TALES OF THE WORLD ~Dear Cruise~
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「みんな揃っているな?」
クラースはそう言って一同を見ると皆一斉に頷いた
「では、報告を頼む」
05.洞窟へ
あれからリア達はアリート村へと戻って来た
魔物の襲撃がある可能性もあったが、その心配はなく無事に村まで戻って来た
そしてそのままアドリビトムに戻るとクラースとナナリーがみんなの帰りを待っていた
お互いに怪我もない事に安心し、直ぐに各場所であった事の報告をしようとしたが、魔物と戦い、村との往復をしたからか皆少しだけ疲れた顔をしていた
一旦身体を休めるべきだと判断し、一時間後またこの場所に集まる事になった
アドリビトムのメンバー、そしてリアとアスラが揃っている事を確認すると各々場所で起きた事の報告を始めた
両村の報告を聞き明日からの対策、そして村の修理や手伝いなどの事も綺麗に纏まった
だが、一つばかり気に掛かる事があった
それは急に魔物が強くなっていた事だった
「・・・・魔物の凶暴化。報告されていた通りか」
「報告・・?」
「もしかして、本部からの手紙にそう書いてあったんですか?」
「ああ。今朝私がリアに用があると言って尋ねたのもその事を確認する為だったんだ」
情報屋という仕事をしているリア、そして何よりリアはこのアリート村以外の場所から来ている
なら彼女の元にも同じような事が知らされているのではないだろうか?
そう思ったクラースは手紙を読んだ次の日の朝にリアが泊っている宿屋に向かって行ったのだった
「ええ。クラースさんの言う通り、私達の所にも同じような報告が昨日の夜届きました」
昨日の晩、リアが眠ろうかと思っていると、窓の向こうに白い鳥が飛んできているのが見えた
リアは窓際に移動し窓を開けると鳥はリアの前に行くと手紙に変わった
これはリア達だけが使う連絡のやり取りの方法の一種だった
その手紙には先程リアやクラースが言っていた通り、魔物の凶暴化が各地で見られるようになった。と言う内容だった
「魔物の凶暴化が起こってるのは多少なりなら各地でもあったの」
「けど、こんな風に一斉にって言うのは今までなかったんだ」
「もしかしてリアがこの村に来たのって」
「魔物の凶暴化の事を調べる為?」
「それも此処に来た理由の一つよ。勿論此処の情報屋と情報のやり取りするもの目的だったけどね」
「けど、昨日まで魔物は今までと変わんなかったぞ?」
「そう、そこなんだよ」
「・・・・?」
リッドの言った言葉にアスラは何かを納得したように言った
「急に、って事は何か原因があるって事でしょ?」
「魔物を強くさせているものがこの近くにあるって事かい?」
「そう言った事が過去になかった訳じゃないからね。だからこの近くにも何かあるんじゃないかって思ってね」
「それで今朝早くに出掛けていたんですね」
「でもそんなもん、お前等だけで探そうとしてたのかよ。一声掛けてくれても良かったんじゃねえか?」
「危険が大きすぎるでしょ。それにみんなにはこの村や向こうの村を守るって言う仕事があったでしょ」
「もしその調査中に今日みたいに魔物が襲ってくるって事もない訳じゃないし」
「・・・そっか。万が一の事も考えなきゃいけないんだもんね」
リアとアスラにそう言われ皆思っている事や考えている事だけじゃ出来ない事もあると改めて実感した
「けど、今日の騒動のお陰でその在りかが判明したんだよね」
「「え!?」」
アスラの言葉に皆一斉に顔を上げアスラを見た
「それって何処にあるの!?」
「村と村の間にある森の奥の洞窟にね」
「・・? あの森の奥に洞窟なんてあったか・・?」
「結構深い場所だし木々で隠されてるから普通なら解らないと思うわ」
リアとアスラの元に届いた手紙にはその魔物を強くさせているモノがあるようだ、とその場所が記されていた
洞窟を見つけ中に入ろうとしていると突如眩い光が放たれ、そして魔物が凶暴化し村が襲われ、急いで村へ向かい仲間達と共に戦ったのだった
「ではリアとアスラはこれからその洞窟へ向かうんだな」
「ええ。これ以上被害を増やさない為にも早く調査を済ませないといけませんから」
「待ってよ、リアとアスラ二人だけで行くつもり?」
「そのつもりだけど」
「そんなあっさりと・・・ι」
さらりと答えたアスラを見て一瞬呆気に取られてしまう
「リア、アスラ、僕も行く!」
そんな中そう答えたのはロアだった
「え?」
「リアとアスラが強いのは僕達みんな知ってる。けど、僕、リアの力になりたいんだ!」
「ロア・・・」
「そうだな。こんな事聞かされて大人しくなんて出来ねえよな」
「うん!」
皆次々に自分達も行くと言い、リアとアスラは一瞬言葉に詰まった
「・・・どうする、リア?」
「・・・・クラースさん」
アスラは少しだけ微笑しリアに視線を向けリアは一旦目を瞑って小さく微笑みそう言ってクラースを見た
「この件、ギルドの仕事として登録して貰えませんか?」
「ああ、解った。だが、同行者は私が決めさせて貰う」
「え?!」
「また魔物の襲撃があるかもしれない。そうなった時に両村を守らなくてはならないからな。その人員まで削られては困るだろう」
そう言われまた先程言われた事を思い出す
「状況を判断して決めるから、少しだけ待っていてくれ」
*
「・・・この森の奥深くに来るのは初めてだな」
「え、そうなの?」
「ああ、流石にこんなに深くまで来る事は仕事でもなかったしね」
「道解ってる人がいないと迷うだろうしね」
「ええ。はぐれないように気を付けてね」
「うん」
あれから暫くしてリア達は森の中へとやって来た
クラースがリアとアスラの同行者に指名したのはクレスとロアだった
アリート村の護衛にリッドとナナリーとクラース、もう一つの村にファラ、チェスター、アニーが護衛に付いた
リアは剣も魔術も回復も出来、相棒であるアスラとは綺麗な連携が取れる
その二人の護衛兼同行者としてロアとクレスが選ばれたのは、ロアの思いが通じた事と今のロアと綺麗に連携が取れるのは此処最近ずっと剣の稽古を一緒にしているクレスだからだった
「ところでその魔物を強くさせているものって一体どういうものなんだ?」
「過去に発見された物で言うなら、魔物の力を倍増する魔力が込められた機械とかがあったよ」
「じゃあこれから行く洞窟にもそれがあるって事?」
「まだ実物を見てないからなんとも言えないけど・・・。もし、同じ物が使われていたら、少しだけ力を抑える術を掛けて魔導士や専門家に任せるのが一番ね」
「見えたよ」
そう話しているうちに目的である洞窟が見えてきた
「本当に洞窟があったんだ・・・」
「この中に入るんだね」
「ええ。けど、此処からは用心しなくちゃね」
「うん」
この中には魔物の力を強くさせているものがある、つまりこの中にいる魔物は外の魔物と比べると更に凶暴化していていると言う事だった
クレスもロアもリアの言葉を聞き気を引き締めて頷き洞窟の中に入った
「・・・空気が変わった」
洞窟に入った途端、すっと空気が変わりそれにいち早く気付いたアスラの言葉にリア達は小さく頷き息を呑んだ
「この洞窟はそんなに広くないから目的の物は直ぐに見つかるはずよ」
「・・・行こう」
リアの言葉を聞きクレスとロアは前を見据えて頷いて歩き出した
「みんなの方に、魔物行ってないかな・・・」
歩き出して直ぐ、ロアはふと両村にいる仲間達の事を思った
「そうだね。此処までであまり魔物に出会っていないからね」
確かにこの洞窟に来る途中に魔物と出会った回数はそんなに多くはなかった
それも凶暴化した時に戦った時よりも少し力が落ちているようにも感じた
「今の所、魔物を凶暴化している物の力が落ち着いてるからあまり強く感じなかったのかもしれないわね・・・」
「だからどっちの村にも魔物は行っていないと思うよ。・・いるとしたら・・・」
言うとアスラは少しだけ目を細めて更に奥の暗闇を見据える
「・・・この先って事だね」
「ええ」
そう話していると徐々に光が見え始めリア達は其処へ向かっていく
「・・・見えた」
目映い光が放たれている所に着くと、中央に土台のようなものがありその上に光を放っている少し大型のクリスタルが浮いていた
「これが、魔物を強くさせているもの・・・・?」
「ええ・・・」
頷くとリアとアスラは少しだけそのクリスタルに近付いた
「・・・これ、前に見たやつと同じやつだね」
「なら解除は私達だけでなんとかなりそうね 「「!?」」
リアとアスラがそう言った途端、クリスタルから光が放たれ皆一斉に目を瞑った
「っ! 力が放出し始めてる!」
「みんな、気を付けて!」
途端そのクリスタルから魔物の力を強くさせる光が放出し始め、徐々に魔物の声や足音がこの場に近付いてきていた
「! 魔物が沢山!?」
「今ので一気に魔物が集まったんだ!」
光が消えようやく目を開けられる状態になりロアは目を開けると自分達の周りを囲むようにかなりの数の魔物がいた
そして皆自然と剣を抜き、構えていた
「ちょっと狭いから戦いづらいかもしれないけど、」
「倒さないと僕達の任務も達成出来ないからね」
「うん。けど、今ので魔物の力も上がってるから気を付けて」
「解った!」
各々確認を取り一斉に頷くと剣を構え一斉に駆け出し、目の前の魔物に向かって行った
「はあっっっ!!」
「瞬迅剣っ!!」
「秋沙雨!!」
リア達の前にはこの森付近で見られるウルフ、キラービー、ボア、そしてこの洞窟に住み着いているバットやオタオタなど多くの種類の魔物がいた
「虎牙破斬!」
「獅子戦吼!」
「エアプレッシャー!」
普段なら手こずる事なく倒せる魔物だが今は魔物を凶暴化させているクリスタルとそのクリスタルから発せられている光がある所為とこの狭い場所で戦っている為思うように戦えていなかった
「うわっ、また増えた!?」
「くっ、これじゃキリがない」
更に倒しても倒しても次々とその光に呼び寄せられるように魔物が増えてくる
「やっぱりあのクリスタルを先にどうにかするしかないわね。アスラ!」
アスラに合図を送るとアスラは直ぐさま風の力を操り魔物目掛けて放つと辺りは突風が吹き、周りの様子が見えなくなった
「クレス、ロア」
突風の中からリアの声が聞こえ二人はそこに目を向ける
「少しの間だけ時間を稼いで貰ってもいい?」
「え?」
「今ならこの風で魔物の視界は狭くなってるから、その隙に倒せるだけ倒して欲しいの」
「リアとアスラは?」
「ボク達はこのクリスタルの力を抑えるから。力が弱まったら二人でこのクリスタルを破壊して欲しいんだ」
「そんな事が可能なのかい?」
「前にこれと同じものを見た事があるから大丈夫」
「解った。リアとアスラを信じるよ」
「ああ、そっちは任せたよ」
各々の返事を聞き皆自然と微笑んでいた
「「「行くよ!」」」「行くぞっ!」
そして皆前を見据え一斉に声を発し、リアとアスラはクリスタルの力を押さえる為の作業を、ロアとクレスは魔物の方へと向かって行った
続く
あとがき
ほおぉ、やっと5話目出来上がった~!
前回から謎になっていた事にやっと辿り着きましたね~
まだ解決って訳でもないですが、此処の話しもちょっと佳境っぽい感じになってきましたね!
次回で遂にあのクリスタルの破壊となるかww
お楽しみにw(あんま本編の感想言ってないなwwι)
2012.06.19
クラースはそう言って一同を見ると皆一斉に頷いた
「では、報告を頼む」
05.洞窟へ
あれからリア達はアリート村へと戻って来た
魔物の襲撃がある可能性もあったが、その心配はなく無事に村まで戻って来た
そしてそのままアドリビトムに戻るとクラースとナナリーがみんなの帰りを待っていた
お互いに怪我もない事に安心し、直ぐに各場所であった事の報告をしようとしたが、魔物と戦い、村との往復をしたからか皆少しだけ疲れた顔をしていた
一旦身体を休めるべきだと判断し、一時間後またこの場所に集まる事になった
アドリビトムのメンバー、そしてリアとアスラが揃っている事を確認すると各々場所で起きた事の報告を始めた
両村の報告を聞き明日からの対策、そして村の修理や手伝いなどの事も綺麗に纏まった
だが、一つばかり気に掛かる事があった
それは急に魔物が強くなっていた事だった
「・・・・魔物の凶暴化。報告されていた通りか」
「報告・・?」
「もしかして、本部からの手紙にそう書いてあったんですか?」
「ああ。今朝私がリアに用があると言って尋ねたのもその事を確認する為だったんだ」
情報屋という仕事をしているリア、そして何よりリアはこのアリート村以外の場所から来ている
なら彼女の元にも同じような事が知らされているのではないだろうか?
そう思ったクラースは手紙を読んだ次の日の朝にリアが泊っている宿屋に向かって行ったのだった
「ええ。クラースさんの言う通り、私達の所にも同じような報告が昨日の夜届きました」
昨日の晩、リアが眠ろうかと思っていると、窓の向こうに白い鳥が飛んできているのが見えた
リアは窓際に移動し窓を開けると鳥はリアの前に行くと手紙に変わった
これはリア達だけが使う連絡のやり取りの方法の一種だった
その手紙には先程リアやクラースが言っていた通り、魔物の凶暴化が各地で見られるようになった。と言う内容だった
「魔物の凶暴化が起こってるのは多少なりなら各地でもあったの」
「けど、こんな風に一斉にって言うのは今までなかったんだ」
「もしかしてリアがこの村に来たのって」
「魔物の凶暴化の事を調べる為?」
「それも此処に来た理由の一つよ。勿論此処の情報屋と情報のやり取りするもの目的だったけどね」
「けど、昨日まで魔物は今までと変わんなかったぞ?」
「そう、そこなんだよ」
「・・・・?」
リッドの言った言葉にアスラは何かを納得したように言った
「急に、って事は何か原因があるって事でしょ?」
「魔物を強くさせているものがこの近くにあるって事かい?」
「そう言った事が過去になかった訳じゃないからね。だからこの近くにも何かあるんじゃないかって思ってね」
「それで今朝早くに出掛けていたんですね」
「でもそんなもん、お前等だけで探そうとしてたのかよ。一声掛けてくれても良かったんじゃねえか?」
「危険が大きすぎるでしょ。それにみんなにはこの村や向こうの村を守るって言う仕事があったでしょ」
「もしその調査中に今日みたいに魔物が襲ってくるって事もない訳じゃないし」
「・・・そっか。万が一の事も考えなきゃいけないんだもんね」
リアとアスラにそう言われ皆思っている事や考えている事だけじゃ出来ない事もあると改めて実感した
「けど、今日の騒動のお陰でその在りかが判明したんだよね」
「「え!?」」
アスラの言葉に皆一斉に顔を上げアスラを見た
「それって何処にあるの!?」
「村と村の間にある森の奥の洞窟にね」
「・・? あの森の奥に洞窟なんてあったか・・?」
「結構深い場所だし木々で隠されてるから普通なら解らないと思うわ」
リアとアスラの元に届いた手紙にはその魔物を強くさせているモノがあるようだ、とその場所が記されていた
洞窟を見つけ中に入ろうとしていると突如眩い光が放たれ、そして魔物が凶暴化し村が襲われ、急いで村へ向かい仲間達と共に戦ったのだった
「ではリアとアスラはこれからその洞窟へ向かうんだな」
「ええ。これ以上被害を増やさない為にも早く調査を済ませないといけませんから」
「待ってよ、リアとアスラ二人だけで行くつもり?」
「そのつもりだけど」
「そんなあっさりと・・・ι」
さらりと答えたアスラを見て一瞬呆気に取られてしまう
「リア、アスラ、僕も行く!」
そんな中そう答えたのはロアだった
「え?」
「リアとアスラが強いのは僕達みんな知ってる。けど、僕、リアの力になりたいんだ!」
「ロア・・・」
「そうだな。こんな事聞かされて大人しくなんて出来ねえよな」
「うん!」
皆次々に自分達も行くと言い、リアとアスラは一瞬言葉に詰まった
「・・・どうする、リア?」
「・・・・クラースさん」
アスラは少しだけ微笑しリアに視線を向けリアは一旦目を瞑って小さく微笑みそう言ってクラースを見た
「この件、ギルドの仕事として登録して貰えませんか?」
「ああ、解った。だが、同行者は私が決めさせて貰う」
「え?!」
「また魔物の襲撃があるかもしれない。そうなった時に両村を守らなくてはならないからな。その人員まで削られては困るだろう」
そう言われまた先程言われた事を思い出す
「状況を判断して決めるから、少しだけ待っていてくれ」
*
「・・・この森の奥深くに来るのは初めてだな」
「え、そうなの?」
「ああ、流石にこんなに深くまで来る事は仕事でもなかったしね」
「道解ってる人がいないと迷うだろうしね」
「ええ。はぐれないように気を付けてね」
「うん」
あれから暫くしてリア達は森の中へとやって来た
クラースがリアとアスラの同行者に指名したのはクレスとロアだった
アリート村の護衛にリッドとナナリーとクラース、もう一つの村にファラ、チェスター、アニーが護衛に付いた
リアは剣も魔術も回復も出来、相棒であるアスラとは綺麗な連携が取れる
その二人の護衛兼同行者としてロアとクレスが選ばれたのは、ロアの思いが通じた事と今のロアと綺麗に連携が取れるのは此処最近ずっと剣の稽古を一緒にしているクレスだからだった
「ところでその魔物を強くさせているものって一体どういうものなんだ?」
「過去に発見された物で言うなら、魔物の力を倍増する魔力が込められた機械とかがあったよ」
「じゃあこれから行く洞窟にもそれがあるって事?」
「まだ実物を見てないからなんとも言えないけど・・・。もし、同じ物が使われていたら、少しだけ力を抑える術を掛けて魔導士や専門家に任せるのが一番ね」
「見えたよ」
そう話しているうちに目的である洞窟が見えてきた
「本当に洞窟があったんだ・・・」
「この中に入るんだね」
「ええ。けど、此処からは用心しなくちゃね」
「うん」
この中には魔物の力を強くさせているものがある、つまりこの中にいる魔物は外の魔物と比べると更に凶暴化していていると言う事だった
クレスもロアもリアの言葉を聞き気を引き締めて頷き洞窟の中に入った
「・・・空気が変わった」
洞窟に入った途端、すっと空気が変わりそれにいち早く気付いたアスラの言葉にリア達は小さく頷き息を呑んだ
「この洞窟はそんなに広くないから目的の物は直ぐに見つかるはずよ」
「・・・行こう」
リアの言葉を聞きクレスとロアは前を見据えて頷いて歩き出した
「みんなの方に、魔物行ってないかな・・・」
歩き出して直ぐ、ロアはふと両村にいる仲間達の事を思った
「そうだね。此処までであまり魔物に出会っていないからね」
確かにこの洞窟に来る途中に魔物と出会った回数はそんなに多くはなかった
それも凶暴化した時に戦った時よりも少し力が落ちているようにも感じた
「今の所、魔物を凶暴化している物の力が落ち着いてるからあまり強く感じなかったのかもしれないわね・・・」
「だからどっちの村にも魔物は行っていないと思うよ。・・いるとしたら・・・」
言うとアスラは少しだけ目を細めて更に奥の暗闇を見据える
「・・・この先って事だね」
「ええ」
そう話していると徐々に光が見え始めリア達は其処へ向かっていく
「・・・見えた」
目映い光が放たれている所に着くと、中央に土台のようなものがありその上に光を放っている少し大型のクリスタルが浮いていた
「これが、魔物を強くさせているもの・・・・?」
「ええ・・・」
頷くとリアとアスラは少しだけそのクリスタルに近付いた
「・・・これ、前に見たやつと同じやつだね」
「なら解除は私達だけでなんとかなりそうね 「「!?」」
リアとアスラがそう言った途端、クリスタルから光が放たれ皆一斉に目を瞑った
「っ! 力が放出し始めてる!」
「みんな、気を付けて!」
途端そのクリスタルから魔物の力を強くさせる光が放出し始め、徐々に魔物の声や足音がこの場に近付いてきていた
「! 魔物が沢山!?」
「今ので一気に魔物が集まったんだ!」
光が消えようやく目を開けられる状態になりロアは目を開けると自分達の周りを囲むようにかなりの数の魔物がいた
そして皆自然と剣を抜き、構えていた
「ちょっと狭いから戦いづらいかもしれないけど、」
「倒さないと僕達の任務も達成出来ないからね」
「うん。けど、今ので魔物の力も上がってるから気を付けて」
「解った!」
各々確認を取り一斉に頷くと剣を構え一斉に駆け出し、目の前の魔物に向かって行った
「はあっっっ!!」
「瞬迅剣っ!!」
「秋沙雨!!」
リア達の前にはこの森付近で見られるウルフ、キラービー、ボア、そしてこの洞窟に住み着いているバットやオタオタなど多くの種類の魔物がいた
「虎牙破斬!」
「獅子戦吼!」
「エアプレッシャー!」
普段なら手こずる事なく倒せる魔物だが今は魔物を凶暴化させているクリスタルとそのクリスタルから発せられている光がある所為とこの狭い場所で戦っている為思うように戦えていなかった
「うわっ、また増えた!?」
「くっ、これじゃキリがない」
更に倒しても倒しても次々とその光に呼び寄せられるように魔物が増えてくる
「やっぱりあのクリスタルを先にどうにかするしかないわね。アスラ!」
アスラに合図を送るとアスラは直ぐさま風の力を操り魔物目掛けて放つと辺りは突風が吹き、周りの様子が見えなくなった
「クレス、ロア」
突風の中からリアの声が聞こえ二人はそこに目を向ける
「少しの間だけ時間を稼いで貰ってもいい?」
「え?」
「今ならこの風で魔物の視界は狭くなってるから、その隙に倒せるだけ倒して欲しいの」
「リアとアスラは?」
「ボク達はこのクリスタルの力を抑えるから。力が弱まったら二人でこのクリスタルを破壊して欲しいんだ」
「そんな事が可能なのかい?」
「前にこれと同じものを見た事があるから大丈夫」
「解った。リアとアスラを信じるよ」
「ああ、そっちは任せたよ」
各々の返事を聞き皆自然と微笑んでいた
「「「行くよ!」」」「行くぞっ!」
そして皆前を見据え一斉に声を発し、リアとアスラはクリスタルの力を押さえる為の作業を、ロアとクレスは魔物の方へと向かって行った
続く
あとがき
ほおぉ、やっと5話目出来上がった~!
前回から謎になっていた事にやっと辿り着きましたね~
まだ解決って訳でもないですが、此処の話しもちょっと佳境っぽい感じになってきましたね!
次回で遂にあのクリスタルの破壊となるかww
お楽しみにw(あんま本編の感想言ってないなwwι)
2012.06.19