36.月に恋して
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「此処に居たんですか」
「ルードくん」
聞き慣れた声が聞こえ目を開けるとルードが向かって来ているのが見えた
「ルードくん、どうして此処に?」
「先程、リアさんが邸から出るのが見えたんです。何か考えている顔をしていたのが気になったので」
「そっか」
「昼間も何か気になっていましたよね」
言うとルードはリアの隣に座り、リアはルードの言葉に頷いて話し出した
「・・・梓ちゃんが四神の結界を解き始めてからなんだけど、その光景が見えたの」
「え?」
リアの言葉にルードは驚いて目を瞠った
「結界が解けた感じも勿論昼間に感じていたけど、一部だけその光景が見えたの。四神の神域に梓ちゃんだけじゃなくてルードくんやみんなが居た所も・・」
「・・・・」
その事は間違いではなかった
梓が四神の神域で聖獣である朱雀と戦った時はコハクと秋兵、白虎と戦った時はルードと虎、玄武と戦った時は九段と村雨、そして青龍と戦った時は有馬とダリウスが共に戦っていたのだった
「・・そうでしたか。黙っていてすみません」
「良いよ。みんなだってどう言って良いのか分からなかったと思うし。でも四神の神域に入れるのはその聖獣と呼応する力を持った者のみ、だったよね」
「ええ」
「なら、ルードくんは白虎と呼応する力を持っているって事だよ」
リアの言葉にルードは驚いて目を瞠る
「本当にリアさんは前向きな人ですね」
「え?」
ルードの言葉に今度はリアが驚いてキョトンとしてしまう
「初めてリアさんと出逢った時の事、覚えていますか」
「うん、覚えてるよ」
途端そう振られリアもルードと出逢った時の事を思い出す
ルードとリアが出逢ったのは四年前、鬼の隠れ里から少し放れた平原でルードが修行をしていた時だった ――
「・・・はあっ・・・はあっ」
ルードは鬼の力を上手く扱う事が出来ずに荒い息を吐いていた
「まだ、駄目だ・・・っ!」
途端、何かが飛んでくる気配を感じその場から放れた
「・・・ナイフ?」
「あ、ご、ごめんなさい!!」
自分の横を通り過ぎ地面に落ちているナイフを見ているとそう謝る女性の声が聞こえルードは顔を上げると鬼の里では見慣れない女性が走って来ているのが見えた
「ごめんなさい。新しい技の練習をしていたら一本だけ的が外れちゃって・・・まさか、こんな所に人が居るなんて思ってなくて・・・あの、怪我、してませんか・・?」
「え、ええ・・・」
そこには本当に申し訳なさそうな顔をして、そして自分を心配している顔をした女性・・いや、少女が居た
「貴女は・・・?」
「私は楓月璃唖。鬼の隠れ里の近くに住んでいるの」
「鬼の隠れ里の近く・・」
それを聞き、璃唖と名乗った少女が唯一鬼と関わり合いのある人間の一族だと気付く
それで見た事ない人だと思っていると璃唖がじっとルードを見ていた
「貴方の名前、聞いても良いですか?」
「ルードハーネです」
「ルードハーネくんね。貴方も此処で修行をしていたの?」
「ええ。貴女もですか?」
「はい。だけど、この技だけはまだ習得出来なくて・・・」
どうやら璃唖が練習していた技はかなりの大技のようで里でも習得してる人はいないそうだ
「何故そのような技を習得しようとしているのですか」
璃唖も自分と同じように跡継ぎなのかと思いそう尋ねた
「私達の一族も変わった力があるから、自分の身は自分で守らなきゃいけないし。それに、誰か一人でもみんなと違った大技が使えたら戦力にもなるしみんなを守れるでしょ」
言うと璃唖はにこりと微笑み、その前向きさを目の当たりにしてルードは驚いていた
自分は里の者達から、正統な血筋ながら情けない、努力の足りない軟弱者だと噂されていた
だが、目の前に居る少女はそんな事も知らないのか普通に自分と接している
見た目は普通の少女なのに、自分や里の者達とも違う強い意志を持って前を見ている
それがルードにはとても眩しく見えていた
「・・・あ」
途端、璃唖は何かに気が付きルードに近付いた
「ど、どうかしましたか」
いきなり距離を縮められ驚いてしまうも璃唖はある一点を見ていた
「・・・怪我してますね。修行で負った傷ですか?」
「ええ・・・」
その傷を隠そうにも全体的に表れてしまっていた
「少し、じっとしていて下さい」
「え・・? ・・・!」
言うと璃唖は目を閉じルードの腕に手を翳すと温かい光が辺りを包み傷が段々と癒えていった
「・・・これは、治癒の力・・!」
実際に鬼の一族でも治癒の力を扱える者は少ない
だが、璃唖はその力を使えていた
「・・・これで大丈夫だと思いますけど、痛む所はないですか」
「ええ・・・ありがとう、御座います」
傷を治して貰ったのは事実なのでルードは素直にお礼を言うと璃唖は先程よりも優しい笑顔を向けた
「・・・・」
その笑顔を見てルードは驚いてしまったが、先程から気になっていた事を聞いた
「・・・貴女は、混血なんですか?」
「私は人間よ。けど、血筋を辿ると鬼と結婚した人もいたし、混血だった人もいるから多分この力は血筋だと思う。私達の里にいる人達はみんなそんな感じだしね」
確かに鬼の隠れ里の近くに住んでいる人間達は変わった力を持っていて、その力は鬼の力を引き継いでると言う事はルードも聞いていたし、璃唖が言っていた通りお互いの里の者同士が結婚したと言う話も知っていた
今まで璃唖達の一族とあまり関わり合いを持って居なかったから、こうやって直接会うのも璃唖が初めてだった
「っと、そろそろ戻らなきゃ。修行の邪魔しちゃってごめんなさい」
「いえ・・あの、」
「?」
「貴女の技、見せて貰っても良いでしょうか?」
「え?」
「お互い修行をしている身。得られるものもあるでしょうし」
ルードのその言葉に璃唖は頷いて技を見せ始めた
そしてお互いに此処で修行し合うようになり、いつの間にか話すようになっていて、お互いの事は今呼んでいる呼び方になっていた
「それから暫くしてからでしたね、ダリウス様と出逢ったのは」
「うん。ダリウスさんと出逢って、私もルードくんも変わったよね」
「ええ。ですが、リアさんはあの時から変わらず前を見ていますし、優しい所も変わっていませんよ」
「ルードくんだって優しいじゃない。いつもルードくんに助けて貰ってるし、本当に凄く頼りにしてるよ」
リアのその言葉と優しい笑みにルードは言葉に詰まるも何かを思っている顔をした
「・・ルードくん?」
「いえ。リアさんにそう言われるもの悪くないと思っていただけです」
今までだったらそう言われたら動揺していたが、それが今はすっと胸の中に入ってきて心地良いと思っていた
(そう思えるようになったのはきっと、私がリアさんの事を認めたからなんでしょうね・・・)
何に対してか、と言う事はルード自身が一番解っていた
そう思いリアを見ると湖を眺めていたがルードの視線に気付き微笑んだ
そんなリアを見て手を伸ばそうとしたがそれをやめ、ある事を思い出す
「リアさん、これを渡しておきます」
言うとルードは綺麗な緑色できらきらとしている石をリアに渡した
「これは・・」
「「結界の種」です。私の力を込めました。実用の結界を張るまでの力はありませんが、今後の事を考えると持っていた方が良いと思いまして。発動させると術者である私の気と共鳴します」
つまり、リアがこの種を握って念を込めればルードがリアの居場所を察知出来ると言う事だった
確かに今後は今以上に危険になり得る可能性もあった
特に今後の事には以前感じたあの嫌な感じの正体とも対面するだろう
「あの時のように貴女が危険な目に遭うかもしれませんので、持っていて下さい」
「ルードくん。うん、ありがとう」
言うとリアは嬉しそうな顔をして結界の種を握っていた
「ではそろそろ邸へ戻りましょうか。夏でもあまり遅くなっては体を冷やしてしまいます」
「そうだね、そろそろ戻ろうか」
そう言ってリアも立ち上がろうとしたが
「! わっ!」
「!」
足下の草に足が引っかかってしまい転びそうになったが、何かに受け止められそのまま転んでしまう
「・・あれ・・?」
「・・大丈夫ですか」
痛みがない事に疑問を持っていると自分の下から声が聞こえた
「・・え、ル、ルードくん!?」
どうやらルードが転びそうになったリアを受け止めたが、抱き留めたまま地面に倒れたようだった
「ご、ごめん! 受け止めてくれてありがとう。直ぐに退くね・・・!」
そう言ってルードの上から退こうとしていたがそのままルードに引き寄せられた
「ルード、くん・・?」
「・・・先程の言葉の追加です」
「え?」
「・・・貴女は少し危なっかしい所もありますよね。私より年上ですが、放っておけない所も多くて・・・だから、・・手放したくないと思ってしまうんです」
「!」
言うとルードは先程よりも強くリアを抱きしめそう言い、ルードの言葉にリアは目を瞠っていた
だがこうされている事にリアも何処か安堵して温かさを感じていた
「ルードくん、温かい」
「リアさんこそ温かいですよ」
お互いの体温を感じ小さく笑い合った
「・・もう少しだけ、こうしていても良いですか」
「・・・うん」
リアの返事を聞くとルードはありがとう御座いますと言ってリアを抱きしめた
貴女の優しさや温かさは、皆を包み込んでくれる
けれどそれは太陽の温かさと言うより、月の光の温かさと言う方が正しい
きっと、あの頃から貴女の光に当てられずっと思っていたのかもしれない
私は、月である貴女に恋をしていたのだと ――
36.月に恋して(ルード編)
続く
あとがき
はい、ようやくルードくんルートの恋愛ルート入りました!
ようやく完成しました!!
綺麗に終わらせようかと思ったけど意外と甘い感じがなかったので最後の方はちょっと甘めを意識して書いてみました
お互いに色々と思っている事もあるし、後はやっとルードくんとリアちゃんの出逢いのシーンも書けたので満足していますw←
後はやっぱりルードくんと言えば『優しい』『頼れる』って言うワードは凄く大事だし、キャラソンでも使われているのでこちらでも使用しましたw
さて、二人の展開もちょっとずつだけど進んだ所で本編を交えつつ進めて行きます
あ、勿論、ルードくんルートで重要になってくるあの人も今後登場しますのでお楽しみに!(ゲームとはちょっと出逢い方変えるけどww←)
では次回もお楽しみに~!(後、残りのルートも読んでくれると嬉しいですw)
2015.07.21
「ルードくん」
聞き慣れた声が聞こえ目を開けるとルードが向かって来ているのが見えた
「ルードくん、どうして此処に?」
「先程、リアさんが邸から出るのが見えたんです。何か考えている顔をしていたのが気になったので」
「そっか」
「昼間も何か気になっていましたよね」
言うとルードはリアの隣に座り、リアはルードの言葉に頷いて話し出した
「・・・梓ちゃんが四神の結界を解き始めてからなんだけど、その光景が見えたの」
「え?」
リアの言葉にルードは驚いて目を瞠った
「結界が解けた感じも勿論昼間に感じていたけど、一部だけその光景が見えたの。四神の神域に梓ちゃんだけじゃなくてルードくんやみんなが居た所も・・」
「・・・・」
その事は間違いではなかった
梓が四神の神域で聖獣である朱雀と戦った時はコハクと秋兵、白虎と戦った時はルードと虎、玄武と戦った時は九段と村雨、そして青龍と戦った時は有馬とダリウスが共に戦っていたのだった
「・・そうでしたか。黙っていてすみません」
「良いよ。みんなだってどう言って良いのか分からなかったと思うし。でも四神の神域に入れるのはその聖獣と呼応する力を持った者のみ、だったよね」
「ええ」
「なら、ルードくんは白虎と呼応する力を持っているって事だよ」
リアの言葉にルードは驚いて目を瞠る
「本当にリアさんは前向きな人ですね」
「え?」
ルードの言葉に今度はリアが驚いてキョトンとしてしまう
「初めてリアさんと出逢った時の事、覚えていますか」
「うん、覚えてるよ」
途端そう振られリアもルードと出逢った時の事を思い出す
ルードとリアが出逢ったのは四年前、鬼の隠れ里から少し放れた平原でルードが修行をしていた時だった ――
「・・・はあっ・・・はあっ」
ルードは鬼の力を上手く扱う事が出来ずに荒い息を吐いていた
「まだ、駄目だ・・・っ!」
途端、何かが飛んでくる気配を感じその場から放れた
「・・・ナイフ?」
「あ、ご、ごめんなさい!!」
自分の横を通り過ぎ地面に落ちているナイフを見ているとそう謝る女性の声が聞こえルードは顔を上げると鬼の里では見慣れない女性が走って来ているのが見えた
「ごめんなさい。新しい技の練習をしていたら一本だけ的が外れちゃって・・・まさか、こんな所に人が居るなんて思ってなくて・・・あの、怪我、してませんか・・?」
「え、ええ・・・」
そこには本当に申し訳なさそうな顔をして、そして自分を心配している顔をした女性・・いや、少女が居た
「貴女は・・・?」
「私は楓月璃唖。鬼の隠れ里の近くに住んでいるの」
「鬼の隠れ里の近く・・」
それを聞き、璃唖と名乗った少女が唯一鬼と関わり合いのある人間の一族だと気付く
それで見た事ない人だと思っていると璃唖がじっとルードを見ていた
「貴方の名前、聞いても良いですか?」
「ルードハーネです」
「ルードハーネくんね。貴方も此処で修行をしていたの?」
「ええ。貴女もですか?」
「はい。だけど、この技だけはまだ習得出来なくて・・・」
どうやら璃唖が練習していた技はかなりの大技のようで里でも習得してる人はいないそうだ
「何故そのような技を習得しようとしているのですか」
璃唖も自分と同じように跡継ぎなのかと思いそう尋ねた
「私達の一族も変わった力があるから、自分の身は自分で守らなきゃいけないし。それに、誰か一人でもみんなと違った大技が使えたら戦力にもなるしみんなを守れるでしょ」
言うと璃唖はにこりと微笑み、その前向きさを目の当たりにしてルードは驚いていた
自分は里の者達から、正統な血筋ながら情けない、努力の足りない軟弱者だと噂されていた
だが、目の前に居る少女はそんな事も知らないのか普通に自分と接している
見た目は普通の少女なのに、自分や里の者達とも違う強い意志を持って前を見ている
それがルードにはとても眩しく見えていた
「・・・あ」
途端、璃唖は何かに気が付きルードに近付いた
「ど、どうかしましたか」
いきなり距離を縮められ驚いてしまうも璃唖はある一点を見ていた
「・・・怪我してますね。修行で負った傷ですか?」
「ええ・・・」
その傷を隠そうにも全体的に表れてしまっていた
「少し、じっとしていて下さい」
「え・・? ・・・!」
言うと璃唖は目を閉じルードの腕に手を翳すと温かい光が辺りを包み傷が段々と癒えていった
「・・・これは、治癒の力・・!」
実際に鬼の一族でも治癒の力を扱える者は少ない
だが、璃唖はその力を使えていた
「・・・これで大丈夫だと思いますけど、痛む所はないですか」
「ええ・・・ありがとう、御座います」
傷を治して貰ったのは事実なのでルードは素直にお礼を言うと璃唖は先程よりも優しい笑顔を向けた
「・・・・」
その笑顔を見てルードは驚いてしまったが、先程から気になっていた事を聞いた
「・・・貴女は、混血なんですか?」
「私は人間よ。けど、血筋を辿ると鬼と結婚した人もいたし、混血だった人もいるから多分この力は血筋だと思う。私達の里にいる人達はみんなそんな感じだしね」
確かに鬼の隠れ里の近くに住んでいる人間達は変わった力を持っていて、その力は鬼の力を引き継いでると言う事はルードも聞いていたし、璃唖が言っていた通りお互いの里の者同士が結婚したと言う話も知っていた
今まで璃唖達の一族とあまり関わり合いを持って居なかったから、こうやって直接会うのも璃唖が初めてだった
「っと、そろそろ戻らなきゃ。修行の邪魔しちゃってごめんなさい」
「いえ・・あの、」
「?」
「貴女の技、見せて貰っても良いでしょうか?」
「え?」
「お互い修行をしている身。得られるものもあるでしょうし」
ルードのその言葉に璃唖は頷いて技を見せ始めた
そしてお互いに此処で修行し合うようになり、いつの間にか話すようになっていて、お互いの事は今呼んでいる呼び方になっていた
「それから暫くしてからでしたね、ダリウス様と出逢ったのは」
「うん。ダリウスさんと出逢って、私もルードくんも変わったよね」
「ええ。ですが、リアさんはあの時から変わらず前を見ていますし、優しい所も変わっていませんよ」
「ルードくんだって優しいじゃない。いつもルードくんに助けて貰ってるし、本当に凄く頼りにしてるよ」
リアのその言葉と優しい笑みにルードは言葉に詰まるも何かを思っている顔をした
「・・ルードくん?」
「いえ。リアさんにそう言われるもの悪くないと思っていただけです」
今までだったらそう言われたら動揺していたが、それが今はすっと胸の中に入ってきて心地良いと思っていた
(そう思えるようになったのはきっと、私がリアさんの事を認めたからなんでしょうね・・・)
何に対してか、と言う事はルード自身が一番解っていた
そう思いリアを見ると湖を眺めていたがルードの視線に気付き微笑んだ
そんなリアを見て手を伸ばそうとしたがそれをやめ、ある事を思い出す
「リアさん、これを渡しておきます」
言うとルードは綺麗な緑色できらきらとしている石をリアに渡した
「これは・・」
「「結界の種」です。私の力を込めました。実用の結界を張るまでの力はありませんが、今後の事を考えると持っていた方が良いと思いまして。発動させると術者である私の気と共鳴します」
つまり、リアがこの種を握って念を込めればルードがリアの居場所を察知出来ると言う事だった
確かに今後は今以上に危険になり得る可能性もあった
特に今後の事には以前感じたあの嫌な感じの正体とも対面するだろう
「あの時のように貴女が危険な目に遭うかもしれませんので、持っていて下さい」
「ルードくん。うん、ありがとう」
言うとリアは嬉しそうな顔をして結界の種を握っていた
「ではそろそろ邸へ戻りましょうか。夏でもあまり遅くなっては体を冷やしてしまいます」
「そうだね、そろそろ戻ろうか」
そう言ってリアも立ち上がろうとしたが
「! わっ!」
「!」
足下の草に足が引っかかってしまい転びそうになったが、何かに受け止められそのまま転んでしまう
「・・あれ・・?」
「・・大丈夫ですか」
痛みがない事に疑問を持っていると自分の下から声が聞こえた
「・・え、ル、ルードくん!?」
どうやらルードが転びそうになったリアを受け止めたが、抱き留めたまま地面に倒れたようだった
「ご、ごめん! 受け止めてくれてありがとう。直ぐに退くね・・・!」
そう言ってルードの上から退こうとしていたがそのままルードに引き寄せられた
「ルード、くん・・?」
「・・・先程の言葉の追加です」
「え?」
「・・・貴女は少し危なっかしい所もありますよね。私より年上ですが、放っておけない所も多くて・・・だから、・・手放したくないと思ってしまうんです」
「!」
言うとルードは先程よりも強くリアを抱きしめそう言い、ルードの言葉にリアは目を瞠っていた
だがこうされている事にリアも何処か安堵して温かさを感じていた
「ルードくん、温かい」
「リアさんこそ温かいですよ」
お互いの体温を感じ小さく笑い合った
「・・もう少しだけ、こうしていても良いですか」
「・・・うん」
リアの返事を聞くとルードはありがとう御座いますと言ってリアを抱きしめた
貴女の優しさや温かさは、皆を包み込んでくれる
けれどそれは太陽の温かさと言うより、月の光の温かさと言う方が正しい
きっと、あの頃から貴女の光に当てられずっと思っていたのかもしれない
私は、月である貴女に恋をしていたのだと ――
36.月に恋して(ルード編)
続く
あとがき
はい、ようやくルードくんルートの恋愛ルート入りました!
ようやく完成しました!!
綺麗に終わらせようかと思ったけど意外と甘い感じがなかったので最後の方はちょっと甘めを意識して書いてみました
お互いに色々と思っている事もあるし、後はやっとルードくんとリアちゃんの出逢いのシーンも書けたので満足していますw←
後はやっぱりルードくんと言えば『優しい』『頼れる』って言うワードは凄く大事だし、キャラソンでも使われているのでこちらでも使用しましたw
さて、二人の展開もちょっとずつだけど進んだ所で本編を交えつつ進めて行きます
あ、勿論、ルードくんルートで重要になってくるあの人も今後登場しますのでお楽しみに!(ゲームとはちょっと出逢い方変えるけどww←)
では次回もお楽しみに~!(後、残りのルートも読んでくれると嬉しいですw)
2015.07.21