・・・といつものように気にした様子もなく執務に戻った
「参加しないのか、三成」
「秀吉様主催とは言え命令ではない、任意であろう。俺が出るものではない」
「本当に良いんですか、殿」
「くどい」
二人の言葉など気にした様子もないと言うように三成は普段通りに筆を進めるも左近と吉継は何かを思っている顔をして言葉を続けた
「そう言えば、この前リアさんと話した時に温泉に行ってみたいと言っていましたね」
「確かにおねね様や他の者達ともそのような話しをしていたな」
「じゃあこの模擬戦に俺達が出てリアさんを温泉に連れて行ってやると言うのも良いかもしれないですね」
「普段は城の中しかいられないから気分転換には丁度良いかもしれないな」
「それにこの書状は他の皆さんの所にも届いているんですよね。奪還対象がリアさん、更に翌日好きに過ごすと言う所に目がいって参加する人は多いでしょうねぇ」
「ああ。この城の中では清正、正則、半兵衛軍師殿や直秀が確実に参加するだろうな」
「大方官兵衛さんは半兵衛さんに連れられて参加になるでしょうし、幸村や兼続さん、政宗さんも参加するでしょうね」
「雑賀孫市、立花宗茂も来るだろうな」
二人は三成に聞こえるようにそう言っていたが最後の方の言葉を聞くと三成の手は完全に止まった
「殿、どうかしましたか?」
「左近、吉継、その模擬戦、俺達も参加するぞ」
「急だな。何か気になる事でもあったのか」
「四国の方で仕事がある事を思い出しただけだ。そのついでに参加するまでだ」
言うと三成は部屋を出て行った
多分模擬戦に参加すると言う事を秀吉やねねに伝えに行ったのだろうと二人は思った
「やれやれ。殿ももう少し素直になれば良いんですけどね」
実際にリアと話した事も言っていたが、三成が参加すると言ったのは参加するメンバーに反応したからと言うが一番大きいだろう
「相手は小少将率いる軍だと言う事を三成も忘れていそうな気がするな」
「他の男達も手強ければリアさんを守る女性達も手強いって事ですかね」
両軍に参加しそうな面々が浮かんだのか左近はそう言い、吉継も同じように思っていた
「ま、とにかく、当日は俺達も頑張りましょう」
「そうだな」
言うと左近も部屋を出て行きふっと笑って吉継は返事を返した
部屋に残った吉継は今度の模擬戦に参加しそうな男達を思い浮かべる
皆、リアに想いを寄せている一癖も二癖もある
勿論守備する側の女性陣も同じで、リアを大事に思っている面々が参加し、奪還されないよう色んな手を打ってくるだろう
それでも男達は特典である一緒に過ごせると言う事の方が本当の目的だと言うもの一目で分かり途中でつぶし合いになるだろうと言う事も検討がついていた
「当日は今までとは違った流れになりそうだな」
ふっと言ってそう言うと吉継も部屋を出て行った
各地に秀吉からの書状が届き、この模擬戦が行われる事が知れ渡り、各地の武将達は色々な思いを抱えて当日を待っていたのだった
天下魔性の歌姫奪還戦(其の壱)
続くww
あとがきw
と、言う事で! サイト5周年記念アンケートで見事1位だった戦国無双夢“逆ハーの吉継さん落ち”が始まりましたっ!!
そしてまさかな続きものwww
なんか書いてたら思ってた以上に皆さん書けてしまいましてww
書いてて楽しかったのは言うまでもなく、東北チームの方々ですww
三郎くんこと景虎さんはイケメンくんだし結構外伝でも絡みがあったし個人的に彼好きなので今回出してみたw
で、肝心の模擬戦・・もとい、奪還戦ですが、それは次回からちゃーんと始めます!
出てないキャラもじゃんじゃん出していきます!
ではこれからの模擬戦をお楽しみ下さいませっ!
5周年:2014.07.18
完成:2014.06.03