学園編
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「うーん・・・これくらいかな?」
「もう少し上げないと肩に付いちゃうよ」
「そっちも当たってるぞ」
「・・・おい」
「あ、じゃあアスラ、それ取って」
「はい」
「ありがとう」
リアはアスラからピンを受け取り、それを器用に付けていく
「いつんなったら終わんだよ?」
ユーリの不機嫌な声が聞こえリアはちらりとユーリを見て、視線を戻して言う
「私が納得いくまで」
「何回目だよ、それ・・・」
リアはユーリの髪を結わきながら言うとユーリは溜息交じりに言った
もうこのやり取りが一時間以上続いていた
この髪型になった理由
それは二時間前の事・・・
リア、ユーリ、フレンはこの春から私立St.ヴェスペリア学園高等部に進学する事になった
私立St.ヴェスペリア学園は都内にあるエレベーター式の学校で、都内でも人気の学校で生徒数も多い
リア達は幼少部の頃からずっとヴェスペリア学園に通っていた
そして先月、高等部に合格し、その制服が今日届いたのだった
そしてリアの家で制服を着てみる事になり、ユーリとフレンはセイの部屋で制服に着替えたのだった
「へえ、二人共似合ってるじゃん」
「思ってたより似合ってるな」
アスラとセイは目の前にいるユーリとフレンを見て素直な感想を述べているとガチャリと音を立てて扉が開いた
「お、リア。着替えて着たか」
「うん。あ、二人共、凄く似合ってるね」
リアは扉を閉め、ユーリとフレンの制服姿を見て嬉しそうな顔をして二人の元にやってきた
「そういうリアこそ、似合ってんな」
「ああ、似合ってるよ」
「ありがとう」
リアはニッコリと笑うとユーリとフレンの顔が少しだけ赤くなった
「んじゃ、こっからは教師モードに切り替えるぜ・・・」
そんな三人を見てセイはそう言って立ち上がってリア達を見た
「着こなしについてはまあ・・良いな」
セイは一通りリア達を見て頷いた
何故セイがこのような事を言っているのかというと、セイはリア達が通う事になる高等部で歴史学教諭をやっているのだった
「後は・・・髪だな」
言ってセイはユーリとリアを見た
「確か、肩に付くのダメだったんだっけ?」
「ああ。まあリアは自分で結べるから良いとしてだ」
「問題はユーリ、だね」
「そんなに結んでる時もねえしな」
「運動してる時かたまに、だしね」
ユーリの髪はリアと同じくらいの長さがある
それもリア達女性が羨ましがる程、綺麗な黒髪だ
切ろうにも面倒だ、と言ってあまり切らない
セイもそれを解っているからある手段をとった
「つー訳で、リア、アレ持って来たか?」
「うん」
そう言ってリアは手に持っているケースを見せた
「良し。じゃあユーリ、後ろ向いてそこに座れ」
「? ああ」
セイの言葉にユーリは少し疑問を持って床に座った
そして嬉しそうな顔をしてリアがケースを持ったままユーリの後ろに行き、そこに座った
「じゃあ、始めるよ」
「? 始めるって何・・ああ」
「?」
フレンが疑問を持っているとリアがそのケースを開きリアが始めようとした事が分かり関心の声を上げた
ユーリも隣に置かれたケースの中身を見ようとするとリアがユーリの髪に手を通した
「おわっ!? いきなり何すんだよ!」
「何って、髪を解いてるんだけど?」
「そりゃ見りゃ解るっての」
「校則に書いてあっただろ。髪は肩に付かないようにって」
「中等部の時と同じ髪型じゃ、校則に引っかかるしね」
「髪型に関しては高等部はうるせえからな・・・」
教師であり卒業生であるセイが溜息を吐きながら言うのだから、本当の事なのだろう
「解ったよ。じゃあ、任せた」
ユーリが諦めたように息を吐いて言うとリアは更に嬉しそうな顔をした
「じゃあ何かリクエストある?」
「せっかく高等部に上がるんだから、髪型変えてみたら?」
「その方がちょっとは雰囲気変わるかもな」
「どういう意味だよ、フレン」
ユーリは隣に座っているフレンを睨むがフレンは気にした様子もなくニコリと笑っていた
「ったく・・・。ん? どうした、リア?」
すると後ろでユーリの髪を解いていたリアの手が急に止まった
それを不思議に思いリアに振るとリアはう~と唸った後ユーリに向けて言う
「何でユーリの髪はこんなにサラサラなの・・・」
「は?」
「確かに男の髪にしとくのは勿体ないよな」
「「確かにね」」
向かいに座っているセイとアスラと隣に座っているフレンも同意の言葉を言う
「リアだってそうだろ?」
「でもユーリの方が・・・。フレン、ちょっとこっち来て」
「え?」
リアはちょっとだけ言い淀んでいたがフレンを見るとフレンを呼び、フレンはリアの近くに移動した
「何? リア・・・!」
フレンはじっと自分の髪を見ているリアに疑問を持っているとリアはフレンの髪に触れた
その途端、リアはまた唸って項垂れてしまった
「リ、リア・・・?」
フレンもユーリも向かいにいるセイもアスラもそんなリアを見て疑問符を出しているとリアは顔を上げた
「何で私の周りって、髪が綺麗でサラサラの男性ばっかりなんだろう・・・」
「良かったなぁ、お前等。リアに褒められて」
「兄さんもアスラ達神将も入ってるんだけど」
「俺もかよ・・ι」「ボク達もなんだ・・・ι」
リアの言葉にセイは他人事のように言っていたが自分も入っている事に驚きつつ突っ込んでいた
アスラもまさか自分達神将の名がそこで出るとは思っていなかったようだった
「リアの髪の方が十分綺麗でサラサラだと思うけどな」
そう言ってフレンはリアの髪に触れた
「フレン・・・」
リアはニコリと優しく微笑んでいるフレンを見て少しだけ嬉しそうな顔をした
「・・・・」
その様子を面白くなさそうな顔をしてユーリは見ていて、セイとアスラはそんな三人を見て小さく笑っていた
「でも・・・」
「「「「?」」」」
急にリアが俯いて呟きユーリ達は疑問符を出すとリアは顔を上げて言う
「やっぱり女の私から言わせてもらうと、ユーリもフレンも兄さんもアスラ達もサラサラなの!! だから、ユーリ!」
「な、なんだよ・・・」
リアはそう叫ぶとユーリは少しだけ驚きながら返事を返す
「私が納得いくまで、ずっと付き合って貰うからね! 勿論、フレンも兄さんもアスラも手伝って貰うからね!」
「・・・リア、ちょっとキャラ変わってるよ・・ι」
「女のプライドに火が付いちまったんだろうな・・ι」
ビシッと指を差して言うリアを見ていつものリアと違う事にフレンは驚きツッコむがリアには聞こえていないようだった
セイはそんなフレンに諦めるように言い、温かく見守る事にした
「リア、本当に羨ましくて悔しかったんだね・・・ι」
アスラはリアを見てぼそりと呟いたのだった
それからリアは色々な髪型を試し今に至るのだった・・・
あれからリアはセイ達の意見を取り込みつつ、色々な髪型を試したがどうにも納得のいく髪型にならない
「うーん・・・」
「なあ、オレ、そろそろ飽きてきたんだけど」
流石に長時間座りっぱなしで髪で遊ばれ、近くにあった本や雑誌も読み終えてしまったユーリは疲れた顔をしていた
「少し休憩しようか」
流石にフレンも疲れ果てているユーリと考え込んでいるリアを見て声をかけるとリアも渋々頷きユーリの髪から手を離した
「・・・そうしようかな」
「はぁ・・・やっと休めるな」
「お疲れ様」
「お前、絶対そう思ってないだろ」
ユーリはやっと解放され伸びをしているとフレンがニコリと笑っていた
「?」
ユーリはフレンの言葉にすかさずツッコんでいるとふとリアはフレンが持っていた雑誌に目が止まった
そしてユーリは読んでいた雑誌を片付けようと重ねていると、リアはその一番上にある雑誌にも目が止まった
「! 二人共、待って!」
「「?」」
急に呼び止められ、ユーリとフレンは動きを止めた
「ユーリ、その一番上にある雑誌頂戴。フレン、そのページ閉じないで見せて」
「「あ、ああ」」
急に言われ疑問符を出しながらユーリとフレンはお互いに指示された雑誌をリアに渡し、リアはその雑誌をじっと見つめた
「どうしたんだ?」
セイはリアに目を向け尋ねると、リアは顔を上げ何か思いついたような顔をしていた
「ユーリ、もう一回座って。アスラ、ちょっとこっちに来て手伝って。フレンと兄さんはユーリが逃げないように押さえてて」
「ちょっ、おい」
「了解~」「了解」「了解っと」
一気に言われユーリは先程の場所に座らされ、フレンとセイがユーリの肩を押さえ逃げないようにし、アスラはリアの隣に移動した
「ちょっ、お前等っ!!」
「大人しくしてな、ユーリ」
「んな事言われて大人しく出来るかって!」
「何か思いついたみたいだし、多分これで終わると思うぞ」
「じゃあ、始めるよ」「じゃ、始めるよ」
リアとアスラの言葉が聞こえ、リアは再びユーリの髪に手を通し、アスラはリアの手伝いをしていた
そして数分後、
「完成~~!」
リアは出来上がった髪型を見てそう叫んだ
ユーリの髪型は今までとは違い、長かった髪が綺麗なお団子を作り、顔の横に少しだけ髪を出していた
「うわぁ、随分と雰囲気変わったね」
「これなら校則にも引っかからないな」
「長さも丁度良いしね」
フレンとセイとアスラはユーリの髪型を見て関心の声を上げ、リアは満足そうに笑っていてユーリはリアから手渡された手鏡を見ていた
リアは二人が渡した雑誌を見た後、そこに載っていた髪型を組み合わせて今ユーリがしている髪型を思いついたのだった
「けどこれ、オレがやると時間掛かるんじゃねえか?」
「大丈夫。入学までに私が簡単なやり方見つけておくから」
「んじゃ、期待しとくぜ」
「うん」
「んじゃ、そろそろ飯にすっか。ユーリ、フレン、お前等も食ってけ」
外を見るといつの間にかもう暗くなっていて、時間的にも夕食時だった
ユーリもフレンも家は隣とはいえ、昔からこの位の時間になれば誰かの家で食事をしていたので一緒に食べる事にした
「じゃ、着替えたら下りてこい」
そう言ってセイは先に部屋を出て行き、リアも着替える為に自分の部屋に向かった
―――
「つー事で、この髪型になったんだよ」
「ふーん、そうだったんだ」
時は過ぎて此処は私立St.ヴェスペリア学園高等部の1年のユーリ達がいるクラス
ユーリの前にはリアの親友であるイサキが座っていてユーリの話しを聞いていた
「最初に会った時、近くに来るまでユーリって分かんなかったしね」
「やっぱ違うもんか?」
「うん。中等部にいた子はみんな言ってるよ」
イサキの言葉にふーんと思っているとイサキは言葉を続ける
「ま、リアのプライドに火が付いたのも解る気がするけど・・・」
「? 何か言ったか?」
どうやらユーリには今のイサキの言葉が聞こえていなかったようだった
「ううん。これでまたファンが増えて告白されるわねって思って」
「ヤな事言うなっての」
イサキの言葉にユーリはイヤそうな顔をし、イサキはユーリの反応を見てくすくすと笑っていた
「で、リアに簡単な方法を教えて貰ってその髪やってるんだ」
「まあな。けど、朝リアに直されるけどな」
「良いじゃない、好きな子が毎日自分の為にやってくれてるんだし」
「毎日じゃねえって」
イサキはユーリの言葉を聞き、ニコニコしながら言うとユーリは少しだけ拗ねたような顔をして言っていた
イサキとは幼少部から一緒なのでユーリとフレンがリアに想いを寄せている事を知っているから、イサキもついこう言ってしまう
「ユーリ、イサキ」
そう声が聞こえ声の聞こえた方に視線を向けるとリアとフレンが二人の方に歩いて来ていた
「お帰り、人気者のお二人さん」
「イサキ、からかわないでくれ」
イサキはリアとフレンを見てそう言うとフレンは少しだけ眉を寄せてそう言いながら椅子に座った
「んで、どうだったんだ・・って、まあ聞くまでもないか」
リアとフレンはついさっきまで告白されていたが、ユーリもイサキも二人の顔を見て直ぐに断って帰って来たんだと解った
「そういうユーリこそ、呼ばれてたんじゃないの?」
「面倒だから行かなかったよ」
「それはそれでどうかと思うわよι」
「待ってた子が可哀想だよ、ユーリ」
ユーリと話していたイサキもまさか行っていないとは思っていなかったようで、リアもフレンと同じく呆れていた
「で、二人は何話してたの?」
「ん? ユーリの髪型について、ね」
「ああ。ちょっと前なのに懐かしいね」
「ホント。あの時は色々と大変だったね」
「オレが一番大変だったけどな」
そう話していると次の授業を知らせるチャイムが鳴った
「あっと、チャイム鳴っちゃった」
「話しの途中だったんだけどな」
「ま、私は楽しいエピソードが聞けて良かったけど♪」
「ほら、席に着かないと先生が来るよ」
「授業始めるぞ。席に着け」
フレンの言葉の直ぐ後に、教室の扉を開けて次の授業の歴史学教諭のセイが入って来て、皆席に着き授業を始めたのだった
終わり
あとがき
うわぁ~、めっちゃ長く書けちゃった!!
そして、最後まさかこんな終わりになるとは思わなかったよ!
本当は短編で書いてるはずだったのにどんどん書けて来ちゃって、最後はユーリとイサキで終わらせようと思ったのに・・・何故か上手く纏まらずにこうなってしまった
まあ綺麗に纏まってるから良しとしよう・・・(開き直りw)
えーこの話しは、テイルズ オブ マガジンでユーリの頼れる上級生を見て、DLしてユーリの髪型見た時に思いついたものです
まさか此処まで長くなるとは自分でも思ってなかったですけどw
さて、本編の感想を
やっぱTOVのキャラって髪綺麗でサラサラな人多いですよね、特にユーリは!!(強調)
みんな言ってるけど、女としてはすっごい羨ましいですよね!!
つー事で女性代表としてリアちゃんに代弁して貰いましたw(キャラ変わってたけどw)
あ、神将達は男女問わずにって意味で言ってました
みんな髪綺麗でサラサラだからねw
そして本編以外で初登場のイサキちゃん!
エステルとイサキ、どっちで絡ませようかと思ったけどイサキちゃんの出番を増やしたかったしリアちゃんの親友だから出してみましたw
イサキちゃんもリアちゃんと同じ事思ってたからあの台詞言ったんですよねw
今度はエステル達も出せるものを書きたいなと思っていますw(思いついたら書きますよι)
では、次の学園編でお会いしましょう~♪
2009.11.13
「もう少し上げないと肩に付いちゃうよ」
「そっちも当たってるぞ」
「・・・おい」
「あ、じゃあアスラ、それ取って」
「はい」
「ありがとう」
リアはアスラからピンを受け取り、それを器用に付けていく
「いつんなったら終わんだよ?」
ユーリの不機嫌な声が聞こえリアはちらりとユーリを見て、視線を戻して言う
「私が納得いくまで」
「何回目だよ、それ・・・」
リアはユーリの髪を結わきながら言うとユーリは溜息交じりに言った
もうこのやり取りが一時間以上続いていた
この髪型になった
それは二時間前の事・・・
リア、ユーリ、フレンはこの春から私立St.ヴェスペリア学園高等部に進学する事になった
私立St.ヴェスペリア学園は都内にあるエレベーター式の学校で、都内でも人気の学校で生徒数も多い
リア達は幼少部の頃からずっとヴェスペリア学園に通っていた
そして先月、高等部に合格し、その制服が今日届いたのだった
そしてリアの家で制服を着てみる事になり、ユーリとフレンはセイの部屋で制服に着替えたのだった
「へえ、二人共似合ってるじゃん」
「思ってたより似合ってるな」
アスラとセイは目の前にいるユーリとフレンを見て素直な感想を述べているとガチャリと音を立てて扉が開いた
「お、リア。着替えて着たか」
「うん。あ、二人共、凄く似合ってるね」
リアは扉を閉め、ユーリとフレンの制服姿を見て嬉しそうな顔をして二人の元にやってきた
「そういうリアこそ、似合ってんな」
「ああ、似合ってるよ」
「ありがとう」
リアはニッコリと笑うとユーリとフレンの顔が少しだけ赤くなった
「んじゃ、こっからは教師モードに切り替えるぜ・・・」
そんな三人を見てセイはそう言って立ち上がってリア達を見た
「着こなしについてはまあ・・良いな」
セイは一通りリア達を見て頷いた
何故セイがこのような事を言っているのかというと、セイはリア達が通う事になる高等部で歴史学教諭をやっているのだった
「後は・・・髪だな」
言ってセイはユーリとリアを見た
「確か、肩に付くのダメだったんだっけ?」
「ああ。まあリアは自分で結べるから良いとしてだ」
「問題はユーリ、だね」
「そんなに結んでる時もねえしな」
「運動してる時かたまに、だしね」
ユーリの髪はリアと同じくらいの長さがある
それもリア達女性が羨ましがる程、綺麗な黒髪だ
切ろうにも面倒だ、と言ってあまり切らない
セイもそれを解っているからある手段をとった
「つー訳で、リア、アレ持って来たか?」
「うん」
そう言ってリアは手に持っているケースを見せた
「良し。じゃあユーリ、後ろ向いてそこに座れ」
「? ああ」
セイの言葉にユーリは少し疑問を持って床に座った
そして嬉しそうな顔をしてリアがケースを持ったままユーリの後ろに行き、そこに座った
「じゃあ、始めるよ」
「? 始めるって何・・ああ」
「?」
フレンが疑問を持っているとリアがそのケースを開きリアが始めようとした事が分かり関心の声を上げた
ユーリも隣に置かれたケースの中身を見ようとするとリアがユーリの髪に手を通した
「おわっ!? いきなり何すんだよ!」
「何って、髪を解いてるんだけど?」
「そりゃ見りゃ解るっての」
「校則に書いてあっただろ。髪は肩に付かないようにって」
「中等部の時と同じ髪型じゃ、校則に引っかかるしね」
「髪型に関しては高等部はうるせえからな・・・」
教師であり卒業生であるセイが溜息を吐きながら言うのだから、本当の事なのだろう
「解ったよ。じゃあ、任せた」
ユーリが諦めたように息を吐いて言うとリアは更に嬉しそうな顔をした
「じゃあ何かリクエストある?」
「せっかく高等部に上がるんだから、髪型変えてみたら?」
「その方がちょっとは雰囲気変わるかもな」
「どういう意味だよ、フレン」
ユーリは隣に座っているフレンを睨むがフレンは気にした様子もなくニコリと笑っていた
「ったく・・・。ん? どうした、リア?」
すると後ろでユーリの髪を解いていたリアの手が急に止まった
それを不思議に思いリアに振るとリアはう~と唸った後ユーリに向けて言う
「何でユーリの髪はこんなにサラサラなの・・・」
「は?」
「確かに男の髪にしとくのは勿体ないよな」
「「確かにね」」
向かいに座っているセイとアスラと隣に座っているフレンも同意の言葉を言う
「リアだってそうだろ?」
「でもユーリの方が・・・。フレン、ちょっとこっち来て」
「え?」
リアはちょっとだけ言い淀んでいたがフレンを見るとフレンを呼び、フレンはリアの近くに移動した
「何? リア・・・!」
フレンはじっと自分の髪を見ているリアに疑問を持っているとリアはフレンの髪に触れた
その途端、リアはまた唸って項垂れてしまった
「リ、リア・・・?」
フレンもユーリも向かいにいるセイもアスラもそんなリアを見て疑問符を出しているとリアは顔を上げた
「何で私の周りって、髪が綺麗でサラサラの男性ばっかりなんだろう・・・」
「良かったなぁ、お前等。リアに褒められて」
「兄さんもアスラ達神将も入ってるんだけど」
「俺もかよ・・ι」「ボク達もなんだ・・・ι」
リアの言葉にセイは他人事のように言っていたが自分も入っている事に驚きつつ突っ込んでいた
アスラもまさか自分達神将の名がそこで出るとは思っていなかったようだった
「リアの髪の方が十分綺麗でサラサラだと思うけどな」
そう言ってフレンはリアの髪に触れた
「フレン・・・」
リアはニコリと優しく微笑んでいるフレンを見て少しだけ嬉しそうな顔をした
「・・・・」
その様子を面白くなさそうな顔をしてユーリは見ていて、セイとアスラはそんな三人を見て小さく笑っていた
「でも・・・」
「「「「?」」」」
急にリアが俯いて呟きユーリ達は疑問符を出すとリアは顔を上げて言う
「やっぱり女の私から言わせてもらうと、ユーリもフレンも兄さんもアスラ達もサラサラなの!! だから、ユーリ!」
「な、なんだよ・・・」
リアはそう叫ぶとユーリは少しだけ驚きながら返事を返す
「私が納得いくまで、ずっと付き合って貰うからね! 勿論、フレンも兄さんもアスラも手伝って貰うからね!」
「・・・リア、ちょっとキャラ変わってるよ・・ι」
「女のプライドに火が付いちまったんだろうな・・ι」
ビシッと指を差して言うリアを見ていつものリアと違う事にフレンは驚きツッコむがリアには聞こえていないようだった
セイはそんなフレンに諦めるように言い、温かく見守る事にした
「リア、本当に羨ましくて悔しかったんだね・・・ι」
アスラはリアを見てぼそりと呟いたのだった
それからリアは色々な髪型を試し今に至るのだった・・・
あれからリアはセイ達の意見を取り込みつつ、色々な髪型を試したがどうにも納得のいく髪型にならない
「うーん・・・」
「なあ、オレ、そろそろ飽きてきたんだけど」
流石に長時間座りっぱなしで髪で遊ばれ、近くにあった本や雑誌も読み終えてしまったユーリは疲れた顔をしていた
「少し休憩しようか」
流石にフレンも疲れ果てているユーリと考え込んでいるリアを見て声をかけるとリアも渋々頷きユーリの髪から手を離した
「・・・そうしようかな」
「はぁ・・・やっと休めるな」
「お疲れ様」
「お前、絶対そう思ってないだろ」
ユーリはやっと解放され伸びをしているとフレンがニコリと笑っていた
「?」
ユーリはフレンの言葉にすかさずツッコんでいるとふとリアはフレンが持っていた雑誌に目が止まった
そしてユーリは読んでいた雑誌を片付けようと重ねていると、リアはその一番上にある雑誌にも目が止まった
「! 二人共、待って!」
「「?」」
急に呼び止められ、ユーリとフレンは動きを止めた
「ユーリ、その一番上にある雑誌頂戴。フレン、そのページ閉じないで見せて」
「「あ、ああ」」
急に言われ疑問符を出しながらユーリとフレンはお互いに指示された雑誌をリアに渡し、リアはその雑誌をじっと見つめた
「どうしたんだ?」
セイはリアに目を向け尋ねると、リアは顔を上げ何か思いついたような顔をしていた
「ユーリ、もう一回座って。アスラ、ちょっとこっちに来て手伝って。フレンと兄さんはユーリが逃げないように押さえてて」
「ちょっ、おい」
「了解~」「了解」「了解っと」
一気に言われユーリは先程の場所に座らされ、フレンとセイがユーリの肩を押さえ逃げないようにし、アスラはリアの隣に移動した
「ちょっ、お前等っ!!」
「大人しくしてな、ユーリ」
「んな事言われて大人しく出来るかって!」
「何か思いついたみたいだし、多分これで終わると思うぞ」
「じゃあ、始めるよ」「じゃ、始めるよ」
リアとアスラの言葉が聞こえ、リアは再びユーリの髪に手を通し、アスラはリアの手伝いをしていた
そして数分後、
「完成~~!」
リアは出来上がった髪型を見てそう叫んだ
ユーリの髪型は今までとは違い、長かった髪が綺麗なお団子を作り、顔の横に少しだけ髪を出していた
「うわぁ、随分と雰囲気変わったね」
「これなら校則にも引っかからないな」
「長さも丁度良いしね」
フレンとセイとアスラはユーリの髪型を見て関心の声を上げ、リアは満足そうに笑っていてユーリはリアから手渡された手鏡を見ていた
リアは二人が渡した雑誌を見た後、そこに載っていた髪型を組み合わせて今ユーリがしている髪型を思いついたのだった
「けどこれ、オレがやると時間掛かるんじゃねえか?」
「大丈夫。入学までに私が簡単なやり方見つけておくから」
「んじゃ、期待しとくぜ」
「うん」
「んじゃ、そろそろ飯にすっか。ユーリ、フレン、お前等も食ってけ」
外を見るといつの間にかもう暗くなっていて、時間的にも夕食時だった
ユーリもフレンも家は隣とはいえ、昔からこの位の時間になれば誰かの家で食事をしていたので一緒に食べる事にした
「じゃ、着替えたら下りてこい」
そう言ってセイは先に部屋を出て行き、リアも着替える為に自分の部屋に向かった
―――
「つー事で、この髪型になったんだよ」
「ふーん、そうだったんだ」
時は過ぎて此処は私立St.ヴェスペリア学園高等部の1年のユーリ達がいるクラス
ユーリの前にはリアの親友であるイサキが座っていてユーリの話しを聞いていた
「最初に会った時、近くに来るまでユーリって分かんなかったしね」
「やっぱ違うもんか?」
「うん。中等部にいた子はみんな言ってるよ」
イサキの言葉にふーんと思っているとイサキは言葉を続ける
「ま、リアのプライドに火が付いたのも解る気がするけど・・・」
「? 何か言ったか?」
どうやらユーリには今のイサキの言葉が聞こえていなかったようだった
「ううん。これでまたファンが増えて告白されるわねって思って」
「ヤな事言うなっての」
イサキの言葉にユーリはイヤそうな顔をし、イサキはユーリの反応を見てくすくすと笑っていた
「で、リアに簡単な方法を教えて貰ってその髪やってるんだ」
「まあな。けど、朝リアに直されるけどな」
「良いじゃない、好きな子が毎日自分の為にやってくれてるんだし」
「毎日じゃねえって」
イサキはユーリの言葉を聞き、ニコニコしながら言うとユーリは少しだけ拗ねたような顔をして言っていた
イサキとは幼少部から一緒なのでユーリとフレンがリアに想いを寄せている事を知っているから、イサキもついこう言ってしまう
「ユーリ、イサキ」
そう声が聞こえ声の聞こえた方に視線を向けるとリアとフレンが二人の方に歩いて来ていた
「お帰り、人気者のお二人さん」
「イサキ、からかわないでくれ」
イサキはリアとフレンを見てそう言うとフレンは少しだけ眉を寄せてそう言いながら椅子に座った
「んで、どうだったんだ・・って、まあ聞くまでもないか」
リアとフレンはついさっきまで告白されていたが、ユーリもイサキも二人の顔を見て直ぐに断って帰って来たんだと解った
「そういうユーリこそ、呼ばれてたんじゃないの?」
「面倒だから行かなかったよ」
「それはそれでどうかと思うわよι」
「待ってた子が可哀想だよ、ユーリ」
ユーリと話していたイサキもまさか行っていないとは思っていなかったようで、リアもフレンと同じく呆れていた
「で、二人は何話してたの?」
「ん? ユーリの髪型について、ね」
「ああ。ちょっと前なのに懐かしいね」
「ホント。あの時は色々と大変だったね」
「オレが一番大変だったけどな」
そう話していると次の授業を知らせるチャイムが鳴った
「あっと、チャイム鳴っちゃった」
「話しの途中だったんだけどな」
「ま、私は楽しいエピソードが聞けて良かったけど♪」
「ほら、席に着かないと先生が来るよ」
「授業始めるぞ。席に着け」
フレンの言葉の直ぐ後に、教室の扉を開けて次の授業の歴史学教諭のセイが入って来て、皆席に着き授業を始めたのだった
終わり
あとがき
うわぁ~、めっちゃ長く書けちゃった!!
そして、最後まさかこんな終わりになるとは思わなかったよ!
本当は短編で書いてるはずだったのにどんどん書けて来ちゃって、最後はユーリとイサキで終わらせようと思ったのに・・・何故か上手く纏まらずにこうなってしまった
まあ綺麗に纏まってるから良しとしよう・・・(開き直りw)
えーこの話しは、テイルズ オブ マガジンでユーリの頼れる上級生を見て、DLしてユーリの髪型見た時に思いついたものです
まさか此処まで長くなるとは自分でも思ってなかったですけどw
さて、本編の感想を
やっぱTOVのキャラって髪綺麗でサラサラな人多いですよね、特にユーリは!!(強調)
みんな言ってるけど、女としてはすっごい羨ましいですよね!!
つー事で女性代表としてリアちゃんに代弁して貰いましたw(キャラ変わってたけどw)
あ、神将達は男女問わずにって意味で言ってました
みんな髪綺麗でサラサラだからねw
そして本編以外で初登場のイサキちゃん!
エステルとイサキ、どっちで絡ませようかと思ったけどイサキちゃんの出番を増やしたかったしリアちゃんの親友だから出してみましたw
イサキちゃんもリアちゃんと同じ事思ってたからあの台詞言ったんですよねw
今度はエステル達も出せるものを書きたいなと思っていますw(思いついたら書きますよι)
では、次の学園編でお会いしましょう~♪
2009.11.13